障がい者制度改革推進会議

議長 小川 榮一 殿

 

平成22年6月7日

障がい者制度改革推進会議総合福祉部会

部会長 佐藤 久夫

 

障がい者総合福祉法(仮称)の制定以前に早急に対応を要する課題の整理(当面の課題) 

 

障がい者制度改革推進会議総合福祉部会は「障害者に係る総合的な福祉法制に向けた検討(障害者自立支援法をめぐる論点に関する検討を含む。)を効果的に行う」ために2010年4月12日、「障がい者制度改革推進会議」により設置された。ここに( )で付記されているように、新しい法制が実施されるまでには3年程度の期日を要すると見込まれることから、それ以前に早急に対応すべき課題を検討することも本部会の役割とされた。

そこで本部会は新法のあり方の議論に先駆けて「当面の課題」というタイトルで委員の意見を文書で収集し、さらに口頭発表を行った。出された意見は、項目別に掲載した(P3〜)。

その中から、来年度概算要求に反映してほしい事項について、作業チームで検討し、「重点課題」として、以下の4点にまとめた。

 

@利用者負担の見直し

・基本合意文書でも合意された応益負担廃止の積み残し課題として、自立支援医療において障害福祉サービスと同様に低所得者(市町村税非課税者)の自己負担の無料化を図ること。

・所得区分の認定においては利用者本人を基本とし配偶者を含めないこと。

・障害福祉サービス、補装具、自立支援医療、地域生活支援事業、介護保険の利用者負担を合算し過大な負担とならないようにすること。

 

A法の対象となる障害の範囲の見直し

制度の谷間にこれまで置かれていた人たちが、必要な支援を受けられるような対応が必要である。手帳を所持しない発達障害、高次脳機能障害、軽度障害などとともに、難病、慢性疾患を有する人たちが必要な支援を受けられるように、申請に際しての必要な手続きを定める。

 

B地域での自立した暮らしのための支援の充実

どんなに障害が重い人であっても、自分で選んだ地域で暮らすために必要な支援の質と量の充実にむけて必要な対応をすること。

具体的には

・障害程度区分(国庫負担基準)を支給決定量の上限としてはならないことについて、自治体への周知・技術的助言をさらに徹底する。国庫負担基準を超える分の国から市町村への財政支援の強化

・地域生活支援事業の地域格差の解消のための予算確保

・視覚障害以外も含む移動支援の個別給付化や重度訪問介護の知的・精神障害者、障害児への対象拡大

・児童一般施策における障害児支援の強化、重症心身障害などそれぞれの生活ニーズに着目した支援サービスの強化

 

C新法作成準備のための調査、情報収集、試行事業実施についての予算措置

新たな法律策定にむけて、今後部会などで検討する論点にそって、次年度以降実施されなければならない調査、情報収集、試行的な事業実施評価のための適切な予算措置を講じること。

具体的には

・地域移行にむけての施設入所者、入院患者への実態調査、試行事業、評価活動などの開始

・新たな支給決定の仕組みのための試行事業や研究などの開始 

・障害者の「社会的事業所」や賃金補てん制度の試行的事業や研究などの開始

 

                                     

障がい者制度改革推進本部は上記の重点事項の実現に向け全力であたって頂きたい。

また、3ページ以下の各委員の意見についても十分な配慮をお願いしたい。

 

なお、地方分権化によって障害者施策における地域間格差が拡大されることがないよう、さらに国全体で障害者施策についてのレベルアップを求めるものである。

 

 

 

 

 

<当面の課題の構成>

A 新法の実施まで待てず、早急に対応すべき課題

<障害者福祉領域>

A-1 利用者負担の軽減または原則無料化

1)応益負担の廃止

2)実費負担の軽減

3)補足給付の改善

A-2 法の対象となる障害者の範囲の見直し 

1)法律改正

2)障害者手帳がなくても申請ができる手続きに

3)相談支援の対象の拡大

4)障害種別等による利用制限の見直し

A-3 サービス支給決定プロセスの改善

1)障害程度区分による制限の廃止

2)国庫負担基準額の廃止

3)その他の認定基準の見直し

4)プロセス全体に関すること 

5)支給決定日数の見直し

A-4 サービス体系・内容について

1)介護給付について

2)日中活動の体系の再検討

3)地域生活支援事業の見直し

4)補装具・福祉機器について

5)入所施設について

6)グループホーム、ケアホームについて

7)短期入所

8)障害特性に応じたニーズ評価、支援計画、支援技法、報酬のあり方の設定

9)家族支援の位置づけがまったくない現状を変える

A-5地域移行対策

1)調査・モデル事業の実施

2)地域資源の拡充

3)地域移行支援事業、退院促進事業の法定化

A-6 障害児サービスについて

A-7 サービス基盤整備について

1)相談支援体制の強化

2)自立支援協議会について

3)障害福祉計画基本指針のあり方の検討

4)人材育成と研修強化

5)地域におけるサービス提供基盤の計画的整備

A-8 国・自治体の財政負担

A-9 サービス報酬について

A-10  障害者福祉を壊しかねない地方分権化への懸念

A-11 その他

<関連領域>

 

B 新法の作成準備のために早急に着手すべき課題:調査、情報収集、試行事業

B-1障害範囲の拡大にむけ法の狭間にいた人たちの実態やニーズの調査研究

B-2 その他の調査、既存情報の収集・分析

B-3 ニーズの個別評価・支給決定方式に向けて

B-4 パーソナルアシスタンスにむけての検討

B-5 社会的雇用モデル事業の実施

B-6 重症心身障害児者地域自立生活展開総合推進事業の実施

B-7 新体系への移行が進まない理由の実態調査

B-8 新制度の検討の視点と方法

B-9 ロードマップの明確化

B-10 苦情解決と第三者評価の機能強化

 

C その他

1 「総合福祉部会」と他機関との関係の明確化

 

A 新法の実施まで待てず、早急に対応すべき課題

<障害者福祉領域>

 

A-1 利用者負担の軽減または原則無料化

1)応益負担の廃止

・負担軽減措置で応能化が進んだが、制度の基本に障害自己責任論が残っており、そのため応能化が不徹底で、かつ障害観や公的支援責任の考え方をゆがめている。

・自立支援医療の低所得者の自己負担を無料に。

自立支援医療の利用者負担措置については「基本合意文書」で「当面の重要な課題」としており、優先的に実行すべき課題である。障害福祉サービス等と同様に低所得者(市町村民税非課税)の障害児者の無料化を図るべきである。

・自立支援医療は精神科の任意入院医療にも適用。

・応能負担の所得区分の認定は個人単位(利用者本人)を基本とする。

配偶者を含めないこと。障害児も本人を基本とすること。

障害児に関しては、所得区分の認定は保護者を基本とするが更なる軽減措置を行う。

障害福祉サービス、補装具、自立支援医療、地域生活支援事業、介護保険を含めた合算とする。

・「働く場」における利用者負担の解消を。

無償の職業リハビリテーションを推奨しているILO第99号勧告等の趣旨を踏まえ、一般所得区分を含め「働く場」における利用者負担を解消する。

・地域生活支援事業の利用者負担の見直し。

相談支援事業やコミュニケーション支援事業など費用負担を要しないものを除いて、応益負担を改め応能負担の原則を徹底させる。

聴覚障害者のコミュニケーション保障の利用者負担 (交通費等を含む)をなくす。

  ・法改正で現在の負担軽減措置を恒久化し、応能負担を原則とする。

  ・障害のために必要なサービスへの利用者負担は原則0とする。

・現在一定額以上の「世帯」の場合、自立支援医療の対象外となっている。この中で重度継続の場合のみ、経過措置として自立支援の対象としているが、一定額以上の「世帯」であっても自立支援医療の対象とすべきである。

