★知的障害者でも24時間介護保障実現

★重度訪問介護の中の移動加算時間以外も外出可能に

★制度の変わり目の今が交渉のチャンス!

9月号
2006.9.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
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2006年9月号    目次

   

3・・・・重度訪問介護の中の移動加算時間以外も外出可能に
4・・・・重度訪問介護・居宅介護の詳細について
5・・・・8月24日課長会議資料の自立支援法Q&A
9・・・・各市町村で地域生活支援事業の移動支援の制度が確定
10・・・重度訪問介護ヘルパー研修を10月1日から実施可能の自治体
12・・・知的障害者に24時間介護保障が実現
27・・・年金と特障手当だけの貯金のない自立障害者は自己負担0に
30・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



重度訪問介護の中の移動加算時間以外も外出可能に

 重度訪問介護の利用者は、重度訪問介護の中の移動加算時間には拘束されず、重度訪問介護の支給決定時間は自由に外出できることが確定しました。
(ただし、2点の制約はあります。(1)通年かつ長期を除きます。(2)原則として1日の範囲内の外出に限ります。これらは市との交渉で例外を認めさせることは可能です。たとえば、24時間介護の必要な生活保護の最重度障害者が自立生活センターに職業研修として週5日通うことや、県外への2泊3日の福祉活動の研修会などへの移動介護の利用は従来から認めている市町村が多いです。)
 たとえば重度訪問介護で300時間(うち30時間は移動加算つき)の支給決定がある場合、50時間の外出をすることは可能です。30時間を越えて外出をする時間(20時間分)は、事業所は移動加算なしでサービス提供することになります。(ただし事業所が移動加算がつかない外出は受けてくれない可能性はあります)。
 重度訪問介護の24時間連続利用者や毎日8時間や16時間の利用者の場合、家の中にいても外に出ても、トイレや体位調整や食事介護など、受ける介護の内容は同じです。本来家の中で生活することを前提に介護プラン上介護を受けることになっている時間帯に、積極的に外に出て、社会参加することは、障害福祉制度の社会参加の推進の理念に沿っています。
 2002年度まで国内100自治体程度で実施されていた全身性障害者障害者介護人派遣事業では家の中も外も自由に使える制度であったため、生活保護利用の最重度障害者が研修会やCILなど障害者団体事務所などに数年間通い研修を受けるなどして、やがてCILなどで給与所得者になるというケースも多くあります。このような事例を各市町村に説明して、本来自宅にずっといると受けられる支給決定時間の範囲で、福祉公益活動の研修や職業訓練などの毎日の外出や1日を越える外出を認めるよう交渉することをお勧めします。



重度訪問介護・居宅介護の詳細について

重度訪問介護と身体介護の併用(別事業所利用の場合)

 朝はA事業所で1時間身体介護を利用し、夕方はB事業所で日常生活支援(重度訪問介護)5時間利用などの障害者の場合、今までは2種類の類型の支給決定が認められていました。複数団体の交渉の結果、10月以降も、今まで同様に別事業所であれば、身体介護と重度訪問介護を利用できることになりました。(8/24課長会議Q&A)

1時間の身体介護を1日3回以上使う場合に重度訪問介護にされてしまうのか?(3時間問題)

 重度訪問介護は「1日3時間以上を原則とする」と課長会議資料に書かれていることを理由に、多くの市町村が10月からの支給決定で、いままで1回1〜2時間の短時間の身体介護を1日に数回使っていた利用者(1日合計3時間以上)に対して、単価の非常に低い(家事援助より低い)重度訪問介護の支給決定をしてきています。これは市町村による制度の悪用ですので、各障害者団体で見つけ次第交渉してください。単価が低すぎるので、ほとんど全ての事業所がサービス提供できず、利用者が事業所を選べなくなるなど、重度の障害者にとって最悪の事態になります。
 こういった市町村の制度悪用の動きには、厚労省も問題を感じ、積極的に対応しています。自治体からの厚労省への問い合わせ電話にでは、「重度訪問介護は長時間サービスむけであり、短時間のサービスを何度も行うことは理念に反する」等の指導を行っています。

