11月28日の社会保障審議会・障害者部会の報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

当日の内容メモをお送りします。内容的に記録者の不得意な分野の議論も交わされて いますので、正確でない部分もあるかと思います。 あくまでも当日の傍聴メモいうことで、お取り扱い下さい。

 今回は、半分くらいが、精神の施策について話が割かれていました。社会的入院の 72000人の問題の着実な施策による推進と、それがクローズアップされるがそれ以外 の問題についても対応していくべきという意見が出されていました。

解説

 介護保険と障害者施策については、徳川委員(身体障害者施設協)から、 「在り方検討会の中で、11/14の検討会の中で、介護保険制度と支援費制度の問題に ついてふれている。介護保険の見直しの中で、障害者も検討すべしと言う意見と、時 期尚早という意見がある。どうなっているのか。」 という質問がでて、
 高原課長「多くの意見がでている。中長期的に財源の確保しないといけないと言うの はおおかたの委員のコンセンサスはとれていると思う。しかし、介護保険との関係に ついては意見が分かれている。
 時期尚早という委員もいる。もう少し、積極的に介護保険の器を障害者の施策の中 で使っていくことを前向きに考えたらという委員もいる。
 これから、あり方の検討会の中で、制度論にもなるので、どこまでつめていくの か。在り方検討会ではサービスの在り方について十分に議論するのがメインテーマか もしれない。
 検討会の中でもいろんな意見がでている。社保審との役割分担についても整理して いく必要がある。」
村木課長「審議会と検討会の役割分担もある。検討会ではサービスの在り方について議論している。 制度論になると、審議会の役割。また介護保険の審議会もあり、上部にある全体の 社保審もある。そういうところの議論も係わってくる。」 という答弁をしています

 28日の社会保障審議会・障害者部会の中でもこの問題が取り上げ られ、最初の資料説明の際に高原障害福祉課長から
「5月の事業費をもとに単純推計すると補助金が約50億足りない。これが新聞報道されている。
 6月以降の状況については追加で情報収集をしている。支援費の初 年度で、経費を見込むのが難しく、できるだけ長期間のデータをとりた い。4〜9月のデータをとっていて、早急に数字を固めた上で、対応し たい。1/2の補助ができるよう最大の努力をしている。省内の他部局の 協力も得て作業をしている。」 との報告がありました。

 妻屋委員(全脊連)から、
「支援費の利用状況と予算の関係について、予想以上に利用者が 増えて予算が足りない、これは利用者が増えて望ましい事態である と厚労省は言うが、私たちは支援費になって利用者がどっと増えると 施行前から見ていた。
 予想以上に増えたということは、予想が見誤ったということである。
 支給決定された人が100%利用しているわけではなく、これから利用 する人が残っている。今は支給決定を受けていないけれど、これから 必要な人も多くいる。
 支給決定を100%利用するという仮定で見積もり、さらにもっと増える 要素があることを含めて予算をたてるべきである。」 という意見が出されました。

 これを受けて、高原障害福祉課長は
「ホームヘルプは事業費ベースで昨年度より3割増の予算を確保して いて、これで対応できると思っていたが、それを上回る伸びを見せた。
 支援費制度の利用実績や支給区分などのデータがやっと今、そろっ てきた。地域差、支給決定者と利用者数の差の要因についても入手し たデータをもとに分析したい。支給決定を受けたが使う必要がなかっ たということもあるし、地域のサービス提供基盤がないということもある。 自治体、関係者からいろんなご意見をいただいて、分析しているところ である。
 16年度の予算については、概算要求において、ホームヘルプは裁量 的な経費の要求の上限として、対前年比17.6%の要求をしている。まず は満額の確保することが先決である。6月以降のデータを見ながら、 必要な額を確保する。数字が固まれば、部会にも報告する。」 と答弁しました。

