★障害者自立支援法案解説

★小規模市町村ではヘルパー4時間が上限に?  大問題発生

★4月からのヘルパー時間数アップに向けて交渉を

2月号
2005.2.27
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
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2005年2月号    目次

   

4・・・・小規模市町村ではヘルパー4時間が上限に?
7・・・・2月17日 全国障害福祉主管課長会議報告
8・・・・行動援護の対象はかなり限定
9・・・・国会に上程された法律案の注目点
15・・・介護保険で対象拡大も 09年度めど「所要の措置」
16・・・介護保険の訪問介護利用者負担減額(3%負担に減免)について
17・・・介護保険改正「準要介護」は新設せず 
18・・・在宅患者のたん吸引、ヘルパーでも可能に
23・・・生活保護の介護料大臣承認(継続申請)提出書類の説明
32・・・障害当事者向け研修会のご案内(岡山・徳島・秋田)
34・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



大問題発生 小規模市町村ではヘルパー4時間が上限に?

大きな問題が発生しました。来年1月1日からの新制度では、区分1や2の余った時間分は区分3の利用者にはまわせない制度にするそうです。  (区分3(重度)の利用者が1〜2人の小規模市町村では、国庫補助の上限の時間が利用者の上限になるので、事実上現状の国庫補助基準上限の1日4時間がヘルパーの上限になる)。  厚生省幹部によると、区分3の人は、区分3のグループの中でしか国庫補助枠を流用できない制度にするそうです。

 このままでは小規模市町村で、利用者10人〜20くらいで、区分3の重度障害者が少しだけの市町村では、国庫補助基準の上限がヘルパー利用の上限になってしまいます。
 特に町村は区分3が1〜2人しかいないことがあり、1人でも24時間介護が必要な障害者が出ると国庫補助が8分の1しかつかないこともあります。

国・都道府県の補助について

・現状の国庫補助基準の3類型(125時間・50時間・25時間)はどうなるかまだ決めていない。
・現状のように、25時間の枠の人が0時間しか使わず、その25時間を125時間の累計の人にまわすことは出来なくする。これは滋賀県がやったので、もう出来ないようにする。
・3類型のそれぞれの中ではまわすことはできる。たとえば125時間の枠の人が二人いて、一人が25時間しか使わなかったら、もう一人は225時間でもOK。
(厚生省幹部が説明)


全国の小規模自治体では国庫補助の上限がサービス利用の上限になる

厚生労働省障害福祉課によると、新法では障害程度区分を超えて国庫補助基準枠の使い回しはできないようにするそうです。 たとえば、区分1や2で国庫補助基準の枠があまったとしても、それを区分3には使えないという仕組みにするそうです。
 しかも、区分は3つにするのではなく、もっと細かくする予定だそうです。 これでは小規模の自治体では大変なことになります。

参考
グランドデザイン案21pより(3区分の例が書かれている)

 たとえば、東北では県庁所在地でも支援費利用者が30人というところもあります。町村部では1つの市町村に支援費利用者は10人以下ということがほとんどです。1つの区分には2人以下ということになります。つまり1人や2人で国庫補助基準を取り合うことになります。
たとえば、月20万円の区分に2人しかいない場合は、最初の1人が施設入所すると約40万円分消費してしまい、もう1人は在宅でサービスをまったく受けられないということも起こります。
 また、過疎地で、親の亡き後に障害者が1人暮らししてヘルパー制度などを長時間利用したいと思っても、月20万の区分の障害者が1人しかいない小さな村の場合、ヘルパー制度も20万円分(身体介護で1日2時間)までしか使えません。これでは地域で暮らすことはできません。  

   障害福祉課によると、このような制度にする理由は「区分を超えて使い回しするのは国民の合意を得られない。区分を作った意味がない」というものです。
 過疎地でそういう問題が起こったとしても、自治体が全額出してでも行うのが地方自治であるので、問題ないという考えでした。
 障害福祉課は「区分を今の3段階よりは細かくするので今よりはいいではないか」との意見ですが、細かくなっても、「1人暮らしの人や家族が病気や高齢介護できない人」と「働いてない健常者家族が複数いる人」では利用しているサービス時間数がずいぶん違います。1つの区分に1〜2人しかいない町村部で、1つの区分が「1人暮らしの人や家族が病気や高齢介護できない人」だけになった場合、国庫補助が足りないことになります。その結果必要なサービスが受けられなくなります。


 厚生労働省障害福祉課は、複数の団体からの「小規模自治体で国庫補助の上限がヘルパーの上限になってしまう」との意見に対し、「改善する予定はない。国庫補助が受けられなくとも、市町村が実施すればよい」との意見です。

 これは大変な問題です。各地団体で県庁や地元の与党議員に働きかけをお願いします。当会では、県庁に対する要望書のセット見本を用意しました。要望書セットが必要な方は、メールまたは電話でお問い合わせください。
また、国会議員は国会会期中は土日に地元に戻っています。方法がわからない方にはご説明いたします。制度係0037−80−4445(フリーダイヤル)までお問い合わせください。



2月17日 全国障害福祉主管課長会議報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

2月17日に厚生労働省 全国障害保健福祉関係主管課長会議が開催されました。10時〜15時半の間ほとんどが障害者自立支援法案関係の説明で、資料も既出のものがほとんどでしたが、それぞれの項目毎のスケジュールが発表され、障害程度区分は5月に素案発表、9月確定利用者負担の減免などについては、5月に素案発表、8〜9月に政省令交付というスケジュールが出ています。
  また、今年の4月から実施される予定の知的行動援護について、案として資料が出ています。(次ページ参照)
  その他、ホームヘルプ(身体介護・身体付き移動)の単価改訂については何も出ていません。
  上記二つの資料についてホームページにリンクを掲載しています。