そのほか、各種問題は8月24日のQ&Aで回答がありました。次ページから掲載します。



8月24日課長会議資料の 障害者自立支援法関係Q&A(抜粋)

 

Q A
身体介護及び家事援助の報酬を算定するにあたっては、市町村が特に認める場合には3時間(家事援助は1.5時間)を超える部分につき、30分当たり70単位を算定することとされているが、市町村はどの段階で認め、どのような事務を行うのか。 支給決定時において一月当たりの支給量に加え、一回当たりの最大利用可能時間数を決定の上、受給者証に記載する。
居宅介護でヘルパーを2人派遣する対象となる者について、どのような方法で認めればよいか。 支給決定時においてヘルパーの2人派遣が必要であることについて承認した上、受給者証に記載する。
一の事業者が居宅介護を行動援護又は重度訪問介護と併せて実施する場合、人員基準はどうなるのか。 居宅介護、行動援護、重度訪問介護を合わせて常勤換算2.5人以上とする。
現在、居宅介護を1日に複数回算定する場合にあっては、算定する時間の間隔は概ね2時間以上とされ、同じ類型のサービスの間隔が2時間未満となった場合には、原則として前後を1回として算定することとされているが、10月以降も同様か。 貴見のとおり。ただし、別事業者の提供する居宅介護との間隔が2時間未満である場合には、これらを通算して1回と算定せず、事業者ごとにそれぞれ1回として算定する。
行動援護と居宅介護の併給は認められるということでよいか。 貴見のとおり。
行動援護についても現行の外出介護と同様、「経済活動に係る外出」や「通年かつ長期にわたる外出」は認められないと解してよいか。 貴見のとおり。
障害児が行動援護を利用する場合、障害者と同様、てんかんの頻度について、医師の意見書をとらなければいけないのか。 障害児の場合は、必ずしも医師の意見書をとる必要はなく、家族等からの申し出のみでよい。
重度訪問介護を1日に複数回実施した場合、どのように報酬算定するのか。 重度訪問介護については、複数回であっても1日分を通算して報酬算定する。ただし、サービス提供が別事業者であればそれぞれ別々に算定する。
重度訪問介護について、3時間未満の利用は可能か。 同一箇所に長時間滞在し、サービス提供を行う形態である重度訪問介護の支給決定は1日3時間以上を基本とするが、請求は3時間未満でも可能である。
重度訪問介護の移動介護加算に関して時間数を決定する場合、重度訪問介護全体の時間数の内数となるのか。 全体の時間数の内数となる。なお、1日に複数回移動した場合であっても1日分を通算して報酬算定するが、別事業者であればそれぞれ別々に算定する。
重度訪問介護については、現行の日常生活支援と同様、「見守り介護」についてもサービス内容として含まれているということでよいか。 重度訪問介護は、支援費制度の下で別々のサービスとして提供されてきた日常生活支援と外出介護を、重度の肢体不自由者であって常時介護を要する者に対して総合的に提供するものであり、現行の日常生活支援に外出時の介護を加えたサービスとなっている。したがって、「日常生活支援」の一部として提供されてきた「見守り介護」は「重度訪問介護」においてもサービス内容に含まれるものである。
重度訪問介護における移動についても、現行の外出介護と同様、「経済活動に係る外出」や「通年かつ長期にわたる外出」は認められないと解してよいか。 貴見のとおり。
重度訪問介護と居宅介護の併給は認められるか。 重度訪問介護とは、日常生活全般に常時の支援を要する重度の肢体不自由者に対して、身体介護、家事援助、見守り等の支援及び外出時における移動中の介護が比較的長時間にわたり、断続的に提供されるような支援をいう。
したがって、重度訪問介護については、従前の日常生活支援の取扱いと同様に、身体介護や家事援助等の援助が断続的に行われることを総合的に評価して設定しており、同一の事業者がこれに加えて身体介護及び家事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできないものである。
ただし、当該者にサービスを提供している事業所が利用者の希望する時間帯にサービスを提供することが困難である場合であって、他の事業者が身体介護等を提供する場合にあっては、この限りでない。