 その他に、加藤委員(知的障害者福祉協会)から
「支援費は大きな期待をもっていたが、グループホームも含めて地域 支援の財源不足が大きく報道されている。
 障害者の地域生活を支える理念が、財源の問題に集約されてしまう と危惧をもっている。是非、理念を大事にして欲しい。
 来年以降どうなるのか、今の経済状況では展望をもてない。中長期 的な財源確保をどのように行っていくのか示して欲しい。」

中西委員(自治労)から
「支給量の上限設定については、これまでも厚労省から説明してもらって いるが、自治体では上限設定、あるいは基準という言い方で上限になって いる。福祉をやってきた町田市でも上限の問題がもちあがっている。上限の 問題については、これが市町村に周知されるような努力して欲しい。
 また、これまで主管課長会議でもサービスの利用が少ないので増やすよう にと言ってきた。それを受けて、今年、支援費になって利用が伸びた。国庫 補助については十分補助がされるようにお願いしたい。」 などの意見がだされました。

(解説は以上)

当日資料へリンク(ワムネット)

当日議事全体の概要

社会保障審議会障害者部会第3回 傍聴メモ
2003.11.28

事務局・村木企画課長

 有田、安藤、岡田、亀井、末安、寺山、西島、松友、宮村委員 欠席。
 岡谷委員 遅刻。
 資料の確認  

京極部会長

 支援費制度の施行状況について資料1〜2の説明を。

高原障害福祉課長

 資料の1−2は、全国の自治体に対して8月に調査したもの。
 前回の部会に報告したものと、傾向は変わらない。
 在宅支援費の支給決定者数と利用者数について、決定が192000人、利用が117000人。障害者数は490万人になっている、実態調査では420万人だが、これは各市町村の手帳台帳を単純に足し会わせたので、大きくなったと解釈している。
 ホームヘルプの支給決定した市町村が身体約2000、知的で約1000になっている。
 3pに支援費制度の施行前と施行後の比較をしている。制度が変わっているのでそのままではない。
 措置費の全身性障害者と時間と、日常生活支援を比べてはみると時間が延びている。
 デイサービスは4時間以上の利用が増えている。身体は80%以上、知的は90%が4時間以上の利用。
 ショートステイは、障害児は宿泊より日中受け入れが多くなっている。
 事業者数は7月のデータがでている。4月と比べて3200増、11%の増加となっている。

 資料2は新聞報道でもあるように利用が進んでいる。これは評価していただいているが、これに伴うお金のほうが厳しい状況になっている。新聞報道でも50億足りないなどとでているが、それについて報告する。
 現在で、4月と5月の利用実績をいただいている。4月で53億、5月で60億。6月以降伸びている地域もあるし、減っている地域もある。仮に5月の60億を単純に11倍すると660億。国が1/2補助で330億が見込まれる。一方で今年度の予算措置は280億であって、この差が50億ということで、新聞でも報道されている。
 6月以降の状況は追加で情報収集をしている。支援費が始まった初年度で、経費を見込むのが難しい。できるだけ長時間のデータをとりたい。4〜9月のデータを今、とっている。早急に数字を固めた上で、対応したい。1/2の補助ができるよう最大の努力をしている。省内の各部局の協力も得て作業をしている。
 ホームヘルプサービスの利用状況の比較については、平成14年度と比べられないかという指摘をいただいて、比較した。14年度は月あたり約40億だった、35%の伸びをしている。但し、データの性格が違う部分あって、あくまでも大まかな比較で、傾向を見るもの。
 ホームヘルプの障害別では身体83%、知的・児童が17%になり、支援費になって知的障害・児童のガイドヘルプが伸びている。実施市町村数も1.5倍になっている。
 身体障害者の身体介護35%、日常生活支援18%で、ボリュームは大きい。
 支援費の見込みは早めにみつもって必要な対応をしたい。

 前回、委員から指摘をいただいた権利擁護事業について、全社協よりデータをいただいている。
 地域福祉権利擁護事業は、高齢者、障害者で判断能力が十分でないかたのサービス利用援助、日常的な金銭管理など幅広いサービスを行っている。第三者機関の委員会も設けて適切な利用を図っている。着実に利用が延びている。

