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=  障害者自立支援法案 国会審議 速報 Vol.13 =
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★Vol.13 2005年7月28日号★
 7月22日の本会議、26日委員会での趣旨説明を受け、本日よりいよいよ参議院 厚生労働委員会での実質的な審議がはじまった。初回の審議から多くの問題点が示さ れるなか、与党議員は法案の早期成立を訴え、野党議員は参院においても充分な審議 が必要であることを示し、与野党の対立がはっきりと現れた形にとなった。
 郵政法案の行方や、アスベストの問題で政局が混沌とする中、充分な審議時間が確 保され衆院で積み残しとなった数々の問題・疑問・不安が払拭されるような、参考人 招致、地方公聴会を含めた実りある審議が行われか、与野党の対応が注目される。残 された国会会期は実質10日ほどである。この中でどれだけの審議がされていくの か、全国の障害者が見守っている。

【本日の質疑の要旨】
●障害者自立支援法案の審議に先立ち、尾辻大臣よりアスベスト問題について報告・ 発言がされた。

●清水嘉与子議員(自民)
支援法の質問の前に中医協について質疑があった(略)

Q.共生社会調査会でアメリカに行き、自立生活センターにいった時、日本人がい た。アメリカではチャンスが与えられる、チャンスをクリアすれば平等だと言ってい た。リハセンターでは呼吸器を付けた人が理事だった。相談に乗っている方で奥さん も看護士だから何かあったときはお願いできると聞いたが、自分で介助者を雇ってい ると言われた。精神障害者のこともまだ米でも手が着いていないが、ADA法の効力 を感じた。我が国では完全参加と平等を国際障害者年から掲げ、施設から地域へ動い てきた。基本法の制定、自立と社会参加が活発になり、特に支援費制度ができサービ ス利用者が増え、家庭から、施設から地域に出て、障害者の起業も起こってきた。な ぜこれを変えなければならないのか。

尾辻大臣;支援費で知的・児童を中心に新たに利用できることになったことで障害者 の地域生活において重要な役割を果たしている。しかし客観的基準がない、地域格差 が大きい、精神が対象になっていないなど解決すべき課題もあることも事実。この法 案では、支援費の自己選択自己決定、利用者本位の理念を継承し、抜本的な見直しの 必要があると考え、お出しした。市町村での一元的サービス提供のしくみ、サービス の必要度に応じて公平にサービスを受けられるようにケアマネ基準の設定など支給決 定手続きの客観化公正化、数値目標の入った福祉計画の策定、みなで制度を支えるし くみと国・都道府県の負担を義務化した。障害者の施策をより進めるための必要不可 欠なしくみとなる。

Q.この改正が、身体知的と立ち後れた精神を包含し、障害者が自立して社会生活を 送れることになり、その経費を国が義務的な負担することが重要。しかし変わること で不安あるが、賛成反対の意見があるが、早く成立とも思うが時間的制約もある。関 係団体からの成立の要請もある。仮に成立しなかったらどうなるのか。 大臣;是非とも通してほしいとお願いして審議頂いている。成立しなければどうなる のか答えるのもいかがたとも思うが、答えたい。この法案は17年度の予算関連法案 で今年度、来年度以降も構造的慢性的予算不足を解消が可能になる。一昨年もずいぶ ん足らなかった。やりくりし、昨年はやりくりでは足りなく、補正までお願いした。 構造的慢性的不足とはそう言うこと。不成立になると、市町村への一元化、就労支援 や公平な利用、制度安定化ができなくなり、地域での自立生活支援が大きく遅れるこ とになる。1月成立を前提で、2ヶ月分は負担金で計上し、支援費は170億の不足 となり、市町村に混乱苦労をかけることになる。制度運営が極めて困難になる。安定 的な制度のためこの法案が必要。是非理解協力を。

Q.詳細にはわからないところが多い。今日も傍聴も多く、不安を感じている。あと 5分しかないが、一つ、介護保険との関係で、似かよった構成になっている。申請か ら認定、一部負担、ホテルコストなど。若いときに働き財を貯めた高齢者の介護と障 害者の負担を同じにすることの問題と皆さん思うところだが、その辺の配慮はあるの か。

西副大臣;必要な方にはきちっとした施策が行き届くようにしたい。3障害にかかわ らず一元的に自立のための施策を構築する。特に精神の福祉が一段と進むと考えてい るので、普遍的しくみの第一歩と考えている。自立生活支援のため、介護だけでなく 就労支援など多様なサービスを同時につくる。このうち介護保険と関係するのは介護 の部分。被保険者の範囲については18年度末までの検討規定が入り、この委員会の 意見も踏まえ検討しなければならない。

Q.介護保険のサービス、3障害共通のサービスで、介護保険との相互乗り入れでき るのか。

塩田障害保健福祉部長;65歳以上は乗り入れができるが、それ以外はできない。し かし連携やあいのりはできると思っている。特区の中で連携の取組もされている。こ れは評価分析していきたい。地域福祉の観点から、年齢、障害別ではなくいろんな サービスを利用できるようにしたい。

Q.働く人にとって、地域で分けることはできないのではないか。高齢と障害のヘル パー研修などの中身が違うなど議論もあり問題ではないか。訪問看護stや通所介護 も障害者が多い。働く人にとって担当を分けることは現実的ではない。サービス受け る側、提供する側が困らないようにしてほしい。 部長;共通化普遍化を目指す部分と、個別ニーズに応じるところもある。共通の部分 はハードソフト共通の仕組みにしていきたい。

●坂本由紀子議員(自民)
Q.;障害者施策は不十分と認識している。どのぐらいの割合の障害者が利用できて いるのか。

部長;支援費で利用延び利用は増えているが、量・質もまだ足りていない。まだまだ 行き届いていない。精神障害者も支援費の対象となっていない。

Q.支援費の受けている人は全体の1割にも満たない。地域間格差が大きい。支援費 で利用したいという場合、利用できるようになり、潜在的ニーズの掘り起こしができ てきたが、格差は大きい。知的は24番、児童は44倍。許される格差ではない。な ぜのこのように大きいのか。

部長;全国どこでも同じサービスが受けられる体制が必要。しかし現状は格差が多 い。全国統一の基準がないこと、財政状況の差異、市町村の取組の姿勢の差異から格 差が出ている。

Q.放置はできないので改善のため出てきたのが障害者自立支援法。生活に大きな影 響があり、切実な要望が団体から届けられている。法案のもつ意味をしっかり理解 し、審議をつめ、早期成立を図ることが本当の福祉につながると思う。絶対的に予算 が少なく裁量的経費で毎年翻弄されてきた。補正はたまたま災害があったので、その 中に組み込むことができた。自動的に補正は組めない。支援費を放置すれば立ちゆか ないことは目に見えている。法案について不安があることも事実だが、障害者のため になるここと確認していきたい。大臣は支援費の理念を実現し踏襲するものとおっ しゃったが、自分たちが主体となる制度が元に戻ることを心配している人に理解を得 る努力が必要。地域格差を本当に解消できるのか。

副大臣;自己決定・自己選択・利用者本位がどうなるかという指摘には、従来は障害 者を保護の対象ととらえていたいわゆる措置制度で実施されてきた。それを15年度 から障害者を主体としてとらえ契約によりサービスを利用する制度となった。多くの 人が利用できるようになった。重要な役割を果たしてきた。大きな地域格差、そもそ も精神は対象になっていないなどの課題がある。解決するためにこの法案を出した が、理念は継承しつつも、新たな利用者を含め、障害者の自立生活につながるものと 考えている。

Q.大きな格差解消はできるのか

部長:市町村の役割が絶対的に必要。支援費は在宅サービスが補助金で致命的。国・ 都道府県の負担は義務費としてバックアップを明確化した。サービスの必要性につい て現行は国のガイドラインが示されていないが、今後はニーズに即して適切に使える ようなしくみとしたい。障害福祉計画で予算を積み上げていく。これまでデータがな かった。はじめて計画作り基盤対策ができる。精神を対象にいれて、次のステップと してニーズある方全ての方にできるようにしたい。これにより格差是正は可能になる と考える。

Q.数値目標の入った計画は大切。はっきり示すこと。計画がニーズを満たすものと いうのが大切であり、国が市町村にしっかりはたらきかけ、計画の作成には障害者の 意見を反映させることを要請する。3障害の一元的提供体制は、身体知的精神の定 義、定義されている人しかサービスが受けられないという指摘があった。これが、解 消に向けて取り組まれることはいいこと。今回は3障害一元化のみだが、これで全て カバーはできない。範囲の検討が衆院の修正ではいったのは適切なこと。現状でも発 達障害支援法が施行され、現状でも障害者自立支援法サービスが受けられるように充 分な取組を。