2)実費負担の軽減

・入所、通所を問わず、食事等実費負担をなくす。

20091126日の厚労省調査でも実費負担により生活が苦しくなったことが明らかであり、対応が求められる。

・食費については食材費のみとする。

・介護保険でも食費負担は4ランクで軽減しているので障害者福祉でも検討すべき

・グループホーム、ケアホームなどの利用者への家賃補助を行うべき。

・非障害者や、在宅の障害者とのバランスから、家賃補助(支出)ではなくて所得保障(収入)によって対応するべき。

・所得保障がされないなかでの医療費負担をはじめ食材費を除く食事に係る人件費や光熱水費なども利用者の負担としない。

・精神病院における小遣い銭管理用ロッカー使用料などの名目による医療保険外の負担をなくす。

・グループホーム、ケアホームなどの利用者、民間の賃貸住宅に住む障害者への家賃補助を行うこと。

3)補足給付の改善

 ・障害基礎年金2級の人の手元金、月額25000円の大幅増額。

・特定障害者特別給付費制度(補足給付)の対象をアパート、グループホームにも広げる。

・入所施設の利用者負担後の手持金25,000円が大幅な増額。

 

A-2 法の対象となる障害者の範囲の見直し 

・難病・慢性疾患に関しては、新たな谷間ができないよう、当事者の意見を含め慎重に検討する。

1)法律改正

・暫定的に自立支援法を改正し、難治性疾患のある者を加え、対象拡大を行う。発達障害者支援法の対象者や高次脳機能障害のある者がすでに対象となっていることを、市町村などに徹底する。

・「障害児」は「障害のある子ども」とし、その範囲を「育児や発達に対する支援が必要な児」に拡大する。

  ・てんかん、発達障害者が対象に含まれることを法律本文に明記する。

     手帳は要件ではないとされているのに市町村の無理解が依然多い。

2)障害者手帳がなくても申請ができる手続きに

・手帳を持たない難病などを有する者が、法定サービス利用を必要とする場合、その旨を記載した医師の診断書等に基づく等の具体的手続きを定め、支給申請を可能とする。高次脳機能障害、発達障害はすでにこれが可能であることを、関係者・市町村などに徹底する。なお、医師に対し診断書作成を指示する国からの通達、指示書等が必要である。

3) 相談支援の対象の拡大

・相談支援では、手帳の有無を問わず、障害の有無も問わずに受け入れて相談する必要がある。「軽度障害者」では日常生活は支障がなくても、社会生活での支障がおきがちである。孤立・経験不足などでトラブルに巻き込まれることがある。

・相談する事、大切だけど、情報をテレビやケイタイの情報サイトでやってほしい。

・現行の相談支援事業を本人の利益に奉仕するアドボケイトと位置づけ、対象を拡大する。

・障がい者を世話したり介護したりする家族も、明確に相談支援の対象として明記すべき。

4)障害種別等による利用制限の見直し

・障害種別や程度区分等級により、重度訪問介護などの地域サービスを利用できない者に対し、市町村審査会などにより支給決定を可能とするような仕組みを当面つくる。

・難病・慢性疾患に関しては、新たな谷間ができないよう、当事者の意見を含め慎重に検討する。

また、障害児も重度訪問介護を使えるように年齢制限も撤廃する。

・知的・精神・児童などへの重度訪問介護の対象拡大は法改正が必要なため、法改正までの間は、居宅介護の家事援助等で「長時間連続の見守り待機」を含めて利用できるように告示等を改正して対応する。

 

A-3 サービス支給決定プロセスの改善

1)障害程度区分による制限の廃止

・障害種別や程度区分等級により、重度訪問介護、生活介護、施設入所支援などのサービスを利用できない者に対し、市町村審査会などにより支給決定を可能とするような仕組みを当面つくる。

・障害程度区分ごとの基準額を個別の支給決定量の上限としてはならないことについて、自治体への周知指導を徹底する。

 例えば、毎日24時間介護が必要な1人暮らし等の全身性障害者の場合、法2条の市町村の責務「障害者が自立した生活ができるよう支給決定する」に則り、利用者にとって必要なニーズと認められた場合、重度訪問介護を毎日24時間分以上支給決定することも選択肢に入れる旨を都道府県・市町村に国が周知徹底する。同時に、国は積極的に都道府県・市町村へ個別に技術的助言等を行う。

・障害程度区分の項目(内容)と日常生活の状況を勘案・見直し、必要な利用サービスや支給量が制限されないようにする必要がある。

2)国庫負担基準額の廃止

・居宅介護等に適用されている障害程度区分ごとの国庫負担の制限を廃し、市町村が支弁する全額を国庫負担の対象とする。

・国庫負担基準の廃止は法改正が必要だが、基準の告示額を「上限なし」等に設定すれば、法改正なしに同じ効果が得られる。法改正ができるまでの間は告示の変更で即時対応すべき。

3)その他の認定基準の見直し

・行動援護の対象となる認定基準についての見直しが必要である。(現在の12項目の8点以上は現実離れしている)

 4)プロセス全体に関すること

・認定調査員の研修強化と審査会への知的障害者専門家の参画を促進する。

・当面、昨年度の自立支援法改正法案で示された「障害支援区分」を採用する。

・ろう重複障害、盲重複障害について、その障害特性、生活実態、コミュニケーション環境の実態などがきちんと反映されて必要なサービスが受けられるよう抜本的な見直しを行う。

・就労関係事業など訓練等給付の場合、障害程度区分認定調査は意味がほとんどないので実施しないこと。

・利用希望者のニーズ、プロフェショナルニーズ、社会資源等を勘案した専門性の高いケアマネジメントによって支給決定できる仕組みに見直しを図ること。

・申請から支給決定まで1ヶ月以上かかる例もあり、速やかな応急の支給をまず行った上で審査手続きを行うべき。

・申請者と同じ障害種別(肢体不自由、視覚、聴覚、知的、精神、など)の当事者が、市町村審査会の委員として参加することを義務づける。特に身体障害の場合は、現に長時間の介護サービスを使っている障害程度の重い者を委員に選任すべき。

・精神障がいに関する研修を強化する必要がある。審査会に精神障がいに詳しい専門家の参画も必要である。

・市町村審査会への当事者及び代弁者(代わりに意見を言う人)の参加。

5)支給決定日数の見直し

・常時介護等を必要とする障害者の生活と支援の実態を適切に反映する支給決定とするため、特に生活介護の利用に係る支給決定日数(1カ月マイナス8日まで)を見直し、支援を必要とする全ての日の日中支援と夜間支援についての支給決定がなされる仕組みとするべきである。

 

A-4 サービス体系・内容について

 1)介護給付について

1−1 重度訪問介護・居宅介護について

・知的、精神、障害児などを含めた利用を可能にする(重度訪問介護対象の拡大)

 知的障害者が施設から出て地域で暮らすためには、長時間の支援が必要。買い物など日常の暮らしのやりくり、郵便物の内容の確認、お金の使い方の相談など。さらに感情や考えの整理に役立ち、自傷・他害や軽犯罪を防ぐための見守りが必要な場合もある。こうした長時間の見守りがなければ地域移行は進まない。

なお、見守りの名目での見張りや犯罪防止の目的であってはならないとの意見もある。

     重度訪問介護の趣旨に反した短時間支給決定を不可能にする単価制度に。

たとえば、1時間や2時間のサービスは居宅介護と同じ単価とし、それ以降は徐々に下げて、8時間連続サービスで今の重度訪問介護と同じ単価にする。

・入院時の利用を可能にする。

 病棟の看護力では慣れていないこともあって人工呼吸器がはずれて死亡するなどの事故も起きている。普段の慣れた介護者が必要。

重度の全身性障害者の介護方法は1人1人特殊で介護方法が異なり、日ごろ長時間介護に入るいつものヘルパーでないと介護ができない。日本一の看護師でも介護できない。慣れたヘルパーでないと、睡眠も取れず衰弱して病気が悪化してしまう。