妻屋委員(全脊連)

 支援費の利用状況と予算の関係について、新聞等では予想以上に利用者が増えて予算が足りない。利用者が増えて望ましいと言うが、利用者側から言うと、施行前に利用者がどっと増えると私たちは見ていた。
 予想以上に増えたということは、予想が見誤ったということ。どういう見積もりをしたのか。
 支給決定を100%利用しているわけではない。これから利用する人が残っている。
 私たちは理想的な制度だと思っている。役所に申請すると認めてもらって支給決定される。今、受けていないけれど、まだ、必要な人もいっぱいいる。
 100%利用するという仮定で見積もり、さらにもっと増加するということを付け加えないといけない。予算をどのようにたてるのか。

高原障害福祉課長

 ホームヘルプは事業費ベースで3割増の予算を確保していて、対応できると思っていたが、それを上回る伸びを見せた。
 支援費制度になって、利用実績、区分状況、やっといろいろなデータがとれるようになった。入手している情報を分析して、地域差の要因、支給決定者と利用者数の差について。支給決定を受けたが使う必要がなかったということもあるし、地域のサービス提供基盤がないということもあるだろう。自治体、関係者からいろんなご意見をいただいて、分析しているところ。
 予算についての考え方、夏の概算要求においては、ホームヘルプは裁量的な経費の要求の上限として、対前年比17.6%の要求をしている。まずは満額の確保することが先決である。6月以降のデータを見ながら、必要な額を確保する。
 16年度の予算が固まれば、部会にも報告する。

笹川委員(日盲連)

 資料1−2ですが、障害者の手帳数と、市町村の数字が違う。かなり数字が違う。これで予算が足りなくなったではないか。障害者の実態を性格に把握する必要がある。

高原障害福祉課長

 若干というものの言い方についてはお詫びする。
 平成12年、13年に障害者の実態調査をしている。これをもとにすると、身体、知的、児童で合計約400万人とでている。今回市町村からでてきたものをまとめたのは、各市町村が手帳台帳にのっている数字をまとめたもの。
 これは厳密に分析していないが、手帳発行台帳の数字は亡くなったかたで手帳を返してないなどの理由を推測している。数字の根拠があるわけではない。現状の認識では障害者数については障害者実態調査の数字があっていると認識している。

京極部会長

 重複障害の場合は、身体と知的の手帳が両方出ていると2重に数字があがってくる可能性がある。
 調査の時にどちらかにして欲しいと言ってあるが、自治体で区分できないので、そのままだしてしまっているということがある。

高原障害福祉課長

 急ぎで調査お願いしたので、不十分な部分がある。

加藤委員(知的障害者福祉協会)

 予算の話ですが、支援費は大きな期待をもっていたが、新聞報道では地域支援、グループホームも含めて財源不足が大きく報道されている。
 障害者のあるかたの生活を支えると理念が、お金の問題に集約されてしまうと危惧をもっている。是非、理念を大事にして欲しい。
 来年以降、どうなるのか、経済状況では展望をもてない。中長期的な財源確保をどのように行っていくのかの考えを示して欲しい。
 6月以降の支援費は地域によって差があると言っているが、地方分権が地域的な差がでてくると懸念された、それが現れているのではないか。

高原障害福祉課長

 今年、来年の当面の問題と、中長期的な問題と2つある。当面の問題ついては、さきほど説明した。
 中長期的については真剣に議論していきたい。後ほど報告するが、在り方検討会の中でも財源や人材の問題について議論したばかりである。各委員の共通認識として、毎年度、財源について困るのではなく、中長期的なことを考えるべきという視点をもってもらっている。介護保険について積極的に検討を主張する委員もあり、介護保険は時期尚早であると言う委員もいた。 役所としても中長期的な問題について真剣に考える。
 6月以降の状況については網羅的なデータはないが、自治体から聞いている情報を聞くと、知的・児童のホームヘルプについてはこれまで利用がなかった地域が、大きな伸びを秋にかけて伸びるという話をきく。大都市のように基盤がこれまであったところについては伸び率がはそれほどではないと思っている。
 分権化の中でどのように地域差がでてくるかは関心をもっている。データをよく分析して、地域差の要因をきちんと把握したい。