重度障害者等包括支援と他の障害福祉サービスとの併給は認められるか。 重度障害者等包括支援は、障害福祉サービスを包括的に提供するものであるので、他の障害福祉サービスとの併給はできない。
重度障害者等包括支援において訪問系サービスを利用する場合、ヘルパーを2人派遣することはできるか。 ヘルパーの2人派遣も可能。その場合、支給決定する際には2人介護として積算して支給量を決定する。
支給量の決定は一月単位となっているが、重度障害者等包括支援の支給決定プランを一週間単位で作成した場合、支給量はどのように算出すればよいのか。 市町村が作成する支給決定プランから一日分の平均単位を算定し、その値に当該月の暦の日数を乗じて算出する。
重度訪問介護従業者養成研修の基礎研修だけを修了した者が加算対象者に対してサービス提供した場合、通常の報酬算定となるのか。 基礎研修だけを修了した者は加算対象者に対してサービス提供することができない。(仮にサービス提供したとしても報酬算定できない。)
介護福祉士や居宅介護従業者養成研修修了者、日常生活支援従業者養成研修修了者についても重度訪問介護従業者養成研修の追加研修を受けなければ加算対象者に対してサービス提供できないのか。 ご質問の者については、追加研修を要しない。(追加研修の受講が必要となるのは、基礎研修のみを受講している者に限られる。)
重度訪問介護事業者が提供サービスを移動中の介護のみに特化することはできるか。 重度訪問介護は移動中の介護も含めて総合的に提供する必要があるので、移動中の介護のみに特化してサービス提供することはできない。また、移動中の介護を行わないこともできない。
重度訪問介護の移動中の介護を行う場合、ヘルパーに特別の資格要件が必要となるか。 通常の重度訪問介護従業者の要件で足りる。
重度訪問介護において、介護保険の訪問介護員養成研修修了者は、居宅介護従業者養成研修修了者と同じ取扱いとしてよいか。 貴見のとおり。
介護給付費の新規申請を受けたが、障害程度区分認定調査後に転出した場合どうなるのか。 次の手続により、障害程度区分を認定することを基本とする。
ア 転出元市町村は、支給申請を受け、認定調査済みであることを付記した障害 程度区分認定証明書を申請者に交付する。この場合、備考欄に「○月○日 認 定調査済み」と記すこととする。
イ サービス利用希望者は、転入先市町村に転入してから14日以内に、障害程 度区分認定証明書を添えて支給申請を行う。
ウ その後転出元市町村は、市町村審査会における判定まで行い、判定終了後、 あらためて、判定結果を記入した障害程度区分認定証明書を申請者に交付する。
エ 転入先市町村は、申請者から判定結果を記入した障害程度区分認定証明書の 提出を受けて、当該判定結果に基づき障害程度区分を認定する。
平成18年9月中に障害程度区分の認定を終えることが困難な者について、9月中に、障害者自立支援法附則第6条の規定に基づき、「障害の種類及び程度」を勘案して、10月1日以降に効力を生じる支給決定を行うこととして差し支えないか。また、その場合、障害者自立支援法施行規則第15条の規定の適用は受けないものと解するが如何か。 貴見のとおり。
ただし、本取扱いは、平成18年10月1日の制度施行までの間に、やむを得ない理由により、障害程度区分の認定が間に合わない者についてのみ認められる特例的な取扱いであるので、可及的速やかに認定審査を終え、「障害程度区分」に基づく本来の支給決定を行うよう努められたい。なお、この方法による支給決定を行うに当たっては、以下の点に留意されたい。
○ 市町村は、運用上、「障害の種類及び程度」のほか「一次判定の結果」や「現 在のサービス利用状況」等を勘案のうえ、相当する「障害程度区分」をみなし (「みなし区分」の認定)たうえで支給決定を行うこと。
○ その際、みなし区分とその後の実際の区分が必ずしも一致するものではない ことを、事前に利用者へ説明しておくこと。
○ 報酬については、みなし区分に応じた単価により支払うこととし、実際の区 分がみなし区分と異なる区分であっても、既に支払った報酬との差額の精算等 は必要ないこと。
○ 本来の障害程度区分の認定が終了し、当該区分等に基づいて行われた本来の 支給決定については、当該支給決定が行われた日の属する月の翌月から適用す ること。
○ 国庫負担基準については、みなし区分に基づく額を適用すること。