配布された資料は、
・障害者自立支援法案関係の冊子 (法案、要綱案、新旧対照条文など合計700ページ以上になるもの) (すでにホームページでテキストPDFで公開中)
・説明資料
・行動援護について(案)(都道府県にのみ配布。傍聴者には配布せず)(ホームページに掲載)
です。
全資料は、近日中にWAM-NET等で掲載されると思われます。

4月からの「身体介護」と「身体介護を伴う移動介護」について

  今回の課長会議では調整中とのことで、単価が発表されませんでした。次回の課長会議は3月18日の予定です。この日には単価が発表されるものと思われます。
 これについては、ALSや呼吸器利用者で民間企業に長時間の介護を受けている利用者で、単価が下がると事業所がサービス提供してくれなくなるという事例があります。「おおむね2時間の間隔」を市町村判断で利用者によっては1時間程度に短縮できないか、他団体と共同で再度要望しました。



行動援護の対象はかなり限定されるもよう

  行動援護の範囲については、以下の表で何点以上が対象になるか、財務担当と詰めが行われています。この表(20点満点)の方式で行くことはすでに確定しており、あとは、10点から20点の間のどこかに決まります。しかし、「15点以上」になると、ほとんど対象者がいないということになります。3月末までには決まり、省令や通知が出されます。

(課長会議で配布された資料より)

  • 対象者は10項目の基準表がしめされ、その点数の合計で判断される。
  • 事業所要件は
    管理者 常勤
    サービス提供責任者 知的障害者の福祉に関する事業(直接処遇)に5年以上従事した者で以下の資格を持つ者(1・2級ヘルパー、介護福祉士、知的ガイヘル資格者)
    ヘルパー資格 知的障害者の福祉に関する事業(直接処遇)に2年以上従事した者で以下の資格を持つ者(1,2級ヘルパー、介護福祉士、知的ガイヘル資格者)
  • 単価は身体介護と横並びで30分2310、1時間は4020円、1.5時間5840円 それ以降は調整中(ホームヘルプの単価改定との調整中)。
  • 他のサービス類型との利用間隔は2時間以上空ける
  • 移動介護との併用不可

 



国会に上程された法律案の変更点・注目点

  1月25日の審議会で出た法案要綱と国会に上程された法案ではかなりの変更があります。
  施設入所前の市町村が費用負担する住所地特例が限定的に記載されました。学生等の親の居住地が負担する制度もなくなっています。
  認定審査会の名称が「市町村審査会」に変わりました。
  地域生活支援事業の国庫補助率は100分の50以内と記載されました

 以下、国会に上程された法案の注目点を抜粋して解説します。  全文はホームページに掲載しています。

移動介護問題について

 法律案では、「重度訪問介護」(日常生活支援)と「行動援護」には「及び外出時における移動中の介護」との記述がありますが、「居宅介護」(ホームヘルプ)にはその記述がありません。
  このため、最重度障害者について、身体介護や家事援助で外出することは要望しても難しくなったといえます。

第五条 この法律において「障害福祉サービス」とは、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、療養介護、生活介護、児童デイサービス、短期入所、重度障害者等包括支援、共同生活介護、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援及び共同生活援助をいい、
(中略)
2 この法律において「居宅介護」とは、障害者等につき、居宅において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
3 この法律において「重度訪問介護」とは、重度の肢体不自由者であって常時介護を要する障害者につき、居宅における入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜及び外出時における移動中の介護を総合的に供与することをいう。
4 この法律において「行動援護」とは、知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。

 

 厚生労働省は「地方で身体介護と家事援助を利用している重度障害者は、外出時には「重度訪問介護」を使えばよい」といっています。身体介護と重度訪問介護の併給調整は緩和される可能性もあります。

包括の記述とグループホームの記述

9 この法律において「重度障害者等包括支援」とは、常時介護を要する障害者等であって、その介護の必要の程度が著しく高いものとして厚生労働省令で定めるものにつき、居宅介護その他の厚生労働省令で定める障害福祉サービスを包括的に提供することをいう。
10 この法律において「共同生活介護」とは、障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。

共同生活介護とはケアホームのことです。グループホームの介護あり版です。
ホーム内で介護職員を配置します。ヘルパー制度等は使えません。

16 この法律において「共同生活援助」とは、地域において共同生活を営むのに支障のない障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助を行うことをいう。

共同生活援助とはグループホーム(ヘルパー制度の利用はできなくなる)のことです。

自立支援給付の中身

第六条 自立支援給付は、介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費、特例訓練等給付費、サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費、自立支援医療費、療養介護医療費、基準該当療養介護医療費及び補装具費の支給とする。

「自立支援給付」の中にヘルパーなどの介護給付や、施設日中部分などの訓練給付などが含まれます。15000円などの自己負担上限を越すと返還される高額障害福祉サービス費もこの中に含まれます。(ただし、高額福祉サービス費は事業所が代理受領します。介護保険とは違い、1度自己負担を支払って後から申請して上限を超えた額の返還を受ける・・・という方法はとらないようです)

気になる条文

第九条 市町村等は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、障害者等、障害児の保護者、障害者等の配偶者若しくは障害者等の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらの者であった者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

 自己負担の上限やサービス提供に際して必要なのでしょうか。かなり利用者に対して失礼な書き方になっています。めぐんでやるから何でもせよといわんばかりです。
  別の条では提出などに応じない場合は罰金があることも記載されています。

大問題の審査会について

第十五条 第二十六条第二項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に第十九条第一項に規定する介護給付費等の支給に関する審査会(以下「市町村審査会」という。)を置く。

