月 刊

全国障害者介護制度情報

ホームページ:www.kaigo.npo.gr.jp

 

★介護保険のヘルパー利用限度額35万円に

 毎日3時間のヘルパー利用が可能に

 

★4月からのヘルパー時間数アップに向け交渉を

 

生活保護他人介護料の継続申請書類掲載

 

1月号

2000.1.31

編集:障害者自立生活・介護制度相談センター

情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会

〜99年9月3日に以下に移転しました〜

〒180−0022 東京都武蔵野市境2−2−18−302

発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文) (月〜金 11時〜17時)

        TEL・FAX 0120−870−222(フリーダイヤル)

        TEL・FAX 0077−2308−3493(フリーダイヤル)

        TEL・FAX 0037−80−4445

制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))

        TEL 0077−2329−8610(フリーダイヤル)

        TEL 0422−51−1566

電子メール: 

郵便

振込

口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675

 

 

2000年1月号 

目次

4・・・・全国各地の介護制度時間数の多い109市町村

5・・・・来年4月に向け自薦ヘルパーの時間数交渉を

6・・・・介護保険の月額限度額固まる ホームヘルプは月35万8300円

9・・・・介護保険在宅サービス費区分支給限度額等の諮問書(1月24日)

11・・・・居宅サービス費区分/短期入所サービス区分

12・・・・居宅支援サービス費区分(要支援)/福祉機器購入/住宅改造

15・・・・「訪問・通所系」などの区分け

16・・・・特定福祉用具購入

17・・・・住宅改修

18・・・・要介護5のモデル

19・・・団体財源Q&A 介護保険のヘルパー派遣事業で収入は?

22・・・介護保険の単価が出揃う(1月17日諮問・介護サービス単価)

25・・・12年度政府予算決まる

26・・・海外における障害者介助サービスモデルの研究(後編)

33・・・生活保護の介護料大臣承認(継続申請)提出書類の説明

今月号は、1月24日の厚生省審議会に諮問された介護保険の月額利用上限の資料を掲載するため、発行が遅れました。

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99年12月11〜12日の障害者政策研究全国集会では、自立支援分科会で専用別冊を作りました。ベンチレーター(人工呼吸器)の資料や知的障害者の自薦登録ヘルパー利用の自立支援(HANDS世田谷とグッドライフ)の資料、海外の介護制度とその運動の歴史の資料、全国の介護制度一覧などを掲載しました。

当会が自立支援分科会の事務局を受け持っていますので、分科会専用別冊を御注文の方は、当会発送係TEL/FAX0037−80−4445まで御注文下さい。

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 介護制度はできたけど・・・「介護者との関係がうまく行かない」、「障害者仲間との意思疎通がうまくいかなくて、団体の設立ができない」「仲間の全身性障害者を施設や親元から自立させたいので自立生活プログラムを実施したい」という方も増えてきました。

 当会では、これらの方が関係情報を簡単に入手できるように以下の資料を直接取扱を始めました。ぜひご注文下さい。

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全国各地の介護制度交渉が行われている地域のうち、時間数の多い109市町村(東京都特別区含む) 2000年1月現在

地域・市の名前

自薦可能のヘルパー・ガイドヘルパー・全身性障害者介護人派遣事業・生活保護大臣承認介護料(毎日4時間)の合計時間数

東京都内の17市区

24時間

・1日当たり時間数

・一人暮らしの24時間要介護の障害者に対する時間数

・1日8間以上の市町村のみ掲載

 

*問い合わせは全国障害者介護保障協議会・制度係(0037−80−4445)へ。くわしい説明ができます。各市への直接問い合わせはさけて下さい。行政交渉でこれらの市に問い合わせを自分の市の職員からしてもらう必要のある場合は、事前に根回ししますので、必ず上記制度係まで連絡ください。地元の団体の要望で、問い合わせをしてはいけない市もあります。

 

*左記の市のうち多くは、地元の単身全身性障害者(たいてい1〜2名)が当会と情報交換をしつつ市と話し合いを行って制度を作った市です。

 

*各自治体の3つの制度の詳しい資料は、全国障害者介護保障協議会の販売資料集1〜3巻に掲載しています。注文はTEL・FAX0120−870−222へ。

松山市

24時間

高松市

24時間

熊本市

21時間

金額面で24時間保障

鹿児島市

15時間

浦和市

15時間弱

新潟市

14時間

埼玉県新座市

14時間

大阪府茨木市

14時間弱

静岡市

13時間

兵庫県宝塚市

13時間

東京都の残り46市区町村

12時間以上

12〜20時間までいろいろ

福島市

12時間以上

12時間+ガイドヘルパー

高知県土佐市

12時間以上

12時間+ガイドヘルパー

札幌市

12時間弱

神戸市

12時間弱

大阪府大東市

11時間

山陰のY市

10時間

神奈川県横須賀市

10時間

金沢市

10時間

大阪府豊中市

10時間

千葉県柏市

10時間弱

千葉県市川市

10時間弱

岡山市

9.7時間

北関東のU市

9.7時間

大阪市

9時間

川崎市

9時間

静岡県清水市

8.5時間

広島市

8.1時間

兵庫県内の5市

8時間以上

8時間+ガイドヘルパー

埼玉県の8市

8時間

宮城県名取市

8時間

宮城県大和町

8時間

山梨県韮崎市

8時間

滋賀県の3市

8時間

兵庫県加古川市

8時間

109市の人口を合わせると、3176万人になり日本の人口の4分の1強になります

 

 

来年4月に向け自薦ヘルパーの時間数交渉を

 自薦のヘルパーの交渉(や委託先との話合い)は、1年中できますので、新規事業の交渉時期(4〜6月)が過ぎましたら、自薦ヘルパーの交渉を進めてください。

 ただし、補正予算・補正補助金の締切りは9月末ですので、それを過ぎると、3月までの大幅な時間数アップは交渉できません。(例えば、12月に交渉して「来月から時間数アップせよ」というのは無理。)

 しかし、9月以降の交渉でも、「4月からの時間数アップ」の交渉は可能です。これは、今年度の9〜10月に、来年度(4月からの)予算の概算要求を行ってはいるものの、ヘルパー予算の増える部分を、誰に使っていくかは、これから障害福祉課の内部で決めていくことだからです。例えば、来年度(4月から)は国の障害ヘルパー予算ベースで29%アップとなります。各自治体もこの程度は障害ヘルパーがアップします。このアップ分の予算を、全利用者に少しずつ増やす方向で使っていくのか、それとも、「命の危機のある単身の最重度の利用者」に、まず使っていくのかは、交渉でどれだけ(自分の大変な介護実態を)説明するかにかかっています。

 なお、4月以降のヘルパー予算分は、来年の9月補正などであとから動かすことも可能です。

 交渉方法がわからない方は、制度係にお電話下さい。(まだ自薦化ができていない地域は、まず別冊資料集1巻「自薦ヘルパー」をお読みいただいて、自薦化の話し合いが必要です)。

自薦登録ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の交渉をあなたの市でも始めませんか?