各市町村で地域生活支援事業の移動支援の制度が確定

 移動支援事業は10月から市町村の制度になり、各市町村で単価や支給決定方法、事業所との委託契約、ヘルパー資格などがばらばらになります。
 全国的には、今までの事業所に対して今までと同じ単価で委託を行う市町村が多いようです。一方、身体介護を伴う移動介護と身体介護を伴わない移動介護の単価を統一したり、単価を下げる市町村もあります。単価が下がると最重度の利用者ほどサービス提供を受けられないことが多くなります。交渉して最重度の単価は守りましょう。
 また、ヘルパー資格ですが、市町村ごとにばらばらで、主任ヘルパーが介護技術があると認めれば無資格でもよいとする市がある一方で、2級以上に限定する市もあります。自立支援給付の外出介護(通院専用)の制度では以下のような資格制度になっています。これを参考に対象が狭い市町村は交渉することをお勧めします。障害が重度であるほど、介護人材が確保できないと、サービスが受けられなくなります。自薦ヘルパーも使いにくくなります。

介護給付の外出介護の厚生労働省通知抜粋

5 従業者の要件について

  1.  介護福祉士
  2.  介護職員基礎研修修了者
  3.  居宅介護従業者養成研修1、2級課程修了者
  4.  居宅介護従業者養成研修3級課程修了者
  5.  支援費制度において身体介護、家事援助又は日常生活支援に係る業務に従事した経験を有する者
  6.  平成18年9月30日において、従来の視覚障害者外出介護従業者養成研修、全身性障害者外出介護従業者養成研修、知的障害者外出介護従業者養成研修を修了した者
  7.  従来の視覚障害者外出介護従業者養成研修、全身性障害者外出介護従業者養成研修、知的障害者外出介護従業者養成研修に相当する研修として都道府県知事が認める研修を修了した者

 



重度訪問介護ヘルパー研修を10月1日から実施可能の自治体の情報

 日常生活支援研修が9月で廃止され、新たに10月から重度訪問介護研修が始まります。しかし、各都道府県が新しい重度訪問介護研修の指定受付を迅速に行ってくれないと、重度訪問介護のヘルパー確保ができなくなり、全身性障害者のヘルパー利用者が非常に困ります。各都道府県は、10月1日からすぐに重度訪問介護研修が研修事業者によって行えるようにすべきです。
(1〜3級ヘルパーなどを求人しても、泊り込み介護や土日・同性介護者・重介護に対応できる体力や頭の柔らかさ・長時間介護で利用者に精神負担をかけない性格などのさまざまな条件を満たす人材の確保が不可能なため、人材確保が不可能です。このため無資格求人をして採用後2日間で日常生活支援研修を行う方法でしか介護の人材の確保ができません。OJT(オンジョブトレーニング)で障害者との関係を作りながら何ヶ月もかかって技術力を挙げていく方法で人材の水準を確保しています。)
 このような中、重度訪問介護研修の迅速実施についてCIL等の障害者団体と話し合いが行われていた関東のある自治体(都道府県)では、現状の日常生活支援研修事業者が変更届だけで重度訪問介護研修事業を行えることに決まりました。事業者は10月末日までに変更届を出せば、重度訪問介護研修を実施で き、10月中に実施する場合は、変更届をさかのぼって適用させます。
 これによって、10月1日・2日開催の研修も可能になりました。  厚生労働省の担当者に聞くと、10月1日から研修事業者が重度訪問介護研修を実施できるよう、都道府県が迅速対応することを期待しています。正式な告示が官報に載るのは9月28日ごろですが、告示案はすでに都道府県に送られています。研修事業者の指定は都道府県の事務であり、告示で示されるのは研修のカリキュラムの大まかな講義内容だけです。都道府県は講師の基準や指定申請の受付方法などを独自に決めて実施することが可能です。このため、厚生省としては、すでに各都道府県で準備がかなり進んでいると考えていたそうです。
 しかしながら、少なくない数の都道府県では、告示と解釈通知の両方が出てから検討を開始したいという状態です。
 厚労省は、重度訪問介護研修は日常生活支援研修の後継の研修であると位置づけており、研修時間数も合計20時間で同一です。すでに重度訪問介護に関する告示内容の事前情報は都道府県に示されており(官報での告示掲載は9月28日ごろの予定)、都道府県はこの告示(研修カリキュラムについてのみかかれている)だけをもって、研修要綱などを作ることが可能です。(10月以降に厚生省から出てくる研修の告示の解釈通知は、あくまで技術的助言であり、都道府県を拘束するものではありません)。
 他の道府県でも迅速対応が望まれます。