第十六条 市町村審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い条例で定める数とする。
2 委員は、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が任命する。

第十七条 都道府県は、市町村審査会について地方自治法第二百五十二条の七第一項の規定による共同設置をしようとする市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。
2 都道府県は、市町村審査会を共同設置した市町村に対し、その円滑な運営が確保されるように必要な技術的な助言その他の援助をすることができる。

第十八条 この法律に定めるもののほか、市町村審査会に関し必要な事項は、政令で定める

 審査会の委員は市町村の障害福祉担当課が決めることになります。市町村は医療関係者のほか、たとえ障害者団体関係者が入るとしても、市町村の意見に沿った人物が入ります。
  市町村の障害福祉の当初予算を超えるような決定を出す委員は選ばれるはずがありません。
  このため、このような市町村が選ぶ外部委員会を設置すると、サービス水準の低い市町村では、その低い水準が固定化され、将来にわたってサービス水準がのびなくなります。

(障害程度区分の認定)
第二十一条 市町村は、前条第一項の申請があったときは、政令で定めるところにより、市町村審査会が行う当該申請に係る障害者等の障害程度区分に関する審査及び判定の結果に基づき、障害程度区分の認定を行うものとする。
2 市町村審査会は、前項の審査及び判定を行うに当たって必要があると認めるときは、当該審査及び判定に係る障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる。

(支給要否決定等)
第二十二条 市町村は、第二十条第一項の申請に係る障害者等の障害程度区分、当該障害者等の介護を行う者の状況、当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して介護給付費等の支給の要否の決定(以下この条及び第二十七条において「支給要否決定」という。)を行うものとする。
2 市町村は、支給要否決定を行うに当たって必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村審査会(中略)の意見を聴くことができる。
3 市町村審査会、身体障害者更生相談所等又は前項の厚生労働省令で定める機関は、同項の意見を述べるに当たって必要があると認めるときは、当該支給要否決定に係る障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる

 審査会については、法案より下線部分を削除するように求めていたのですが残ってしまいました。(審査会は障害程度区分のみを行うようにせよという要望)。
  市町村は、たとえ人工呼吸器利用者で24時間介護が必要な最重度障害者が24時間介護を求めて交渉しても「審査会が決めたことであるから」と低水準のサービスのまま逃げることができます。すでに今でもそのような市町村が多い中、ますます厳しいことになることが予想されます。
  皆さんで地元議員への働きかけをお願いします。

住所地特例について

  入所施設に入った場合のみ、入所前の住所の市町村が費用負担する特例があります。今回、法律でこまかく記載されました。
  学生の住所地特例は廃止されました。

第十九条 (中略)
2 支給決定は、障害者又は障害児の保護者の居住地の市町村が行うものとする。ただし、障害者又は障害児の保護者が居住地を有しないとき、又は明らかでないときは、その障害者又は障害児の保護者の現在地の市町村が行うものとする。
3 前項の規定にかかわらず、第二十九条第一項若しくは第三十条第一項の規定により介護給付費等の支給を受けて(略)障害者支援施設、のぞみの園又は第五条第一項若しくは第五項の厚生労働省令で定める施設に入所している障害者(中略)(以下この項において「特定施設入所障害者」と総称する。)については、その者が障害者支援施設、のぞみの園、第五条第一項若しくは第五項の厚生労働省令で定める施設又は同法第三十条第一項ただし書に規定する施設(以下「特定施設」という。)への入所前に有した居住地(継続して二以上の特定施設に入所している特定施設入所障害者(以下この項において「継続入所障害者」という。)については、最初に入所した特定施設への入所前に有した居住地)の市町村が、支給決定を行うものとする。(後略)

 なお、課長会議の発表では、グループホームは「5条の1項の省令で定める施設」になるようです。療護施設などと同じ扱いになります。

政令市・中核市は事業所の指定を行わず

 指定を受け付けるのは都道府県のみになりました。指定都市や中核市は事業所指定を行いません。

第三十六条第二十九条第一項の指定障害福祉サービス事業者の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、障害福祉サービス事業を行う者の申請により、障害福祉サービスの種類及び障害福祉サービス事業を行う事業所(以下この款において「サービス事業所」という。)ごとに行う。
(中略)
4 都道府県知事は、特定障害福祉サービスにつき第一項の申請があった場合において、当該都道府県又は当該申請に係るサービス事業所の所在地を含む区域(第八十九条第二項第一号の規定により都道府県が定める区域とする。)における当該申請に係る指定障害福祉サービスの量が、同条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県障害福祉計画において定める当該都道府県若しくは当該区域の当該指定障害福祉サービスの必要な量に既に達しているか、又は当該申請に係る事業者の指定によってこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県障害福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第二十九条第一項の指定をしないことができる。

また、グループホームなどは、障害者福祉計画よりも数が多くなる地域では、指定しないこともできるようになります。

地域生活支援事業の具体的な記述はなし

 地域生活支援事業の具体的な記述はこの法律にはありません。
 具体的には以下のような記述のみで、ガイドヘルパー制度が移行する移動支援事業は事業の名称しか書いていません。

(市町村の地域生活支援事業)
第七十七条 市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、地域生活支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。
一 障害者等が障害福祉サービスその他のサービスを利用しつつ、その有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他の厚生労働省令で定める便宜を供与するとともに、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のための関係機関との連絡調整その他の障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行う事業
二 聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等につき、手話通訳等(手話その他厚生労働省令で定める方法により当該障害者等とその他の者の意思疎通を仲介することをいう。)を行う者の派遣、日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
三 移動支援事業
四 障害者等につき、地域活動支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
2 都道府県は、市町村の地域生活支援事業の実施体制の整備の状況その他の地域の実情を勘案して、関係市町村の意見を聴いて、当該市町村に代わって前項各号に掲げる事業の一部を行うことができる。
(後略)

