=================================================
=  障害者自立支援法案 国会審議 速報 Vol.12 =
=================================================

★Vol.12 2005年7月22日号★
 7月15日に衆議院本会議で可決された障害者自立支援法案は、今日参議院で大臣 による法案の趣旨説明と質疑により審議入りしました。
 今後は参議院厚生労働委員会での審議が予定されていますが、郵政民営化関連法案 の審議に尾辻大臣が出席する関係もあり、審議時間を充分に確保できるのか、参考人 質疑、地方公聴会は開催されるのかが焦点となり、不透明な状況が続くと予想されま す。
 我々はこれまでも国会における徹底的な慎重審議を求めてきましたが、郵政や政治 的な動きに翻弄され参議院での法案審議が拙速なものとならないよう、働きかけをし ていくことが重要です。

【障害者自立支援法案趣旨説明】
●尾辻厚生労働大臣
 法案の目的・概要を読み上げ。

【質疑】
●平田健二議員(民主)
 総理が成立を急ぐ郵政法案より社会保障、特に後回しになってきた障害保健福祉分 野の充実が重要と指摘。
その上で所得保障について、自立について、当事者への充分な意見聴取、周知徹底に ついて、提出されたデータの誤りと障害者の実態把握について、支援費制度の評価に ついて、応益負担の導入について、益とは何なのか、定率負担と義務的負担導入が何 故セットになるのか、必要条件なのか、移動介護について、統合教育について、精神 障害者の社会的入院の解消と自立支援医療について、政省令委任事項が多くあること について小泉総理大臣、尾辻厚労大臣、谷垣財務大臣、中山文科大臣に政府の認識・ 見解を質した。
○小泉総理大臣
・障害者施策の基本的方向は共生社会であり社会のバリアフリー化を進めていく。
・基礎構造改革により措置から地域での自己選択、自立を目指す支援費制度が創設さ れた。
・支援費の理念は継承し様々な課題がある。この改革で課題に対応し障害者施策を一 層の推進する。
・障害者の状況は多様。住まいの確保、きめ細かい低所得者対策を行う。
・自立とは就労、様々な社会活動に参加、生き生きと暮らすこと。
・障害当事者の声は審議会を20回開催、説明、意見交換の場を500回もった。今 後も意見を聞きながら進める。
・5年に1度の障害者実態調査を元に制度を立案している。今後も更なる実態把握を 進める。
・必要なサービス確保のため利用者を含め皆で支える制度とし、国の負担は義務的経 費化した。これによって制度も安定的に運営できる。
・所得保障については附則に検討規定が設けられた。これに基づき検討する。
・適切にサービス利用できるしくみ、安心して地域で住めることが障害者にとっての 益である。
○尾辻厚労大臣
・支援費制度で知的や児童など多くの方利用できるようになった。重要な役割果たし ている。しかし支給決定の基準がない、地域格差が大きい、精神障害者が対象となっ てことなど課題も多い
・支援費の利用者本位・自己選択・自己決定の理念は継承し、財源を確保し安定的な 制度運営のため必要不可欠な見直しである。
・精神通院公費制度は上限額を設定し、必要な医療確保されるよう留意しながら運営 する。精神障害者の福祉を抜本的に見直し、安心して住める地域作りを目指す。
・社会入院患者、退院・社会復帰のためサービス提供を市町村に一元化し、見込み量 を定めた障害福祉計画を策定、抜本的に強化していく。地域の基盤づくりを計画的に すすめ、退院促進につとめる。
・重度継続については病態で判断することが良いという意見もあるが、疾病で判断が 適当と考えている、検討会を設置したので秋までには結論を得る。
・移動支援については柔軟な形態で実施するため地域生活支援事業に位置づけた。義 務的な事業とし補助規定がある。今後も適切にサービスを受けられるように努める。 また重度の方は個別給付とした。
○谷垣財務大臣
・制度の持続可能性確保が重要。基準の透明化、みなで支え合うという考え方、総合 的に見直しを行い、公平安定的におこなえる。
○中山文科大臣
統合教育については共同学習、交流を促進している。市町村が認める場合は14年か ら普通校に通える制度を創設した。

●鰐淵洋子議員(公明)
 支援費制度の評価と改革の必要性・重要性について、負担の上限額の設定、世帯負 担について、重度の基準設定、低下する懸念、長時間確保の配慮について、自立支援 医療、疾病の範囲について、所得に配慮した軽減措置について、ケアホームとグルー プホームの住み分けについて、就労支援の充実が重要だが、福祉と雇用の連携・ネッ トワークについて、財政のみの改革という矮小化してはならない
今後目指すべき方向、決意は。
共生社会実現の改革は重要。
○小泉総理大臣
障害の有無にかかわらず、安心して暮らせる地域社会を目指す。この改革で介護・就 労の充実をし、バリアフリー化していく。
○尾辻厚労大臣
・支援費の一層推進するため、給付の増大に対応するため、国の負担を義務的経費と し、各般の負担軽減措置行う。
・長時間の確保、
・重度継続についてはその範囲を検討会を設置し検討に着手している。精神について は夏の間に結論を得る。
・自立支援医療の負担軽減措置も福祉と同じしくみとしている。
・グループホームは異なる障害程度の方が同居している実態あるので、同居できるこ ととする。運営については規模・人員・報酬など充分に検討する。
・福祉と雇用の連携は福祉サービスとハローワークにおいて取り組む。ジョブコーチ 助成金制度など福祉と雇用の一貫した施策として取り組む。
・障害者の4割が就労を希望しているが、実際の就労は1%で、段階的に改善してい き、相当程度一般就労できると期待している。
・今後の自立施策の展開に関しては、附則ある障害の範囲の検討をはじめ不断の見直 し検討をしていく。共に生きる社会の実現へ努力する。

【今後の予定・その他】
○本会議での趣旨説明を終え、法案は厚生労働委員会に付託され、今後委員会での趣 旨説明が行われた上、本格的な質疑に入ります。
○次回は7月26日(火)10:00から参議院厚生労働委員会において尾辻大臣に よる趣旨説明が行われます(10分間を予定)。この日は法案質疑は行われません。
○参議院の厚生労働委員会の定例日は火曜日・木曜日です。実質な審議入りは7月2 8日以降になる予定です。
○委員会の審議はインターネットホームページ 
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/today/index.phpで生中継されます。過去の審議も全てご覧になる ことができます。
○議事録については、参議院ホームページ内
 http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho2.htmに近日中に公開されます。

 

※この「障害者自立支援法案 国会審議 速報」は
国会における障害者自立支援法の審議情報を全国の皆様におしらせします。
委員会の審議が行われる毎に配信させて頂きます。

======================================================
配信元;
障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会
(全国自立生活センター協議会内)
〒192-0046 東京都八王子市明神町4-11-11-1F
TEL:0426-60-7747 FAX:0426-60-7746
E-mail:jil@d1.dion.ne.jp  
http://www.j-il.jp/jil.files/daikoudou/daikoudou_top.htm



HOMETOP戻る