 (実例)東京以外の24時間介護保障の地域は、すべて当会と連絡をとりつつ交渉した地域です。12時間以上の介護保障の地域のほとんども同じです。

交渉をしたい方、ご連絡ください。厚生省の情報、交渉の先進地の制度の情報、ノウハウ情報、など、さまざまな実績のある情報があります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。

 当会制度係0077−2329−8610(通話料無料)11時〜23時。土日もOK。午後5時以降は携帯電話への転送で対応しますので、9回以上コールしてください。夜間は、すぐに出ない時は、時間をおいてかけてください。又、昼間も制度係担当者が、他市のCIL事務所などにいる場合が多いので、その場合、ご連絡先を聞いて、制度係担当者からおかけ直しすることになっています。すぐにかけられない場合は夜おかけしますので、自宅の番号もお伝え下さい。お気軽におかけ下さい。

 定期的にご連絡いただければ、短期間で、効率的な交渉ができます。

 

 

 

厚生省、介護保険の月額限度額固まる

ホームヘルプは月35万8300円まで利用可能に

 

 厚生省は1月24日、介護保険で利用者が使うことのできる在宅介護サービスの上限額をまとめ、医療保険福祉審議会に諮問しました。審議会は1月28日にも、ほぼ諮問案に沿って答申します。(諮問内容は次々ページからに掲載)

 

厚生省、方針転換、月額利用限度額のほぼ全額を

「訪問・通所系」(ホームヘルプなど)に利用可能に

 今回、大きな方針転換が行われたのは、月額利用限度額(当初は「要介護5」で月36万円〜39万円とされていた)のうち、ほぼ全額(「要介護5」で月35万8300円)を「訪問・通所系」(ホームヘルプなど)に利用できることになったことです。

 98年までの当会などと厚生省介護保険準備室の話し合いでは、「訪問・通所系」は全体の「2分の1」から「3分の2」に制限されるという方針でした。(99年秋頃から、介護保険準備室と障害福祉課の介護保険引き下がり問題の話し合いで、「全額利用可能」との介護保険準備室担当者の話があり、当会が準備室に問い合わせると、課内の話であるが、そういう話はある、反対意見もある。という話でした。当会ではこの案が外部の影響でつぶれないように、公表を控えていました)。

 

ヘルパー利用時間数上限は「毎日3時間弱」

 これまで「訪問・通所系」は全体の限度額の「2分の1」から「3分の2」という情報に基づいて算定していたため、当会の資料集等では、介護保険のヘルパー利用限度額は、(月36万円の「3分の2」の)月24万円をもとに計算しており、30日×8000円で、毎日2時間が上限としていました。(介護保険では、介護型ヘルパーの平日昼間の2時間は8030円)。

 今後は、介護保険での「要介護度5」のヘルパー利用時間数上限は「毎日3時間」(弱)という事になります。(ただし、深夜帯(1時間6030円)に利用すると、毎日2時間になります)。

 

 

この方針転換で障害者への影響は?

 

介護保険ヘルパーを利用したくない方には悪影響に

 現在自薦のヘルパーを利用している方は、「介護保険に入ると、自薦のできない指定事業者から他薦のヘルパーを派遣される」と、危機感を感じている方もいると思います。しかも、介護保険のヘルパーは、1〜3級ヘルパーでなくてはなりません。現在の自薦ヘルパーを使いつづけたいという方は、介護保険のヘルパーに使える金額(時間数)を減らす必要があります。介護保険では、ヘルパー以外の利用を増やせば、ヘルパー時間数は減ることになります。例えば、住宅改造(月20万円まで。ただし軽微な改造のみで基本的に1回のみ)や、福祉機器の購入(月10万円まで。品目は決められている。リフト釣り具や浴室のすのこなど)や、訪問看護を多く利用し、ヘルパー利用も深夜帯(単価1.5倍)に使うなどすれば、介護保険のヘルパー利用時間数は減らすことができ、今までの障害の自薦ヘルパーを多く残すことができます。

 

介護保険に参入する障害者団体などには、大きな収入に

 しかし、上記のような方も、以下のようにすれば、自薦ヘルパーを利用し続けることができます。介護保険では、実績がなくてもホームヘルパーの派遣を行う指定事業者になることができます。今までよりは各段に参入しやすくなっており、自薦のヘルパー3人に、2〜3級研修を受けてもらい、事務所にする民家の1室(自宅でも介護者の家でもよい)に机を置き、電話を引けば、後は書類さえそろえば、県の指定(や市の基準該当サービス指定)を受けることが可能です。(詳しくは今月号の後のページで解説)。

 自分で経営しながら利用者になるのですから、今までの自薦のヘルパーを自分に派遣することができます。しかも、(要介護5の場合)自分1人にヘルパー派遣するだけで、月26万円(注1)の事業所の収入が約束されています。

 面倒な書類書きや経費は、この収入で人(部下)を雇って任せることができます。ヘルパー研修の受講料(すぐに参加できる民間会社の通信制などでは5〜10万円)も、この収入を見越して出すことのできる額です。今、お金がまったくない方も、「半年後に働いた分だけボーナスを出す」という約束で、指定の手続きを進めることも可能です。

 

(注1:月35万8300円全額を深夜帯(昼間単価の1.5倍)の介護ヘルパー(1時間6030円)で利用した場合、月59時間の利用が可能で、介護者には1500円/時、事務所には1時間あたり4530円が入ります。4530円×59時間=月26万7270円の収入ができます。*なお3級ヘルパーの場合、1時間単価が5%ダウンのため、26万2136円になります。同様に、要介護3の場合は月20万円弱になります。)

 このような介護保険の指定事業者を、障害者1人と介護者で共同して作る場合には、申請書の見本提供や人事管理のノウハウなどで協力いたしますので、ぜひ当会の制度係0077−2329−8610に御連絡下さい。

 

介護派遣を行っている全身性障害者の団体もぜひ参入を

 もう少し余裕のある障害者団体は、介護保険参入を検討してみてください。介護保険の指定事業者は、市町村域を超えて派遣ができますから、自薦のヘルパーなら、各県に1箇所くらい障害者団体の指定事業者があれば、介護保険でも自薦ヘルパーを(ヘルパー3級を取れば)全国で利用可能になります。

 利用者も、40〜64歳の特定15疾患の障害者などに、介護型に限って受けることも可能と考えられています。利用者が5人いれば年間1500万円(生活支援事業)の収入になることもあります。(実際は、要介護5の障害者だけではなく、ヘルパー利用も昼間時間帯もありえるので、平均で1人受けて年200万円、7〜8人受けて1500万円の収入と考えてください)。

例えば・・

・「市町村障害者生活支援事業の交渉をしているが、なかなか委託は受けられない、実は介護派遣の方が自分のところでは得意だ」という団体はぜひ検討してみてください。

・「障害者サービス組織を作って介護派遣は十分できているが、財源がなくて事務所を借りることができない」という団体なども検討してみてください。

 

20003年からは障害ヘルパーも指定制度になります

 2003年からは障害者のヘルパーも、委託から指定制度になり、自由参入できる様になります。介護保険の指定事業者はそのモデルになります。2003年からの指定を目指している団体は、なるべく早く介護保険の指定も受けておくことをお勧めします。

次ページから、1月24日の諮問書を掲載します。

始めの3ページが諮問書で、その後は諮問の添付書類(抜粋して掲載)です。

こちらからリンク画像のため、時間がかかります。SHIFT+クリックを推薦。)

 

 

団体財源Q&A

介護保険のヘルパー派遣事業でどのくらいの収入があるか?

