どんな重度の障害者も地域で当たり前に・・・

 全国障害者介護制度情報


〜厚生省に直接政策提言を行っているノーマライゼーション最先端を行く当事者団体〜

介護制度・生活保護に関する相談は当会へ。日本一のノウハウでお答えします!

10月号

全国障害者介護保障協議会/障害者自立生活・介護制度相談センター

187 東京都小平市花小金井南町1−12−2−1F

発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)

フリーダイヤル TELFAX0077−2308−3493

              (月〜金 11時〜17時)

制度係(交渉の情報交換、制度相談)

フリーダイヤル 0077−2329−8610

97.10.7

No.63

   500円 

 

目次

2・・・・「全国障害者介護保障協議会」&「相談センター」設立要旨

6・・・・重度の知的障害者も毎日9時間の自薦登録ヘルパーを活用

9・・・・北海道S市と南関東X市で新しい自薦式ヘルパーの方式始まる

12・・・埼玉県が、ホームヘルプサービス事業についての通知

14・・・生保・大臣承認介護料の申請は今月以降なら迅速に

16・・・ガイドヘルパー研修事業の厚生省要綱解説

19・・・厚生省来年度予算要求

20・・・身体障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業について

24・・・厚生省の新しいヘルパー制度の通知 一挙25ページ掲載

31・・・・ホームヘルプサービス実務問答集

46・・・・ガイドヘルパー関係実務問答集

 

情報サービスを行う団体名と情報誌の名前が変わりました

→詳しくは2・3・4ページを参照ください。

毎号ファイル保存してください。介護制度の重要資料です

 

「全国障害者介護保障協議会」「障害者自立生活・介護制度相談センター」設立要旨

               呼びかけ人 益留俊樹 横山晃久 川元恭子

 

 私たちは、21世紀に向けて介護保障運動を新たな方向へ展開していくことを目的として、新組織を設立します。これまで「全国公的介護保障要求者組合」として9年間活動してきました。要求者組合は、介護保障の専門店としてさまざまな問題を解決してきました。しかし介護保険やヘルパー研修等、東京の介護制度にも大きな影響を及ぼす問題については意見の取りまとめができずにきました。又、「自立生活情報センター」として全国各地との情報交換をしながら、東京の役員と全国の会員が置かれている状況の違いを感じてきました。このような問題について会議でたびたび議論を重ねてきましたが、内部的な合意作りが進まずこのままでは、新たな課題に取り組んでいくことは不可能と判断したため、私たちは新組織を設立します。

  なお、緊急の課題である、介護保険で65歳から介護時間が3分の1になる問題やケアガイドラインの中での要介護認定の問題等、現状の制度が切り下がる可能性のある問題については、今後も要求者組合やDPI、JIL、共同連、障害連等と共同で行動を行います。

  私たちは、今後「全国障害者介護保障協議会」(交渉団体)「障害者自立生活・介護制度相談センター」(サービス機関)として当面以下の課題に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

  また、私たちは2年前に「自立生活情報センター」(役員は組合とほぼ同じ)を設立し、月刊誌やフリーダイヤルでの制度相談など活発な「情報提供サービス」を行ってきましたが、組合の新役員は、97年度活動方針で「月刊誌体制とフリーダイヤルの廃止」を総会で発表しました。そこで、私たちは、サービス提供機関として、「障害者自立生活・介護制度相談センター」を設立し、従来と同じスタッフ、同じ事務所で情報提供サービスを引き続き行います。

 

1 「公的介護保険」制度に対する対応

 「公的介護保険」の対象に将来、障害者も含まれることを視野に入れて、全国各地で既に使われている介護制度が切り下げられないよう、介護保険について今の段階から厚生省との話を重ねていきます。

2 「介護」に関わる問題について当事者の立場から政策提言

 厚生省が検討している「身体障害者ケアガイドライン」(行政による要介護認定やケアプランなどを内容としている)など、「介護」に関する新たな施策に対して当事者の立場から政策提言を行っていきます。

3 全国各地での介護制度充実のため積極的に情報提供を行う

 ここ1〜2年の間に全国各地で介護制度が新たに作られています。今後も「自薦登録ヘルパー」「介護人派遣事業」「ガイドヘルパー」「生活保護特別基準」について、制度をつくるまでのノウハウ等(住宅改造、住宅費、福祉機器費も)、積極的に情報提供を行っていきます。

4 自立生活センターの介助派遣システムとの連携

 どんなに重度の24時間要介護の人でも自立できる支援システムや、特に介護制度を人(介助者)に代えていくシステムが必要になってきます。そこで既に全国70ヵ所を越えている自立生活センターと連携し、さまざまな制度を100%活用する状況をつくっていきます。

5 ヘルパー要綱の「研修」に関して現実的な解決策を進める

 「自薦登録ヘルパー」「介護人派遣事業」「ガイドヘルパー」の3制度は厚生省のヘルパー要綱の中の制度のため、数年後には、研修問題は避けて通れません。研修が避けられない場合、まず、障害者独自の内容に変え、「障害者主体の団体」がになう方法を厚生省と協議していきます。