地域移行に向けて、入所中及び入院中から地域のヘルパーの利用を可能として地域移行を進めるべき。

・通院時の院内介護をよりひろく可能にする。

・通勤、通学、通院への利用の検討(外出先制限の廃止)

・泊りがけの外出の制限も廃止し、通年かつ長期の外出の制限を廃止し、通勤、通学の利用を可能にする(外出先制限の廃止)。予算確保までの当面の間は、現在の支給量の範囲で、外出先制限の廃止することで対応すべき。

・職場内、学校内での身体介護の利用を可能にする。

・グループホーム、ケアホームでの利用を可能にする。

・入所施設でのヘルパー利用(日中活動の一つとして)。

2人介助体制を認めるべき(現行でも可能だが市町村によって制限がある)。

・自動車運転の介護を認めるべき。

・重度訪問介護、行動援護、通院等介助、移動支援事業の介護内容として、自動車運転(道路運送法に抵触しない障害者が用意した車)を認めるべき。重度訪問介護を利用する場合、ヘルパーが運転中であっても、排泄、上着の脱着、水分補給、体位調整などの介護が必要になれば、障害者が指示を出してすぐに路肩に停車させることにより、介護を受けることができる。

24時間必要な重度障害者への介護保障(知的障害者、精神障害者も含め)。

・見守りケアの必要。

・見守り待機の必要。排泄、上着の脱着、水分補給、体位調整など、障害者の指示に即座に対応できる状態での見守り待機を、障害種別に関係なく必要に応じて支給決定できるように。

・単身者以外でも家事援助を対象とする(可能とされているが認めない市町村が多い)。

障害者本人の指示の下で、同居家族の分の掃除、洗濯、調理ができるように。

・重度訪問介護について。介護保険訪問介護や居宅介護でも認められている「障害者自身が残存機能を使って行う調理・家事等の一部介護・見守り」(障害者自身が行えばヘルパーの助けを借りながらでも家族の分の家事も行える)と全身性障害者が重度訪問介護員のそばで見るなどして逐一指示を出す形での調理やその他の家事(同年代の世帯の健常者であったら通常行う家事の範囲に限る)は、同等と位置づけ、重度訪問介護の対象にする。

・短時間家事援助が支給決定された場合の事務費などの固定費やキャンセルによる損失を補填。精神障害者の場合、キャンセルが多いので、利用契約に応じてくれる事業所が少ない。

・居宅介護計画を介護ローテーションの参考書類程度にとどめる(報酬算定は実績ベースで)。

・精神障害者のヘルパー利用は地域による偏りが多く、その効果がよく知られていない。利用促進を行うこと。

・待機という新たな介護類型を創設する。

しんどいとき飛んできてくれる人、駆け込める場、泊まれる場所を出来高払いではなく十分な常勤を確保できる体制で保障する。

・家事援助や身体介護について、「短時間集中が原則」とせず、ニーズに合わせて支給すること。

・通院等介護、地域支援事業の移動については、屋外の移動のみならず、会議や映画あるいはサークルなど活動中の屋内での介護についても原則認めること。

・重度訪問介護と居宅介護を併用する場合で、それらが連続しない場合には、同じ事業所からサービス提供を受けられるようにする。

・重度訪問介護の趣旨に反した短時間支給決定を不可能にする単価制度に。たとえば、1時間や2時間のサービスは居宅介護と同じ単価とし、それ以降は徐々に下げて、8時間連続サービスで今の重度訪問介護と同じ単価にする。

  1−2 行動援護について

・利用要件の緩和が必要(認定項目や調査のあり方の問題)。

・ヘルパーの資格要件の緩和が必要。

・外出先要件の緩和が必要。

1−3 重度障害者への医療的ケアについて

・痰の吸引、経管栄養注入(注入開始も含む。胃瘻を含む)、摘便、人工呼吸器の操作や着脱などを利用者が「適切にこれらの行為を行える」と認めたヘルパーが行えるように要件緩和。このためのヘルパー研修への参加時の日当・交通費等の助成等が必要。

・吸引や経管栄養など医療的ケアをともなう介護の単価を30%程度増加する。

  ・医療的ケアに対応できる「看護ヘルパー」制度の創設。ただし、現在医療的ケアを使って生活している1人暮らしなどの障害者の重度訪問介護などのヘルパーが医療的ケアをできなくなることがないように、「看護ヘルパーでないと実施できない」といった業務独占とはならないように注意する。

  ・医療的ケアの研修を行う当事者団体に対して助成する。

・重度訪問介護事業所などにむけ、医療的ケアの研修を行う当事者団体に対して助成する。また、医療的ケアを行うヘルパーを雇用する事業所が、積極的に研修を行える環境整備、助成を行う。参加するヘルパー等には交通費や宿泊費・日当を助成する。

・訪問看護サービス」は介護保険だけなので障害者に制度を作ってほしい。

・多様な住まい方の可能性を拡げる観点から、生活の場における医療的ケアの提供体制の充実が求められる。具体的には、介護職員等の実施することのできる医療的ケアの範囲を早急に拡大(規制緩和)するとともに、訪問看護サービスの創設等による医療的ケアの提供に関する機能強化が必要である。

1−4 ヘルパー資格要件について

・行動援護ヘルパーの資格要件はサービス向上のため必要であり、待遇改善が急務である。

重度訪問介護はOJTの考え方で行われるため資格要件の緩和が必要。利用者の許可が出るまではベテランと新人の2人体制を続けている上に適切なOJT体制を前提に、働き始めは資格不要で、働いて1年以内に、別途、都道府県指定ではなく障害者団体などの行う講習を受ける方法等を導入。

1−5 指定基準

・指定基準はそれを満たしたら必ず指定しなければいけない制度だが、各都道府県で国の基準を不法に強化して、たとえば、東京都は、居宅介護事業所と重度訪問介護事業所と介護保険居宅介護支援事業所が同じフロアにあってはいけない(壁で区切って行き来できないようにして出入り口も別に作る)規制を行うなどの問題がある。重度訪問介護事業所が不足している中、問題である。このような規制は指導すべき。

 

2)日中活動の体系の再検討

・就労関係施策のあり方(就労サービスの法的位置づけの検討)。

・福祉と労働の境界に位置する制度(就労移行支援事業、職業センター、就業・生活支援センター、能力開発校等)の制度間のばらつきについて検証し整合を図る。

国等による障害者就労施設からの物品等の調達の推進等に関する法律の早期制定。

小規模作業所や就労継続支援B型事業所等での平均工賃は、現在、約12,000円にも満たないものであり、多くの人たちが、この工賃と障害基礎年金2級(約66,000円)が唯一の収入となっていると思われる。これでは、経済的に自立した地域生活を送っていくことは困難である。