利用者3人で月60万円程度の事務所収入に

Q.介護派遣を行う障害者団体ですが、団体財源がありません。

 長時間介護を使って自立生活をしている全身性障害者が運営する団体です。介護の必要な障害者の施設や親元からの自立支援や介護派遣サービスを行っています。これから利用者を拡大していこうと考えています。

 しかし、団体の財源がほとんどなく、まだ事務所もありません。介護サービスの時間数もかなりのものなのですが、何か、事務所家賃や職員人件費の財源になるいい制度はないでしょうか。

A.介護保険のホームヘルプ指定事業者を検討しては

 介護保険の事業指定を受けて、40〜64歳の障害者の介護保険対象者に介護派遣を行ってみてはいかがでしょうか。要介護度5の障害者なら1人利用者がいれば、月々20万円以上の事務所経費収入になります。利用者2人で月40万円、3人に増えれば、月60万円になります。(月32万円を介護ヘルパー(月80時間)に使う利用者の例で計算。ヘルパー時給1500円とすると、利用者1人あたり月80時間の介護ヘルパー人件費は1ヶ月=12万円で、残りの20万円が事業者の事務所の職員経費や事業経費になる)。

 介護保険の事業者になる方法ですが、自分が常勤の責任者になり、2級常勤ヘルパー1人と、3級常勤ヘルパー1人と、週の半分以上働く3級非常勤ヘルパーをそろえ、民家の4帖半でいいので1部屋(事務所にする)があれば、後は書類を正しく書けば、指定は受けられます。なお、NPO法人格もとってください。(当会相談員が運営している東京の自立生活センターも介護保険ヘルパー事業者の指定を取りましたので、申請書類見本はそろっています。当事者団体にはコピーをお送りできますので御相談下さい。)

大きな事務所を借りる場合(解決方法の一例)

 指定事業者になって、事業開始の翌月(またはその翌月)から収入がありますので、大きな事務所の賃貸を行うのであれば、それからでも遅くはありません。ただし、介護保険の指定事業は独立した部屋で独立採算で行うことになっていますので、介護保険以外の(障害者に対する介護派遣などの)事業を行う場合は、2部屋に事務所を仕切る必要があります。介護保険指定事業の部屋は大きめにして、コピー・印刷機、会議室、車椅子トイレや台所を備えておきます。事業収入が十分にあるので払えます。もう一方の部屋は、(介護保険事業者になるNPO法人とは別の任意団体にしておき)、事務スペースだけにします。自己財源で家賃を支払います。

人件費はこう解決(一例)

 両方の団体の代表と事務局長など、役員は同じ人がなり、その他の事務スタッフも両方の団体の事務を行うようにし、任意団体の方は無給で行うことにすれば、問題が解決します。

 2003年には障害ヘルパーも指定制度になりますので、それまでのつなぎ体制となります。

2〜3級研修の受講

 3人のヘルパー研修受講者をそろえるために、団体で介護者に受講費や時給を出して、受講してもらうなり、研修修了者を求人広告するなりで3人確保してください。

(障害者団体で働く前に一般のヘルパー研修を受けた介護者は、面接と初期教育には十分時間をかけることが必要です)。

 最近は、民間企業が多数ヘルパー研修に参入しており、2級の通信講座もあります。

 

介護保険のヘルパー事業者の種類

 なお、ここまでの説明の指定事業者の1ランク下に、基準該当サービスという事業者もあります。基準該当は(1月現在)まだ詳細が決まっていません。

指定事業者

基準該当サービス

ヘルパー数

常勤換算で2.5人以上

(2級が1人、あとは3級で可)

3級の非常勤が3人以上

事務所

独立した部屋(面積基準なしなので、民家の4帖半でもOK)

他団体と同じ部屋(相部屋)でもよい

指定は

都道府県が指定を行う

市町村が指定を行う

派遣できる範囲

ヘルパーの通える範囲で、隣の市や、隣の県でもOK

指定された1市町村内

入金方法

都道府県健保連から

利用者から直接(償還払い)

市町村格差は

全国で同じ基準

市町村によっては基準該当サービスの募集を行わないこともある

法人格は

NPO法人など法人格が必要

法人格不用

Q.介護保険の対象になる障害者が団体に1人います。

 私たちの障害者団体には自薦ヘルパーを利用している介護保険の対象になる要介護度3の障害者が1人います。介護保険ヘルパーになると、自薦ができなくなると困ります。自分たちで事業者になり今までの自薦ヘルパーを派遣できる方法があると聞きましたが?

A.ホームヘルプを行う事業者になることをお勧めします。

 事業者になれば、年間240万円が確実に入ります。(要介護度3の人が1人いれば、月20万円は事務費用として必ず収入がある)。この収入が約束されているため、借金をしてでも、事務所理を行う職員を雇用して事業者になることを進めます。

 市の範囲内でのみサービスを行える「基準該当サービス」ならば、3級ヘルパーが非常勤で3人いれば、指定を受けられます。

 介護保険の対象になる障害者の介護をしている介護者1人と、団体の他の障害者の介護者2人(合計3人)に3級研修を受講してもらってください。その費用や研修受講時の時給は団体で支払います。また、研修の内容が当事者主体の介助方法・思想とはあい入れない部分もありますので、事前にレクチャーを十分団体で行ってから受講させてください。

 指定を受けるための事務を行う非常勤の事務職員も雇ってください。4ヶ月間、週2日程度の職員が必要です。

 いずれの費用も、団体で債権を発行するなどして、関係者から1人10万円ずつ借りて1年半後に返す方法があります。

 事務職員や研修時の時給は、(職員がこのプロジェクトに主体的に協力してくれるということでしたら)、団体に収入があってから、後から必ず支払いますという約束にする方法もあります。

Q.介護保険で住宅改造したいが・・

A.住宅改造費は月20万円を上限として利用可能です。住宅改造は17ページの資料

のような範囲で行えます。ちなみに風呂の「すのこ」などは、福祉機器購入費に入り、月10万円までとなります(16ページを参照下さい)。

 

 

 

 