 

 

事務局より  (事務的なお知らせ)

 

1.定期購読料・会費の取り扱いについて

@ すでに、97年度の会費や定期購読料を要求者組合または自立生活情報センターに納入した方は、引き続き「全国障害者介護保障協議会(交渉団体)」&「障害者自立生活・介護制度相談センター(サービス機関)」から毎月、会員版・広報版を交互にお送りします。(なお月刊誌の名前が「全国障害者介護制度情報」に変わります)。

A 上記以外の方は同封の、口座番号を書いたビラをもって郵便局にいって購読料等を振り込んでください。納入がなくても12月号まではお送りしますので、購読をやめたい方は発送係(表紙参照)にご連絡ください。

 

2.電話番号が変わります(事務所住所とフリーダイヤル番号は変わりません)

 通常の電話番号0424-62-5923と0424-62-5946は、他市に移転する組合/情報センターが使うため市外局番も変わり、つながらなくなります。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。住所録等の電話番号と団体名を書き換えてくださるようお願いします。

「障害者自立生活・介護制度相談センター」に電話するにはフリーダイヤルの0077-2329-8610(制度係)と0077-2308-3493(発送係)(どちらも番号は変わりません)を使ってください。事務所の住所もスタッフも以前と変わりません。

 

3.月刊誌の量は変化しません

 皆様には「年間会員版6回(奇数月)、広報版6回(偶数月)」お送りするという契約で定期購読料や会費をいただいております。97年度、すでに発行したのは、4月に広報版、5月に会員版、6月に広報版(JILが6月に発行した自立情報発信基地5月号の中に広報版6月号が入っています)、7月に会員版、8月に広報版(JILが8月に発行した自立情報発信基地7月号の中に広報版8月号が入っています)、9月に広報版(JILから発行した自立情報発信基地の中)、10月に会員版(この号)です。

 8月に続き、9月もJILから自立情報発信基地が出る予定になったため、9月と10月号の会員版・広報版を入れ替えました。11月は通常に戻って会員版になります。また、9月号の広報版はページ数が少なかったので代わりに会員版を多くします。ご了承ください。

 

4.フリーダイヤルでの制度相談や月刊誌・資料集の内容も変わりません

 前の自立生活情報センター(組合事務局)の、「月刊誌」「Howto介護保障」「交渉ガイドブック」等の執筆者、制度係の制度担当者、発送係やその他事務局スタッフが、「障害者自立生活・介護制度相談センター」の事務局スタッフになります。事務所も前の場所にあり、サービス機関は何も変わっていませんので、制度相談や月刊誌の質が落ちることはありません。ニュースソースも従来と同じです。

 

5.厚生省から自治体への指導などは従来通りできます

 新しい交渉団体は10月15日と20日にさっそく厚生省交渉を行います。前の組合で交渉を主に担当していたメンバーのうち、司会役の益留や横山、川元等主要なメンバーが新団体の交渉に参加しますので、今後も団体と厚生省の関係性は変わりません。皆さんの市で、厚生省から指導してほしいという場面になったら、従来どおり事務局フリーダイヤルに電話ください。

 

 

全国障害者介護保障協議会/障害者自立生活・介護制度相談センター 賛同人

(都道府県順)

北海道 佐藤きみよ(ベンチレーターネットワーク/サポートネットワーク)

新潟県 篠田 隆(自立生活支援センター・新潟)

埼玉県 村山美和(虹の会)

東京都 中西正司(ヒューマンケア協会/DPI日本会議)

    樋口恵子(町田ヒューマンネットワーク/全国自立生活センター協議会)

静岡県 渡辺正直(静岡障害者自立生活センター)

愛知県 山田昭義(AJU自立の家)

滋賀県 佐野武和(CIL湖北/共同連)

大阪府 尾上浩二(中部障害者解放センター/障害者総合情報ネットワーク)

    村田敬吾(自立ネットワーク・なんでも)

    松葉作治(マツサク/共同連)

兵庫県 佐藤 聡(メインストリーム協会)

鳥取県 光岡芳明(自立応援センターSTEP)

愛媛県 水口英一(障害者の自立支援センター)

熊本県 勢敬一郎(重度障害者の介助保障を考える会/ヒューマンネットワーク熊本)

 

 

全国障害者介護保障協議会/障害者自立生活・介護制度相談センターが制作する資料集・冊子のご案内

 

 近畿、四国、九州で、毎日14時間〜21時間の公的介護保障が実現!あなたも、この交渉ガイドブックを読み、当会制度係に電話をかけつつ市との話し合いを続ければ、同じような制度を作れます。

 

 

 

「交渉のやり方ガイドブック2」 

正会員のみ500円 

◆「自薦登録ヘルパー」の「交渉の要望書セット」付き

◆全身性障害者介護人派遣事業の最新版「交渉の要望書セット」も掲載

◆ガイドヘルパー要望書セット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★掲載厚生省資料(一部紹介)

・ホームヘルプ事業運営の手引き

・平成6年度主管課長会議資料

・平成8年度主管課長会議資料

・厚生省ホームヘルプ要綱

・ガイドヘルプ要綱

・ヘルパー研修の要綱

★各地の要綱

・静岡の介護人派遣事業要綱

・大阪の介護人派遣事業要綱

・宝塚の介護人派遣事業要綱

・熊本の介護人派遣事業要綱

本体220ページ、付属資料集110ページの.ボリューム!