 各都道府県の障害者団体は都道府県と交渉しましょう。10月1日から実施可能になった都道府県の要綱案等がありますので、交渉に必要な場合は、介護保障協議会0037-80-4445までお問い合わせください。
(メールで要綱をお送りしますので  にも同時にメールをお送りください)

東海地方のB県でも10月1日から重度訪問介護ヘルパー研修を実施可能に

 東海地方のB県でも、障害者団体の交渉により、日常生活支援研修事業所は10月1日から重度訪問介護研修を変更届で行えることになりました。
 交渉では、関東の自治体の要綱を使いました。



知的障害者に24時間介護保障が実現

 関東のX市で、1人暮らしの重度知的障害者(自閉症)に24時間介護制度を市が認めました。今のところ6ヶ月の期間限定という建前ですが、今後の交渉で恒久化の可能性もあります。重複障害ではなく、知的障害のみの障害者で24時間の介護保障が実現したのは、全国で初になります。
 長年支援と交渉を行ってきたX市の障害者団体に経過を書いていただきました。

*記事本文は紙媒体の月刊誌だけに掲載しています。

注意 *介護制度が24時間保障になった市町村に直接問い合わせすることは絶対におやめください。制度改善のブレーキをかけることもあります。問い合わせは当会フリーダイヤル0037-80-4445へお願いします。他の市町村からの問い合わせにおいても、事前に地元の交渉団体から根回しが必要です。きわめて重要なルールですので、よろしくお願いします。



制度の変わり目の今が最大のチャンス ヘルパー時間数のアップに向けて交渉を

 制度の変わり目は交渉で大きく制度を伸ばすチャンスです。2003年の支援費制度開始時にも、多くの市町村で24時間介護保障や大幅なヘルパー制度のアップが実現しました。
 自立支援法でも、事情は同じです。ヘルパー制度も義務的経費になり、市町村行政の介護の公的責任も高まりました。
 2006年度以降は、自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となるため、1年中いつの新規自立でも、国庫補助がつきます。

 交渉は今から行えます。元々1人暮らししている方も、今から4月の時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった、障害状況が変わったなどの理由が必要) 交渉をしたい方、ご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉の先進地の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった実績が多くあります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。

 制度係0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時。

交渉のやり方ガイドブック 限定販売

ヘルパーの時間数アップの交渉をする障害者に限り販売します。 申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。(交渉を行う障害当事者かどうか、制度係から電話させていただいてからお送りします。) 500円+送料



国民年金障害基礎年金と特障手当だけの収入の貯金のない自立重度障害者は自己負担0に

自立支援法の生保減免で新運用

 最終的に生活保護を受けたくなくても、貯金がほとんどなく、生活保護基準以下の収入の障害者は、生保減免を申請すれば自立支援法の自己負担が0円になります。このほど9月13日のQ&Aで新しい方針が示されました。
 これにより、多くの1人暮らしの最重度障害者は自己負担が0円になる可能性があります。

