盛岡市で入院コミュニケーション支援開始

言語障害がない障害者でも入院時に意思疎通できない場合は利用可能

 

盛岡市で入院時の慣れたヘルパーが病室で付き添う入院時コミュニケーション支援事業が始まりました。厚労省もALSなど向けに通知等を出して推進している制度で、地域生活支援事業内のために国庫補助もつくので、市町村の負担は4分の1です。

広島市など数カ所では言語障害がなくても利用できますが、盛岡市でも同様に利用できるようです。正確には、通常時に言語障害がない障害者でも、入院時に重症などで喋れない要な場合はその時の状態で判断するとのことです。

ALS向けには推進の通知が出ているため、言語障害者のみが使える入院時コミュニケーション支援事業は全国のたくさんの市町村で次々と実施されています(要望書を出して交渉して1年でできる自治体多数)。その中でも、言語障害がなくとも利用できる制度になった市町村はわずかです。

次頁から盛岡市の要綱を掲載します。


盛岡市告示第 134

 盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業実施要綱を次のように定め,平成26年4月1日から施行する。

平成26年3月28

盛岡市長 谷 藤 裕 明

 

盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業実施要綱

(目的)

第1 この告示は,重度の障害により意思表示が困難である障害者又は障害児(以下「障害者等」という。)であって病院又は診療所に入院するものに対して支援員又は特例支援員を派遣することにより,障害者等と医療従事者とのコミュニケーションの円滑化を図り,もって障害者等の福祉の増進及び地域生活の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2 この告示における用語の意義は,障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第 123号。以下「法」という。)第4条及び第5条に定めるところによる。

(対象者)

第3 この告示による重度障害者等入院時コミュニケーション支援を受けることができる者は,次の各号のいずれにも該当する障害者等とする。

  (1) 障害支援区分が6の者及びこれに準ずる者として市長が認めた者

  (2) 重度訪問介護又は行動援護を要する者

(3) 意思表示が困難であることにより医療従事者とのコミュニケーションに対する支援を必要とする者(福祉用具の使用等によりコミュニケーションを図ることができる者を除く。)

  (4) 病院又は診療所(原則として市の区域内に所在するものに限る。以下同じ。)に入院している者であって,重度障害者等入院時コミュニケーション支援を受けることについて当該病院又は診療所から承諾を受けているもの

  (5) 単身者又はその介護を行う者がいない者

(内容)

第4 重度障害者等入院時コミュニケーション支援の内容は,病院又は診療所に入院する障害者等と医療従事者とのコミュニケーションの仲介及びこれに伴う見守りとし,支援員及び第5第2項に規定する特例支援員は,これらの支援以外の支援を行ってはならない。

(支援員)

第5 重度障害者等入院時コミュニケーション支援を提供する支援員は,次に掲げる事業所又は施設(原則として市の区域内に所在するものに限る。以下「支援事業者」という。)の従業者とする。

(1) 法第29条第1項に規定する指定障害福祉サービス(療養介護を除く。)の事業を行う事業所

(2) 法第29条第1項に規定する指定障害者支援施設

(3) 児童福祉法(昭和22年法律第 164号)第21条の5の3第1項に規定する指定通所支援の事業を行う事業所

(4) 児童福祉法第24条の2第1項に規定する指定障害児入所施設

2 前項の規定にかかわらず,市長は,前項の従業者で障害者等の支援を行うことができる適当なものがいない場合は,特例として,日常的に当該障害者等の援助に関わり,かつ,当該障害者等の障害の特性についての知識を有する者(当該障害者等の親族及び当該障害者等が入院する病院又は診療所の医療従事者を除く。)を特例支援員とすることができる。

(給付費の支給)

第6 市長は,障害者等が重度障害者等入院時コミュニケーション支援を受けたときは,重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費(以下「給付費」という。)を支給する。

(支給額)

第7 給付費の支給の額は,別表に定める利用料の額の 100分の90に相当する額とする。

2 前項の規定にかかわらず,次の各号に掲げる障害者等(障害児にあっては,保護者。以下同じ。)の1月の利用料の額から同項の給付費の支給の額を控除した額が当該各号に定める額を超えるときは,当該利用料の額から当該各号に定める額を控除した額を支給する。

(1) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令(平成18年政令第10号。以下「令」という。)第17条第1項第1号に該当する障害者等 37,200