2巻は書き下ろしが100ページ以上!「登録ヘルパーを毎日12時間に伸ばす事に成功した交渉」の実際のテープ起こしも掲載!ノウハウ満載!

自立生活をしている全身性障害者の会員の方は、なるだけ全員申し込みください!(脳性マヒ、筋ジス、頸損などの全身性障害者で、一人暮らしか、障害者のみの世帯か、障害者と子供のみの世帯)が対象者。自立予定の方もOK。特に緊急度の高い一人暮らしの方必携!

 

 

 

 

 

 

 

★注文は、直接、制度係:0077−2329−8610(通話料無料) まで。発送係ではお受けいたしません。(若干の審査あり。また、市の制度現 状をお聞かせさせていただきますのでご協力ください)

 

 

 この冊子の厚生省資料・先進自治体の要綱等制度資料を使えば、効果抜群!交渉の経験者も、さらに良い制度が作れます。

 また、交渉をやったことがない人も、これさえあれば交渉方法が分かります。 実際にこの方法で、全国各地で成功している実績のある交渉方法をまとめました! 全国各地で、この冊子で紹介している方法で交渉し、確実に制度が作られています。

 

一人暮らしの知的障害者、

自薦ヘルパー週63時間利用中

 

東京都東久留米市では全身性障害者が交渉して毎日12時間まで、自薦登録方式でホームヘルパー制度を利用することができるようになっています。同市では全身性障害者が中心に自立生活センターを作り、介護派遣などを行っています。センターができたことで、最近は一人暮らしをする知的障害者も増え、長時間介護を必要とする場合、全身性障害者と同様、自薦登録ヘルパーの制度を受けています。現在自薦登録へルパー利用時間数の最も多い知的障害者の場合、週63時間を利用しています。

(自立生活センターの介護者や自分で確保した介護者を自分専用のヘルパーとして市に登録し利用する方式。この制度は、外出にも、家の中でも使える)

他の市の例では、東京都多摩市では単身の知的障害者で週36時間の自薦登録ヘルパーを利用しています。

 以下、東久留米市についての記事をいただきました。

 

重度の知的障害者も

毎日9時間の自薦登録ヘルパーを活用

 

 東京の東久留米市では、今年7月から1人暮しをしている重度の知的障害者(東京の「愛の手帳」で2度 注1)が、毎日9時間の自薦登録ヘルパーを活用して生活しています。

 介護者の確保やスケジュール調整は、地元の「自立生活センター・グッドライフ」が本人との話し合いの上行なっています。

 東久留米市は重度の身体障害者に対しても、ニーズに応じて最大で毎日24時間の介護保障を実施していますが(自薦登録ヘルパー1日12時間、他の制度で1日12時間)、知的障害者に対してもニーズに基づいた介護保障を行なうという立場を採っています。その中で、他にも1人暮しをしている重度の知的障害者や、親元にいる重度の知的障害者に対して、1日3時間程度の介護保障を行なっています。

 

 厚生省のヘルパー要綱では、重度の身体障害者や知的障害者に対してヘルパー派遣を行なうことになっていますが、その後厚生省はヘルパー制度の運用として「一律に障害程度によることは適当ではないこと。要は個別のニーズに着目して決定されるべきものである」という指示文書を出しています。

 

 東久留米市の隣の保谷市でも、障害等級によらずニーズに基づいてヘルパー派遣を行なうという方針を採っており、親元にいる「愛の手帳」3度の知的障害者に対して1日3時間のヘルパー派遣を行なっています。

 保谷市では、市が確保したヘルパーと、自薦方式で「生活援助為センター(自立生活センター)」が確保したヘルパーの両方を活用している知的障害者がいますが、残念ながら市が確保したヘルパーとはトラブルが頻繁に起きているようです。

 本人に合う介護者という意味で、知的障害者についても「自薦登録ヘルパー」方式を市に認めさせ、その後時間数を伸ばしていくという方法が有力だと思います。

 

注1 東京都では知的障害者の「療育手帳」に代わるものとして、「愛の手帳」を交付しており、障害区分は1〜4度で1、2度が療育手帳のA=重度、3、4度が療育手帳のB=その他に該当。

 

 

 

来年度、全国4個所で介護人派遣事業が始まる?