介護保険の単価が出揃う

 厚生省は、1月17日、医療保険福祉審議会に介護保険の各サービスの単価を諮問しました。身体介護と家事援助が同程度(折吏型)の部分は、民間営利法人の事業者から異論噴出のため、少々答申が遅れる事も予想されますが、その他の部分は、1月末〜2月始めに、ほぼこのまま答申されると予想されます。

 すでに示されていた仮単価から大きく変化はなく、ホームヘルプに折吏型が新設されたこと以外は、目新しい点はありません。

 注目の3級ヘルパーの減額ですが、5%減額で決定しました。例えば、昼間介護1時間が1〜2級ヘルパーで4020円のところ、3級ヘルパーは3819円になります。しかし、長時間のヘルパー当会護制度利用中の障害者の場合は、介護保険で足りない部分は障害の介護制度を利用できるので、単価の違いはあまり意味を持ちません。 

 

主な介護サービスの単価

(単位:円、▼仮単価より引き下げ、△引き上げ、−変わらず、◎新設)

【在宅介護】

@ホームヘルパー訪問(訪問介護) ※

・身体介護

30分未満             2,100 −

30分以上1時間未満 4,020 −

1時間以上1時間半未満 5,840 −

1時間半以上(30分ごと) 2,190 −

・家事援助

30分以上1時間未満 1,530 −

1時間以上1時間半未満 2,220 −

1時間半以上(30分ごと) 830 −

・身体介護と家事援助が同程度(折吏型)

30分以上1時間未満 2,780 ◎

1時間半以上(30分ごと) 1,510 ◎

早朝・夜間に25%、深夜に50%加算

3級ヘルパーによる訪問介護5%減額

離島などで15%加算

都市部では1.2−7.2%割り増し

 

 

 

A訪問入浴介護※ 12,500 −

離島などで15%加算

都市部では1.2−7.2%割り増し

B看護婦などの訪問(訪問看護) ※

・医療機関から

30分未満         3,430 −

30分以上1時間未満 5,500 −

1時間以上1時間半未満 8,450 −

・訪問看護ステーションから

30分未満         4,250 −

30分以上1時間未満 8,300 −

1時間以上1時間半未満 11,980 ▼

早朝・夜間に25%、深夜に50%加算

離島などで15%加算

都市部では1.2−7.2%割り増し

 

 

C訪問リハビリ    1日当たり 5,500 −

都市部では1.2−7.2%割り増し

D特別養護老人ホームへの通所(デイサービス)

(要介護1、2の場合)

3時間以上4時間未満 3,310 ▼

4時間以上6時間未満 4,730 ▼

6時間以上8時間未満 6,620 △

都市部では1.2−7.2%割り増し

通所介護・リハビリは390円、送迎各440円、入浴390−600円を加算

E老人保健施設のリハビリ施設への通所(デイサービス)

(要介護1、2の場合)

3時間以上4時間未満 3,790 ▼

4時間以上6時間未満 5,420 ▼

6時間以上8時間未満 7,580 △

都市部では1.2−7.2%割り増し

通所介護・リハビリは390円、送迎各440円、入浴390−600円を加算

F特別養護老人ホームへの短期入所(ショートステイ)

要支援        1日当たり 9,140 △

要介護1 9,420 ▼

〃 2 9,870 ▼

〃 3 10,310 ▼

〃 4 10,760 ▼

〃 5 11,200 ▼

都市部では1.2−7.2%割り増し

 

 

 

 

 

G介護サービス計画作成(ケアプラン作成)

要支援 1カ月当たり 6,500 −

要介護1、2 7,200 −

〃 3−5 8,400 −

離島などで15%加算

都市部では1.2−7.2%割り増し

 

 

(単位:円、▼仮単価より引き下げ、△引き上げ、−変わらず、◎新設)

【施設介護】

@特別養護老人ホーム(新規入所者)

要介護1 1日当たり 7,960 ▼

〃 2 8,410 ▼

〃 3 8,850 ▼

〃 4 9,300 ▼

〃 5 9,740 ▼

都市部では1.2−7.2%割り増し

施設介護は食事1日2120円を加算。施設の看護・介護職員の人員配置で異なる

 

 

A老人保健施設

要介護1 1日当たり 8,800 ▼

〃 2 9,300 ▼

〃 3 9,800 ▼

〃 4 10,300 ▼

〃 5 10,800 ▼

都市部では1.2−7.2%割り増し

施設介護は食事1日2120円を加算。施設の看護・介護職員の人員配置で異なる

 

 

B療養型病床群

要介護1 1日当たり 11,260 ▼

〃 2 11,700 ▼

〃 3 12,130 ▼

〃 4 12,560 ▼

〃 5 12,990 −

都市部では1.2−7.2%割り増し

施設介護は食事1日2120円を加算。施設の看護・介護職員の人員配置で異なる

 

 

12年度政府予算決まる

障害ホームヘルパー

 11年度 134億1400万円が、12年度 177億3000万円に

 知的障害者のヘルパー(軽度への)拡大も決定

市町村障害者生活支援事業

 11年度 10億7500万円が、12年度 13億8300万円に

生活保護

 他人介護料知事承認 月10万8000円が、月10万8300円に

 

 

 

 

 

交渉団体会員(正会員にあたる)募集

 介護保障協議会の正会員にあたる、団体会員(交渉団体会員)を募集しています。

 (自立生活している全身性障害者が1人以上いる団体・個人に限ります。)

 年会費は(月刊誌の送付先)3個所まで年6000円です。相談会員と同じサービス(月刊誌送付とフリーダイヤルでの相談利用可能)を複数の方に提供いたします。(3人以上は1人追加ごと+年2000円)

 会員の義務は特にありません。2年ごとの常任委員会選挙で投票をしていただきます。

 当会の厚生省交渉の方針や会の運営方針を「各自治体と介護制度の交渉をしている団体や個人」に決めていただくための会員システムです。交渉団体会員専用の情報誌も後々計画していますので、交渉を行っている方はぜひ御連絡下さい。専用用紙がありますのでお送りします。詳しいことを説明します。 (交渉を行っている団体かどうか等、常任委員会での入会審査あり)  入会用紙請求は TEL/FAX0120−870−222 発送係まで。

不況対策の新規事業助成金のご利用を支援します

 政府の不況対策の施策で、新規事業に対する助成金が作られています。2000年度予算でも99年度に比べ、3倍増になっています。政府の60万人雇用創出計画のうち、この助成金で6万人を雇用する計画です(1箇所6人として1万事業所に助成。助成金は99年1月から始まって、5月に1500事業所が計画認定済み)。この助成金は、法人格は不要です。民間財団の助成等とは違いますので、実態があって書類を正しく出せば、100%助成決定となります。

介護サービス事業者も助成対象 700万円程度の助成金受給が可能

 当会では介護サービス事業等を行う事業者向けの申請の書類の雛型など、全手続の書類を用意しました。助成を受けたい方には、完全に助成を受けられるまでのコンサルティングサービスを提供できますので、まずはお問い合わせ下さい。