「共同受注窓口組織」を全国ならびに各都道府県に設置し、運営費助成。

就労継続支援A型では事業所との雇用契約をもって利用契約とみなすこと。

・就労移行支援事業の利用期間の柔軟な運用とアフターケアの充実。

・就労移行支援事業と自立訓練の利用期間の柔軟な運用とアフターケアの充実。

・就労継続支援B型は就労移行支援又は就労継続支援A型の利用後でないと利用できない仕組みの改善をすること。

・就労支援事業と障害者就業・生活支援センターとの一貫システムをつくること。

・生活介護、自立訓練、地域活動支援センター、小規模作業所のあり方の検討。

・地域活動の場の確立(居場所の確保)。

 共生の福祉コミュニテイの拠点となり、居場所機能をそなえたセンターをどの市町村にも設ける。

・特別対策の「通所サービス利用促進事業」(送迎)を恒久的な助成事業とする。

 ・通所事業所にも入院時支援加算を認めること。

・就労移行支援事業の拡充のため、行政、企業、福祉、教育の連携を強化し職域を拡大する。

・就労継続支援における契約および利用者負担のあり方の見直し。

3)地域生活支援事業の見直し

・自立支援給付と地域生活支援事業の区分けの見直しが必要。

・地域生活支援事業に対して国が2分の1の財政責任を果たす。

・盲ろう者向け通訳・介助者派遣事業、コミュニケーション支援事業、移動支援などの市町村格差の解消にむけて、地域生活支援事業費補助金を増額する。

・移動支援を自立支援給付(個別給付)とするべき。

・移動支援を介護給付(個別給付)とするべき。

・障害者の社会参加の根幹ともいうべき移動支援を自立支援給付(個別給付)に位置づけ、国の責任を明確にするべき。

・短期入所から日中活動の場への移動を移動支援で保障する。

・地域活動支援センターの財政保障、義務的経費化が必要。

小規模作業所の新体系への移行のための特例交付金や移行促進事業の継続。

地方自治体が小規模作業所補助金事業を継続すること。

地域活動支援センターの定員要件の緩和(利用者5名以下への対応等)。

コミュニケーション支援事業を都道府県の必須事業に組み入れる。

・コミュニケーション支援事業の派遣要件を撤廃し、市町村格差をなくす。

コミュニケーション支援事業の派遣範囲を広域的(市区町村間、都道府県間)派遣ができるように。複数の自治体(市区町村)に居住する聴覚障害者の集まる場への広域派遣は都道府県による派遣事業とすること。

・手話通訳者・要約筆記者の養成。

・要約筆記者の養成・研修事業の都道府県事業としての位置づけで早急に通達を出されたい。

日中一時支援事業、成年後見制度利用支援事業などの充実・強化。

・成年後見制度は権利条約に抵触するので、変わる自己決定支援制度を設ける。

・成年後見制度利用支援事業の市町村の必須化。

・市町村が行うべき標準モデルの提示が必要。どこまですべきかの基準がない。

・地域生活支援事業が地方と都市部および都市部内で格差が生じないような施策の立案が急務である。

・福祉ホームにおける利用者負担や補助金等の市町村格差をなくすために必要な措置を図ること。

・地域活動支援センターを都道府県も設置できる事業にすること。

・日中一時支援事業は義務化すべき。また支援費の時に使えた短期入所の日中利用にもどすべき。

・待機という介護類型創設に先立ち当面としては居住サポート事業を必須化し、24時間交代制の人件費を十分確保する予算をつけること。また居住サポート事業の対象者・期限を拡大すること。

・全身性障害者の移動支援のサービス提供については重度訪問介護資格で行えること、知的障害者、精神障害者の移動支援はヘルパー3級資格でもできることを徹底すべき。

4)補装具・福祉機器について

 ・補聴器給付対象者の認定基準の見直し(40db以上に)。

・視線入力装置などあらゆる種類の意思伝達装置を給付の対象にすること。

・意思伝達装置やスイッチ等の訪問サポートを評価し、介護給付の対象にすること。

・脳波を感知して意思伝達装置に入力する装置など、研究開発費に大規模に助成すべき。

・日常生活用具給付等事業において、住宅改造制度の充実。

・移動介護について多くの市町村が、政治活動宗教活動の場合は支給しないとしているが、これは重大な人権侵害、違憲であり、政治活動宗教活動の場合も支給すること。

5)入所施設について

 ・重症心身障害児施設の充実が必要(児者一貫、医療福祉の一体提供)。

 ・精神障害者の社会的入院解消のための24時間体制の過渡的な生活訓練施設の整備。

・24時間体制の過渡的な生活訓練施設は終末施設となりかねないとの意見もある。

・重い生活障害により長期の入院生活を余儀なくされてきた精神障害者の地域移行を促進するための24時間支援体制の生活施設(入所施設)を過渡的にも整備。

 ・強度行動障害や医療的ケア、緊急的保護などが必要な人たちのセーフティーネットとして、障害者支援施設(入所施設)の機能を明確化する。

・強度行動障害や医療的ケア、緊急的保護など、施設入所の要件については、障害程度区分のみでなく、サービス利用の必要性を個別に判断する制度とし、入所の必要な人たちのセーフティーネットとして、障害者支援施設(入所施設)の機能を明確化する。

・強度行動障害や医療的ケア、緊急的保護などが必要な人たちのセーフティーネットとして、医療付きショートステイを5万人単位でつくり対応し、入所施設の新設は行わない。

 ・医療型・通過型肢体不自由児入所施設の機能の存続。

・日中支援と夜間支援のバランスを勘案し、報酬の見直しを行うこと。

・地域の実情に配慮した重度肢体不自由児者の療護施設の適切な設置が必要。

・障害者支援施設が行うことの出来る障害福祉サービスに就労継続支援事業を含めること。なお、法改正が行われるまでの間、旧法に基づく入所授産施設に入所している者については、経過措置期間が終わる平成24年4月以降についても就労継続支援を組み合わせて利用することが可能となるよう早急に改善されたい。

・重心施設については医療付きのショートステイなどで対応するため新規施設は作らない。

・障害者支援施設において就労継続支援事業が実施できるようにする。

・就労継続支援事業は「働く場」であり、職住分離が基本であるが、障害のある人を取り巻く環境要因等により、地域生活がむずかしい場合もあり、施設入所支援の機能は必要である。施設入所支援の提供にあたっては、個室化に向けた整備等、利用者の居住環境の改善が不可欠であり、そのための国の支援策を早急かつ計画的に講ずる必要がある。

6)グループホーム、ケアホームについて

 ・共同生活援助(グループホーム)という制度名に統一すべき。

 ・利用者の家賃補助の創設。

 ・夜間支援体制の強化が必要。

 ・関係省庁との連携が必要(消防法、建築基準法の規制があるので)。

GH/CHとしての建築用途の設定も検討。

 ・ろう重複障害者に配慮したグループホーム・ケアホームが絶対的に不足している。

・グループホームの報酬の大幅改善、ホームヘルプの利用認可、家賃補助などの支援。

自立支援法によりグループホームは、経営的に成り立たなくなり、ケアホームも事実上利用者を選別して、採算の取れる(手のかからない)利用者を確保してなんとかやっている状況。これでは地域移行は進まない。

・地域における着実な量的整備を計画的に進めるとともに、身体障害者等の利用を想定したバリアフリー化や居住面積の充実を含めた質的整備を促進する必要がある。

・グループホーム等の大規模化を規制してほしい。

・グループホーム、ケアホームは新設を禁止し、共同住居が必要な場合はあくまで借地借家法上の賃貸人の権利のある住居とすること。

7)短期入所

・医療的ケアを必要とする障害者をはじめ障害者ショートステイ施設増設と増床および安定的な事業運営のための助成が、親の高齢化でますます必要となっている。

・医療的ケアもあるショートステイ増設が、知的障害者、精神障害者、重度心身障害者にとっては必要。

・通所施設併設型を含む単独型の普及と設置促進。

・短期入所で日中活動の内容が充実するよう事業所の支援が必要。

・親の高齢化に伴い緊急一時短期入所の必要度が増している。療護施設、重心施設等の福祉施設で対応できるように支援すること(財政的支援を含む)。

・「超重症児」「準超重症児」のためのショートステイの単価改善。

・医療型短期入所サービスに 生活介護等を利用した後の短期入所利用ができるようしてほしい。

・地域生活支援事業の日中一時支援事業を短期入所に入れる。

・短期入所は精神障害者にとっては新たな社会的入院の防止にもっとも有効なものであり、利用機関を最大3週間まで使えるようにし、ほとんど存在していない地域が多いので各市町村に必ず1つは作ることを求める。