 なお、地域生活支援事業は市町村が行う事業です。市町村は事業を委託することもできるようにする模様ですが、全国2700市町村のほとんどでは市町村の天下り先の社会福祉協議会などに委託されると考えられます。



介護保険法:改正案付則に拡大の検討規定

 与党が最終調整

 自民、公明両党は28日、与党社会保障政策会議を開き、介護保険料徴収年齢(現行40歳以上)引き下げと障害者福祉サービスの一部を統合する介護保険の拡大について、介護保険法改正案の付則に検討規定を盛り込むための最終調整に入った。社会保障や税制の一体的見直しと同時に検討することを記すにとどめ、普遍化への慎重意見がある自民党の意向で実施時期の明記は見送る。
 厚生労働省は今国会に提出する同法改正案の本則に介護の普遍化を明記し、06年度から実施に移す考えだった。だが、企業の負担増などを懸念する自民党の反対で見送られたため、付則に09年度からの実施を盛り込むことを模索した。
 普遍化には公明党も積極的。しかし自民党内は、普遍化を掲げて争点化する構えを示す民主党をけん制するためにも付則が必要という声がある一方、幹部には普遍化そのものに反対し付則は必要ないという意見も残っており、週明けに最終的な党内調整を行う。 毎日新聞 2005年1月28日

介護保険で対象拡大も 09年度めど「所要の措置」

 自民、公明の与党は1日、介護保険制度改革の焦点となっているサービス受給者と保険料負担者の対象拡大について、今国会に提出する介護保険法改正案の付則に「「2009年度をめどに所要の措置を講じる」などと時期を明記する方針を固めた。両党は2日以降も調整を続け、最終的な決着を図る。
 法的拘束力がない付則とはいえ、09年度実施も想定したもので正式に決まれば、将来の対象拡大に布石が打たれた格好となる
 対象拡大は、現在、40歳からとなっている保険料負担層を若年層にも広げ、原則65歳以上となっている介護サービスの利用を全年齢層で受けられるようにするもので、時期を明示せずに「社会保障制度の一体改革と併せて見直す」との表現にとどまる可能性もあった。  共同通信2月1日



介護保険の訪問介護利用者負担減額(10%負担が3%負担に減免)について

 1月20日の全国介護保険課長会議資料では「17年度予算においても引き続き国庫補助事業を計上しており、予算成立後速やかに実施要綱を改正し、平成17年度までの間3%とする旨お示しする予定である」(118ページ)となっています。
 しかし、障害者の支援費が18年1月から1割負担になるので、18年度は3%への減額がなくなると予想されます。



介護保険改正「準要介護」は新設せず

 介護保険改正で、現在の要支援は、原則ヘルパーが使えなくなる改正が行われますが、痴呆などの特定の何種類かの障害はは介護予防サービスに向かないので、ヘルパーを丸剤同様に利用できる「準要介護」にする案で検討されていました。
 しかし、厚生省はこの方針を撤回し、現在の要支援は全員、介護予防を利用するという方針に変更しました。
  これにより、介護保険の要介護認定区分は、要介護1〜5と、それより軽い要支援1〜2の7区分になります。現状の要介護1は、そのほとんどは介護保険審査会の判定により要支援2になり、介護予防サービスの利用が義務付けられ、従来のホームヘルプサービスは使えなくなります。要介護1でも、痴呆などで介護予防が有効でないと認められる傷害は、従来どおりホームヘルプサービスを利用できます。

 ところで、介護保険に障害者が入る改正が行われた場合、精神障害者と知的障害者の多くは要支援になると予想されます。その場合、知的障害者に対しても介護予防サービスを使うことが強制されます。



【朝日新聞】2005年2月7日

 在宅患者のたん吸引、ヘルパーでも可能に 厚労省方針

  厚生労働省は7日、医師や看護師、家族にしか認められていない在宅の難病患者や高齢者に対するたんの吸引を、ヘルパーもできるようにする方針を固めた。厚労省の研究会が同日容認の考えをまとめたのを受け、近く都道府県に通知し、今年度中に実施できるようにする。たんの吸引が必要な在宅患者は脊髄(せきずい)損傷や脳血管の疾患患者など少なくとも1万5000人はいるとされ、拡大は家族の負担軽減につながる。
 たんを自力でのみ込んだり、出したりできなくなると窒息する恐れがあるため、1時間に1回から数回の吸引が必要。吸引は医療行為とされ、例外的に患者の家族などに認められている。
 03年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の在宅患者だけを対象にヘルパーの吸引が認められたが、筋ジストロフィーや小児難病などの患者団体からは、対象範囲を広げるよう求める声が出ていた。
 医師法などで許される行為の範囲などを検討してきた研究会は同日まとめた報告書で、ヘルパーの吸引について、訪問看護の充実など在宅療養の環境が整うまでの措置として「当面はやむを得ない」と容認した。
 病状や障害が安定していて、自力でたんを出せず長期間吸引が必要な人が対象。病名は問わない。ヘルパーは医師や看護師からたん吸引の指導を受けるほか、患者の同意が必要になる。吸引範囲は比較的危険性の低い鼻と口の中で、のどを切開している場合ははめ込んだプラスチック製器具までとした。
 ALS患者の吸引では、事故が起きた場合責任問題が生じることなどを恐れてヘルパーの対応が分かれ、見込んだほど普及していないとの指摘もある。研究会でも吸引を医療行為から外すべきだとの意見も出たが、例外的とする位置づけは変えず、今後の課題とされた。