TEL0077−2329−8610制度係まで(11時〜23時)。

 

 

 

 

 

(政策研自立支援分科会専用別冊より抜粋転載。全文は自立支援分科会専用別冊(1000円)に掲載されています。今月号2ページの広告をご覧下さい。)

先月に続き、今月号では、スウェーデンの記事の後半を掲載します。

 

海外における障害者介助サービスモデルの研究

−イギリス、カナダ、スウェーデンのモデルを中心に−

ヒューマンケア協会 研究員

鄭 鍾 和(チョン ヂョン ハ)

(6)STIL(協同組合方式)による解決

 誰か他の人に介助者の募集や訓練、スケジュールの作成、介助者の監督などの責任を代わってほしければ、介助利用者は地方自治体や民間企業からサービスを買うことができる。しかし、直接給付の可能性を十分に活かして、自分特有のライフスタイルや関心、希望に合わせた介助にしたい人は、自分で介助者を雇うか、組合に加入することを望むだろう。どちらの場合でも、介助利用者は介助者を探し、訓練し、監督する責任は負うが、違いは前者では利用者自身が介助者の雇用主であり監督者でもあるのに対し、協同組合に加入した者は雇用主としての機能を組合に委譲し、監督だけすることになる。雇用主がスウェーデンでは多くの法的責任を負い、金銭面のリスクに直面しかねないことを考えると、利用者自立生活協同組合方式という解決策は、ペーパーワークや法的・金銭的リスクを背負わずにサービスを運用できるというメリットがある。

(7)STILの事務管理機能

 STILでは、組合が組合員の個別の介助ニーズを評価する力を持つことまで望んだことはない。州から予算をもらい、看護職員を通じて会員に配分するが、その看護職員は、個々の会員がどれだけ介助時間を必要とするかを公式に決定する責務を引き受けている。なぜなら、STILには会員の弁護者であり続けてほしいし、半政府的な機関にはなってほしくないからである。組合員が社会保険基金のニーズ評価に満足しない場合、STILはアドボカシー・トレーニング(権利主張の訓練)やピア・サポート・プログラムを通じ、同様に必要ならば法律の専門家の支援も提供するなどして、組合員を援助する。

 組合員は、社会保険基金に対し、毎月の給付を直接、STIL内のサブ口座に送金するよう要請できる。組合員は毎月、消費した介助時間数と、向こう6カ月間の未消化の時間数の詳細な明細をSTILから受け取り、これを利用して介助時間の予定を組む。また、組合員は自分のサブ口座をチェックし、介助者が付き添う場合の航空運賃や食事代あるいは新しく介助者を募集する際の新聞に出す広告代金など、介助者管理の経費にどれだけお金が使えるかを見ることができる。つまり、@毎月、介助者の税金を源泉徴収し、納税すること、A年末に、介助料と税金の額を報告すること、Bプロバイダーと介助者組合との、介助料その他手当についての既存の契約を順守すること、C介助者の肉体的・精神的労働条件を規制する多数の法律を順守することなどである。

 STILが提供する唯一の援助は、介助者を見つけたり、雇い続けることについての介助者募集のプロセスでの支援、広告から契約を結ぶところまでの訓練やピア・サポートである。そのうえ、STILの事務所で応募者個人の職歴や、仕事の希望について質問に答えたデータベースの資料提供などの情報提供である。

(8)STIL仕組みにおける当事者代表制

 組合の定款により、個人介助のニーズを持たない者は組合員になることも、STILの理事に立候補することもできない。スウェーデンの多くの障害者団体で非障害者が多数を占めたり、理事になり、あるいは理事長に立候補できるために起きる様々な問題を事前に回避するための事前措置である

(9)サービス(情報提供)

 STILは多数のサービスを提供している。たとえば、障害者やその親戚、政府の機関、他の障害者団体、そして広く一般にも、自立生活や個人介助について、また、利用者組合方式についても情報を提供している。こうした問題を扱うSTILETTENという雑誌を発行したり、インターネットのホームページも持っている。また、個人介助やピア・サポート、障害者の権利、差別法などを主題に、国内外でイベントや会議、ワークショップなども開催もしている。また、ENIL(ヨーロッパ自立生活ネットワーク)や自立生活スウェーデン(スウェーデン自立生活連合)に加盟しているおり、EUが支援する障害者プログラムを通じて、他の国で同じ領域で活動している団体と常時連携をとっている。

(10)訓練及びピア・サポート

 STILは定期的に講座を開いているが、中でも将来の組合員を対象の講座がある。

これは夕方行われる連続講座で、介助利用者なら誰でも受講できる。この講座の受講が組合員になる条件の一つになっている。STILは雇用主としての典型的な機能の多くを個々の組合員に任せているので、組合員にその責任を果たす用意ができていることさえ確認すればいい。用意ができていないと、他の組合員が困るし、STILの評判も、実のところ障害者は有能で責任能力もあるというイメージそのものが破壊されかねない。

講座では、講義やケース・スタディ、ロールプレイングを通じて、自分の介助ニーズをどう評価するか、また社会保険事務所でケースワーカー相手に行う介助ニーズについての交渉にどう臨むかを組合員に教える。個人介助を利用して自分の人生の目標をどう達成するか、また毎日の生活を自分で管理する道具として個人介助がいかに有効かを教える。

 講座で一番力を入れる部分は介助者の監督で、新聞に出す広告の文面の作り方から始まって面接の仕方、契約の仕方やスケジュールの組み方、介助者に最高の仕事をさせるための教え方、動機づけや訓練方法まで及ぶ。重要なのは介助利用者が自由に使えなければならない法律や規則である。スウェーデン全土に組合員がいるので、マニュアルを作り、ストックホルムに来られない人にもインターネットを通じて講座を提供している。

ピア・サポートは、組合員・非組合員に関わらず、障害者に対してグループ・セッションの形で一年中、行っている。また、個人セッションは事務所が開いている時間なら、受けられる。ピア・サポートのスタッフは個人介助の利用者の経験が長く、しかも何らかの訓練を受けた人である。さらにテーマ別に常設グループを組んでいて、たとえば女性、若年者、障害を持つ親、介助活動をしている親戚、現に仕事中の介助者、あるいは旅行についてのグループがある。

 

(11)STILの副産物

 個人介助法が94年に施行されて以後、スティルから学び、講座を受講した上で一部の人が個人的に、新法に基づき直接給付を受ける人々に対して個人介助を提供するビジネスを始めた。だが、これまでに大金持ちになった者はごく僅かしかいない。現在、小規模な組合が多数ある。そのほとんどが、自立生活運動の一員と公言しないまま、STILモデルに似た方式を採用している。スウェーデン自立生活運動に公式に所属するのは現在、6団体である。