部長;これまで個別に法律があったが、3つの障害に該当しないと利用できないが、 受けるサービスは自立支援法のサービス。高次脳機能障害は精神の手帳を取ればサー ビスは受けられる。発達障害の問題は、概念的には精神の対象になるので、概念とし ては法の対象になる。しかしメニューが現時点ではない。児童デイや相談などしかな い。今後どんなサービスが必要か、何ができるのか、モデル事業も踏まえ検討し、今 後は支援法で導入できる。

Q.障害者が自立生活できることは大事。日本でも普通に暮らせる、チャリティーよ りチャンスをというが正にそういえる。福祉は必要だがそれだけではない。今回も議 論が費用負担に集中しているが、所得保障を忘れてはならない。就労強化が盛りこま れ画期的だと思う。施設類型が機能に着目し再編され、機能が果たすのであれば法定 外施設や作業所でも、法内施設に位置づけられ、充実した事業ができる。施設事業体 系の抜本的見直し、就労移行支援事業の創設、雇用促進法も活用し、一歩踏み出して ほしい。現実は養護の卒後半数以上は施設へ、施設からの就労は1割、しかし4割の 人、精神障害は6割の人が就労を希望している。授産施設はなぜ自立、就労の成果が 上げられなかったのか。その反省に立って、しっかり所得が確保できる成果が見込め るのか。

部長;地域での自立生活では働くことは重要。政策が福祉・雇用の連携が不十分で あったのが背景にある。箱ものにではなく機能に着目し、就労への道筋をつけるため 再編する。一般就労に移行できるのは現状は1%だったが、授産施設の支援は個別の 支援が充分ではなかった。関係機関との連携も充分ではなかった。雇用へのフォロー アップもない。一般就労から福祉サービスへ帰ってきた時のフォローアップなどの課 題があった。福祉サイド・雇用のサイドが連携する事業を制度化し、いろんなしくみ にとりくんでいる。

Q.授産施設もさまざまな施設がある。立派な成果出しているところもあるが、必ず しもそうでないところもある。工賃は平均1万円ちょっと。対して支援費は年間20 0万以上出ている。費用対効果も考えて、着実に行われるようなしくみが大事。その ための就労継続事業、就労移行事業である。就労継続事業は特に大切。一般雇用にい ける方は多くないが労働機関も努力が必要だが、福祉就労は重要だが福祉工場は意外 にすくない。継続事業を実りあるものにすることが重要。どのような事業を考え展望 をもっているか。

部長;一般就労が難しい方も多い。福祉型の継続支援事業が必要と思い位置づけた。 継続支援事業は2つに分け、雇用契約する雇用型と非雇用型で、雇用型は営業など一 般の人も入り収入を上げていきたい。非雇用型は、工賃を上げる工夫がそうはできな いが目標水準を設定し、インセンティブのあるしくみを考えていきたい。できるだけ 工賃が得られることも福祉就労にも必要で、細かい点も考えていきたい。

Q.誇りある自立するために、就労支援を手厚くすべきと思っている。授産や作業所 は、障害者がやる仕事がほしいので、それに社会がどれだけできるか。地方自治法で 随意契約もできる。これがどれだけ使われているか把握して頂き、民間にも働きかけ をし、福祉就労にも充分仕事が確保できるように大臣尽力を。

大臣;意欲ある方が自立した生活を送るためには就労の場の拡大が重要。指摘の通り 安定的な仕事の確保が重要と考えている。地方自治法施行令の改正もそのため。企業 発注、企業セミナーなど、安定的仕事の確保について全力に取り組んでいきたい。

Q.是非よろしくお願いします。障害者サービスは立ち後れている。基盤整備も後れ ている市町村がある。必要な人に必要なサービスが行き届くか心配である。基盤整備 についてどのように考えているのか。

部長;地域を暮らす上ではハード・ソフトが整備されていることが重要。著しく立ち 後れている。施設整備は高齢は交付金化したが障害者は国庫補助に残した。国のバッ クアップも必要。骨太方針には速やかかつ計画的に整備を進めると入った。今回の法 案で基礎的データが整うので、計画策定のしくみも盛り込まれているので、整備がで きるように総合的に取り組んでいく。

Q.一般財源化の流れがあるが、ある程度整備ができるまでは補助金を残し取組体制 を。小規模作業所、法定外の位置づけ。一生懸命とりくんでも、充分な成果があげら れなかった。複数の障害者の生活も支援しているなど、さまざまある。新しい制度 で、積極的な移行も示している。サービス提供のためには、今まで取り組んでいると ころを使っていくことが大事でそれ以外にも今ある規制・縛りを緩和していくこと大 事と思うが。お考えを。

部長;小規模作業所は大きな役割を果たしているが法定外になっている。今回の法案 では法定施設に移行できると思う。小規模授産は、NPOという選択もできる、社福が のぞましいが、社福の規制緩和も検討して、作業所が役割を果たせるようにしたい。

Q.小規模作業所の議員連盟をつくっており、バックアップしていきたい。行政も移 行について積極的な支援を重ねて要請する。精神障害者について長期入院が多く、社 会基盤がないので入院している人が7万人、職業、住居、ホームヘルプの確保が重要 と指摘もあるし私もそう思う。今回支援サービスは市町村で、精神については職親制 度などもあり、これが有効だったが、一般財源化で地域ではなくなったところもあ る。精神は特に手厚く取り組む必要があるのでは。考えを。

副大臣;就労の支援は大変重要である。精神障害者の自立のため社会のなかで働いて いる人とはなしをしたが、長年入院だと社会に出るのが不安だと言っていた。簡単に は実現しにくいと感じた。就労移行支援事業をたちあげ、福祉と雇用がネットワーク を組み、障害者の適性にあった雇用をすすめなければならない。雇用施策でも精神の 就労機会の拡大、在宅就業などの支援も取り組んでいくところ。職親制度は社会適応 訓練事業として全都道府県で実施されているが、見直し後の施設との連携を検討して まいりたい。

Q.本当に必要な障害者にすべてにサービス提供できるように安定してほしい。費用 も増加する。予算は大幅な拡充必要でみんなで負担しあうことが前提になってくる。 定率負担について、所得の低い人に大変だという議論が集中している。厚労省の考え ではサービスの量や所得に応じた負担をしてもらうことになっている。負担能力を勘 案して、手だてを講じますということ。負担能力を大幅にこえ生保に陥ることはない と考えている。世帯の考えも、扶養家族の場合は世帯、そうでない場合は個人の所得 で、確認答弁で行われている。負担についても厚労省の考え方は障害者の能力を勘案 したものと理解している。でもあまりにも急激な負担増は大変。激変緩和はしっかり やってもらいたい。上がり幅大きい、通所サービス、障害児入所、重度長時間の場合 激変緩和措置も必要であり、衆議院で社福減免を行い公費助成行うべきとの質問があ り、さらにきめ細かい配慮として公費助成のしくみにしたいと答弁あったが、具体的 にどのように取り組むのか詳しく答弁を。

大臣;丁寧に答えるべきと思う。通所、児童入所、長時間重度、激変緩和の観点から 低所得者野への配慮として、一定の低所得者の人に対し実質負担額を半分にする。社 福法人による減免とそれに対する公費負担。一事業者につき、各上限額の半分を超え る部分について減免する。デイ・通所は所得などで低所得1は7500円以上を減 免、収入預貯金が一定以下の人が対象で収入は150、預貯金は350以下とする。 世帯が1名増えれば収入は50万、預貯金は100万あげる。総額の5%に達するま で超える分については公費負担減免額の3/4そする。こういう方向で調整してい る。

Q.是非実現するようにがんばって頂きたい。社福の要件の緩和についてNPO法人で も対象になるが、税制、減免なども要件緩和を継続し行ってほしい。

部長;NPOでも就労などの事業ができるようにした。社福を目指すこともあってい い。資産要件の緩和も意見書として出されているが、緩和措置が必要であると意見書 にあったので検討していきたい。

大臣;利用者の減免、社福祉法人は公共性が高いので税制が優遇されているため社福 で認めている。しかし地域で社福のサービスがない場合は、それ以外でも取り扱いで きるように検討している。

Q.弾力的によろしくお願いします。財政破綻の危機、もっと多くの障害者がサービ スを必要としており、今回の法案で転換を図る大きなしくみができあがるので、一刻 も早く成立が望まれる。予算的にも将来拡大の道筋ができた。施設体系を見直し、効 力もって提供される。負担も無理のない負担を実現できると思っている。男女機会均 等法も批判があるなかで、この法案でもないよりはましとして成立し、これによって 女性の社会進出が進められた。これは社会全体の態勢になってきた。法律はそういう 風に理想に向かって仕上げていくもの。まだまだ足す部分があるが、これまでのもの からは画期的で、これに基づいた予算確保が大事なので、大臣決意を。

大臣;柔軟に効果的効率的に実施される事業として地域生活支援事業を位置づけ、こ れは裁量的経費で残っているので、補助を行うこととしているので、指摘の通り予算 をとらなければならない。この事業の実施には予算確保、水準が低下することがない よう最重点事項として確保に努めたい。現実を踏まえ一刻も早く成立させたい。