1月24日 在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会(第9回)の資料が厚生省ホームページに掲載されました。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/s0124-7.html

ALS以外の在宅療養患者・障害者に対する家族以外の者によるたんの吸引の取扱いについて(報告書タタキ台)が注目です

 以下に報告書たたき台の全文を掲載します。

ALS以外の在宅療養患者・障害者に対する家族以外の 者によるたんの吸引の取扱いについて(報告書タタキ台)

1 はじめに
○ 我が国では、疾病構造の変化や医療技術の進歩を背景に、医療機関内だけでなく、家庭、教育、福祉の場において医療を必要とする人々が急速に増加している。
○ 特に、在宅で人工呼吸器を使用する者等の増加により、在宅でたんの吸引を必要とする者が増加している。
○ このような中で、ALS患者のたんの吸引については、すでに昨年6月、ALS分科会が、在宅ALS患者及びその家族の負担の軽減のため、一定の条件の下では、家族以外の者がたんの吸引をすることもやむを得ないとする報告を行った。その後、行政においても同趣旨の通知を発出した。
○ 今回の研究では、先の分科会では検討の対象とならなかったALS以外の在宅療養患者・障害者であってたんの吸引を必要とする者について、その現状を踏まえ、適切な医療・看護を保障することを前提にしつつ、どのような取扱いをすることが患者・障害者本人及び家族にとって安全で安心できる日常生活を継続することができるか等について検討した。

2 これまでの経緯
(1)現行の法規制   
○ 医師法等の医療の資格に関する法律は、免許を持たない者が医行為を行うことを禁止しており、たんの吸引はこれまで、原則として医行為であると整理されてきた。
○ 医師法第17条は、「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と規定している。行政解釈は、医業とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為を、反復継続する意思をもって行うことと解釈している。
○ 保健師助産師看護師法第31条は、「看護師でない者は、第5条に規定する業をしてはならない。」と規定している。ここでいう「第5条に規定する業」とは、「傷病者もしくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うこと」であり、看護職員が行う医行為は診療の補助行為に位置付けられるものと解釈されている。

(2)学説・判例
○ 医業については行政の有権解釈と同様に解釈されている。また、医師法第17条の背景にある無資格者による医業を規制するとの趣旨から、危険性については、個別の個人に対する具体的危険ではなく、抽象的危険でも規制の理由とするに足りるとされている。

(3)実務的対応
(1)  在宅ALS患者に対するたんの吸引
 在宅で療養しているALS患者に対するたんの吸引行為については、基本的には医師又は看護職員が行うことが原則としつつも、3年後に、見直しの要否について確認することを前提に、医師及び訪問看護師の関与やたんの吸引を行う者に対する訓練、患者の同意など一定の要件を満たしていれば、家族以外の非医療職の者が実施することもやむを得ないものとされている。
(2)  盲・聾・養護学校における教員によるたんの吸引等の取扱い
 本研究会において、盲・聾・養護学校の教員による(1)たんの吸引、(2)経管栄養、(3)自己導尿の補助についての検討が行われた。
 医療に関する資格を有しない者による医業は法律により禁止されているが、たんの吸引、経管栄養及び導尿については、看護師との連携・協力の下に教員がこれらの一部を行うモデル事業等が、平成10年度以来文部科学省により実施されている。このモデル事業において医療安全面、教育面の成果や保護者の心理的・物理的負担の軽減が観察されたこと、必要な医行為のすべてを担当できるだけの看護師の配置を短期間に行うことには困難が予想されることから、このモデル事業の形式を盲・聾・養護学校全体に許容することは、医療安全の確保が確実になるような一定の要件の下では、やむを得ないものと整理した。

(4)在宅ALS患者に対するたんの吸引の取扱いを巡る状況変化とその評価
○  在宅ALS患者に対するたんの吸引の取扱いの前提として、在宅ALS患者の療養環境の向上に向けた施策の推進を図ることが求められている。厚生労働省においては、平成16年度から訪問看護推進事業を創設している。また、日本看護協会においては、平成15年12月にALSコールセンターを設置し、相談業務を行うほか、都道府県看護協会と連携し、個々のALS患者の把握とその療養環境の向上に向けた取組みを進めている。ただし、日本ALS協会からは、現時点においては、未だ十分とは言い難いと評価されている。
○  たんの自動吸引装置の開発も進められ、薬事法上の許認可、機器の取扱い責任の明確化など、さらに検討を要する事項もあるが、技術的にはその実現が夢ではなくなりつつある。
○ 在宅のALS患者に対する家族以外の者によるたんの吸引を容認して1年以上が経過した。この間における家族以外のものによるたんの吸引の実施状況については必ずしも明らかではないが、徐々に増加してきていることもうかがわれる。また、これまでのところ重大な事故が発生したとの情報は届いていない。
(参考) 平成15年12月  家族以外の者による吸引の実施率  32%  A
平成16年10月  家族以外の者による吸引の実施率  43%  B  
※ A: ALS患者にかかる在宅療養環境の整備状況に関する調査
  B: 日本ALS協会近畿ブロック調査
     両調査は、調査主体、客体が異なり、厳密な比較はできない。
○ ALS通知が都道府県内の区市町村や関係機関に周知徹底されておらず、地域の関係機関の認識が不十分なため、今回の措置による吸引の実施が出来ない例があることが報告されている。
○  家族以外の者による吸引の実施が未実施の理由として、ホームヘルパーにその理由を質問した調査では、訪問介護事業所責任者が拒否したり、ホームヘルパーが拒否したりする例が多い。また、訪問介護事業所及びホームヘルパーは吸引実施に同意しているが、在宅かかりつけ医・訪問看護師が指導を引き受けないため実施できない、サービス提供者が信頼して任せることができないので実施できていない等の声も寄せられている。
(参考)   訪問介護事業所責任者が拒否   47%
            ホームヘルパーが拒否   20%
                          他   33%
         ※ 日本ALS協会近畿ブロック調査(平成16年10月)
○ また、平成15年の調査では、同意書を取り交わしていない例が多く見られるなど、家族以外の者がたんの吸引を行う際の要件が遵守されていない事例があることが明らかになっており、要件遵守の必要性に関する周知徹底が必要であると考えられる。
(参考)   同意書なしで実施している人数の割合   49.5%
     ※  ALS患者にかかる在宅療養環境の整備状況に関する調査研究
    (研究代表者 川村佐和子東京都立保健科学大学教授 平成16年3月)
○ なお、ALS通知で示された同意書の様式については、誰が誰に対してどのような立場で同意書を交わしたのかが分かりにくいとの指摘がある。