8)障害特性に応じたニーズ評価、支援計画、支援技法、報酬のあり方の設定

 ・知的障害や発達障害の障害特性の特有なニーズをふまえる等。

・障害特性に応じたリハビリテーション・ハビリテーション、また医療的ケア等の専門的支援体制の評価を適切に行う必要がある。

・精神障害者に特有なニーズを踏まえること。

9)家族支援の位置づけがまったくない現状を変える

・家族の責任のあり方、支援の位置づけの明確化。

・イギリスのような、家族支援に関する法律が必要。

 

A-5地域移行対策

1)      調査・モデル事業の実施。

・地域移行にむけた実態調査の計画と実施(丁寧な入院、入所者への聞き取りなどのプロジェクト調査が必要)。

・入所へのニーズの明確化(「待機者」の実態調査)。

・自治体レベルでの地域基盤整備の検討とモデル事業の実施。

・障害者を傷つけることのない調査とするべく、慎重な議論が必要。

24時間ヘルパーを使ってアパートで1人暮らしする障害者や、ケアホーム等で暮らす障害者を、入所施設に派遣して自らの経験を話してもらうなどの機会を定期的に設けるなどのモデル事業を実施。

24時間派遣に対応できるヘルパー事業所の充実。

・重度訪問介護・居宅介護で、重度の障害者にサービス提供してくれる事業所がないことが問題になっている。吸引、人工呼吸器の利用者の介護、深夜を含む24時間365日滞在介護、過疎地の事業所がない問題などがある。これらの問題を解決するためのNPO等の当事者団体の新規の事業所立ち上げに助成する。

 2)地域資源の拡充

・地域におけるマンパワー確保と支援内容の整理。

・ケアホーム、グループホームなどの支援の拡充。

・入居期限付き・日中は通所が前提というように生活に枠をはめる現行のグループホームケアホームは新設を禁止し、共同住居が必要な場合はあくまで借地借家法上の賃貸人の権利のある住居とすること。

・グループホーム、ケアホーム、福祉ホームの新設及び既存建物の改修・購入に係る施設整備費、補助制度のさらなる充実を図ること。

・地域での重症心身障害の人たちの暮らしを実現する地域自立生活支援構造づくりをすること(モデル事業化、強化事業化、現行制度の運用拡大など)。

   ・人工呼吸器装着者などの退院促進支援を行うこと(退院時に地域のヘルパーが院内での医療的ケア研修をうける費用助成の制度化など)。

   ・呼吸器管理のできる地域での医療の充実を図る。

・精神保健医療福祉の予算の組み換えを、病院から地域へ、医療から福祉へ。

・精神医療福祉の充実のためにOECD並の精神科医療費の確保と福祉制度の充実。

施設ではなく、介護保障と地域医療の充実で対応すべき問題であり新たな中間施設は終末施設となりかねない。またこうした施設が精神障害者の地域生活の権利保障のための、本来の介護保障と地域医療体制の充実を阻害する。

・地域生活のバックアップ拠点の整備。

グループホーム、ケアホーム、アパートでの一人暮らしで課題となる、急な体調不良やパニックへの対応、夜間・休日の緊急支援や危機介入、世話人の急用・急病時の代替えスタッフの派遣など、当事者はもとより、周辺住民からの要請にも対応できるバックアップ体制を整える。

   ・退院支援施設、地域移行型グループホーム等、真の地域移行の推進・地域自立生活の確保に逆行する制度・施策を速やかに廃止すること。

   ・重症児通園事業の整備目標の増と運営費の改善。

3)地域移行支援事業、退院促進事業の法定化

   ・現行の地域移行支援事業、退院促進事業を抜本的に見直し、利用者に国家による賠償として退院準備金を保証し、利用者中心の制度設計にすること。

   ・国策として隔離収容を進めてきたことを国は謝罪し、人権問題として地域移行支援事業・退院促進事業の法定化をすること。

 

A-6 障害児サービスについて

     児童福祉法での位置づけの明確化。

     通所施設の一元化。

     障害児通所施設の専門スタッフが保育園等を支援する仕組みを作る。

     放課後デイサービスの充実。I型なみの単価を求める。

     放課後デイサービス事業の利用年齢は、18歳になった時または特別支援学校高等部卒業の時を期限とする。

     短期入所の充実(医療的ケアが必要な児童も利用可能とする)。

     重症心身障害児通園事業の法定化と充実。

     重症心身障害児者療育の一貫支援体系の維持。

     肢体不自由児施設の施設給付費の見直しと、肢体不自由児施設の施設給付費の改善。

     障害児施設の学校と特別支援学校の職員の基準を含めたあらゆる面での格差是正。

     特に障害児についての家族支援は、重度の障害児場合、長時間サービスが必要だが、重度訪問介護の対象になっていない。これを対象にするのは法改正が必要なため、当面は、家事援助・身体介護などで長時間の見守り待機を制度の対象に認めて活用すべきである。(特に人工呼吸器利用などの障害児)。

 

A-7 サービス基盤整備について

1)相談支援体制の強化

障害程度区分認定廃止にむけた、相談支援体制の検討と充実が必要。

・権利擁護の観点から支給決定と相談支援を切り離す。

・障害程度区分に代わる支援の必要性を判断する相談支援体制づくりが必要。

・都道府県、市町村における拠点となる相談支援機関の法定化。 

・当事者によるピアサポートの相談支援事業の制度化が必要。介護保険優先により介護保険のケアマネによる利用抑制がなされ、生存に必要な介護が受けられずに命を落とす例が多い。障害者自立支援法でもケアマネが押しつけられたら同様になる懸念があり、事実起きている。障害者のニーズを見ないケアマネージメントの制度化には反対する。

     ケアマネジメントを必要とするすべての人にサービス利用計画を作成するための義務的経費化が必要。

     行政からもサービス提供組織からも独立した専門的相談支援事業の確立。

     障害種別を超えた相談支援体制の検討と実現(コミュニケーション障害支援も含む)。

     アセスメント、意向調査、ケア計画、モニタリングなど、障害者の地域における支援技法としてのケアマネジメントをしっかりと制度的に取り入れるとともに、知的・身体・精神等の障害特性に基づく各専門職種の専門性を尊重し配慮した制度にすることが重要である。

     ろうあ者相談員制度の構築。

     「本人中心の計画」作りのシステムをつくること。

     ケアマネージメントは「中立・公平」「家族あっての自立」という政府方針は撤回されるべき。

     ケアマネジメントについては支給決定の上限設定や市の内規に影響されないかたちで本人のニーズに基づくサービス利用計画を作成できるような環境をつくる。まず本人中心の計画を作成できるしくみをつくり、その後相談支援体制について検討する。

     本人のエンパワーメントに基づく「本人中心の計画」作りのシステムを。その際、本人中心の利用計画は地域生活を継続するためのケアマネジメントとし、相談支援専門員を増員しマンツーマン体制の相談支援体制とすること。

     障害年金、障害者手帳等すべて、申請主義である現行制度を改め、障害を持つことが明らかになった時点で、支援制度が利用できるシステムの構築。ケアマネージメント体制の充実が求められる。

     相談員の養成、研修、身分保障を含む質の向上のための財源の確保。

     当事者の相談支援事業への参画(ピアサポート、ピアカウンセラーなどの職業的位置づけの明確化と育成)。

     精神障害者の家族同士のピアサポートの制度化(知的障害者相談員制度と同様に)。

     成年後見制度利用に要する費用の個別給付化。

     成年後見制度は権利条約に抵触するので、代わる自己決定支援制度を設ける

     高次脳機能障害支援普及事業を政令指定都市、中核都市にも拡大実施する。

     セルフケアマネジメントの推進 

特に身体障害者については、高齢者と同様の専門家がケアプランを作成する仕組みではなく、サービスを利用する障害者自身が自らのケアプランを作れるようになるように、障害当事者である相談支援員がエンパワメントの視点で相談支援する仕組みを推進する。なお、障害当事者である相談支援員が全国的に不足している現状を鑑み、現在の受講要件を抜本的に改正し、既に実質的に当事者の相談支援を行っている全国の障害者団体の当事者並びに当事者によって特に推薦された職員は、この当事者相談支援員として認める仕組みを早急に構築する。同時に、これら相談支援員は、特定の地域での相談支援員でなく、全国的レベルで相談を受けられる相談支援員として認定する仕組みが必要である。