 全部合わせると組合員は約800名で、スウェーデンで直接給付の対象となっている介助時間総数のほぼ10%に相当する。

 1998年以降、「自立生活スウェーデン」という、国に助成を受けた組織で、直接給付に関するパイロット・プロジェクトや公開討論を通じて自立生活の哲学を浸透させる仕事を行っている。特に主張したいのは、障害を理由とした差別を禁止するような、憲法修正を含む差別禁止法の制定である。

 STILは個人介助の利用者によって設計され、設立され、今でも他の障害者と一緒に運営されている。84年にはビジョンに過ぎなかったものが、今では職員1400名、年間予算が2000億米ドルを超えている。安定し成功したビジネスに成長した。

(12)代理監督者方式

 増え続ける組合員の中には、個人介助を管理するための判断力や意志能力に影響する障害を持つ人がいる。彼らのところにも、法的代理人として親が介助者管理の機能のほとんどを引き受ける、未成年の組合員が数十名いる。また大人でも、脳の損傷などの原因で認識力に欠陥があり、協同組合の会員としての義務や介助者管理の機能の一部、あるいは全部を果たすのが困難な組合員もいる。こうした人々が直接給付によって可能な自由を享受できるように、スティルでは数年間、「代理監督者」と呼ぶ方式の実験を行ってきた。代理監督者は、介助利用者自身あるいは、その信託を受けた者が任命する、利用者の親戚、友人または介助者がなる。この代理人は、組合員の残った認識機能をサポートし、補うことができる。言うまでもなく、この仕事に携わる代理人は、多大な洞察力、誠実さ、感覚の鋭さが求められている。この方式の導入によって認識・情緒障害を持ち、判断能力の衰えている多くの当事者を援助することができた。

(13)スウェーデンにおける直接給付システムの展望

 自立生活運動の持続的成長とその哲学が社会政策に与える影響の拡大につれ、特に自己決定と自己選択を要求する点において、21世紀における直接給付は障害者に対するサービス提供のより一般的方法になるだろうと展望できる。

 基本的人権の概念、住宅や移動、教育、文化、社会・経済活動など、すべてのインフラにおける、すべてのマイノリティのためのユニバーサルな設計、すべてのマイノリティの完全社会参加を目指して行かねばならない。介助機器や個人介助など、それでもなお個別のサポート・サービスを必要とし、また自立と自己決定の生活を望む多くの障害者にとって、直接給付システムは、魅力的な選択肢であり、今後の新たなシステムとして発展するに違いないと確信する。

■おわりに

 日本には全身性介護人派遣制度があり、各市町村を軸に自薦・登録ヘルパー制度が実施されている。99年現在、全身性介護人派遣制度や自薦登録ヘルパー制度を実施している市町村は130市町村にまでに広がっている。

 99年2月にヒューマンケア協会が行った自薦・登録ヘルパー全国実態調査では、全身性介護人派遣制度や自薦・登録ヘルパー制度は外出や職場での介助ニードに有効かつ効率的に活用されていることが明らかになった。また、介助サービスは自分で管理し、介助者選定、介助内容の決定、トレーニング、介助日程の決定等も当事者自身が行っていると調査対象の6割近くの人は回答している。

日本の自薦・登録ヘルパーの介助契約は行政と介助者の間で行われ、障害当事者は、契約の主体者ではなく、明確な意味での国の制度にはなっていない。原則的に家庭内で限定的に使わなければならない。また、全身性介助人派遣事業については、外出、家庭内いずれでも使える利点はありながら、事務的な手伝いや筆記、記録の作成等のコミュニケ−ションや身辺介助を越えた介助については、原則的に使えないことになっている。また、自薦・登録ヘルパーの欠点を共有している。そのため、障害者特有のヘルパ−制度を明確な形で確立する必要が出てきている。社会参加型ヘルパ−制度という新たな範疇を設定することにより、全身性介助人派遣事業の欠陥が補える。自薦・登録ヘルパーの課題については、歴史的経過の中でさまざまな問題が錯綜しており、自立生活センタ−の運営費補助や所得保障問題と一体化した解決策が必要となってきている。

 日本の自薦登録ヘルパーシステムとスウエ−デンのシステムと比較すると、日本のシステムは制度化されていない。例えば、社会参加活動の一つである旅行中の介助も正式に認められていないことから、スウェーデンのレベルにはいまだ至っていない。確かに、過去10数年の自立生活運動の成果が国の施策に相当強烈な影響を与えているのは事実である。自己決定、当事者主体と言う言葉はかっては自立生活センタ−特選用語であったが、現在では進歩的な福祉施策と見られるためには欠かせない用語となってきている。「利用費補助方式」という提言が基礎構造改革の中で行われているが、これは当事者からの提言で作られたものではないため、このままでは障害当事者のニ−ズに合うものにはならない恐れがある。しかし、この制度も5年前には政府が作るとは、とても考えられなかったものである。当事者主体は、今後の障害者福祉施策の重要なキーワードになるだろう。それは当事者自身のセルフマネジドケアと当事者支援システム、即ち、自立生活センタ−の役割やその中心を担う人たちのエンパワ−につながり、ひいては個々の障害者に強烈なインパクトを与えるものになると考えられる。

 

 

■参考引用・文献

1)障害当事者が提案する地域ケアシステム「英国コミュニティケアへの当事者の挑戦」日本財団・ヒューマンケア協会発行、1998.1

2)当事者主体の介助サービスシステム「カナダ・オンタリオ州におけるセルフマネジドケア」ヒューマンケア協会・日本財団発行、1999.1

3)世界の障害者介助サービスの現状と課題「介助料直接支給システム(DF)と介助利用者協同組合システムから学ぶ」ヒューマンケア協会・日本財団発行、1999.8.30

編注:上記の本(参考引用・文献)は以下で販売されております。

ヒューマンケア協会

TEL 0426−46−4877

FAX 0426−46−4876

 

 

 

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全身性障害者の職員募集中(専門職候補者)

全国障害者介護保障協議会/介護制度相談センターでは、全身性障害者の「制度相談員」(専門職)候補生を募集します

選考期間 問合せは随時受付。1人の希望者に対し、数ヶ月かけて選考を行う予定。

募集人数 1〜2名募集します

対象者  介護制度が毎日必要な全身性障害者(できれば、すでに単身生活されている方)

年  齢 20〜40歳

収  入 給与+年金+特別障害者手当+東京都の手当で月30万円以上。

住  宅 アパートを探すサポートをします。普通1〜2日で見つかります。

     住宅改造の制度(6項目で2百数十万円上限)があります。

介  護 長時間の介護制度がありますので、介護体制は安定しています。

労働時間 基本は週休2日。土日に全国的な障害者団体の行事や、集中講座などがある場合は出席します(代休あり)。1日6〜7時間勤務(障害に対応できるように時間数を決める)。