本田委員(日身連)

 手帳の数字に大きな差がでていることについて。20歳の時手帳をとって、歳をとって引き続きもっている。
 10年に1度見直しをするなどする。リハビリで良くなっている人もいるし、加齢で悪くなっている人もいる。自動車免許のように定期的に見直しが必要である。

村木課長

 重要なアドバイスだと思う。

京極部会長

 次に検討会の状況について事務局から説明を。

高原障害福祉課長

 前回の部会においても在り方検討会の報告をさせていただいた。
 9月までは情報の共有化を行い、それから実質的な議論に入った。サービス体系の在り方について、就労や住まいの施策についても議論をいただいた。
 10月に入って、サービスとニーズをつなぐ、ケアマネジメントなどの仕組みについて、前回はサービスを支える財源、マンパワーの問題について。その中で、データの報告や、予算の問題について、また、知事会・市長会・町村会からも報告をいただいた。
 次回は、年内のとりまとめを行って、2巡目の議論につなげていきたい。

精神保健福祉課長

 精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会では、精神障害者の現状、サービスの種類、これからの施策について議論している。これまでに2回検討会を行い、論点の整理を行った。資料の7p以降に委員からでた論点があがっている。
 5pに資料があるが、対策本部の中間報告の抜粋をあげている。入院医療から地域生活という基本理念にそって、地域ケアの充実、地域医療、住居・雇用、相談機能・仲間づくりなど。
 ライフサイクルに応じた地域生活支援の在り方、中高年、現役、未成年層に分けて考えている。それぞれによって視点が変わってくる。
 重度の精神障害者のかたには、またちがった支援が必要になってくる。
 マネジメントの在り方、退院可能な72000人のかたの問題。財源・配分の在り方。それぞれ今後、議論を深めていく。

 資料5は、精神病床等に関する在り方検討会。地域医療における様々な在り方について議論している。この検討会も2回行っている。
 7pに意見を掲載させていただいている。これをもとに論点を整理して、論点ごとに議論していく。
 基本的な方向性はp4にある。社保審精神障害者分会の議論と同じである。
 精神病床の機能については対策本部の報告も踏まえてやっていく。
 3pにもどっていただいて、患者の病態と機能分化、人員配置、病床機能区分、入院期間・年齢に応じた観点で。現在の病床算定式の見直し、地域医療の体制、医療の質・救急医療の在り方。これらを考えていきたい。

 資料6、心の健康問題の正しい理解のための普及啓発検討会について。
 国民の認識の現状と、わかりやすいメッセージを考え、国民にかたにどう訴えていくか。普及の対象に応じた情報発信、当事者の役割を重視する。当事者・関係者のかたを含めた普及啓発を検討をしていく。

北川委員(日本公衆衛生協会)

 精神障害分会でこれらの問題についてはつめた議論をしてある。問題はどこから手をつけて具体化していくか。細かいことはかなり議論しているはず。
 地域生活支援の現状については早急に手をつけていかないといけない。どこまで手がついていて、今後、何をやらないといけないのか。
 病院、保健所、患者・保護者、それぞれがリードしてがんばっている地域がある。72000人のかたの退院は大変なこと。病院がとくにやらないといけない。病院が積極的にやって地域に働きかけているところがある。

精神保健福祉課長

 大変、重要なご指摘。地域でやっている事例を発表してもらっている。実際の事例をプレゼンしてもらって、実態を踏まえて議論させていただいている。
 ライフサイクルに応じたような形、観点で実際のモデルを具体化していく。その中で明確化していく。地域の中で支援活動できる方法、実効のある方法を作り上げていく。

猪俣委員(全国自治体病院協議会)