具体的には、

・例えば、最重度障害者の地域移行支援のノウハウを持つ全国団体が東京などに相談支援事業所がある場合、東京の市区が指定した特別相談支援事業所を九州や北海道の最重度の障害者が相談支援機関として使えるようにする。
・地方の障害者団体(任意団体)の自主的な相談実務も、実務経験(5年経験が必要)としてカウントし、5年間団体で相談に従事すれば受講資格を認め、特別相談支援の指定が取れるようにする。
・地方の団体が、ノウハウのある全国規模の支援団体と綿密な連携がとれているばあいは、全国規模の支援団体の出先機関として指定を受ける仕組みとする。即ち、5年の相談実務経験がなくても特別相談支援の指定が取れるようにする。
・上記のようにして、過疎地でも障害者が事業所を選べる整備を行い、同時に障害者が遠方のどこの指定特別相談支援事業所に利用計画を頼ことが可能な仕組みとする。即ち、市町村の支給抑制の意向にそった地元の特定相談支援事業所以外でも利用計画を容易に作製してもらえる制度の構築が不可欠。

・その際の相談支援員の費用として、遠隔地の事業所から利用者自宅への月1回の相談支援に必要な交通費や移動時間に要する相談員の時給等を公的費用で行う必要がある。

   ・ 相談支援専門員研修の受講資格が自立支援法では介護保険に準ずる制度とされ門戸が狭まっている。相談支援におけるピアサポートの重要性を鑑み、障害者団体等で相談支援をやっていた実務経験を要件として、当事者が容易に受験資格を得られるようにすること。

2)自立支援協議会について

・自立支援協議会のあり方についての検討(先進市町村の実態調査などを行う)。

・自立支援協議会設置の市町村への義務化。

・市町村への設置義務化を促進する。本協議会の存在根拠を法定化により担保する。

・自立支援協議会設置の都道府県及び市町村への義務化(法定化)。

・自立支援協議会がサービス抑制のツールとなっている場合があるので、当事者中心の委員構成とし運営の改善を図る。

・自立支援協議会は地域福祉計画、障害者計画を立案し積極的に障害者施策提言を行い、社会資源の開発、地域生活のための基盤整備をするための機関としての役割を課すべきである。

・自立支援協議会の委員の構成は障害当事者を過半数とすること。

・国レベルの自立支援協議会(障害者全国団体で構成)が地方の協議会が誤った場合に指導できる権限を持たせる。自立支援協議会がヘルパー時間数の抑制のツールに転化しないようにする。

3)障害福祉計画基本指針のあり方の検討

・2011年(平成23年)夏頃に予定される基本指針のあり方の検討。

4)人材育成と研修強化

  ・サービス管理・提供責任者の研修の質の向上。定期的研修の義務づけ。

・新人とベテランの2人体制でのOJTの費用に対する補助。

・重度訪問介護のように、2、3日で研修し利用できるヘルパー資格を継続する。

・介護福祉士は、従来どおり3年間の実地経験で受験資格を与えるべき。

・福祉施設、福祉事業所がその従事者(ホームヘルパーを含む)に対して医療的ケアの実務者研修を受講できるように支援が必要。

・社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士の養成課程に当事者による地域自立生活のカリキュラムを加える。

・障害をもつヘルパー養成の強化。

・相談支援におけるピアサポートの重要性を鑑み、障害者団体等で相談支援をやっていた実務経験を要件として、当事者が容易に受験資格を得られるようにする。

5)地域におけるサービス提供基盤の計画的整備

  ・地域における障害福祉サービス提供基盤を面的に整備し、サービスの均点化等を着実に進めるべきであり、そのため計画及び、公的助成を充実するべきである。 

 

A-8 国・自治体の財政負担

・国庫負担基準の撤廃。新法制定までの間は、基準の告示額を「上限なし」に改正することで対応。

・障害者が集中する市町村の財政負担への対応(出身自治体にも負担)。新法制定までの間は、居住地原則と居住地特例を半分ずつ適用することで対応。

・長時間介護(たとえば1日8時間以上)の部分の市町村負担を軽減または負担なしに。新法制定までの間は、1日8時間以上の給付費の25%を市町村に補助する制度を、都道府県地域生活支援事業の必須事業として創設し、統合補助金とは別枠で予算を配分。

24時間重度訪問介護の実施を全国の全市町村で行うため、8時間以上の長時間部分は国と都道府県で費用負担すること。

・障害保健福祉サービスの計画整備に要する財政的支援を各都道府県に保障し、実施主体である市町村が基盤整備できる体制支援が必要である。

 

A-9 サービス報酬について

・ 日額制を月額制にし、単価の大幅増を行うこと。

 とくに精神障害者の通所率は全国平均で60%である。

障害福祉サービスは生活全般にわたる継続的なもので、単なる利用実績による報酬はなじまない。福祉サービスの提供は、その費用のほとんどが人件費である。日払い方式の中で人件費の安定的な確保のため、各法人・事業所ではさまざまな努力を重ねているが、職員の削減、非常勤化、待遇の低下が避けられない状況にある。このことは利用者へのサービスの質の低下につながりかねない。

・日額・月額併用制度にすること。

利用契約時に利用者合意の下、個別支援計画上、単一事業を継続してほぼ毎日利用する場合は月払い報酬とし、個別支援計画上、複数の事業を組み合わせる場合や特定の日利用の場合は日払い報酬とすること。・日払い方式(日額制)の堅持。

日払い制度は、利用者にとって暮らしの多様性に応じて必要なサービスを選択できる方式なので、当事者主体の視点で堅持すべき。ただし日払い方式で事業運営が可能な報酬単価に引き上げることが前提。

     報酬単価の見直し、検討。

     サービスの質の向上及び、福祉・介護人材の定着・育成を促進する観点から、報酬を充実する必要がある。

     短期入所支援の実態を踏まえ、また、更なる量的整備等を図る観点から、短期入所サービス費を充実する必要がある。

     メニュー実施によらなければ事業所運営ができない状況の改善。

     事務職員の報酬確保。

     会話に文字盤や意思伝達装置を要する場合の15%加算を全市町村で保障する。

     施設入所支援の職員配置が少ないので日中の職員で埋めている状況の改善。

     就労継続支援の配置は10:1で、従来の授産施設の7.5:1より低いため、改善すること。

     加算は極力廃止し、報酬本体に。重度訪問介護の移動加算は廃止してその予算は本体単価引き上げに使うべき。ただし、重度訪問介護と居宅介護の特定事業所加算は廃止しない。

     就労継続支援A型事業において、有給休暇取得を前提とした報酬とすること。

     就労継続、就労移行、自立訓練などの訓練等給付の事業についても、介護給付の事業と同様に支援の必要度に応じた報酬とする。

     障害者福祉従事者が公務員と同等の賃金で働けるような仕組み(補助金等)の確立。

     サービス利用計画の作成について、アセスメントを行った時点から報酬を算定するよう見直すこと。

     生活介護や就労継続支援B型などの日中サービス全般において長期間利用がない利用者等に対する、家族との調整等の支援について、報酬上評価すること。

     通所事業所の運営に対して基本的保障が必要。

 