 

来年度の新規制度は全国の市町村で9月頃に行われる概算要求で決まります。来年度、奈良県・大阪府・千葉県・福島県の4つの市が新規で全身性障害者介護人派遣事業の予算要求をしたもよう(現在把握しているのは4市のみ。今後も増えます)。

また、従来から介護人派遣事業がある市でも、来年度に向け時間数のアップを交渉する予定でしたら、急いで行ってください。福祉部が財務部に出す予算要求に間に合わなければ、結果が反映されるのが再来年になってしまいます。

 

公的介護保障Q&A

 

週2〜3回のヘルパー派遣でいい下肢障害者(脊損など)も、男性ヘルパーが必要だったり、仕事をしていると夜間にヘルパーが必要だったりします。このような場合、常勤ヘルパーは対応してくれません。下肢障害者が自薦登録ヘルパーを利用できる市は、どのような経緯でそうなったのですか?

 また、知的障害者が長時間自薦登録ヘルパーを利用できる市は、どのような経緯でそうなったのですか?

 

 下肢障害者や知的障害者が自薦登録ヘルパーを利用できるようになっている市

のほとんどは、全身性障害者が交渉して、自薦の制度を作った市です。(知的障害者の場合は兵庫県M市のように単独で自薦ができた例もあります)。ヘルパー制度は、老人・身障者・障害児・知的障害すべてを対象とした制度です。一番緊急性のある全身性障害者(なるだけ24時間要介護の人)が交渉すれば、「現状の市のヘルパーでは介護できる人材がいない」「ヘルパーを、きちんと介護できる人材にしないと命に関わる」ということを認識させて(緊急性を訴えて)市を説得すれば、早く制度を換えられます。自薦が実現すれば、後は簡単な窓口のやり取りで、他の障害者も利用できるようになります。

 

 知的障害者の場合、全身性障害者が自薦のヘルパーの交渉を行って、長時間利用できるようにした市のみで、長時間の自薦ヘルパーを利用できます。

 例えば、単身全身性障害者が毎日12時間までヘルパーを利用できるようにした市では、毎日9時間の介護ニーズがある単身知的障害者は毎日9時間利用できます。

 全身性障害者が交渉していても、毎日6時間までしかヘルパーを利用できない市では、毎日8時間の介護ニーズがある知的障害者も毎日6時間までしか利用できません。このように、一番介護の緊急性のある全身性障害者の交渉が進めば、すべての障害者が受けられる制度が向上します。

 

 

 

制度係のフリーダイヤルは

0077−2329−8610です。

夜11時までOK) (365日OK)

「自薦登録ヘルパー・ガイドヘルパー・介護人派遣事業の交渉のことに関する質問・資料請求・その他なんでもの電話」は、

朝11時から夜11時までの間にかけてください。9回電話をコールしてください。9回ならさないと出られません。

 

 

 

 

 

 

北海道S市と南関東X市で新しい自薦式ヘルパーの方式始まる

 

今受けているホームヘルプ制度を、各市町村で自薦式のヘルパー制度に換えていく取組みや方法は、何度かお知らせしてきましたが、いずれも、従来から主婦などが登録する「登録ヘルパー」を市や社協・福祉公社などで行っている市のみで可能な方法でした。(また、主婦などが登録する普通の「登録ヘルパー」がない市の場合は、要望書を出して、まず対象者を絞って社協や公社や市に登録の仕組みを作ってもらうようにと、その方法をお知らせしてきました)。

 

今回、北海道のS市と、南関東のB県X市で、市がヘルパー事業を委託している在宅介護支援センターや民間事業者(いままで常勤ヘルパーしか採用していなかった)に、障害者の確保した介護者を自分用のヘルパーとして登録する取組みが成功しました。

 

 北海道のS市では、厚生省の指示文書などを使って委託先の在宅介護支援センターに自分たちの介護者を自薦ヘルパー(非常勤)として雇ってもらえないかと話をしました。また、市とも話し合い、「市は委託先のヘルパーの確保の方法については関与しない」という文書を出してもらい、在宅介護支援センターでの自薦が実現しました。(利用はこれから)。

 

南関東のB県X市では、市と継続して交渉を行い、市登録の登録ヘルパーの方式を作るよう話を進めていました。数度にわたる交渉の結果、市が委託先の民間事業者に話をし、とりあえず障害者の推薦する介護者を民間事業者にヘルパーとして登録するように話をしてくれました。

 現在、自分の介護者が(自薦のヘルパーとして)毎日5時間(週35時間)介護に入っています。介護者にはヘルパーの時給が支払われます。

 

他の市でも同じ方法が取れます。くわしく知りたい方は制度係0077−2329−8610まで電話でお問合わせください。

 

 

また長時間自薦ヘルパーを使える市が1つ増えました

全国一覧表(東京以外)            (週40時間以上の市)