 ポイントは精神病院での痴呆性老人のかたの処遇の問題。入院時の告知の問題が形骸化していると指摘されていたが、処遇も問題だ。
 転倒による危険と言うことで拘束が精神病院で行われている。
 一方、高齢者のほうでは身体拘束をやらないということが主流になっている。ダブルスタンダードではいけない。
 精神保健福祉法上の行動制限ということではなくて、高齢者の痴呆性のかたについては基準を検討すべきである。

精神保健福祉課長

 指摘は重要と認識している。人権に係わることが病院で起こっていることは問題。痴呆性疾患、医療の問題だけではなく、地域支援のありかたも含めて問題。
 しかし、まだ、そこまで議論がすすんでいないので、今後やっていきたい。

津久江委員(日本精神科病院協会)

 病院の立場で言いたい。精神病院には老人の痴呆性疾患の病棟がある。そこで問題がおこっているような指摘だったが、老人を専門としない病院であっても、特養、老健からあの手この手で老人が送り込まれてくる。
 1〜2ヶ月で安定化してもとに戻そうとすると拒まれる。治療的環境ではなく、薬で患者が安定している。拘束で安定しているというわけではなく、その認識は違う。

猪俣委員(全国自治体病院協議会)

 全ての精神病院がやっているということを言ったのではない。いくつかの病院をいくと、急性期を脱した状態でも、病院の構造の問題、人員配置の問題で、転倒の恐れがあって拘束していた。これらを解決したいという気持ちを病院を持っている。
 しかし、精神病院は一般の病院ではない行動制限の基準をもっている。これが適用されるのではなく、痴呆性高齢者について一般的な基準が採用されるべきと言う意見。

池原委員(東京アドヴォカシー法律事務所)

 スケジュール的に検討会はどのようになっているか。
 また、検討会と社会保障審議会障害者部会の関係、とりまとめ・権限がどういう関係にあるのか。
 精神の場合は対策本部で今後の方針について出されている。これと検討会と社保審の関係のついてはどうなっているのか。
 私は社保審の委員会であって、検討会には入っていない。
 対策本部には当事者委員は入っていない。対策本部の報告書に縛られるということであれば、せっかく当事者をいれた検討会が形骸化してしまう。
 社会的入院72000人だけでなく、医療的なケアが必要な人の地域生活も私は検討して欲しい。しかし、社保審ではそこまで議論することはできないかもしれない。

精神保健福祉課長

 精神の3つの検討会は対策本部ででた報告を受けて、それぞれ議論の内容をわけて設置されている。
 3月か4月に中間的なとりまとめを行う。まだ、検討会で了承されているわけではないが、ある程度最終的な流れを夏くらいまでに。
 他に医療関係の検討会など整合性をとらないといけない検討会もある。
 いろいろ意見をいただいたら、各検討会に伝えるなど、連携をとってやっていきたい。
 普及啓発の検討会は最終的な指針を今年度中にだすということでお願いしている。

君塚委員(全国肢体不自由児施設運営協議会)

 地域に移行する中で、虐待を受けた児童がいる。重たい障害があって、発達の途上、教育・医療・ソーシャルワークが必要。はたして、地域で受け皿ができるのか。施設が必要な面もある。単純な地域移行ではなく、細かい検討をして欲しい。

新保委員(全国障害者社会復帰施設協会)

 医療の充実、福祉の充実が言われている。医療も福祉も近い方向で検討されている。
 72000人の社会的入院のことがテーマになっているが、それ以外の問題もある。
 自殺者の急増の問題、時代の状況の中で鬱の患者が増えたということではなくて、統合失調症の患者が適切な支援を受けられないということで、自殺するケースがある。
 医療は現状の医療について検討されている。命にかかわらない状況を生み出すことは必要、三次救急を含めた地域支援の在り方。総括的にどこかで検討して欲しい。

精神障害保健福祉課長

 三次救急の文言はでていないが、24時間の救急体制について検討している。例えば夜中でも手術ができる体制ができているように、精神についても細かい対応ができるシステム作りを検討していきたい。