●朝日俊弘議員(民主)
Q.まず、まだ解決する問題があり、充分な審議時間をとっていただきたい。
基本法との関係、基本法を踏まえ立法されていると期待してきたが、むしろ後退して いる。衆議院でも与党もそう考えて修正になった。基本法に銘記するとことが必要と 思ったぐらいだから。理念が生かされているか、みな疑問に思った。この関係、どの ように考えているのか。

大臣:個人の尊厳、尊重、基本法の基本理念は自立と社会参加は基本となるもの。4 2条第3項にも反映されており、修正もされた。政省令施行にも当然考慮して進め る。

Q.目的のところに銘記しただけでは不十分。まず、最初に指摘するのは障害の定 義。障害者基本法ではこう書いてある「・・・・」読み方にもよるが、定義の力点は 「継続的に生活に制限をうける」ところだと思う。支援法の提案にあたって、障害概 念、定義を見直してほしかったが、支援法では定義を定めることはなく、個別法の適 宜に委ねた形になり定義していない。知的障害者の定義は法にもない。明確にない。 精神保健福祉法には知的障害者が入っている。一方身体は、別表としてかなり細かく 定義づけされている。精神法では統合失調、中毒、精神疾患を有するものとして、病 気疾患で定義している。各法でバラバラ。今回の法で基本法をベースに見直さなかっ たのか。発達障害も精神の中に含まれるとうのも気になる。なぜきちっと議論されな かったのか。

大臣;指摘の通り。基本法「継続的に・・・・」これは生活能力に着目した障害概 念。各法はそれぞれの分野ごとの発展経緯があるので、バラバラというのはその通り で、運用されている。適切にサービスが利用できるのがまず重要と考え、定義は各法 を適用しているが、3障害を一元的に提供したい、障害程度区分で適切に利用できる ようにしたい。一元的に提供したいというのが今回の目的。衆議院で修正もなされた ので、範囲のありかたは今後の検討課題としたい。

Q.事細かに定義づけするのではなく、この法で力点をおくべきは、ハンディある方 を社会がどうサポートするかで組み立てられているので、疾病概念ではなく、生活能 力・状態の概念としてほしい。次に障害程度区分がどうもよく見えない。認定作業は 市町村ができるのか、人は誰が、財源は。実際どんな風にきめられるのか。

部長;区分は市町村が判定し、最終的に市町村が支給決定する。市町村にはしんどい のでバックアップも必要。手順は3段階に分かれる。心身の状態をアセスメント、コ ンピューター判定、審査会判定の3つ。それぞれに市町村が関わる。いろんな部局が 担当する。アセスは、中立公正な立場なら相談事業者に委託もできる。小規模市町村 なら共同で審査会設置でき、都道府県が設けることもできる。新たな事務の費用等々 は補助制度も設けている。職員の水準確保、マニュアル、標準化などしてバックアッ プしたい。

Q.認定する入り口となるので、どのように認定されてサービス利用ができるか大事 なところ。基本は市町村の責任という説明だが、作業手続き、全部が市町村だけでは なく、委託もできる。その場合の制度管理、質はどう確保するのか。区分の認定作業 は、一部委託できるのか。できるなら質の担保は。

部長;1次判定2次判定、アセスは専門性が必要なので事業者に委託できることとし ている。アセスメントする人は公務なので守秘義務あり、調査内容の統一が前提でマ ニュアルも作成する。研修も実施し質の向上を講じる。

Q.マニュアルを作り、研修し質が保てるというが気になる。モデル事業を行い、結 果を踏まえるのだろうが、精神の適切な判定が出るのか気になる。試行事業の結果は いつまでにまとまるのか。それ踏まえどのように判定項目の工夫するのかについて答 えください。

部長;61自治体で1800名の調査、審査会の判定の試行事業を実施している。今 週中には審査会も終わり、8月中旬には報告が上がり8月末には粗い集計がでる。日 常生活や精神障害者の特有の項目も追加し106項目で行っているが、厚生科学研究 で研究し、関係機関団体の意見も幅広く聞く。継続的に精度の高いものになるよう引 き続き検討していく。

<休憩>

Q.午前の最後は障害程度区分の報告がいつ出るのか、報告を踏まえた改善について 確認した。多くの人が関心を示している中で、8月末の報告が出てそれから検討する のだが、本来それが見えてる形で審議すべきであり、不親切。次の点、障害程度区分 の認定は何を指標に、何段階に区分していくのか。今回の特徴は3障害を統合してい くという話しだが、統一的に程度区分をするような区分の仕方があるのか。それぞれ に違うのではないか。方向は3障害統合なのか、個別に力点を置くのか。基本的な考 え方を示してほしい。これには審査会委員のことも関係してくる。身体知的精神それ ぞれに詳しい方がいる。どういう構成でやっていくのか。区分の基本的考えは何を指 標に、3障害統一なのか個別の指標に着目するのか。

部長;結論から言うとできるだけ統一したものを目指しつつ個別に配慮する。審査会 の最終判断だが、いろんな分野の専門家に入ってもらうが、それぞれの知識を持つ 人、各分野にバランスとれた方がいい。介護と訓練は内容・目的が違うのでそれぞれ の区分を考えていく。あわせて精神特有なものも考えていく。

Q.優等席答弁だ。本当にそれを実際にどうやっていくのか。私は精神関係だが、率 直に言って身体の委員の役は担えない。個別の領域があり専門家がおり、個別にやっ て検討してきた。この3つの障害を統合しようと、このギャップを埋め共通部分を共 有するのは大変なことで、準備期間があって共通認識があってきめ細かい作業手順が あって然るべき。具体的にどうやっていくのかさらに聞く。

部長;まず調査項目のうち79項目は共通部分で、それ以外は不十分なところを、そ れぞれに精神特有のものなど追加し106にした。それで足りるのか、何が必要か、 検討し意見をお聞きしながら作る。施行後も見直していく。市町村の職員が勘案して いく際にはどういうことを聞くかなど、医師の意見書への配慮なども示し、その上で 審査会で審査してもらう。切羽詰まっているのは事実。試行錯誤なので、いろいろ作 業しながら作っていく。

Q.いかにもデスクワーク。意見交換を現場とちゃんとやってほしい。認定のところ でこんな結果がでるのかといって、入り口で喧嘩がはじまる。充分意見交換し改善に 改善を重ねてほしい。まだ心配な点がある。認定結果に基づき、どういうサービス決 定、フォローを考えるのか。介護保険は、包括支援センターという場所をきちっと定 めることが提起されてきたが、どうされるのか。市町村でやれというのか。その他の いくつかの関係事業者との連携・委託でやれるのか。今そういうところがあるのか。 具体的に制度を動かすためどのようなフォローアップをするのか見えない。ケアマネ は誰がどこでやるのか。

部長;ケアマネは重要で意義にあること。一部の先駆的自治体で行っている。高齢に 比べこれらの事なので、民間でも定着していないので、公的責任が大きくならざるを 得ない。マッチング、評価、フォローも市町村に担っていただかざるを得ない。一部 は指定事業者にお願いしたいり、複数の町で審査会など設け、本腰で市町村バック アップすることが重要。将来的には包括センターなど障害分野もこういうところを活 用するのも方法。

Q.介護は包括センターでやっていく。障害は、市町村、広域、都道府県、指定相談 事業者といったが、それはどういう事業者か。

部長;指定相談事業者はアセスメントで受託をし、相談の委託を受けたりする公平中 立の機関。民間にあればやってもらえる。ないところは市町村などが行う。

Q.どんな例があって、どんなスタッフがいるのか。委託を受けた場合のお金は。

部長;現行の支援費でも相談支援事業がある。例えば知的は療育等支援事業。

Q.ケアマネの手法も障害別にあるが統一していくのか、個別で考えていくのか。ケ アマネの考え方説明を。

部長;まとめてやっていくところと、障害別にやるところもある。地域や法人によっ てそれぞれ地域の実情に応じて適性に判断し対応して頂く。

Q.心配になってきた。専門分野に特化したところと、既に他障害を受け入れている ところがあると思うが、市町村が地域ごとに適切に判断ということは市町村任せか。 厚労省としてはケアマネの手法を使うのはそうだが、運営・制度を回すのは市町村や 広域連合都道府県、事業者で、事業者はあるところもないところもある。厚労省はど ういう方向でやるのか、市町村任せか。