自薦登録ヘルパーと自薦のガイドヘルパー

(下表は一人暮らしの24時間要介護の障害者に対する時間数です)

地域・市の名前

96年度

97年度

(週当たり)

(1日当たり)

九州 熊本市

週40時間

週98時間

14時間

四国のM市 (ガイドヘルパーと合わせて)

週40時間

週84時間

12時間

大阪府I市

週68時間

週68時間

9.7時間

山陰のY市 (ガイドヘルパーと合わせて)

週42時間

週42時間

  6時間

北関東のU市 (ガイドヘルパーと合わせて)

週40時間

週40時間

5.7時間

南関東のX市 (ガイドヘルパーと合わせて)

週14時間

週52時間

7.4時間

(注)自薦ができるヘルパーとガイドヘルパーの時間数の合計。

四国のM市は、自薦ヘルパー1日4時間+ガイド8時間の合計時間数

山陰のY市は、自薦ヘルパー1日4時間+ガイド2時間の合計時間数

北関東のU市はガイドのみ。南関東のX市は自薦ヘルパー1日5時間+ガイド2.4時間の合計時間数

 

 

(間い合わせは全国障害者介護保障協議会 制度係:通話料無料0077−2329−8610へ。くわしい説明ができます。各市への直接間い合わせはさけて下さい。

 行政交渉でこれらの市に問い合わせを自分の市の職員からしてもらう必要のある場合は、事前に根回ししますので、必ず全国障害者介護保障協議会まで連絡ください。地元の団体の要望で、問い合わせをしてはいけない市もあります。)

 

自薦登録ヘルパーの交渉をあなたの市でも始めませんか?

 

 介護人派遣事業の交渉は、もう9月の市の予算要求が終わっているので、来年までできません。しかし、自薦登録ヘルパーは、すでにあるホームヘルプ事業の大きな予算を使うため、年中いつでも交渉できます。(ホームヘルプ事業は年度の途中で派遣時間数が増えて予算が足らなくなっても、3月補正等で解決できます)。

 

 今から交渉をしたい方、ご連絡ください。厚生省の情報、交渉の先進地の制度の情報、ノウハウ情報、など、さまざまな実績のある情報があります。ぜひ地元での交渉にお役立てください。

通話料無料 0077−2329−8610(11時〜23時。土日もOK)

(定期的にご連絡いただければ、「短期間」で、「効率的」な交渉ができます。制度の時間数も伸びます。(実例 )当会に電話を頂かないで交渉を行った地域では、いままでのところ、満足な制度ができなかったという事例しかありません。当会の資料集・情報をぜひご利用ください。)

 

@自薦登録ヘルパー

A全身性障害者介護人派遣事業

Bガイドヘルパー

の交渉を行っている方、行う予定の方、ご連絡ください!

 

 「交渉を行っている方・行う予定の方」専用の通信を、通常の月刊誌とは別に、お送りする予定です。(無料)

 

今すぐ申し込みください

 当面、対象者は、以下の方に限定させていただきます。

@一人暮らしの全身性障害者(脳性麻痺・頚椎損傷・筋ジスなど)

A障害者と児童のみの世帯の全身性障害者・障害者世帯の全身性障害者

B上記の全身性障害者の、介護者、または交渉を共同で(小人数で)行っている方・予定の方

 通話料無料 0077−2329−8610へ。(11時〜23時。土日もOK)

 

埼玉県が、県内の市町村に対し、ホームヘルプサービス事業についての通知

千葉県につづき、埼玉県も市町村向けにホームヘルプ事業の通知を出しました。おおむね厚生省の主管課長会議の指示事項と同じ内容ですが、知的障害者向けに時間給のヘルパーの確保を検討するよう促す内容も含まれています。

 

障福第  771号

平成9年 7月28日

 

各 市 町 村 長

(障害福祉主管課) 様

埼玉県福祉部長

 

 

障害者ホームヘルプサービス事業の実施等について(通知)

 

 障害者ホームヘルプサービス事業については、障害者の在宅福祉を推進する上で、基盤となる事業であり重要な役割を果たすものとして、各市町村においてその充実を図っていただいているところであります。

 しかしながら、いくつかの市町村において、要綱上又は運用上において、身体障害者や知的障害者を対象としていなかったり、窓口において利用を断るなどのケースが見受けられます。

 このため、各市町村においては、別紙に御留意の上、「埼玉県身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱」、「埼玉県知的障害児(者)ホームヘルプサービス事業運営要綱」により、障害者のホームヘルプに対するニーズが十分反映された適切な運営が図られるよう特段の御配慮をお願いします。

 

  <問合せ>

  埼玉県福祉部障害福祉課

身体障害福祉係 秋山

知的障害福祉係 長竹

電話 048-830-3813,3815

 

(埼玉県の通知)               (下線は当会がつけました)

別 紙

障害者ホームヘルプサービス実施に当たっての留意事項

 