A-10  障害者福祉を壊しかねない地方分権化への懸念

・事業所の指定基準その他の基準の条例化(地方裁量化)、補助金の一括交付金化などが強行されようとしており、最低基準が確保できる見込みのない分権化に反対する。

・障害者制度のような国の責任で行うべき制度は、地方分権政策から除外すること。

・障害者福祉は、マイノリティに対する施策であり、地方分権になじまず、むしろ国の関与を一層強くすべき。 たとえば地方分権が最も進んでいる北欧では、長時間のホームヘルプ利用者については、国が全額を費用負担するなど、命を守る最低限の施策については、国が強力に関与している。

・指定基準はそれを満たしたら必ず指定しなければいけない制度だが、各都道府県で国の基準を不法に強化して、たとえば、東京都は、居宅介護事業所と重度訪問介護事業所と介護保険居宅介護支援事業所が同じフロアにあってはいけない(壁で区切って行き来できないようにして出入り口も別に作る)規制を行うなどの問題がある。重度訪問介護事業所が不足している中、問題である。分権化するとこれが違法でなくなるので、指定基準の分権化は反対。

 

A-11 その他

・前政権下で出された自立支援法改正案の早期制定・実施。その場合、新法への移行時期を明記する。

・本部会での議論のうち、法改正が必要な早急な課題については自立支援法改正を求めるが、それ以外は本部会および推進会議の結論を持って総合福祉法の制定をするべき。

・厚労省の官僚主導で作成した法案であり、そのままでは賛成できない部分が多くある。たとえば、特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画に基づいて、市町村が障害福祉サービスの支給決定を行うと、特定相談支援事業は指定権者としての市町村の意向に逆らえないので、サービス等利用計画が抑制的な内容になる。

・介護保険との関係の見直し(介護保険優先条項の撤廃など)。

・65歳になっても、本人の自己決定で福祉サービスを選択できるようにすること。

・施設入所支援+生活介護の利用者は介護保険の被保険者から除外された。再考すべし。

・新法制定までの間は、課長通知の改正による例外の拡大で対応すること。

・介護保険でも見守りができるようにする。

・障害者自立支援法でも介護保険でも、24時間の見守り、待機ができるようにする。

・介護保険対象者には自立支援法が利用しにくいように運用している自治体があるが、是正する

新体系移行措置(2012年3月まで)の期限延期。

・移行時安定化事業の平成24年以降の延長を求める。

・新体系に移行した施設の運営が安定できるように、小規模作業所がNPO法人化した場合、会計士に支払う費用への助成等一層の支援が必要。

障害者自立支援対策臨時特例交付金事業の継続(2013年7月まで)。

報酬の改善等の措置により新体系への早期移行を行うこと。

・就労継続A型事業の維持及びB型事業からの移行促進に向け、支援策を講じること(仕事の確保策、営業職員の配置、生産設備等の導入・更新支援策等)。

・無認可作業所の移行先を地域活動支援センターに限定する自治体がある現状をふまえ、希望する事業への移行が可能となるよう必要な移行策を講ずること。

・請求、更新手続きの簡素化。

・頻繁な制度の見直しをしない(施行後3年程度は変更しない)。

  ・自立支援法第1条を「障害者および障害児が、自ら選択した場で自立した日常生活又は社会生活を営むことができるように」に修正する。

・来期予算にかかわる障害者施策緊急対策を立案する。

・安定した財源を確保し持続可能な制度にする必要がある。

・心身障害者扶養保険制度の見直し。

・法定雇用率の改善等、障害者雇用促進法を抜本的に改正すること。

・障害者介護給付費等不服審査会の設置規定の中の「市町村のサービス支給基準を審査基準として判断する。すなわち、当該基準が公平かつ適正に適用されるかどうかを中心に審査を行う」との文言を削除する。

・生活福祉資金の貸付事業と同様に、国直営または国が委託する方法で、民間アパートを障害者が容易に借りられるように保証人サービスや家賃保証の仕組みを充実すること。

 

<関連領域>

     民法の扶養義務制度の見直し。

     リハビリテーション医療における診療報酬の見直しと、180日制限の撤廃。

     訪問看護師の派遣時間などの拡充。

     医療的ケアを必要とする人も増え、在宅生活の継続には、医療と福祉の両面からの支援が不可欠となっている。訪問介護を障害者福祉サービスの括りにして、訪問看護療養費を重度心身障害児者医療助成制度の対象とすることが必要。

     社会的雇用の制度化に向けて、先行事例の検証を行う。

     就労支援の充実(特例子会社を含め、一般企業で働けるような制度づくり)。

     障害者就労・生活支援センターの運営と箇所数の増加。

労働と福祉の縦割り補助金制度の見直し。障害保健福祉圏域に1か所という位置づけでは就職後のフォローの必要な人々の増加に対応できない。

     所得保障の充実の早期実現、障害者向け所得保障の整備を図る。

実態把握(生計状況、無年金障害者の原因実態)を行う。

     無年金障害者対策(特別障害給付金増額と対象拡大)。

     特別障害者手当ての支給対象の拡大(知的障害分野のニーズも公平に配慮)。

     障害者の「住宅手当」制度の創設。

     障害者の住宅政策の確立。

     障害者差別禁止法を早期に制定すること。

     障害者差別禁止法を制定すること。

     障害者権利条約を十分な議論を経てできるだけ早期に批准し、国内法を整備する。

     特別支援教育の見直し。

     特別支援学校教員の養成にあたっては現行の4年に加えプラス二年の手話点字の能力を備えた教員を養成する。

     教育の場で教員の研修、副読本の発行など、低学年からてんかんについての正しい知識を教えること。

     「情報・コミュニケーション法(仮称)」の制定。

     「総合福祉法」と整合性をもつ難病・慢性疾患対策の対策推進チームを発足させること(当事者をしかるべき割合で含む)。

     難病対策の拡充(医療費公費負担対象の拡充、高額療養費制度の限度額引き下げ、小児慢性特定疾患の公的支援の年齢の空白を埋めること、新薬の開発・早期認証、医療型療養施設の増床、難病・慢性疾患患者の就労支援策の推進、生活実態調査の実施、医療費助成(特定疾患治療研究事業)における地方自治体の超過負担の解消、難病相談支援センターの運営費の充実、全国難病センターの早期設置など)。

     高次脳機能障害者の支援体制整備の拡充が必要。

     高齢知的障害者対策の充実・促進。

     虐待防止法の早期制定。

     虐待防止の法制度ができるまで、障害者自立支援法第2条の修正を行い、虐待防止のための連携拠点、相談窓口を市町村に設置する(第77条の確実な実施)。

     成年後見人制度利用に要する費用の個別給付化。

     成年後見制度は権利条約に抵触するので、代わる自己決定支援制度を設ける

     精神保健医療福祉の予算の組み換えを、病院から地域へ、医療から福祉へ行うこと。

     うつ、アルコール依存症、認知症の予防。国をあげて「フレックス大作戦」、「銭湯大作戦」、「歌う大作戦」、「散歩大作戦」等を展開すること。

     社会的入院の解放、精神科病床の削減、精神科特例の廃止、他科並みの診療報酬値上げすること。

     精神科において往診や地域の小さな有床診療所あるいは総合病院精神科病床の充実が必要。

     精神保健福祉法は福祉部分は総合福祉法に、医療部分は医療法に統合する。

     精神保健福祉法は廃止し、福祉部分は総合福祉法に、医療部分は医療法に統合する。

     精神保健福祉法の改正については、現状を十分に踏まえての対応が必要である。

     精神科特例の廃止。

     心神喪失者等医療観察法の即時廃止。

     精神障害者にも平等な交通運賃割引制度を広げること。

     てんかんや精神障害者にも平等な交通運賃割引制度を広げること。

     入院時個室利用助成を行うこと(障害のために個室が必要な障害者)。

     「人工呼吸器をつけたら長生きしてしまいますよ」などの人権無視の発言をやめる。

     法令等における「障害」の表記の検討に当たっては、「障碍」を候補としてほしい。「福祉・介護人材の処遇改善事業」助成金について、全ての職員を対象とするとともに、生保・社会事業授産施設も助成対象とすること。