?委員

 資料4
 所得保障の問題、72000人の地域受入れについても、所得の問題がでてきていない。
 いくら住宅や支援スタッフを用意しても、地域で暮らすために所得保障が欠かせない。これがここにでてこないのはどういうことか。
 財源保障の中で、所得保障がでてくるが、どういう検討されたのか。

精神障害保健福祉課長

 資料にのっているのは論点整理メモ。たまたま就労について1ヶ所しかでていないが、各検討会で検討することになっている。財源、配分のあり方は今後の検討会で行う。

京極部会長

 ライフサイクルという時に、所得保障は全体の問題、最後に検討されると思うので今のご指摘を受けて、検討されたい。

津久江委員(日本精神科病院協会)

 新保先生が三時救急の指摘がでたが、平成7年に救急医療の通知がでて、各地域でいろいろ対応している。連絡調整会議、輪番制、搬送システム、高層システムの確立。このときにすでに言われていた。
 単科の病院では初期、二次しかできない。総合病院で精神病棟もっているところが三時救急にあたることになっている。
 この連携がうまくできていない。

新保委員(全国障害者社会復帰施設協会)

 総合病院でも精神科がないところが多い。この高層システムが機能していない。それをなんとかして欲しいというお願いである。

広田委員(精神医療サバイバー)

 精神障害者の分会の白熱した意見が交わされた。72000人を地域にだす。間違った施策があって入院患者がいる。それをどうするかについて、お金がきちんとついていない。
 啓発の副座長を担っているが、きちんと時間をかけて手間暇をかけてやっていきたい。事務局が膨大な資料を作って、委員の話、議論ができない。そういう指摘をしておく。
 所得保障。私は生活保護。精神障害が雇用率に入っていない。精神障害をかくして働いている人もいる。
 無年金の精神障害者が多い。
 生活保護の締め付けが精神障害者に対して多い。
 クラブハウス、ピアサポートセンターの試みを将来的に施策にして欲しい。
 72000人が退院したときにベッドが減っていかないと、老人ホームから痴呆の人には流れ込んでくるのではないか。そうならないようにして欲しい。
 啓発について、精神障害者の誤解、事件報道がある。講演に行くと精神障害者は怖いと手が上がる。事件報道のせい。
 小さい頃に精神障害のことを教えて欲しいし、精神だけでなく、身体・知的・内部障害、生活のしづらさ、について教えて欲しい。精神障害だけでやっていくのではなく、一緒にやっていく、特別なものではない、これがすごく重要だと思う。

京極部会長

 精神障害の社会的な入院で72000人のことが今、言われているが、自宅で引きこもっている人、こういう人も大事。内科医療、訪問介護も力をいれないといけない。最近の傾向で社会的入院に議論がいきがち。また、残った病院にいる人たちに老健施設のような中間施設のようなものを前から言ってきた。

広田委員(精神医療サバイバー)

 どこでもたてるのは反対。病院から離れたところに立ててしてほしい。
 6/9は世界精神保健デーなので、皆でカミングアウトしたいという運動がある。カミングアウトしたことで差別されないよう障害者差別禁止法を作って欲しい、
 そういう提案を普及啓発検討会のほうでしている。

中西委員(自治労)

 いわゆる救護施設という生活保護の施設、精神の人がかなり入っている。別の生活保護の検討会の中で議論がでてくると思うが、法体系が違うということでなく、連携をとりながら、どうやって地域に移行していくのか。  救護施設からでて地域でアパートを借りているかたの支援をしながら、生活をつくる取組みをしている。施設の改革と地域移行の検討をして、改善して欲しい。  

徳川委員(身体障害者施設協)

 在り方検討会の中で、11/14の検討会の中で、介護保険制度と支援費制度の問題についてふれている。
 介護保険の見直しの中で、障害者も検討すべしと言う意見と、時期尚早という意見がある。どうなっているのか。