部長;地域の実情は個々。3障害まとめてやるか、個別にやるか。実情に応じて適切 に判断して行っていただく。

Q.大臣に注文しておくが、ワンパターンで押しつけはできないが、こういうやり方 やああいうやり方があり、ヒントとキーポイントを上げ、きちんと市町村が取り組み やすいように提示しいかないといけない。市町村ができない場合は事業者や県との協 力関係も検討しないと市町村は困る。これは区分の認定のしかた、審査会のしかた、 ケアマネのしかた、市町村の役割大きいが、市町村の力・資源も乏しいので、見える 形で提案してくれないと困る。総務省は今の話しを聞いてどうお考えか。介護保険も 町の保険者機能を強化しているが、今度は障害者福祉の一元化。一般財源で、税に なっていき、市町村の役割は重要になってくる。マンパワー・財源の確保が心配。合 併が進められ、1800ぐらいに収れんするというが、人口5千、1万の自治体もあ る。介護保険も障害者福祉も重い責任を担う。精神分野は人材は市町村はもっていな い。その状況で法律が改正され、1月からやんなさいというのを総務庁はどう考える のか。

武知局長;自治体の創意工夫を生かす裁量と弾力的施行、充分な財政措置などの要望 が自治体からきている。省としては、市町村に一元化され新しいしくみが導入され、 個々の具体的な問題について円滑に施行されるように、団体の意見も尊重し、厚労省 とも連携取って進めたい。一般的に福祉、保健、環境、都市計画は、身近な市町村が 担うことが重要と考え、財政基盤の強化も考えていきたい。

Q.市町村の皆さんがどうできるか、条件・環境整備次第と思うが、充分に市町村の 実態を受け止めうけとめ、厚労省に注文をつけてほしい。最後の質問、子どもの問題 をどうするのか。児童の入所施設は、全体のしくみが支援費導入の時も、従来の措置 を残してきた。今後の基本的考えは子どもも含めた支援法にということだと思うが、 私は成人とは違った側面があり、障害認定も発達し変わっていくし、教育の問題もあ り、負担を課すわけにもいかないので、支援費にも入らなかった経緯もある。今後ど うするのか。基本的な考え方を。

大臣;現在児童は措置が執られている。今回の改正では契約制度とする。保護者が サービスを選択することが広まってきたので、契約制度を提案している。保護者の保 護が期待できないところは措置制度を残す。施設利用などの支給決定については都道 府県の児童相談所の意見も聞く。区分は成長することもあり、現在はベースになる指 標がなく、今回は設けないこととしているので今後の検討課題としている。施行後3 年後、検討し、入所にかかる実施主体のあり方を含め見直しを行う。教育などの配慮 も必要なので、これらも含め必要な検討を行う。

●山本孝史議員(民主)
支援法関連の質疑の前にアスベスト問題、広島・長崎の原爆被爆者問題に言及(省 略)
Q.精神障害中心に障害者の数が増えてきている。適切なサービス提供体制の整備す るというが裏付ける財源の確保が求められている。支援費が変わろうとしているが、 この制度が始まったのが15年4月。12年の5月に委員会でも審議したが、5年 経っている。当時を思い起こしなぜ措置から直接この支援法に移行しなかったのか。

部長;基礎構造改革は措置から契約への大きな流れで、身近な自治体でのサービス提 供、民間活力の活用の大きな議論があり、高齢は介護保険で、障害は支援費が始まっ た。その時点では、措置を契約にもっていくことに主眼が置かれた。施設は以前から 義務費だったが、在宅は裁量になっていた。そこまで議論が煮詰まらなかったし、力 不足だった。精神も含めることもH12年の時点では関係者の合意が得られなかっ た。その後も議論をいろいろ積んで支援費の理念を発展させるため今回提案をしてい る。一気に実現は理想だが、合意は当時得られなかった。

Q.理解が当時から比べ得られたのか。その後厚労省の回答が出てきたのか。支援費 の良いところ悪いところの検証が重要だが、支援費の費用が足りないので今回の改革 ではまったく乱暴。今年も足りないのはわかっていて、足りないから無理矢理通せと いうのは、与党して無責任。今年度も予算を組めなかったのは厚労省の力不足のた め。ホームヘルプは支給の要否と量の決定は市町村が行う。費用の増大は利用が増え たからだが、施設が義務的経費で居宅は裁量で、ここのところが裁量で足りないのだ が、何故支援費で義務費にできなかったのか。

部長;支援費は措置から契約へが議論の力点で、当時の厚労省担当の常識として居宅 は裁量であり延びはそこでおさまると思っていたのだろう。理念が普及しサービスが 広まった。裁量的では財源確保が難しくなってきた。そいう事情が重なった。国家財 政が厳しくなり、サービスが伸びることを予測できなかった。そういう問題点を克服 するため今回提案している。

Q.5年前財政が逼迫してなかったとは誰も思っていない。ただ見通しが甘かったと 正直に言うので追求はしないが、お金がないので早く法案を通せでは、与党の、財源 が足りないという責任を障害者に押しつけていることになる。個々人の公費支給決定 の脆弱さが失敗の原因というが、そこに不公平があったのか。

大臣;市町村によって大きなばらつきがあるということ。

Q.ばらつきが何故生じているのか。

大臣;市町村によって判断の客観的な基準がないから。

Q.;サービスが必要な方に市町村ができるだけ出そうと思う。その必要度に応じて 要求されている以上に出ているのか。適切なのか不適切なのか。

大臣;それぞれに市町村は適切な判断していると思っている。全体として見るとばら つきがある。

Q.大阪や滋賀はホームヘルプの支給量が多い。格差が激しい。たくさんのところが 出し過ぎているか、他が少な過ぎるのか。必要なところが出し過ぎているわけではな いということか。

大臣;市町村の判断なので、私どもが言うべきことではない。ただ、客観的基準がな いのでばらつきが生じたので、基準を設けようとした。

Q.客観的な基準ないのに適切に支給決定が出されていた。利用希望の方に行き渡ら ないのは財源が少なすぎるのが致命的。たくさん出しているところの人を標準化して しまうと困る。どう考えるかで、これは理念の問題。必要なサービスを出すべきだ。 サービス量はもっと増えていくもの。そこの格差を考えると、予算が大幅に伸びると は思えないし、サービス量が増えるとは思えない。そこが皆さんの不安になっている ところ。支援費がどういう形で使われているのか、内容などの実態調査はあるのか。

部長;市町村においてニーズに応じ提供されている。全国網羅的なデータはなく、現 在集めている。

Q.HPであり方検討会の資料をみてみると、知的の方で支援費の400時間を超え る方達、200時間超える方がおられる。厚労省の基準は125時間。これを超える 人がいるのが実態。それを踏まえ、法を変えなければ。生活状況、利用のされ方を把 握しないと判断しづらい。24時間365日利用する人にどういう形でやっていくの か。これは悩むところで、一定の回答がいる。しばらく待って下さい、できるだけや りますと言っている。給付の部分は高齢とちがい使いやすいものにならないと生活が 成り立たない。障害者と協議をしていく中で納得できる点を探す必要がある。そのた めには時間が足りないのが事実。お互いが理解し合える姿勢が必要。支援費の時に基 準を3区分に分けた。それぞれに概ね時間の基準を設けた。これは市町村の運用を妨 げるものではない。3区分間で補助金の流用は認めていたので、余ったものを多い部 分に回すことができた。これで基準を超えるところも負担できた。今回、この負担に ついて区分間流用は認めないとしていて、これができなくなると、たくさん使ってい る方は町が単費で出さなくてはならない。これは自治体も心配している。

部長;個人差・地域差は当然ある。支援費は町がそれぞれ決定している。新しい制度 でもそれはおなじ。財源については3つの区分で限度額を設け国と自治体でやりとり している。区分が大まかなので流用を認めて、市町村の工夫に委ねている。新しい制 度は支給決定は市町村が決め、きめ細かい障害程度区分に応じた基準をつくりたい。 さらに細かな段階も受けて、125時間を超えた区分もつくりたい。それを作るの で、流用の必要性もないのではと思う。小さな自治体の問題はあるが、これは自治体 とも検討したい。長時間サービス利用についての市町村の決定と国の負担をどうする か、ルールはどうあるべきか、実態調査をし、格差やなぜそんなにかかるのか、いろ いろケースがあり、そうした観点から検討する。

Q.区分は統一で運用するでは見えない。125hを超える分でも自治体に迷惑をか けないという発言だが、標準的な費用が決まり、それで総額が決まってくるが、利用 者が増えることでトータルは増えるが、基準額が低いと自治体の単費が増えカットさ れる。それが不安になっている。支援費の長時間利用の背景をしっかり把握して、切 り替えないと混乱を生じる。現在のデータと区分の決め方、基準額がどうなるのか、 どの時点で決まるのか。

部長;具体的には、区分の試行事業、実態把握はやっているので、区分は秋にまと め、額や人数は来年の予算編成過程で決めていく。

Q.実態調査の報告はいつでるのか?