(5)これまでに提出された要望書や、ヒアリングの場での団体の意見の概要
○ 従来から、厚生労働省に対しては、難病患者・障害者とその家族の団体から、医師及び看護職員でない、家族以外の者によるたんの吸引を、ALS以外の在宅療養患者についても認めるよう要望が寄せられていた。
○ 当研究会としても、別添の通り、難病患者・障害者とその家族の団体の代表者から、在宅介護の現状等や、家族以外の者がたんの吸引を行うこと等について御意見を伺った。(第7回研究会のヒアリングの場で、各団体から提出された文書等を別添とする。)
○ 難病患者・障害者とその家族の代表者の方々の意見は多岐にわたったが、訪問看護サービス等の在宅療養環境の整備の重要性や、研修の実施など安全の確保を図った上で家族以外の者によるたんの吸引を認めていくことの必要性についての意見は概ね共通している。
○ 在宅看護・在宅介護の提供に当たる者の団体からは、在宅療養環境の充実や、職種間の連携の必要性が強調された。在宅介護の提供に当たる者の団体からは、ALS患者に対するたんの吸引がホームヘルパー業務として位置付けられていないことについて、強い改善要望があった。

3 「たんの吸引」の医行為としての位置付けに関する議論
○ ALS通知は、たんの吸引は、その危険性に鑑み、あくまでも医行為であり、本来医師又は看護職員が行うべきものであるとする考え方によっている。本研究会においても、ALS通知の考え方を踏襲し、その延長線上としてALS以外の在宅療養患者・障害者に対するたんの吸引の問題の整理を行うものとするとの認識が大勢を占め、検討が進められた。
○ 一方、検討の過程において、たんの吸引は、従来の医行為の範疇では整理しきれず、むしろ医行為と生活行為(生活援助行為)との中間にある行為として整理し、従来の医行為とは区別した上で、医師法その他の医療の資格に関する法律の規制の対象外とした新たな枠組みの中で柔軟な規制の在り方を検討するべきではないかとの見解があった。
○ この見解に対しては、たんの吸引行為は、実質的にも侵襲性を有し、感染予防も重要であることから、単に吸引に関する直接的な行為についての技術だけでなく、人体の解剖・生理、病態生理、感染予防などについて専門的な知識が必要であり、医行為として医師又は看護職員が実施すべきこと、現に医療機関内ではたんの吸引は医行為であるものとして扱われており、同一の行為にも拘わらず、行われる場所によって医行為性が変化することは疑問であること、さらに在宅で医行為でないこととされると、医療機関においても無資格者が実施できるとの結論になり医療現場が混乱しかねないこと、医行為から除外すると何ら規制を行う根拠がないことから安全性の確保が懸念されることとの意見があった。
○ 以上の議論を踏まえ、当研究会としては、当研究会に課せられた課題について一定の結論を早急に導く必要があるとの認識に立ち、現行の法規制・法解釈の下ではたんの吸引は「医行為」であるとの前提に立ちながらも、やむを得ない事情のある場合に、家族以外の者がたんの吸引を行う場合の条件についての検討を行うこととした。
○ しかし、この問題が、単なる行為規制の問題ではなく療養環境の整備や人材育成等の問題と複雑に絡み合ったものであることについては異論がないものであり、この問題について関係者の間でさらに認識が深められる必要がある。