高原障害福祉課長

 多くの意見がでている。
 中長期的に財源の確保しないと行けないと言うのはおおかたの委員のコンセンサスはとれていると思う。しかし、介護保険との関係については意見が分かれている。
 時期尚早という委員もいる。もう少し、積極的に介護保険の器を障害者の施策の中で使っていくことを前向きに考えたらという委員もいる。
 これから、あり方の検討会の中で、制度論にもなるので、どこまでつめていくのか。在り方検討会ではサービスの在り方について十分に議論するのがメインテーマかもしれない。
 検討会の中でもいろんな意見がでている。社保審との役割分担についても整理していく必要がある。

村木課長

 審議会と検討会の役割分担もある。検討会ではサービスの在り方について議論している。  制度論になると、審議会の役割。また介護保険の審議会もあり、上部にある全体の社保審もある。そういうところの議論も係わってくる。

斉藤委員(戸田病院心理士)

 方向としては言葉触りのいいことばでている。これまで何も浸透しないことが経験されてきた。ケースを通して行っていくことが必要。
 先行する実態がない中で議論がすすんでも、予算をかけても空振りになる。
 統合失調症だけで考えられているが、鬱病の問題もある。中高年の鬱病の社会復帰が難しい。委員の中には労働行政に係わった人が入っていない。
 一つの専門職で解決するという錯覚をもっているのではないか。縦糸と横糸をつかってやっていかないといけない。

岡谷委員(日本看護協会)

 精神障害者の地域生活支援の検討会では、せっかくライフサイクルの視点で考えていくのならば、中高年の鬱病、思春期の子供、病院だけではなく身近な相談機関、それは個々人が選択できる相談の仕組みを是非検討して欲しい。精神科に受診することはハードルが高い。一つの機能だけでなくていろんな選択肢があるような体制を検討して欲しい。

京極部会長

 精神障害になりかけている学校、職場。大学においても、学生・職員にいる。日常的に発見できるしくみ。産業カウンセラー、スクールカウンセラーをおいて予防をする体制も必要ではないか。

津久江委員(日本精神科病院副会長)

 72000人の数字が一人歩きしている。これはシンボリックな数字で、これが3万になるか10万人になるかこれからの施策次第。
 数にこだわるのではなく、入院から地域へという大きな流れの中で、病床の機能分化を行うことがまず先決である。それとタイムラグなしで生活支援の仕組みづくり行われないといけない。それがないと諸外国のように失敗するだろう。
 ショートステイという大きな目玉がありながら、介護保険の中で使いにくくなったという残念なことになっている。
 単身者でも使いやすいショートステイの仕組みに戻して欲しい。

高橋委員(国立精神・神経センター)

 今、言われたことはもっともなこと。数字はあくまでもシンボリックなもので、精神障害者分会の中で数字を出すか出さないかで議論があった。最終的には目標数値がでたのは良かった。しかし、前提があって、ニーズ調査をきちんとやって細かい数字をだすということだった。それを今やっていて数字がでてくる。ニーズにそった対策ができる数がでてくる。それが72000人なのか、どうなのか。非常に関心がある。
 先ほど、北川委員が、具体的な方策を言われた。精神障害者分会でいろんな議論をして、ここに出ている課題がでてきた。地域生活の背員、社会復帰施設の充実、適切な医療、支援者の確保、心の健康の問題、施策の評価・フォローアップという6つの方針がでた。
 これはこれからの精神医療・福祉の流ができた。それを受けて、対策本部が中間報告としてだした。
 しかし、中間報告は欠点がある。具体的な策がなかった。これからそれをやっていく。これから、3つの検討会で示していかないといけない。
 鬱、引きこもり、自殺について出たが、これまで厚労省も取り組んできた。自殺について、検討会、厚生労働科学研究もやっている。
 それに関して精神障害者の雇用に関する検討会をやっている。夏に報告がでる。雇用率の問題、採用の問題が大きな目玉。雇用する方、される方もストレスなくできるよう検討している。ここの場だけでなく、いろんな場で取り組まれている。