 生保減免は本来、(1)障害者が生活保護課で生活保護を申請し、(2)自立支援法の自己負担を免除すれば生活保護にはならない場合、(3)生活保護課が生活保護申請の却下通知を出し、障害福祉課に減免があれば保護にならない旨を伝え、それを受けて障害福祉課で減免を行うという仕組みです。
 多くの1人暮らしの障害者は、上記の(2)の時点で全額免除しようが生活保護が受けられるため、自立支援法での生保減免ではなく、生活保護になる(自己負担0になる)という取り扱いとされていました。今回、このような場合でも、生活保護を受けたくない場合は、生保減免で自己負担を0にすることができるとされました。

   生活保護の基準額はアパートなどに1人暮らしする特別障害者手当受給の重度障害者の場合、現状のヘルパー制度が不足で他人介護加算がつく場合は、大都市部で月26万円台、国内最低地域でも月20万円台です。この基準額より月の収入(年金・国の特別障害者手当・仕送り・勤労給与の合計)が少ない場合は、生保減免を申請すれば、自己負担が0になります。貯金は月基準額の半額までは保有が認められます。生活保護には申請時に親類等からの扶養義務調査がありますが、新たに親類等からの仕送りが可能という申し出が得られても、収入に仕送り金額を加えても、生活保護基準額に達しなければ、生保が本来開始になりますので、自己負担0円になります。

 また、持ち家に住んでいる障害者の場合でも、生活保護は受けられます。生活保護を受ける際には、大きな家に住む場合には、通常の居住で必要とされないような部屋などは間貸しに出すことが求められますが、今回の措置であれば、こういう義務もありません。

   9月13日のQ&Aは次ページに掲載します。

参考
生活保護基準・18年度版 (1人暮らしの場合の月額)
(この額より収入が少なかったら生保開始になる基準)

・ヘルパー制度が必要なだけ出ており他人介護料の必要ない人は69720(他人介護料一般基準)を引いた額が生保基準になります。
・同様に持ち家の場合は住宅扶助はつきません。
・特別障害者手当受給者でない場合、原則重度障害者加算はつきません。

障害者自立支援法関係Q&A  (2006年9月13日分関係箇所抜粋)

質問の内容 現段階の考え方
@ 利用者負担の有無にかかわらず要保護状態である者が、敢えて生活保護の受給を希望せず、障害福祉サービスに関する減免により利用者負担額を免除されることを希望する場合、こうした取扱いが認められるか。 @ 障害福祉サービスの利用を希望する者であって、生活保護の申請を行った者が、負担上限月額を0円にしてもなお要保護である場合であっても、あくまでも本人に生活保護を受給する意思がないことが確認でき、自立支援法による減免のみを受けることを希望した場合には、利用者負担を免除して差し支えない。こうした取扱いを希望する者については、当面、生活保護への移行防止措置と同様に、生活保護の手続きを経て判定するものとする。 なお、当該取扱いは、本人に生活保護を受給する意思のないことが確認できる場合のみ例外的に認められるものであることに十分留意されたい。
@ 通院介助(身体介護を伴う場合)の対象者であるかど うかについて、障害児についてはどのように判断すればよいか。 @ 障害児に係る通院介助(身体介護を伴う場合)の対象者については、
 (1) 5領域10項目の調査を行った上で、
 (2) 障害者に係る通院介助(身体介護を伴う場合)の判断基準に準じ、
 (3) 日常生活において身体介護が必要な障害児であって、かつ、通院介助のサービス提供時において、「歩行」「移乗」「移動」「排尿」「排便」について介助が必要と想定されるかどうかによって、それぞれの実施主体が判断することとする。

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
名前 (所属団体等)
渡辺正直  (静岡市議)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。
 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。
 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。
 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。
 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。
 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。
 支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になります。
 全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになります。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。
47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行えば、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになります。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。(できれば各県に2〜3ヶ所あれば、よりいい)。 全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。(他薦ヘルパーでは時間数をのばすと、各自の障害や生活スタイルに合わず、いろんな規制で生活しにくくなるので、交渉して時間数をのばさない)
自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)
例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります) 自薦登録の受付けは各団体のほか、全国共通フリーダイヤルで広域協会でも受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。
自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。
 これにより、将来は3300市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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