部長;結果は秋にでる。9月頃を予定。

Q.これは与党にも提案してるが、データをまとめてから審議してもいいのではない か。区分、審査会について。基準額は予算編成に入るのはわかるが、大まかこれくら い、どうなるのか、量がどうなるのか、秋の臨時国会でやるのが最適ではないか。

大臣;検討の過程でのデータは出しているが、これから揃うものはその都度報告す る。今の話しだと、率直な思いは、何しろ予算も支援費は10ヶ月分しか組んでない ので、1日も早い審議をおねがいしたい。

Q.今年は収入が黒字になっているし、生保も毎年補正は組む。補正は組むことはで きる。当初から10ヶ月分しか予算がないのは理解できない。たがいに理解を深める 必要がある。障害福祉計画のガイドラインを示すと思っているが、これはいつ示され るのか。

部長;ガイドラインは示そうと思っている。計画策定の手続き、見込みの方法、サー ビス確保の方法、他の計画との関係性などを盛り込み年内には示す。

Q.年内とは年末までですか。

部長;指針は年末までに示す。

Q.市町村はその指針を受け、年が明けてから考えるのか?

部長;計画策定は18年 度中。短期的な来年度予算の作業も平行して行う。

Q.最初の年は来年。18年度が初年度で、計画はいつ決めればいいのか。

部長;これは長期計画なので。策定は18年度中に行う。

Q.長期的なものは指針を年末に示すと。それまでのもの短期的なものは、それまで にということか。急な作業を市町村にお願いすることになる。平成9年5月の衆議院 付帯決議では障害者計画は全ての市町村で策定と盛り込んだ決議があったが、全体の 31%のみが数値目標盛り込んだ。障害福祉計画に基づく障害者プランは31%。こ れで今後速やかに策定されるのか?今度こそ数値の入った計画を立てられるのか。

部長;義務づけはされているが、いまのような状況なのは指摘の通り。障害者計画は 様々な分野を含む全般的なもの。今回の障害福祉計画はサービスの計画なので数値を いれないと絵に描いた餅になる。必ずつくってもらうし、アドバイスもするし、今度 は数値の入った計画を作ってもらう。障害者計画とも整合性をもってもらう。

Q.計画が作られなければならないインセンティブや強制力はあるのか。

部長;財源の根っこになる計画なので、それなくては財源確保ができない。つくって もらう。裁量的経費、市町村に気構えをもって指導していきたい。

Q.予算確保は数を掛け合わせ予算を出す。市町村の計画と国の予算は一致しないの か?この数値はどうなるのか。

部長;市町村の計画の足し算が国の計画ではない。

Q.それこそ絵に描いた餅になる。国としてレベルアップのプランがあり予算確保が でき、それでも足りなければ市町村が上乗せしていくのではないか。市町村が意欲を 持つことにならない。基本的に考えて、障害者に関わる予算が少ない。人数の分だけ 増えているだけで、予算が少ないのは何故か。財務との交渉、政府の流れ踏まえこれ から増えていくのか。何故増えないのか。

大臣;数字はしっかり示すが、障害保健福祉関係予算、6924億円、一昨年、昨年 と4.2%、8.5%と伸ばしている。他の予算と見れば着実に延びている。支援費 から在宅を見ると27.8%増。16年度は33.3%増。17年は54.5%の増 額をはかっている。この数字をご承知を。厳しい中で充分に延びてきたとは言えな い。何故かといえば、私の力不足もある。かねて議論している中では国の予算が厳し いと社会保障への風あたりが厳しくなる。厳しい状況にある。

Q.期待通りの答弁ではないが、障害者数の調査が数年おきで、予算のほうが延びて いるようにみえるが、毎年に振り分けると、障害者数の伸びはもっと大きいはず。
ニーズの顕在化というが、元々我慢してきたということ。支援費が多くの人に受け止 められたことを踏まえ議論すべき。予算はやはり足りない。介護保険を全てのリスク 対応するものにといってきたが、与党はのってこなかった。ここは知恵をしぼらない と。もっともっと予算は必要。あとは全部積み残したので次回の質問に。

●足立伸也議員(民主)
Q.政治とはなにか。障害者の生活に関わるところなので2回の質問あると考え、今 回は子どもの問題を取り上げる。次回は大人。主に3点聞く。発達障害、育成医療と 小児慢性特定疾患、負担について。ここに全腎協の冊子がある。成立すれば経済的に 苦しいが、大臣は「私一人ではどうにもならない。患者団体にも声を上げてほしい」 といっている。これは真実か。

大臣;○月○日にお会いし、会談の場で言った言葉で、正確ではないが、だいたい、 医療費全体の確保は厳しい状況なので、声を上げてほしい。ともに医療費の確保に、 とにかく一緒にがんばりましょう」ということを申し上げた。

Q.連日の行動はご存じで、皆目にしている。この炎天下、障害者の行動は危険で透 析の人も危険であり、命をかけて訴えている。国民の5%が障害者とされているが、 外国では10%。認定も少ない。予算も少ない。認定数が少ない。みな自分のためだ けではなく、もっと声が上げられない人のため行動している。地方へ出向いて公聴会 開くことは絶対必要。大臣は法案に多少疑問ももっていると思っている。93年の基 本法の付帯決議、昨年は発達障害者支援法で施策もきめ細かく進めなければならない と決議が成されている。制度の谷間をなくしていくことがやりたいこと大臣は年頭に いっていたが、3障害の一本化にあたり、谷間を包含する法案が責務と思っていた が、当初は包含していたものを考えていたのか。

大臣:年頭の記者会見でもいったが、かねてからも言ってきたが、社会保障で谷間を 埋めたいと思っている。その一つが障害者のことを言った。谷間のさらに谷間と思う のが精神障害者とも思っている。これをできるだけ埋めたい。埋めるために、支援法 を考えたし、そのための法律にしたいと進めてきた。発達障害を含め、法の中で対応 できるのが望ましく、検討し考えたが、精神障害者の中で発達障害を含めると説明を きいたので、そこで考え、また3年で範囲を検討し、その時はこの問題にきっちり答 えを出したい。

Q.気持ちのなかでは含んでいる。ということですね。都の児童のセンターに視察に 行ったとき、パンフレットを見て自閉症相談が知的障害の相談に入っていて、認識が 足りないのではと言いましたが、都は厚労省が決めたことと言っていた。帰ってきた 時に厚労省から指導させるようにした。約束はして頂いたが、指導はどのように行っ たのか。

部長;昨年11月に指導し17年度パンフについては改定された。

Q.資料を出したが、児童福祉法の児童デイについて。2003年に支援費で規定さ れたが、03年6月に対象が幼児および小学生に限定された。小学校卒後は打ち切り された。期間満了となってしまう。制度の谷間というか年齢の谷間になり中学校から 20歳まではサービスが受けられない状態。これは認識はあったのか。

大臣;これまでの経過から、望ましい対象が幼児小学校であるとしたもの。それ以前 の取り扱いと変えたものではない。この通知はその他は一律除外ではないので、曖昧 だった。質問主意書という形で指摘を頂いたので、今般、除外するものではない記 述の追加を行った。これで適切になると思われる。

Q.認識があったのか、ということを聞いている。今の答えは不十分。自治体は何度 か要請している。04年11月に中高生のデイの特区構想があり、厚労省は新たな補 助金の提案なので受け取れないとした。実施することを認めてほしいと言っている。 児童福祉法の枠の外でならやってもよいと厚労省がいった。結局県は実施できなかっ た。内閣府にも問い合わせた。中高生のデイは法令上問題がないといっていた。なの で、特区の必要なしと判断した。こちらはよくわかっていた。それで私は質問を出し た。
中高生利用できなかったこと、通知で裁量で年齢制限加えていいのか。技術的助言で 制限加えていいのか質問した。答えは「問題ない」と。2度目の質問、年齢に制限加 えること違法ではないか集中してきいた、その結果通知の変更になった。ここで言い たいのは、障害の本人・保護者がデイを受けてこられて、有用なので、だた人に広く 知ってもらいたい。厚労省は年齢制限といって切ってきたので、自治体はがんばって きたのに。生活支援の考え方、研究の結論で、ホームヘルプ、デイ、ショート、あら ゆる背景から必要で、ニーズは様々あり変わっていき、家族も含め、一意的なサービ スが必要。児童デイは早期療育だけという発言もあったが、中高生は例外的にという 扱いはやめて、これを是非守っていきたい。年齢に区切りを設けないことを確認した い。

大臣;今日の指摘、意見もありましたので研究させて頂きたい。

Q.確認したいのは年齢制限はしないということ。発達障害が増えているが、大切な のは周囲が理解する、接しながら変化を見続けることが重要。医療だけでなく、教育 だけでなく継続的に見守ることが重要。デイの事業でも発達障害の方が利用し変化が わかると言っている。特別支援コーディネーターはあまり意味がないといっていた。 児童デイ、発達障害支援の起点になるのはなないかと思う。有効に利用できるように 施策を講じて頂きたい。これは意見。障害認定について、試行事業の問題点が上がっ ているが、106項目あり介護・訓練にそれぞれ区分が必要で、介護は79項目を使 い、残り生活関連の27項目はどのように反映させるのか。