(2) 令第17条第1項第2号に該当する障害者等  9,300

(3) 令第17条第1項第3号に該当する障害者等  4,600

(4) 令第17条第1項第4号に該当する障害者等 0円

3 市長は,災害その他特別の事情があることにより,障害者等がサービスに要する費用を負担することが困難であると認めたときは,利用料の額の 100分の90を超え 100分の 100以下の範囲内において市長が定めた割合に相当する額を支給することがある。

4 前3項の規定により算定した額に1円未満の端数があるときは,これを切り捨てるものとする。

(支給期間及び支給量)

第8 障害者等が給付費の支給を受けることができる期間(以下「支給期間」という。)は,病院又は診療所への入院1回につき当該入院をした日から起算して30日間以内で市長が定める期間とする。

2 給付費は,30分を単位として支給するものとし,障害者等が給付費の支給を受けることができる時間数(以下「支給量」という。)は,4月1日から翌年の3月31日までの期間につき 120時間以内とする。

(支給方法)

第9 給付費の支給は,第7の規定により算定した額を支援事業者又は特例支援員に支払うことにより行うこととする。

(支給の申込み等)

10 給付費の支給を受けようとする障害者等は,盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給申込書兼月額上限負担額減額申込書に支援事業者又は特例支援員の承諾書及び入院する病院又は診療所の承諾書を添えて市長に提出しなければならない。

2 市長は,前項の申込みがあったときは,その内容を審査し,給付費の支給を適当と認めたときは盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給承認通知書兼利用者負担額減額・免除等承認通知書により,不適当と認めたときは盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給不承認通知書により,当該申込みをした者に通知するものとする。

3 市長は,前項の規定による支給承認をするときは,次に掲げる事項その他必要な事項を定めて同項の通知書に記載するものとする。

(1) 支給期間

(2) 支給量

(3) 利用場所(重度障害者等入院時コミュニケーション支援を受ける病院又は診療所の名称及び所在地をいう。)

(4) 支援事業者又は特例支援員

4 第2項の規定により支給承認を受けた障害者等(以下「受給者」という。)は,重度障害者等入院時コミュニケーション支援を受けようとするときは,支援事業者又は特例支援員に盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給承認通知書兼利用者負担額減額・免除等承認通知書を提示し,利用契約を締結しなければならない。

(支給期間等の変更)

11 受給者は,現に受けている第10第2項の規定による支給承認に係る第10第3項に規定する事項を変更しようとするときは,盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給変更申込書を市長に提出しなければならない。

2 市長は,前項の申込みがあったときは,その内容を審査し,給付費の支給の変更を適当と認めたときは盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給変更承認通知書により,不適当と認めたときは盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給変更不承認通知書により,当該申込みをした者に通知するものとする。

(支給承認等の取消し)

12 市長は,受給者が次の各号のいずれかに該当すると認めたときは,第10第2項の規定による支給承認又は第11第2項の規定による支給変更承認を取り消すことがある。

(1) 第3に規定する要件を満たさなくなったとき。

(2) 偽りその他不正の行為により第10第2項の規定による支給承認又は第11第2項の規定による支給変更承認を受けたとき。

2 市長は,前項の規定による取消しを行うときは,盛岡市重度障害者等入院時コミュニケーション支援給付費支給承認等取消通知書により受給者に通知するものとする。

 (利用料の支払い)

13 受給者は,重度障害者等入院時コミュニケーション支援を受けたときは,別表に定める利用料の額から第7の規定により算定した額を控除した額を利用契約を締結した支援事業者又は特例支援員に支払わなければならない。

(不正利得の返還)

14 市長は,偽りその他不正の行為により給付費の支給を受けた者に対し,当該支給をした金額の全部又は一部を返還させることがある。

(帳簿等の保存)

15 支援事業者又は特例支援員は,給付費の受領に係る帳簿及び関係書類を5年間保存するものとする。

(報告等)

16 市長は,重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業の実施のために必要と認めたときは,受給者,支援事業者又は特例支援員に対して事業の実施に係る報告又は書類,記録その他の資料の提出を求めることがある。

別表(第7,第13関係)

1日当たりの所要時間

利用料の額

30分未満の場合

800

30分以上1時間未満の場合

1,500

1時間以上1時間30分未満の場合

2,250

1時間30分以上の場合

30分までごとに 700

備考 利用料の額は,実際に要した時間により算定するのではなく,受給者の状況及び要望を踏まえて重度障害者等入院時コミュニケーション支援の内容を記載した個別支援計画に基づいて行われるべき重度障害者等入院時コミュニケーション支援に要する時間に基づき算定する。

 

 
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