1 知的障害児(者)に対するホームヘルパー派遣は、制度の趣旨が住民に周

知されていなかったり、ホームヘルパー本人が障害者世帯への派遣に慣れていないなどから派遣実績が低調な状況にあります。

 知的障害者へのホームヘルパー派遣は、時間給のホームヘルパーの設置により、1時間単位で行えることになっているので、臨時的な介護需要にも対応できるよう配慮すること。

 

2 派遣決定を行う場合、サービス量について上限を設定している市町村にお

いては、直ちに撤廃し、必要なサービスの提供が行えるようホームヘルパーの増員を図ること。

 

3 24時間対応型のホームヘルプサービス事業は、障害者も対象としている

ので、積極的な活用を図ること。

 

4 予算面において在宅老人福祉事業と一体的に執行されているところである

が、老人福祉担当課に事業の運用をまかせきりにすることのないよう、障害福祉主管課において、事業の必要量、運用の実態等を適切に把握すること。

 

5 重度の障害者に対するサービスの提供については、家事援助のみのサービ

スとならないよう、必要な介護サービスを十分提供できるようにすること。

 

6 障害者の介護サービスは、高齢者と異なるニーズもあることから、身体障

害者療護施設等を経営する社会福祉法人への事業委託を積極的に検討すること。

 

7 ホームヘルパーの確保に当たっては、介護福祉士等の有資格者の確保に努

めるとともに、障害の特性に対する理解や利用者との間におけるコミュニケーションを必要とすることから、過去において障害者の介護経験を有する者の活用を積極的に図ること。

 

8 本事業に対する住民への広報を十分に行うこと。

 

生保・大臣承認介護料の申請は今月以降なら迅速に

〜今なら迅速に新規申請の書類が処理されます〜

 

 秋以降になると、各都道府県や厚生省の保護課が、6月ころから行っている継続申請の処理が終わります。新規申請は、今月以降なら迅速に処理されます。自立生活を考えている方は、今から生活保護と大臣承認を申請すれば早く決定されます。

(注:申請日からの介護料は、決定が遅れても必ず申請日からの分の全額が、さかのぼって受けられます。ですから、その間の介護料を立て替えて払ってくれる支援者や自立生活センターなどがあれば1年中何月に申請しても別に困りません)

 

他人介護料大臣承認9年度基準額(生活保護)

東京都・千葉県・千葉市・埼玉県・川崎市・神奈川県

月18万2200円

大阪府・大阪市

月16万7600円

京都市・兵庫県・神戸市・奈良県・静岡県・栃木県・群馬県・滋賀県

月15万4900円

札幌市・山形県・福島県・石川県・長野県・鳥取県・岡山県・広島県・広島市・山口県・愛媛県・北九州市・熊本県・鹿児島県・沖縄県

月13万6300円

◆大臣承認介護料は、北海道から沖縄まで、全国で200人ほどが受けています。4時間以上介護の必要な全身性障害者なら普通に受けられますので、ご相談下さい。(詳しくは当会制度係に問い合わせください。申請書類は、当会が「大臣承認介護料申請書セット」として発行しています)。

介護料大臣承認の受給者がいない県

北海道

・札幌市を除く北海道

東北

・青森県・岩手県・秋田県・仙台市・宮城県

関東

・横浜市・茨城県

中部

・山梨県・愛知県・岐阜県・三重県・富山県・福井県

近畿

・京都市を除く京都府・和歌山県

四国

・徳島県・香川県・高知県

中国

・島根県

九州

・北九州市を除く福岡県・大分県・宮崎県

★おねがい。上記の県に住んでいる「1日4時間以上介護の必

要な、全身性障害者」をご存知の方は、ぜひ、大臣承認介護料の情報を知らせて

あげてください。(重点対応として)制度の申請方法など資料・情報面でのサポートをします。

◆この制度は全国で受けられます。

◆厚生省は、大臣承認を受けている人がいる県・指定都市にしか、大臣承認の通知を発出しませんので、現在制度を受けている人がいない県の福祉事務所は、この制度を知りません。大臣承認を申請するときには、厚生省に福祉事務所から問い合わせさせる必要があります。やり方は、全国障害者介護保障協議会 制度係0077−2329−8610まで電話ください。

 

 

今年度の大臣承認継続申請がまだ決定していない方は今すぐご連絡ください

 

 今年度より、継続申請は「包括承認」方式になりました。障害者が出す書類は変わりませんが、市の保護課→県の保護課→厚生省の保護課へ書類を上げるときに、同じ自治体の申請者全員をまとめて簡潔な書類で1回の決済で処理できるようになりました。(迅速な処理をするためにこう改正した)。

 ところが、一部の県で「一人の書類がそろわない(担当ワーカーが書類をまだ作っていない)ために、10月になっても市に全員分の書類がとどまっている」という例が出ています。厚生省は「あまり書類のそろう期間がずれる場合は、そろっている人数分から先に書類を上げるように」と何度も都道府県に指導していますが、今年度から包括承認に変わったので、一部自治体で勘違いをしているところがあるかもしれません。