部長;障害程度区分は心身の状態を総合的に示すもの。79項目の他に、行動、日常 生活の項目などを追加しているが、これをどう生かすかは、スコア化し2次判定に利 用していく。

Q.2次判定に利用しようということ。発達障害は概念的に含んだ法案という話しが あったが、発達障害を気づかせる項目はこの中にない。1次判定に利用されない項目 なら、なぜここに発達障害の項目を入れないのか。協会が出しているPARS、かなり見 分けられるところがある。視線をそらす、おうむ返しをするなど。なぜこの辺が入っ てこないのか。3年後までに検討なら、また同じ事業をやることになる。なぜ今ここ で入れないのか。発達障害を気づくことのできる項目を入れられないのか。

部長;発達障害が重要な課題というは同じ思い。発達障害を取り込んでないのは、状 態の変化することや通常の育児と判別しにくいこと、現在指標となるものもないこと もある。重要な問題提起なので認識している。どいう検討できるか検討させて下さ い。

Q.2点目のポイント、育成医療について。昨年児童福祉法が改正され小児慢性特定 疾患514疾患となった。今までの小慢には内科的治療のみという規定があった。医 師の判断で育成医療と小慢で内科は小慢、外科は育成でやってきた。ところが今回、 重度かつ継続以外は同じ医療保険と扱いになる。小慢の治療法の制限がなくなった。 今回の告示でなくなった。今回、治療法の制限もなくなったので、514疾患になれ ば、児童福祉法に基づいて治療がうけられるのではないか。

副大臣;従来から指摘おおり、内科・外科を整理して対応してきた。2月21日の通 知だがその整理は記載してないがQ&Aで、従来通りとした。育成医療と小慢の取り 扱いを変更するものではない。

Q.局長通知で文言がなくなったのに、Q&Aで答えているとはどういうことか。

後藤局長;事務連絡という形で一問一答方式で示した。

Q.Q&Aは大臣告知の今までの制限の廃止にまさるものなのか?

局長;まさるとは言えない。確認のため、自治体からの問い合わせに対し、混乱が生 じないように、事務連絡として示した。

Q.従来からの取り扱いは大臣告示で疾患名が特定され、公費で見て頂けるし、重症 なら自己負担はなし。自治体の電話対応に法的根拠があるのか?私の解釈は間違って いるのか。

局長;正式通知で出せという指摘もあるが、この点で混乱が生じたとは聞いていな い。明確にすべきならば、通知レベルの必要性は検討していきたい。

Q.新しい通知出せではない。一つの制度で見ていけるという告示だと思っている。 だから、私は患者の両親にも変わったと言ってきた。通知は変わったが、取り扱いは 同じというのはどういうことか。この制度の中で医療が受けられる制度ではないのか

大臣;事情をきいているところだが、新しい通知に変えたので、従来のものは廃止し た。あとは事務的なものとして出した。通知を変えたねらいは、改めたことについて は事務的に局長から。

Q.ねらいは何にあったのか事務的に答えるのか。

局長;見直しの経緯、疾患の追加削除の議論を重ねてきて、新しいもののスタートさ せたが、外科・内科の適応制度の一本化の対応の議論はなかったので、従来からの経 緯で、外形的には育成の取り扱いにしている。

Q。4月から児童福祉法改正され、現場では自己負担、受診抑制、起きていないの か、小慢の実態は把握はないのか、調査結果はないか聞いた。厚労省は調べていない といっていた。大臣告示、通知重いものなので、これからどうするか見ていきたい。 小慢は自己負担の額を収入と病気の重症度で考えた。重症の判定は、福祉サービス、 医療について何が必要になってくるかを見通し、費用の面を考慮し3通りに分けた。 育成医療も収入に応じた負担を決めていくのか、障害の重さに着目した負担のありか たはなかったのか疑問。障害をもてば、その障害原因だけではなく、病院に行くリス クは高い。障害者の医療費の自己負担分は10万円前後で国民は3万。3倍違う。所 得が300万以上なら3倍のリスクあるのに同じ負担になる。障害だけではなく付随 する事柄が多くでてくる。心臓疾患なら、肺炎や他の危険性も高い。それをリスクを 負っている人に、同じ負担させるのは公平ではない。

●草川昭三議員(公明)
Q。基本的にこの法案を足がかりに障害者施策をどうするのか。社会保障のありか た、財政の厳しい状況で、経済財政諮問会議で大きな方向が決められ、骨太方針が きめられていく。骨太方針で社会保障のありかたが具体的問題として提示された。こ れは国会の場ではない。厚労族の方と私たちが注文をつけ、マクロ経済の・・・・を 棚上げにし議論をすることになった。文教政策でも同じ。補助金を削るのは自治体に 相談し、提言が有り、意見をききながら、社会保障の問題特に生保の議論をし、結局 6団体が期待しない削減になり交付金が提示されている。厚労省と財務の対立が、国 と知事の綱引きになってきて、その後は知事と地方の綱引きになっている。社会保障 は長期展望を立て、話し合いをすべき。この法案を足がかりに、今後障害者施策をど う進めていくのか。地方自治体の協力が不可欠だが、そこへの説明を。

大臣;財政が厳しい中で、社会保障をどうするか、各方面の議論があり、経済財政諮 問会議の社会保障への厳しい指摘もある。そのなかで予算確保していくことについて は一番の課題は医療。この法案でも絡んでくる。医療が一つポイントになる。医療提 供体制・医療保険は来年の国会に議論するため準備を始めている。どういう形で主張 していくか、内部でもよく検討したい。障害者のことについて、まずはこの法案の中 で義務的経費にすることで予算の獲得を安定させたい。財政で言えばそれを足がかり にしたい。三位一体改革で社会保障をどうするかも課題で、地方との関係もぎくしゃ くしている面もある。国と地方が手をたずさえ取り組んでいかなくてはならない。障 害者施策をどうするかも地方の皆さんと法案を足がかり相談してまいりたい。

Q。予算のはなしで恐縮ですが、福祉空間介護整備交付金、施設、盲導犬施設、点字 図書館など位置づけられた。地域生活支援事業から移行するのかこれは。

部長;国・地方の関係では国が関与することが重要で、障害者のハードは補助を残し た。施設体系の再編を進めるうえで、補助金が必要。盲導犬施設、点字図書館はは交 付金に移し替えた。地域生活支援事業は運営費の補助金。ハードは空間整備事業で行 う。

Q。自治体にとっては重要、メニューによっては補助金に残るものもあり、市町村が 考える場合もある。細かい説明書いて地方におろして頂きたい。
障害者には年金のみのひと、資産形成が不十分の方が多い。定率負担に不安を思って いる。陳情もきている。なぜ定率負担導入か、高くなると利用を遠慮する人も出てく ること考えて案をつくったのか。自治体の対応もあわせて答弁下さい。

大臣;支援費に移行し、新たにサービスを行う市町村が増えた。給付費が延びてい る。伸びを確保するためには、皆で支え合うことが必要。さらに申し上げれば他の制 度との整合性から一定の負担をお願いしている。安定した制度のために、在宅の負担 を義務的なものにしている。必要な財源を確保し安定した運営していくものとしてい る。

Q。定率負担の場合、生保が必要になる人もいる。生保の問題はいわないが、きめ細 かい対応を。障害者の所得の実態把握はどの程度できているのか。生活状況、住居、 生活含めどう把握しているのか。

部長;5年に1度全国で実態調査しており、15年にはリハセンターの退所者の調査 をした。収入が300万の人が3割、100万円未満が2割強。1/4は働く場がな い。一方で地域生活への意向が高まっている。必要的なときに必要な相談が身近な場 所でできるところも必要。そのための財源が必要。

Q.収入100万円未満が2割いる厳しい状況。親との同居が4割。親と話すと、1 日でもはやく、障害者の子どもが亡くなった翌日に死にたい。それが実態。胸が詰ま る。そういう実態から、負担、見直すなら実態を踏まえるべき。基礎データの不足、 総合的な調査すべきではないか。

大臣;基礎データは充分ではないところもある。必要なものは法案の施行の把握に努 めたい。データが少ないのはプライバシーに配慮しているからで、その上で把握に努 めたい。

Q.プライバシーの問題もあり簡単にはできないが、しっかり調査を。利用者負担の 上限額、税制と医療保険で扶養しない時は本人・配偶者の所得とすることを選択でき ることになっている。なぜ配偶者もいれるのか。所帯の考え方も整理を示してほし い。

部長;従来の制度では扶養義務者にも負担していもらっていた。障害者自立支援法で は廃止した。上限額設定はお互いに支えあう、生計を一にする者の所得を見て設定す る。親兄弟子どもなどが医療制度、税制で障害者を扶養していない場合は同一世帯と みなさない。配偶者は民法上生計維持の義務がある。いわばパートナー。