選考ポイント

@やる気のある人、自分の知識や仕事の方法の技術を高めていける方 A体力のある人、

B同僚との間で良いコミュニケーションと協力関係を保つことができる方

 ご質問・お問合せはお気軽に 通話料無料0077−2329−8610まで。11時〜23時 *当会は介護制度や障害当事者組織を全国各地に作る事を目的としていますので、その地域に必要な方はお断りさせていただいています。ご了承下さい。

 

月刊誌と資料集1〜6巻のCD−ROM版第2版

CD−ROMは会員2000円+送料、非会員3000円+送料でお売りいたします。

 障害により紙の冊子のページがめくりにくい、漢字が読めないという方に、パソコン画面で紙のページと全く同じ物がそのまま表示させることができるようになりました。(Windows95/98パソコンをお持ちの方むけ)MS−WORDファイル(97年10月号〜99年8月号&Howto介護保障別冊資料集1〜6巻を収録)と、それを表示させるワードビューアソフトのセットです。ハードディスクにコピーして使うので、CD−ROMの入れ替えは不用です。マウスのみでページがめくれます。読むだけでなく、たとえば、行政交渉に使う資料集や要望書の記事例をコピーして、自分のワープロソフトに貼り付けして自分用に書き換えて使うこともできます。漢字の読み上げソフトで記事を声で聞くこともできます。インターネットで最新号のword原稿も取りこめます。

 第2版から、漢字の読み上げソフト30日体験版やガイドヘルパー交渉の要望書セット、介護人派遣事業交渉の要望書セット、生活保護の大臣承認介護料申請書セット、厚生省介護保険審議会議事録(一部)を加えました。

注意:交渉をされる方、生保介護料申請される方は、必ず制度係にお電話を。追加資料や説明が必要です。

  

平成11年度 厚生省保護課係長会議資料

11年度版 生活保護基準・生活保護実施要領を含む資料

 資料集4巻と合わせてご購入ください。生保利用者はなるだけご購入下さい。

 今年度は3月に係長会議が行われたため、基準額冊子が会議資料に掲載されています。

 生活保護を受けている方、生活保護の相談を行う団体は、必携です。市町村の保護課の係員が保護費算定等の仕事に使う「生活保護手帳」の前半部分(保護課・保護係の主管部分)と同じ内容です。(生活保護手帳後半部分の医療係の主管部分は使わないので入っていません)。家賃扶助の全国基準額表も独自掲載。

1冊、1800円(当会会員の方・定期購読の方は1200円)+送料

当会で取扱販売中(書籍)

ピア・カウンセリングという名の戦略

A5版 全244ページ  1600円+送料

安積遊歩+野上温子編

障害者自立生活・介護制度相談センターで販売中。

申込みは、発送係 TEL・FAX 0422-51-1565へ

 市町村障害者生活支援事業でピアカンとILPが必須事業になったのは、全国に広がった、ピアカン・ILPの担い手の活動の実績と、それを厚生省に示して交渉した結果です。

 自立生活運動を理解するためにぜひお読みください。

 

 

 

 

生活保護の介護料大臣承認(継続申請)

■平成18年度他人介護料継続申請書セットと説明 2006/03/22

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平成10年度 厚生省障害保健福祉主管課長会議資料

(障害保健福祉部の企画課と障害福祉課の2冊) 

11年度冊子は売り切れました。

10年度冊子はまだ残っていますので、値下げ、在庫処分価格にいたします。

10年度冊子(企画課と障害福祉課の2冊)在庫処分価格400円+送料

CIL用 NPO法人「定款・規約」セット(紙資料とフロッピーディスクのセット)一般:1000円+送料 会員・定期購読の方:700円+送料

 自立生活センターの例で定款と規約・細則例をまとめました。定款は細かいことまで載せると変更時には再登記が必要になるなど、作成時に気をつける点がたくさんあります。この定款セットではこの点をクリアしているものを解説とともに掲載。ワープロで団体名や理事の定員などを自分の団体に合わせて書き換えれば、そのまま使うことができます。

 パソコン・ワープロの機種とTEL(あればメールアドレス)を注文の紙にお書き下さい。各社ワープロ専用機のフロッピーへの変換も行えます(その場合に限り、ワープロ専用機でフォーマットしたフロッピーディスクを送ってください)。MACにはEメールでお送りします。

発送係FAX・TEL0120−870−222まで

 

介護人派遣事業の交渉の要望書セット(無料)資料集2巻もお読みください  (東京・静岡・大阪の派遣事業の要綱と厚生省の見解等の解説つき)

 名前・団体名を書き込んでそのまま市町村の課長などに出せる要望書セットです。

交渉の市への申込み方法等は、要望書セットの1枚目で解説しています。

ガイドヘルパーの交渉の要望書セット(無料)資料集3巻もお読みください 名前・団体名を書き込んでそのまま市町村の課長などに出せる要望書セットです。

 まず発送係に申込みください。無料でお送りします。後日、制度係から説明のお電話をいたします。(できましたら、資料がお手元についたら制度係にお電話下さい。)必ず説明を聞いてから進めてください。交渉期間中は、毎月、制度係フリーダイヤル0077−2329−8610に連絡を取ってください。

注文は  発送係 TEL・FAX0120−870−222

.            電話は平日11〜17時

 

生活保護の他人介護料大臣承認申請書セット

無料・相談会員のみに配布 申込みは発送係へFAXか電話で

初めての申請の市の方は、当会制度係と連絡を取りつつ進めてください。

 (セットがつきましたら制度係に必ずお電話下さい)

(下記の資料集1〜6巻は介護保障協議会・介護制度相談センターの会員・定期購読者は3割引サービス)

Howto介護保障 別冊資料   

1巻 自薦登録方式のホームヘルプサービス事業

325ページ 1冊2600円(+送料)   99年3月発行改定第4版

第1章 全国各地の自薦登録ヘルパー

全国の一覧表・熊本市・東久留米市・保谷市・大阪府茨木市・四国の松山市と高松市・千葉県・埼玉県・大阪府の通知・兵庫県尼崎市・札幌市・浦和市・千葉県柏市と市川市

第2章 あなたの市町村で自薦登録の方式を始める方法

自薦登録ヘルパー方式のすすめ・自薦方式に変えていく方法 その1・その2(改訂版)・介護人派遣事業と自薦登録ヘルパーの違い・研修を解決する方法

第3章 海外の介護制度 パーソナルヘルパー方式

デンマークオーフスの制度・スウェーデンの制度・エーバルト・クロー氏講演記録

第4章 ヘルパー制度 その他いろいろ

費用の保障で人の保障が可能・福岡県の状況・市役所のしくみ・厚生省の情報

資料1 自治体資料

東京都世田谷区の推薦登録ヘルパー料

資料2 厚生省の指示文書・要綱

6年度・8年度・9年度・10年度厚生省主管課長会議資料(自薦登録ヘルパーについて書かれた指示文書)・厚生省ホームヘルプ事業運営の手引き・厚生省ホームヘルプサービス事業の要綱255号・260号・ヘルパー研修の要綱・97年度の通知・ホームヘルプサービス事業実務問答集・ホームヘヘルプ個別援助計画・ホームヘルプ補助金要綱