 皆さんの自治体で同じような継続申請の後れがある場合は、厚生省に早急に指導してもらいますので、また、遅れている自治体が多い場合は、制度そのものの欠陥と考えられるので、再度制度の改善を交渉しますので、今すぐ全国障害者介護保障協議会 制度係0077−2329−8610まで電話ください。(できれば10月20日の保護課交渉までにお願いします。まだ継続申請が終わっていない方は電話ください)。

 

生活保護の他人介護料大臣承認 用語解説

新規申請・・・まだ生活保護を受けていない人がこれから生活保護と大臣承認介

護料を申請する場合、または、すでに生活保護を受けているが介護料を受けていない人が、大臣承認介護料を申請する場合

継続申請・・・すでに大臣承認介護料を受けている人は毎年4月に継続申請を行

わねばなりません。継続申請の場合、新規に比べ、障害者が福祉事務所に出す申請書類はかなり少なくなります。継続申請の書類は、新規申請と同様、市の保護課→県の保護課→厚生省の保護課と書類が上がっていき、市や県で必要な書類を職員が作って加え、厚生省保護課で確認が終わると4月からの介護料大臣承認額がまとめて受けられます。

 

 

 

ガイドヘルパー研修事業を障害者団体が受託する(次ページからに要綱掲載→)

 

 9年度からガイドヘルパー研修事業が厚生省で予算化されました。実施主体は都道府県と制令指定都市なのですが、厚生省によると、今のところ手の挙がっている自治体はないそうです(東京都では東京都自立生活センター協議会が都と委託の話し合いを始めている段階)。

 現在、研修事業は始まったばかりなので、実際にガイドヘルパーになるときに研修を受けなければならない市町村はほとんどありません。しかし、ホームヘルパーの研修が広がってきたように、ガイドヘルパーも今後、義務づけする市町村が増えてくることが予想されます。

 今のホームヘルパー研修は、老人の施設介護の専門家や看護の専門家によってテキストが作られ、各県での実施者もほとんどが、老人の施設介護の専門家によって行われています。そのためその内容は、自立生活をする障害者には全然合っていないものになっています。

 ガイドヘルパーも同じ事にならないようにするには、介助者を毎日利用している障害者(当事者)が中心にいる団体が積極的にこの事業を受託していく方法があります。

委託を受ければ、団体には委託費も入ります。まず、都道府県や指定都市と話し合ってください。

 なお、厚生省の障害福祉課身障福祉係はガイドヘルパー研修の内容の細かいことまでは決めないことにしました。ホームヘルプの研修のように、細かく決めすぎると、後から利用者の実態に合わずに現場が困ることがあるからという判断でこのようになりました。次ページから研修事業の要綱を掲載しています。全身性障害者は19時間分の研修カリキュラムが決まっていますが、その内容は大雑把にしか決められていません。

 厚生省障害福祉課はこの研修事業の予算を要求する際、算定根拠として2級ホームヘルパー研修修了者の人数分×研修時間数で予算をとりました。ただし、これは予算要求上の話だけで、実際には、2級ヘルパー研修を受けていない人も、この研修を受けることができます。

 研修事業を受託する計画を立てた団体は当会に情報をお寄せください。先に始めた団体との情報交換ができます。

 

 

障 障 第 9 0 号

平成9年5月23日

  都道府県知事

各 殿

指定都市市長 

厚生省大臣官房

障害保健福祉部長

 

ガイドヘルパー養成研修事業の実施について

 

 ガイドヘルパーの研修については、「身体障害者居宅生活支援事業の実施等について」(平成2年12月28日 社更第255号 厚生省社会・援護局長通知)別添1「身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱」において、別に定めるところにより実施することとされているが、今般、別添のとおり「ガイドヘルパー養成研修実施要綱」を定めたので、本事業の円滑な実施及び管下市町村に対する本事業の趣旨の徹底について特段の御配慮をお願いする。

 

(別添)

 

ガイドヘルパー養成研修実施要綱

1 目的

 外出時の移動の介護等に必要な知識、技能を有するガイドヘルパーの養成を図ることとする。

 

2 実施主体

 実施主体は都道府県又は指定都市とする。

 ただし、事業の一部又は全部を適当と認められる講習機関等に委託することができるものとする。

 

3 研修カリキュラム及び受講対象者

(1) 本研修は重度視覚障害者研修課程及び重度脳性まひ者等全身性障害者研修課程の2課程とし、各課程のカリキュラムについては別紙のとおりとする。

 ただし、地域性、受講者の希望等を考慮して、必要な科目を追加することは差し支えない。

 