Q.選択制度はよほど説明しないと、明示しないと、いくら負担とか、分かりやすく 説明しないといけない。旧労働省の問題だが、雇用型の就労支援、納付金の活用で積 極的な支援を。雇用率、ペナルティでも安全上の配慮も必要。事故の時の責任があ る。機械だけでなく休憩室、トラックの上げ下ろしなどたくさん問題があり、例えば 自動車産業の親会社に説得して作業できるような仕事を受注させないといけない。親 会社も承知して条件付きで受注。単に中小企業に補助するだけでは進まない。

金子部長;障害者雇用納付金制度、未達成企業から納付金ださせ、施設整備や補助金 を出すしくみ。雇用継続支援の雇用型は、契約があり納付金の制度の対象となる。納 付金制度の支給対象になる。ここは対策を講じている。指摘のあった仕事の確保など の配慮は、納付金制度などが基本だが、事業主がジョブコーチをつける時に出す助成 金を創設することとしている。これを活用もして頂くのも方法。加えて、今回の改正 で福祉と雇用の連携の事業も予定している。このなかで雇用管理・作業指導でアドバ イザー登録などをし、事業への人的派遣も考えている。仕事確保、人材派遣なども検 討をしていきたい。

Q.ハローワークでは障害者の方が行って、いいところはほとんどない。話し合った 上で派遣事業で、個別企業の中で対応できる場所があるなら、障害者へ対応をしても らいたいなどの情報交換なども活用して頂きたい。職業能力開発、能開局ができて1 5年以上。積極的に訓練校などをつくり実績を評価しているが、障害者に対すること は一律にこれができるわけではないが、ある人はITに向くなどの人もいる。それが マッチしない。求人と提供側、能力開発だけでなく職業紹介できるようにし、能力開 発もいろんなことし、適応できるものがあるはずなので、安定的な職場の確保ができ るのではないか。

上村局長;求人も多様で、職場も多様。それらを踏まえ取り組む必要がある。公共の 訓練施設はバリアフリー化し障害者の受け入れを進めている。障害者の職業能力開発 校の設置しを昨年度から進めている。開発校内にも知的障害者のコースなどを設けて いる。一般の開発校公でも障害者対策は進めている。

Q。厚生と労働が一つになりだいぶ経つ。厚労省合併でもっとも実績を上げて頂くの この分野で、これにどう応えるか。支援法を受けて、福祉の施策と職業能力開発をど う連携させていくのか。旧労働省では後れていくし、厚生省では新しい分野を見つけ ていただく。具体的成果を上げることが実績になると思うが。

上村局長;職業訓練は後追い的になるジレンマがある。ニーズを早くくみ取り活かす ことが重要。昨年から始めた委託訓練、社福などとも連携して進めてきている。福祉 施策とも連携し、きめ細やかな能力開発をしていきたい。

Q。市町村の審査会の委員はどういう性格か。中立、公正なら障害者が望ましいとの 助言していくとなったが、政府は障害保健福祉の有識者、養成してでも積極的に育て ていかれる考えか。公正中立は難しい言葉だが。

部長;区分の客観的判断、支給決定案へ意見が業務。委員には障害者を加えるのが望 ましいと助言していきたい。審査マニュアル作成、研修を開催し、地域の実情に応じ て、複数の町での設置できるし、都道府県が設置もでき、適切にできるようにしてい く。

Q.窓口からの質問だが、市町村が中身決めるとき、評価尺度、障害者の生活が可能 とする適正な尺度とすることが大切。地域生活の保障。最重度の人を想定すると長時 間が必要。尺度と、当事者の意向はどの程度受け入れられるのか。簡単に結論は出な いとおもうが。

部長;基準は重度の人でも地域生活が可能な適正な基準とすることが肝要。試行事業 をしているので意見も聞いて適正な基準にしていきたい。本人の意向、家族や介護 者、本人に会ってヒアリングし決定していく。

Q.精神の通院公費、医療制度の見直しで利用者への配慮は。心の病の人は増加して いる。自殺のことも参考人から聞いたが深刻だった。どのような取り組みをしていく のか。

部長;これまで一律5%負担になっており所得の低い方でも高い負担になっていた。 所得が低い人は大変だった。今回はきめ細かい配慮している。心の病の決議をもとに 戦略とりまとめ官房とも戦略づくりを行おうとしている。うつの問題も戦略的研究を する。全力で取り組む。

Q.負担の上限、激変緩和はぜひおねがいしたい。育成医療、保護者は若く所得がそ れほど高くない。激変緩和措置を講じてやるべきではないか。

大臣;公費負担、医療とのバランスもみて維持していく。若い所帯が多いので、高額 の場合は激変緩和を設けて、大人より工夫を盛り込んだ。さらなる措置はむずかしい が、一定額の負担上限など、さらに検討してまいりたい。

Q.法案では移動支援サービス、個別ではなく地域生活支援事業で位置づけられた。 移動にはいろんな要求がある。なぜ個別としなかたったのか。

部長;移動は障害者の社会参加を促進するため意義のあるサービス。効果的効率的運 用の観点で課題の指摘があった。臨機応変な対応、複数対一人の対応など柔軟に対応 できないという指摘がある。柔軟な形態での実施のため地域生活支援事業と位置づ け、義務的な事業とした。国・都道府県が補助することができる規定もある。なお重 度者には一体的サービスとして重度訪問介護、行動援護を創設した。

Q.最後、地域生活支援事業、予算の範囲内で補助の裁量的経費。はたして充分な水 準が確保できるのか。相当がんばらないと漠とした形の要求になるが、概算要求の時 期でもあるので、見解を問いたい。

大臣;充分な予算確保が必要で、水準が低下することないよう、最大限努力して参り たい。

●小池晃議員(共産)
Q.法案に多くの反対が上がっている。今日も傍聴が多い。7月の11000人。負 担増をもとめるものに対し見直し求める声がある。H12年当時「安心して利用して もらうため応能負担を継続する」と丹羽さんが答弁している。これが変わったのか。

大臣;負担については議論があり意見があった。審議会の分科会では、整合性、利用 者負担、同一のサービスに同一負担の考えも示されている。円滑な意向のために措置 と同様の制度とした。今お願いしているのはその支援費が財源として苦しいので、解 決するための観点として、改正をお願いしており、それで制度が安定していく。安定 した制度を使ってもらうことも大切なことで、それで安心できる。

Q.5年前は「安心してサービスうけられなくなる」と言っているのに。予算不足と いうが、予想が不十分なのは政治の責任。「安心してサービスが受けられなくなる」 といったのにそれからどう状況が変わったのか。

大臣;明らかにこの費用は今後も増えていく。利用していない人もたくさんいる。増 大する費用をどう賄うかが課題となっている。義務的経費にするしかないと考え、お 願いしている。

Q.それこそ財政しかない議論。義務的経費になったら安定するのか?地域生活支援 事業は予算不足になるのでは。

部長;市町村の財政支援のため、現在の財政上の制約があり、根幹となるところを しっかり義務負担する。全体としてしっかり確保できる。

Q.柔軟に柔軟にというが、義務的経費で安定し、平等に全国どこでも平等平等と いっても、平均以上のとことろは切られるのではないか。サービスが受けられなくな る。いくら義務的負担でもこれではおなじではないか。

部長;どちらが安定するかであり、市町村が恒久的に提供できるかが重要。新しい制 度は持続可能だと思う。

Q.裁量的でも義務的でも低い水準では同じこと。義務的経費でも水準が示されなけ れば安心できない。基準が示されなければ安心できない。

部長;現行の制度は予算の範囲内で補助できる制度。現行でよいのかどうか。負担金 の方が良いのか大局的な議論をしている。

Q.質問に答えてない。義務的経費で安心というが、基準が低いならサービスが出さ れなければ安心できない。これでは議論できない。

部長;現行の補助金は3つの基準。基準は秋までに検討し、基準額は年末までに示さ れる。

Q.自治体によって、切り下げが起こる。国の支出が安定するだけ。低所得者に配 慮、確認答弁で示したが、通所でホームヘルプ利用の場合。ほとんどの方は今まで無 料。社福法人の場合これはどれだけ減免されるのか。

部長;通所、20歳未満の入所施設、長時間HH利用者は社福減免とその公費負担を 行う。低所得1は7500,2は12300円、これは食費負担もあるので750 0。細かいしくみは現在検討している。

Q.質問通告したのにその程度か。具体的に示してほしい。時間かかるなら時計を止 めて。

部長;低所得者1の場合7500円の負担、ホームヘルプは3万なので1割で300 0円の負担、食費は人件費相当分で5000円。低所得者2のケース。通所施設利用 料24600円が7500円になる。ホームヘルプは3万円なので3000円。通所 食費は原材料分の5000円。