中野委員(明治学院大学)

 利用者にとっては制度が変わると不安を持つ。そういう中で本人の意向を反映させるために、ニーズ調査、意向調査をしていると思うが、その際にニーズを正確に出されるためにどういう議論されたか。 精神障害保健福祉課長  具体的な議論は進んでいない。論点整理の段階。当事者、家族のかたに意見を聞きながら深めていきたい。

初山委員(国際医療福祉大学)

 身障手帳の再認定は重要なこと。10年ごとにやると業務量が増える。身障等級の内容についても今、再検討している。それと連携しながら、進めていく問題だと思う。

中西委員(自治労)

 自治体の窓口やヘルパーの立場で、支援費について、実効のある議論をお願いしたい。
 今年から知的障害の事務が町村移譲された。生活保護以外では専門の職員をおいている自治体は少ない。
 本人の申請を認めるのは当事者本意かもしれないが、責任をもってサービスを提供することになっていないかもしれない。
 訪問調査をアルバイトにさせていて、プライバシー的な問題も言われている。この問題は自治体に調査して欲しい。
 ケアマネジメントが組み込まれてないので、決定がアンバランスである。これが自治体間格差になっているのではないか。
 サービス調整機関を作った自治体もある。事例紹介でもいいのでそうした取組みを。
 相談支援事業が一般財源化された。箇所数はトータルでは増えたという話がでているが、一方で事業費が削減されている。マネジメントに対する支援が必要。研修、専門体制もない。
 障害程度判定区分、支給量決定をする時に、国の物差し、更生相談所のとの連携、われわれの調査では更生相談所との連携がないと聞いている。実施体制が脆弱ではないか。
 人材養成も含めて実態把握をやって欲しい。
 地域生活を保障する居宅支援、支給量について、措置時代と比較するのが難しいのはわかるが、今までとどうなったのかというのが気になる。その説明的な資料が欲しい。
 特に危惧しているのは、障害児デイを支援費にいれて欲しくないと言う声もあった。措置でもできるということを通知してもらったが、支援費になって障害児デイサービスが減ったということも聞いている。自治体が単費でも、もっとやるべきと思っている。
 支給量の上限設定については、説明してもらっているが、自治体では上限設定、基準設定という良いかたで上限が作られた。あれだけやっている町田市でも上限の問題がもちあがっている。これが周知されるような努力して欲しい。
 これまで主管課長会議でも利用が少ないと言ってきた。それを受けて、今年利用が伸びた。国庫補助については十分補助がされるようにお願いしたい。
 弾力的な運用の問題。通所施設とショートサービスの併用ができるよう弾力的な運営が必要。
 サービスの基盤整備について。決定と利用量の差はこれから分析が必要というが、事業所は要件を緩和したので事業所数は増えたが実際に提供する能力がない、また、単価が介護保険と差があるために事業者が敬遠している。そういう分析をして、実効ある提供基盤の整備を行って欲しい。
 18歳から20歳の人の利用者負担の滞納の問題がでている。
 ホームヘルパーは直行・直帰型になっている。人材が育っていかない、量的な拡大がない。介護を支えるマンパワーの調査をして欲しい。

高原障害福祉課長

 実態調査は自治省からあまり自治体の負担にならないように言われている。厚生労働科学研究も含めてやっていきたい。
 君塚委員から重症心身障害児の問題、虐待の問題がでた。医療費の問題も含めて保険局のほうにお願いしてある。

京極部会長

 12/13で委員の任期がきれるので、次回はこれまでのまとめをしたいと思っている。
 精神については今日、かなり意見がでた。具体的な推進がされるようなまとめをしたい。
 障害者基本計画を作った。支援費制度の施行がヘルパーの上限問題と施設支援費が少なかったこともあって、そちらに関心がとられて、十分に基本計画が理解されなかった。これは閣議決定されたもので重いもので、これを生かして、就労も含めて積極的な検討をしていきたい。

村木課長

 次回は、12/12 14:00から開催したい。

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