4 ALS以外の在宅療養患者・障害者のたんの吸引について
○ たんの吸引行為自体、侵襲性があり、実施される本人にとっても苦痛である。この点については、適切な能力を有する訪問看護師による専門的な排たん法(体位排たん法、呼吸介助法(スクィージング)、軽打法、振動法など)を計画的に行うことによって、患者のたんを効果的に吸引でき、患者の苦痛を最小限にし、吸引回数を減らすことができるという知見も明らかになってきている。したがって、本来は、このような排たん法を実施できる訪問看護を積極的に活用していくことが望まれる。
○ しかしながら、たんの吸引は頻繁に行う必要があり、また、それが実施されない場合、呼吸困難となって生死に関わる問題であるが、現状では訪問看護によって全てに対応していくことは困難な現実もある。そのため、多くの在宅療養患者・障害者に対して、家族がたんの吸引を行っているのが現状であり、そのような24時間休みのない家族の負担を軽減することが緊急に求められている。また、ALS患者に対して認められている措置が、同様の状態にある者に合理的な根拠もなく認められないとすれば、法の下の平等に反することとなる。したがって、たんの吸引が必要な在宅のALS患者と同様の状況の者に対して、同様の条件の下で、家族以外の者がたんの吸引を実施することは、当面のやむを得ない措置として容認されるものと考えられる(別紙参照)。
○ 具体的な対象者の範囲については、個別の疾患名や障害名で特定することは困難であると考えられる。したがって、病状又は障害が在宅生活が可能な程度に安定しており訪問看護を利用しているなど医師による医学的管理下にある者であって、嚥下機能及び呼吸機能の悪化により自力で排痰することが困難な状態が持続し、長期間にわたってたんの吸引が必要な者に対して採ることが適当であると考えられる。
○ 今回の措置は、ALS患者に対する措置と同様、当面のやむを得ない措置であり、ALS患者に対する措置の見直しにあわせて見直される必要がある。
○ なお、家族以外のたんの吸引の実施者として多く想定されるホームヘルパーについては、本来たんの吸引を行うことが予定されている職種ではないが、別紙の条件が満たされれば、たんの吸引を行うことはやむを得ない。また、事業主の判断において、従業員であるホームヘルパーに介護行為に付随してたんの吸引行為に従事させることもあり得る。ただし、別紙の条件にも挙げられているとおり、適切なたんの吸引の実施のためには、訪問看護を行う看護職員などによる計画の下、ホームヘルパーの個別的な指導や適切にたんの吸引を実施できる能力の見極め及び訪問介護計画に対する関与等の医学的管理が不可欠である。また、たんの吸引を行うことを事業主が職務命令として強制することは不適当であり、ホームヘルパー本人の了解が必要である。さらに、たんの吸引が行われる本人とホームヘルパー個人との信頼・納得関係という特定性が求められる。また、万一の事故を避けるためにも、事業主がたんの吸引を行うホームヘルパーに対する研修を実施することは望ましい。さらに、在宅介護事業者向けに損害賠償責任保険を販売している民間保険会社の中には、たんの吸引に起因する事故に対しても保険金を支払う扱いとしているところがあるので、そのような保険への加入も考慮されるべきである。

5 今後の課題
○ 在宅難病患者・重度障害者に対しては、難病対策と障害者福祉施策の枠組みの中で、たんの吸引が必要である者に対する療養環境の整備を図るための施策の充実が図られてきてはいるが、今回の検討の過程では、難病患者及び障害者とその家族の団体から、制度の根幹から細部に至るまで様々な要望が寄せられ、未だ十分ではないとの厳しい指摘もある。このような要望を踏まえ、国民的な課題として各施策を適切に推進、充実させていくことが求められている。
○ 特に、入院期間の短縮化を背景に、重い障害を有し医療を継続的に必要とする在宅療養患者・障害者が増加する中で、訪問看護が果たす役割は大きく、訪問看護の基盤整備及び、訪問看護ステーションに訪問介護事業所を併設することなど、看護と介護の連携を進める一方、訪問看護を支える人材の育成確保に努力する必要がある。
○ たんの吸引に関する今回の措置は、たんの吸引を必要とする在宅療養患者・障害者及びその家族の生活の質の向上を意図したものであり、厚生労働省においては、その状況を継続的に点検していくことが必要である。

(別紙)

○ 以下は、家族以外の者が患者(たんの吸引を必要とする障害者も含む。以下同じ。)に対してたんの吸引を行う場合の条件を示したものである。

1) 療養環境の管理
○  入院先の医師は、患者の病状等を把握し、退院が可能かどうかについて総合的に判断を行う。
○  入院先の医師及び看護職員は、患者が入院から在宅に移行する前に、当該患者について、家族や在宅患者のかかりつけ医、看護職員、保健所の保健師等、家族以外の者等患者の在宅療養に関わる者の役割や連携体制などの状況を把握・確認する。
○  入院先の医師は、患者や家族に対して、在宅に移行することについて、事前に説明を適切に行い、患者の理解を得る。
○  入院先の医師や在宅患者のかかりつけ医及び看護職員は、患者の在宅への移行に備え、医療機器・衛生材料等必要な準備を関係者の連携の下に行う。医療機器・衛生材料等については、患者の状態に合わせ、必要かつ十分に患者に提供されることが必要である。
○  家族、入院先の医師、在宅患者のかかりつけ医、看護職員、保健所の保健師等、家族以外の者等患者の在宅療養に関わる者は、患者が在宅に移行した後も、相互に密接な連携を確保する。

2) 在宅患者の適切な医学的管理  
○  入院先の医師や在宅患者のかかりつけ医及び訪問看護職員は、当該患者について、定期的な診療や訪問看護を行い、適切な医学的管理を行う。

3) 家族以外の者に対する教育  
○  入院先の医師や在宅患者のかかりつけ医及び訪問看護職員は、家族以外の者に対して、ALSやたんの吸引に関する必要な知識を習得させるとともに、当該患者についてのたんの吸引方法についての指導を行う。

4) 患者との関係  
○  患者は、必要な知識及びたんの吸引の方法を習得した家族以外の者に対してたんの吸引について依頼するとともに、当該家族以外の者が自己のたんの吸引を実施することについて、文書により同意する。なお、この際、患者の自由意思に基づいて同意がなされるよう配慮が必要である。

5) 医師及び看護職員との連携による適正なたんの吸引の実施  
○  適切な医学的管理の下で、当該患者に対して適切な診療や訪問看護体制がとられていることを原則とし、当該家族以外の者は、入院先の医師や在宅患者のかかりつけ医及び訪問看護職員の指導の下で、家族、入院先の医師、在宅患者のかかりつけ医及び訪問看護職員との間において、同行訪問や連絡・相談・報告などを通じて連携を密にして、適正なたんの吸引を実施する。 
○  この場合において、気管カニューレ下端より肺側の気管内吸引については、迷走神経そうを刺激することにより、呼吸停止や心停止を引き起こす可能性があるなど、危険性が高いことから、家族以外の者が行うたんの吸引の範囲は、口鼻腔内吸引及び気管カニューレ内部までの気管内吸引を限度とする。特に、人工呼吸器を装着している場合には、気管カニューレ内部までの気管内吸引を行う間、人工呼吸器を外す必要があるため、安全かつ適切な取扱いが必要である。
○  入院先の医師や在宅患者のかかりつけ医及び訪問看護職員は、定期的に、当該家族以外の者がたんの吸引を適正に行うことができていることを確認する。