Q.いずれも1万円以上になる。この減免ではきめ細かくなっていない。世帯の範囲 について。実態どうなのか。扶養家族で3人家族の場合、所得税と負担はどうなる か。

武田部長(国税局);年収300万円の所得税額は0円。子どもが扶養親族でない場 合、所得税額6万6800円。年収600万円は所得税額は14万1600円。扶養 から外れると23万200円。さらに800万円は26万5600円、外れると44 万6400円。

Q.いずれも増税になる。国保料も負担になる。食費負担も増え、家族も大増税にな る。選択のしようがない。これでどうして選択できる制度というのか。

大臣;いろんなケースが生じる。扶養の方の税の負担が増えたり、いろんなケースが でてくると承知しているので、選択してもらう。

Q。これでは選択できない。個人になったら大増税になる。これはまやかし。所得保 障はどれだけの確保を目指すのか。

大臣;地域の自立生活考える上で重要。就労を含め、所得確保の検討規定が追加され た。現在の財政から年金・手当は改善するのは難しいので、就労含め総合的に検討し ていく。

Q.所得確保の保障がないのに負担が増えるのは納得できない。大臣は年金手当は改 善できないといっている。これは重大な法案。たとえ賛成でも、無理に通したら、絶 対に強行はあってはならない。徹底的に審議するのが責任。これは強く求めたい。

●福島瑞穂議員(社民)
Q.大臣はどうして反対が強いと思うか。

大臣;原則、配慮はしつつも、1割負担をお願いすることの不安をもっていると思っ ている。

Q.当事者抜きで決めないでという声に対しては?

大臣;このことにつきましては党の部会長のころから勉強会も積み重ね、意見を聞 き、法案ができあがっている。

Q.今も憲法25条の生存権から反対している。ILO、OECD諸国の中でも障害者 福祉予算の基準が著しく低い。

財務省主計次長;全体で8.5%、居宅支援費54%増とした。障害者施策は重点措 置した。諸外国の資料は正確に比較できていないのではと思う。

Q.米軍への思いやり予算は3000億、何の思いやりか。応益負担が前面にでてい るが、益だから利用料を払えというはおかしい。どこかに行きたいというのはわがま まではない、当たり前の生活。これまではそれを必要なのに我慢してきた。トイレ食 事お風呂は益なのか。

部長;憲法25条1項は生保、2項は福祉施策。支援費も支援法案もその趣旨に立っ たもの。今回の負担は配慮をしているので、健康で文化的生活できるよう配慮してい る。

Q.健康で文化的に営めなくなる、生活できなくなるのではないか。今もぎりぎりの 生活、参考人の尾上さんの資料にもある。この生活の上でどう払うのか。

部長;定率と応能のミックスで、限度額もうけて、基礎年金だけの生活の方は、預貯 金、就労、生保もある。いろんな生活ができる、ぎりぎりできるようにしている。

Q.これでどうやっていくのか。減免上限ではなく、問題なのは応益負担。個人がお 金を払うのではなく、社会がハンディをなくすのではないか。サービスの利用料で重 い負担もっている人にもっと負担を負えと言うこと。

副大臣;国・都道府県の負担を義務的なものとし、負担をお願いしている。低所得者 に配慮し、個別減免、社福減免などの見直しで、重度の人もサービスを受けて頂い て、暮らせる。

Q.上限、配慮した減免があっても利用の抑制となる。お金ある人からお金取るのは いいが、障害が重い人から取るのはどうか。

大臣;そのことは、一つは社会保障全体の制度の整合性、他の制度との整合性、介護 保険との整合性、今後の普遍化も想定してかんがえている。どうしても介護保険との 整合性が気になり、定率の負担をお願いせざるを得ない。

Q.障害者の問題は違う。このような考えはどんどん負担増になる。応益負担でさら に生活が下がる。透析患者は払えなくなる。入院時の費用負担もある。

部長;透析患者で負担増の方は、食費は在宅の方もあるので同じ扱いとした。福祉 サービスの方も負担増ではあるけども理解していただきたい。

Q.負担増で生きていけない。

部長;障害者もつ方のサービスの質と量を高めていくことが出発点。そのためにそれ なりの負担をお願いしている。できる範囲内での負担をお願いしている。将来の介護 保険の議論もあり、最終的には生保がある。負担できる範囲内で緩和措置もしている ので理解を。

Q.障害者を切り捨てる法案。障害者は全員生保か。憲法25条に違反している。1 3条の関係で個人として、家族の扶養義務、一にする家族の生計を勘案するとしてい る。つまり個人としてではなく家族に負担させ、家族に責任を持てとなっている。実 質的に家族がもつことになる。

大臣;今後の施策の費用が大きくなるので、そのために備え全体のパイを大きくする ためにどうするかであり、義務的経費にする。その中で個々の話しがでてきたら丁寧 に対応していきたい。そこは理解頂きたい。

Q.全体のパイは大きくなっていない。外国と比べても少ない。女の人、かつて家に いろ言う時代があった。工賃を得るためにも利用料がいるのでは家にいろと言うこと か。

大臣;外国は比較の仕方の問題で、増えているかないかは、明確に増えている。4. 2%、8.5%の延び。毎年伸ばしてきている。財政は厳しい。他の予算はゼロから マイナス。今後これが延びる。それをどうするか考えている。

Q.ちびちび伸びているのはわかっている。我慢してきたのがやっと少し伸びてき た。目的のところに「能力及び適性に応じた生活」の入った理由は。

部長:立案にあたり、人間はそれぞれに能力と適性を持っているという考え方、障害 者のかたの能力適正を伸ばしていくためのそういう文言をいれた。

Q.基本法より後退している。自立への努力はなくなった。悪くすると能力及び適正 に応じてを使われるのではないか。憲法14条上の応益負担で平等も遠のくのではな いか。

部長;あらたな利用者が見込まれる中で、安定的制度の中で良質なサ―ビスを公費で 提供するもの。具体的には、基準明確化、計画策定、全体として実質的な平等の確保 になる。

Q.どうして、負担が増えることで平等になるのか。質問を全く理解してもらってい ない。先ほどの扶養義務の世帯、家族の扶養義務強化について答弁を

大臣;全ての人がサービス受けられるようにするためにするので、これは公平にな る。

副大臣;負担義務は廃止し、負担能力に応じて上限を定めるが、生計を一にする範囲 で負担額を決定する。親兄弟子どもが税制、医療保険の扶養でなければ選択できると した。

Q.公平に障害者の人たちが生きられない法案になる。強行に採決しないように。命 を大切にする厚労省にもどっていただきたい。

【傍聴者の感想】
○具体的な答えが聞けず、あいまいな答弁が続き、限られた予算の中でどの様にサー ビスを充実していくのか全くイメージがわきません。不安でしかたがありません。生 活償金をへらすことはやめてください。(東京都TSさん)
○衆議院、参議院のこの法案の審議の傍聴をして私が感じたことは、質問する議員に しても答弁する厚生労働省の役人や大臣にしても、私達の切実なる本音の審議や答弁 がなされておらず、たま虫色の審議と答弁に撤していたように感じる。傍聴してみて こんな役人や議員たちが法律や憲法を決めて国を動かしていると思うと、本当に情け なくなった。やはり、そのような役人や議員は早く国政の場から引きずり降ろし、真 に国民の利益と社会政策の充実と向上の為に働いてくれる役人や議員を国民自ら決め るシステムを作っていくべきだと思った。(東京都SMさん)
○やっぱりなっとくいかない。ぜんぜんわからないことをきめていないかんじ。ちょ こちょこっておかねのことをなおしたぐらいじゃなく、もっとねっこからはなしをし てほしい。きいているほうがあたまにくる。(東京都Oさん)

【今後の予定・その他】
○次回の委員会審議は8月2日(火)が予定されています。審議時間・日程は郵政特 別委の関係で、前日まで決定されないようです。
○また翌3日には当委員会でアスベスト問題の集中審議が行われる予定です。
○委員会の審議はインターネットホームページ 
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
で全てご覧になることができます。また、本日のビデオ映像もこのページでご覧にな れます。
○議事録については、参議院ホームページhttp://www.sangiin.go.jp/index.htmで近 日中に公開されます。

 

※この「障害者自立支援法案 国会審議 速報」は 国会における障害者自立支援法の審議情報を全国の皆様におしらせします。 委員会の審議が行われる毎に配信させて頂きます。
尚、インターネット傍聴者の速記メモですので正式な議事録ではありません。 発言者の趣旨と異なるなど、充分聞き取れていない部分もあります。取り扱いにはご 留意下さい。

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配信元;
障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会
(全国自立生活センター協議会内)
〒192-0046 東京都八王子市明神町4-11-11-1F
TEL:0426-60-7747 FAX:0426-60-7746
E-mail:jil@d1.dion.ne.jp  
http://www.j-il.jp/jil.files/daikoudou/daikoudou_top.htm



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