介護保障情報 97年9月号

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東京都の介護人派遣事業が10月に改正予定

改正が遅れていた東京都の全身性障害者介護人派遣事業ですが、近々新しい制度となって実施されるめどがついたもようです。この改正で、従来(1日8時間の制度と計算すると)940円だった時間単価が、ホームヘルパーの単価(1400円台のもよう)×8時間×365日の制度に大幅にアップします。対象者は自立生活をしている全身性障害者で特別障害者手当受給者。これは従来の制度と同じです。

今回の改正は、今まで東京都が100%を負担する制度であったのを、大阪・静岡など他市が行っているように国のホームヘルプ事業の補助金を導入する改正です。国が50%を補助するため、東京都の負担は25%に減りますが、市区町村は新たに25%の負担が発生します。そのため、今年度、都の予算が成立しながら、都と市区町村の協議が難航して改正が遅れていました。

 

 

厚生省が新しいヘルパー制度の通知

厚生省の障害者・高齢者の担当課はホームヘルプサービス事業の事業費補助方式の取り扱いについての通知を7月31日に出しました。従来の「人件費補助方式」に加え9年度から「事業費補助方式」が選択できるようになっています。これを、10年度からは完全に「事業費補助方式」に一本化するという内容。従来はヘルパーの月給・時給タイプ・委託などの別により補助金額の上限(たとえば介護型の時給は1440円)が決められていました。今後は、常勤・非常勤の違いなく、1時間2850円(夜間土日などは3570円)の基準額が補助金額の上限になります。

また、厚生省は同時に「ホームヘルプ事業実務問答集」も出しています。ホームヘルプやガイドヘルプの仕事内容事例なども載っており、ガイドヘルプでは映画や買い物のガイドの事例が載っています。外出先等に制限のある市では使えます。

 

 

来年度、全国4個所で介護人派遣事業が始まる?

来年度の新規制度は全国の市町村で9月頃に行われる概算要求で決まります。来年度、奈良県・大阪府・千葉県・福島県の4つの市が新規で全身性障害者介護人派遣事業の予算要求をしたもよう(現在把握しているのは4市のみ。今後も増えます)。

また、従来から介護人派遣事業がある市でも、来年度に向け時間数のアップを交渉する予定でしたら9月中に急いで行ってください。福祉部が財務部に出す予算要求に間に合わなければ、結果が反映されるのが再来年になってしまいます。

 

 

一人暮らしの知的障害者で自薦ヘルパー週63時間利用中

東京都東久留米市では全身性障害者が交渉して毎日12時間まで、自薦登録法式でホームヘルパー制度を利用することができるようになっています。同市では全身性障害者が中心に自立生活センターを作り、介護派遣などを行っています。センターができたことで、最近は一人暮らしをする知的障害者も増え、長時間介護を必要とする場合、全身性障害者と同様、自薦登録ヘルパーの制度を受けています。現在自薦登録へルパー利用時間数の最も多い知的障害者の場合、週63時間を利用しています。(自立生活センターの介護者や自分で確保した介護者を自分専用のヘルパーとして市に登録し利用する方式。この制度は、外出にも、家の中でも使える)

他の市の例では、東京都多摩市では単身の知的障害者で週36時間の自薦登録ヘルパーを利用しています。

また、東久留米市では10月から24時間要介護の単身全身性障害者2人がセンターの常勤職員となり、生活保護の介護(毎日4時間分)を受けられなくなります。そのため、自薦ヘルパー等で毎日24時間の制度(自薦ヘルパー16時間+全身性障害者介護人派遣事業8時間)を利用する予定(すでに市と合意済み)。ヘルパー制度の補助金利用の2制度で滞在型24時間の利用の事例となり、東京都保谷(ほうや)市につづき、2例目。

 

 

北海道と南関東で新しい自薦式ヘルパーの方式始まる

今受けているホームヘルプ制度を、各市町村で自薦式のヘルパー制度に換えていく取組みや方法は、何度かお知らせしてきましたが、いずれも、従来から主婦などが登録する「登録ヘルパー」を市や社協・福祉公社などで行っている市のみで可能な方法でした。

今回、北海道のA市と、南関東のB県C市で、厚生省の指示文書などを使って(市がヘルパー事業を委託している)在宅介護支援センターや民間事業者(常勤ヘルパーしか採用していない)に、障害者の確保した介護者を自分用のヘルパーとして登録する取組みが成功しました。

南関東のB県C市では、現在、自分の介護者が(自薦のヘルパーとして)毎日5時間介護に入っています。介護者にはヘルパーの時給が支払われます。他の市でも同じ方法が取れます。くわしくは上記まで電話でお問合わせください。

 

 

埼玉県も市町村向けヘルパー制度の通知

前号の千葉県につづき、埼玉県も市町村向けにホームヘルプ事業の通知を出しました。おおむね厚生省の主管課長会議の指示事項と同じ内容ですが、知的障害者向けに時間給のヘルパーの確保を検討するよう促す内容も含まれています。

 

「別冊資料編セット」完成

1巻(全国各地の自薦登録ヘルパー)

2巻(全身性障害者介護人派遣事業)

を現在印刷中。注文は上記 TEL/FAXまでどうぞ。

220ページ・1冊900円