Howto介護保障 別冊資料 

2巻 全国各地の全身性障害者介護人派遣事業

250ページ予定 1冊2200円(+送料)  99年8月発行改定第4版 

 全国の介護人派遣事業一覧表(最新版)・全国各地の全介護人派遣事業の最新情報と要綱や交渉経過など資料が満載。以下の全自治体の資料があります。

1静岡市・2東京都・3大阪市・4神奈川県・5熊本市・6兵庫県 西宮市・7宝塚市・8姫路市・9尼崎市・10神戸市・11岡山市・12宮城県と仙台市・13滋賀県・14新潟市・15広島市・16札幌市・17埼玉県・18来年度開始の4市・19フィンランドの介護制度資料・20東京都の新制度特集・21千葉県市川市・22兵庫県高砂市・23静岡県清水市・24大津市+99年度実施の市

 ほかに、介護者の雇い方・介護人派遣事業を使って介護派遣サービスを行う・介護者とのトラブル解決法・厚生省の情報 などなど情報満載  全242ページ

Howto介護保障 別冊資料 

3巻 全国各地のガイドヘルパー事業

100ページ 1冊1200円(+送料)  99年3月発行改定第2版 

 全身性障害者のガイドヘルパー制度は現在3300市町村の1割程度の市町村で実施されています。このうち、特に利用可能時間数の多い(月120時間以上)数市についての解説を掲載。また、これから制度を作る市町村が要綱を作る場合の参考になる要綱事例などを掲載。厚生省の指示文書も掲載。 交渉の要望書セット(ガイドヘルパー用)も掲載

1・2・3巻の案内は前ページをご覧ください。下記の資料集1〜6巻は介護保障協議会・介護制度相談センターの会員・定期購読者は表記の3割引サービス)

Howto介護保障 別冊資料 

4巻 生活保護と住宅改造・福祉機器の制度 

170ページ 1冊2000円(+送料)  99年1月発行改定第2版 

 生活保護、生活福祉資金、日常生活用具などを紹介。このうち、生活保護内の制度では、介護料大臣承認・全国の家賃補助・敷金等・住宅改造・高額福祉機器・移送費・家財道具の補助・家の修理費、の制度を詳しく紹介。各制度の厚生省通知も掲載。

 生活福祉資金を使った住宅改造や高額福祉機器の購入には、この本の該当の章を丸ごとコピーして保護課に持っていってください。

 生活保護を使って自立したい方は必ず読んでください。

Howto介護保障 別冊資料 

5巻 障害当事者団体の財源の制度

134ページ 1冊1400円(+送料)   好評発売中 

<この5巻のみ、障害者主体の団体・障害者本人のみに限定発売とします>

 全国で使える労働省の障害者雇用促進制度助成金の詳細・ホームヘルプ事業の委託を受ける・市町村障害者生活支援事業の委託を受ける・障害低料第3種郵便の方法・資料(NPO法・介護保険の指定・重度障害者を自立させるマニュアル)など。

Howto介護保障 別冊資料 

6巻 介護保険と関係情報

 160ページ   1冊1400円(+送料)   99年3月発行

 介護保険の総合解説、障害者団体が介護保険でヘルパー派遣等ができる指定団体になる方法・基準、介護保険関連で障害者団体と厚生省の話合いの経過等

 東京都作成資料「介護保険指定団体の基準」を掲載。

(上記の資料集1〜6巻は介護保障協議会・介護制度相談センターの会員・定期購読者は3割引サービス   1・2・3巻の案内は前ページをご覧ください。

 

すべての資料集とも、注文は、発送係へ。

 申込みTEL/FAX 0120−870−222

ご注文はなるべくFAXで(@住所A名前B注文品名C郵便番号DTELE会員価格か一般価格か をご記入ください)。料金後払い。郵便振込用紙を同封します。内容に不満の場合、料金不要です。着払いで送り返しください。TELは平日11時〜17時に受付。

 

当会の電子メールアドレスは  @ インターネット:

A NIFTY  :CYR01164

B BIGLOBE:dpm82831

です。なお、ABは、定期的には見ていないので、TEL/FAXにも「送った」とご連絡を。

 

 

月刊 全国障害者介護制度情報 定期購読のご案内定期購読 月250円

全国障害者介護保障協議会/障害者自立生活・介護制度相談センターでは、

「月刊 全国障害者介護制度情報」を毎月発行しています。

 1.3.5.7.9.11月は(40〜52ページ)

 2.4.6.8.10.12月は(20〜32ページ)(このほかに広報版はJIL発行「自立情報発信基地」の中のコーナーとしてお送りする月もあります)

電話かFAXで発送係に申し込みください。

相談会員 月500円(定期購読+フリーダイヤル相談)

 定期購読のサービスに加え、フリーダイヤルで制度相談や情報交換、交渉のための資料請求などができるサービスは月500円(相談会員サービス)で提供しています。フリーダイヤルで制度相談等を受けたい方はぜひ相談会員になってください。(ただし団体での申込みは、団体会員=年1万円(初年度は月833円)になります)。

申し込みは、発送係まで。

発送係の電話/FAXは 0120−870−222(通話料無料)

 なるべくFAXで(電話は月〜金の11時〜17時)

FAXには、「(1)定期購読か正会員か、(2)郵便番号、(3)住所、(4)名前、(5)障害名、(6)電話、(7)FAX、(8)資料集1巻2巻3巻を注文するか」を記入してください。(資料集を購入することをお勧めします。月刊誌の専門用語等が理解できます)

 介護制度の交渉を行っている方(単身等の全身性障害者に限る)には、バックナンバー10ヶ月分も無料で送ります(制度係から打ち合わせ電話します)。「(9)バックナンバー10ヶ月分無料注文」と記入ください。

入金方法 新規入会/購読される方には、最新号会員版と郵便振込用紙をお送りしますので、内容を見てから、年度末(3月)までの月数×250円(相談会員は×500円)を振り込みください。内容に不満の場合、料金は不要です。着払いでご返送下さい。

単身等の全身性障害の方には、資料集1巻「自薦登録ヘルパー」を無料で差し上げます(会費入金時の振込用紙記入欄か電話/FAXで申込みください)。

(*入会者全員にお送りするサービスは99年4月までで終了しました)

資料集1〜6巻の案内は前ページをご覧下さい。

発行人 障害者団体定期刊行物協会

東京都世田谷区砧6−26−21

編集人 障害者自立生活・介護制度相談センター

〒180−0022 東京都武蔵野市境2−2−18−302

    TEL 0077−2329−8610(制度) 365日:11時〜23時

    TEL・FAX 0037−80−4445(発送)

              発送係TEL受付:月〜金 11時〜17時

 500円

HP:www.kaigo.npo.gr.jp 

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