     公営住宅の優先入居、保証人制度の充実等、障害者の住宅政策の充実を図ること。

     苦情解決。

     医療型療養病床の増床を早急に行う。

     実態とニーズに応じた家族支援を行う。

     健康に関する障害には世界保健憲章・地域保健法の理念を基調とする支援を行う。

     「医療モデル」から「社会モデル」への移行という懸念。

     地域住民の相互支援等、いろいろなピア活動とボランティア精神の推進。

     障害者に対する受診拒否及び入院拒否に関する禁止事項を医療法に盛り込む。

     法定雇用率を引き上げ、雇用納付金会計の収入の増加の財源を使い、就労時間中や通勤時間中に、必要な人に必要なだけの介護をつける。その際、現行制度の方式のほか、指定居宅介護事業所や移動支援事業所のガイドヘルパーも選べるようにする。

     精神医療福祉の充実のためにOECD並の精神科医療費の確保と福祉制度の充実。


B 新法の作成準備のために早急に着手すべき課題:調査、情報収集、試行事業等

 

B-1障害範囲の拡大にむけ法の狭間にいた人たちの実態やニーズの調査研究

・身体、知的、精神という三つのカテゴリーによる分類の妥当性を検討すべき。とりわけ、てんかん、難病、発達障害、軽度障害、さらに従来「障害」とは認定されていないものの、「さまざまな心身のファクターの複合で実質的に社会生活上の不都合を被っている人」などを広く網羅する障害の定義を検討する。

・当面、行政が名簿の掌握できるすべての特定疾患患者の生活実態調査を行う。

  ・難病、慢性疾患について特別な体制を組み、集中的に実態調査や支援の検討を行う。

  ・「難病」「慢性疾患」について定義を深める必要がある。どちらかと言えば、医療面での助成を講じるべき。

・制度の狭間、谷間にいる人たちのニーズ調査を早急に行う。

 

B-2 その他の調査、既存情報の収集・分析

  ・入所施設待機者の調査、地域移行した人の調査、入所者・入院者の調査を行うこと。

・療養型ベッド、刑務所、ホームレス、引きこもりなどの人々の調査も必要。

・国が保有している調査結果の再作成、行政資料の開示・整理、自治体や団体が行っている調査の集約、海外の関係資料など。

・部会に入っていない団体等とのヒアリング(地方の団体や自治体なども含む)。

・障害者福祉サービスの担い手の賃金、労働条件等に関する調査を行うこと。

NICUや一般病棟に長期間滞留する「超重症児」「準超重症児」の実態調査。

 

B-3 ニーズの個別評価・支給決定方式に向けて

・新たな支給決定プロセスの構築にむけて、1次審査、障害程度区分についての現状分析と評価を行い、客観的指標(ガイドライン)のあり方を検討する。

・法改正にむけての障害程度区分に代わる支給決定のガイドラインの検討。

・本人のニーズを中心とした支援計画策定に基づく支給決定プロセスの検討と、ニーズ判定のための第三者機関確立。

  諸外国の仕組みの調査、市町村の独自の取り組みの調査を含む。

・本人のニーズを中心とした支援計画策定に基づく支給決定プロセスの検討。

 

B-4 パーソナルアシスタンスにむけての検討

・介護給付のあり方を見直し、新法のパーソナルアシスタンス化に向けて検討する。ただし、24時間介護制度が実現していない市町村でこれを行うと「安上がり福祉」を実現するツールになってしまうので、1日24時間(月744時間)の支給決定を実施している市町村に限って、モデル事業として行うべき。

 

B-5 社会的雇用モデル事業の実施

・制度創設のために不可欠な「社会的雇用事業所の規定(条件)」、「賃金補填の対象とする障害者の基準」、「労働へのインセンティブが働く賃金補填システムのあり方」の3点を試行事業を通じて検証。

・社会的雇用において、雇用の前後における本人の総所得と社会的コストの変化を検証。

・税徴収などの特別な配慮は必要であるが、一般就労者との整合性を鑑みる必要がある。

 

B-6 重症心身障害児者地域自立生活展開総合推進事業の実施

・重症心身障害の人の地域自立生活の推進や、施設からの地域生活移行及び、地域活動拠点における活動展開の推進等々を、総合的に各自治体で捉え、地域自立支援協議会とも連携し、推進していく事業の実施。各自治体での具体的な地域での総合推進計画に基づき重症心身障害者の地域生活実態を創造・構築していく事業展開を取り急ぎ進める。

 

B-7 新体系への移行が進まない理由の実態調査

 

B-8 新制度の検討の視点と方法

・理想とする制度を視野に置きつつ、これまでの諸制度の経緯や検討内容、従来の制度の継続性や安定性、社会全体からの理解、財政面も含めた多角的検討を行い、理想とする制度に、段階的、計画的に前進させていく等、裏付けと現実感のある検討が必要。

・障害者権利条約、「基本合意文書」、および推進会議で示された方向性を基本にすること。

・障害者権利条約が掲げる障害の社会モデル、自立生活と地域社会へのインクルージョン等に基づく制度設計。

・そもそも障害とは何か、権利条約やICFの視点も含めて基本議論を行うべき。

「障害児支援の見直しに関する検討会」報告書(2009年7月)をふまえる。

・就労も重要だが地域で安寧な生活を送ることも価値ある社会参加である。

・拙速は避け、十分な議論と検討期間をとること。

・わかりやすい文章で意見を出そう。

・難病分野の多様性を反映して部会の当事者委員の追加をもとめる。

・くるくる変わる制度に振り回されて、利用者・家族、福祉現場、行政が疲弊している。今後の改革は見通しがもてるものでなければならない。

施設や事業者が無理なく事業を継続でき、新たな事業者の参入にインセンティブが働く制度でありたいが、専門性と離脱している事業者の参入を監視する必要もある。

 

B-9 ロードマップの明確化

・新法制定・実施時期、それまでの現行法・障害程度区分・特別対策基金事業の助成措置等の取り扱い、既存審議会との関係など。

 

B-10 苦情解決と第三者評価の機能強化

・十分機能しているとは思われないので、再度現状を把握しその課題を検討すべき。

・行政不服審査は、憲法第76条に従って司法に移す必要がある。

・社会福祉関連訴訟は、憲法14条に保障される権利が履行されるように、訴訟費用免除の方策が講じられるとともに、社会福祉専門裁判所(仮称)を新設することが必要である。

・障害者介護給付費等不服審査会の設置規定の中に「市町村のサービス支給基準を審査基準として判断する。すなわち、当該基準が公平かつ適正に適用されるかどうかを中心に審査を行う」との文言がある。しかしその支給基準が本人の生命を脅かすことが起こっている。東京都においても6割の案件が却下されている。この設置規定における条項を早急に削除すること。

・障害者介護給付費等不服審査会は形式的な審査ではなく、障害者自立支援法2条の市町村の責務の「自立した生活のできる支給決定をすること」がされているかどうかを審査する形に変える。

・不服審査会では、障害者本人が希望した場合は審査会で本人が意見を述べることができるようにする。

 

C その他

1 「総合福祉部会」と他機関との関係の明確化

 1)「障がい者制度改革推進本部」、同「推進会議」との関係の明確化。

  2)社会保障審議会障害者部会との関係整理が必要。

3)本部会で議論された緊急課題を予算に反映させていく手続きの明確化。

4)障がい者制度改革推進会議の設置法を制定すること。

5)「障がい者制度改革推進本部」、同「推進会議」との相反意見がないよう、調整を行うこと。

・福祉部会における難病・慢性疾患に関する審議は、医師を含めた特別の体制(集中審議または専門部会の設置など)を作って行う。

 

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