6) 緊急時の連絡・支援体制の確保  
○  家族、入院先の医師、在宅患者のかかりつけ医、訪問看護職員、保健所の保健師等及び家族以外の者等の間で、緊急時の連絡・支援体制を確保する。



生活保護の介護料大臣承認

■平成18年度他人介護料継続申請書セットと説明



障害当事者向け研修会のご案内(岡山・徳島・秋田)

障害者自立支援法(改革のグランドデザイン)と障害当事者による介護事業所運営の研修会

 厚労省は昨年「障害福祉改革のグランドデザイン案」を発表し、今国会へ障害者自立支援法案を上程しました。今回の改革案は障害者施策全般を見直す大改革案であり、来年1月から実施されることになれば障害当事者の生活に与える影響は計り知れないものがあります。たとえば、事業所を選択できる移動介護の廃止、1割負担の問題、などなど。このグランドデザインが実施されたら私たちの生活はどうなるのでしょうか? 問題点もよい点も含め学習しましょう。
  また、先進各国の障害者本人の団体はCILを作って、ホームヘルパーサービス実施や施設などから町の中に自立生活をする重度障害者のサポート、権利活動、カウンセリングなどの活動をNPOの事業・運動として実施しています。国内でも、約130団体が重度の障害者自身によって立ち上げられています。従来とは違い、自由に参入できるようになったホームヘルプサービスの指定事業所になることによって、ボランティア団体ではなく事業団体として力強く活動できる新しい運動体となっています。
  このCILのサポートを得て毎日長時間の介護を必要としている重度障害者が親元や施設から出て街のアパートで1人暮らしする事例が全国各地で増えています。
  これらの重度障害者の自立生活の話やCILの立ち上げ方法の話などQ&A方式で研修会を行います。




★日 時  平成17年 3月20日(日)13:10〜16:40 (開場13:00〜)
★場 所  国際交流センター 3階 研修室
 (岡山駅より徒歩3分 岡山市奉還町2-2-1 )
★講 師  佐藤 聡 氏   (メインストリーム協会(西宮市)事務局長 JIL常任委員)
那須 宏生 氏 NPO法人CIL高松理事長(24時間介護利用で1人暮らし)

徳島会場
★日 時  平成17年 3月26日(土)13:10〜16:40 (開場13:00〜)
★場 所  ふれあい健康館 第4会議室
( 徳島市沖浜東2丁目16番地 )
★講 師  平下 耕三 氏 自立生活夢宙センター(大阪市)代表 JIL常任委員
地村 貴士 氏 自立支援センターぱあとなぁ(大阪市)代表
東谷 太  氏 NPO法人自立生活センターあるる(大阪市)理事長
佐々 和信 氏 NPO法人CIL高松理事

秋田会場
★日 時  平成17年 4月16日(土)13:10〜17:40 (開場13:00〜)
★場 所  アルヴェ 秋田市民交流プラザ 1F 音楽交流室D
( 秋田駅東口隣接  地図は裏を参照)
★講 師  平下 耕三 氏 自立生活夢宙センター(大阪市)代表 JIL常任委員
地村 貴士 氏 自立支援センターぱあとなぁ(大阪市)代表
東谷 太  氏 NPO法人自立生活センターあるる(大阪市)理事長
川畑 昌子 氏 CIL盛岡代表(24時間介護利用で1人暮らし)

★内 容 ・障害者自立支援法(改革のグランドデザイン)の解説
       「障害者の生活は何がどう変わるのか」      
・研修会 長時間介護利用の重度障害者の1人暮らしの実際
障害当事者によるヘルパー事業所の運営と重度障害者の自立支援の運動
(内容は3会場共通です)
★主 催 NPO法人広域協会・自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会
★後 援 全国障害者介護保障協議会・全国自立生活センター協議会(JIL)
★参加費 無 料   
★申込み 電話・FAX・Eメール等で各会場での開催の2日前までにお申込みください。
★問い合せ
・申し込み
NPO法人 広域協会
              電 話  0120−66−0009/FAX  0424−67−8108
              Eメール o@kaigoseido.net


全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
名前 (所属団体等)
渡辺正直  (静岡市議)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。
 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。
 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。
 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。
 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。
 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。
 支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になります。
 全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになります。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。
47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行えば、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになります。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。(できれば各県に2〜3ヶ所あれば、よりいい)。 全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。(他薦ヘルパーでは時間数をのばすと、各自の障害や生活スタイルに合わず、いろんな規制で生活しにくくなるので、交渉して時間数をのばさない)
自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)
例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります) 自薦登録の受付けは各団体のほか、全国共通フリーダイヤルで広域協会でも受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。
自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。
 これにより、将来は3300市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(東日本のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい広域協会に登録し、市から広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(東京都) 3月までは全身性障害者介護人派遣事業を使って自薦の介助者を使っていたのですが、4月1日にB市からC市に転居した関係で、新しい区で受給者証がなかなか発行されず、5月はじめに4月1日付の受給者証が送られてきました。区から広域協会を紹介され、電話したところ、緊急事態ですからということで、特別に4月1日にさかのぼって自薦介護者の介護を支援費の対象にしてくれるということで4月の介助者給与が出ることになり助かりました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえるようになりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は週3日勤務で月20万ほどの収入ができ、安定してきました。



 


 


 
 
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