(2) 各課程の受講対象者及び研修時間は次のとおりとする。

課 程

受 講 対 象 者

時間

重度視覚障害者研修課程

ホームヘルパー養成研修1、2級課程修了予定者又は修了者及び介護福祉士

11

上記以外の者

23

重度脳性まひ者等全身性障害者研修課程

ホームヘルパー養成研修1、2級課程修了予定者又は修了者及び介護福祉士

上記以外の者

19

 

4 事業実施上の留意事項

 修了証書の交付等、研修会参加費用、ガイドヘルパー養成研修事業としての指定及び事業実施上のその他の留意事項については、「ホームヘルパー養成研修事業の実施について」(平成7年7月31日 社援更第192号、老計第116号、児発第725号 厚生省社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)の6、7、8並びに10の(1)、(2)、及び(4)に準ずる。

 

(別紙) ガイドヘルパー養成研修カリキュラム

1 重度視覚障害者研修課程

合計

(1) 講義              (計)

ア ホームヘルプサービスに関する知識

(ア) ホームヘルプサービス概論

(イ) ホームヘルパーの職業倫理

イ 障害者(児)福祉の制度とサービス

ウ 移動介助の基礎知識

エ 障害・疾病の理解

オ 障害者(児)の心理

(2) 実習 (計)

ア 移動介助の基本技術

イ 屋内の移動介助

ウ 屋外の移動介助

エ 応用技能

11時間

(2)

 

 

 

 

 

 

(9)

23時間

(14)

 

(9)

2 重度脳性まひ者等全身性障害者研修課程

合計

(1) 講義 (計)

ア ホームヘルプサービスに関する知識

(ア) ホームヘルプサービス概論

(イ) ホームヘルパーの職業倫理

イ 障害者(児)福祉の制度とサービス

ウ 障害者(児)の心理

エ 重度脳性まひ等全身性障害者を介助する上での基礎知識

(ア) 重度肢体不自由者における障害の理解

(イ) 介助に係わる車いす及び装具等の理解

オ 移動介助にあたっての一般的注意

(ア) 姿勢保持について

(イ) コミュニケーションについて

(ウ) 事故防止に関する心がけと対策

 

(2) 実習 (計)

ア 移動介助の方法

(ア) 抱きかかえ方及び移乗の方法

(イ) 車いすの移動介助

(ウ) 歩行移動介助の注意

イ 日常生活における介助の方法

9時間

(5)

 

 

 

 

 

 

 

 

(4)

 

 

 

19時間

(15)

 

 

 

 

(4)

 

 

 

 

 

 

厚生省来年度予算要求

 

 厚生省老人保健福祉局は「ゴールドプラン」8497億円(昨年より6%アップ)、障害保健福祉部は「障害者プラン」2396億円(昨年より7%アップ)の10年度予算要求を行いました。

 

ホームヘルパー(ガイドヘルパー含む)

 ゴールドプランに含まれるホームヘルパー(障害も高齢も含まれる)は、

9年度15万1908人が→10年度予算要求では16万7908人(11%アップ)になりました。

 このうち、障害者分だけで見ると、9年度1万5500人上乗せが→10年度予算要求では2万4100人上乗せ(55%アップ)(100億7400万円)になりました。

 全国で平均すると、人口30万人の都市では、48人のヘルパーが増え、うち、老人分は22人アップ、障害分は26人分アップとなります。

 ヘルパー1人あたりの予算は、年84万円(国はこの50%を負担)で計算されています。これは非常勤の「週11時間労働」ヘルパーを想定したものです。

 30万人の都市ならば、週286時間(毎日40時間)分の障害者用登録ヘルパーが増えることになります。(例えば、この市に1人だけ単身の20時間要介護の障害者がいた場合、この1人に毎日20時間派遣し、残りの20人の障害者に毎日1時間ずつ派遣時間をアップすれば、来年度増える予算は消化されます。)交渉する際の知識として覚えてください。

 

市町村障害者生活支援事業

 9年度80個所が、10年度120個所になります(40個所増)。

 1個所は1500万円。

 

日常生活用具

 電動「痰」吸引器(身体障害者・児)が新たに加わります。

 

 

 

 

 

「身体障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業」(元「身体障害者ガイドライン試行事業」)について

 

 昨年、実施された「身体障害者ガイドライン試行事業」については、現状のヘルパー制度など、極めて少ないサービス水準(全国のほとんどの市ではいまだに週2回のヘルパー派遣が上限)を前提として、その中で「要介護認定」や「ケアプラン」などを専門家を集めた検討委員会(障害者の代表が1人も入らずに)で行うという問題のある内容であったため、私たちは今年4月に、「要求者組合」として障害保健福祉部企画課と交渉しました。交渉では、厚生省内の「試行事業」のまとめについては、一旦白紙にする、今後の動きについては私たちと話し合いながら行うとの回答を課長補佐から得ました。

 しかし、来年度の厚生省の予算要求で、同様の内容の試行事業が出てきました。また、9月25日付けで、「身体障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業」(元「身体障害者ガイドライン試行事業」)の要綱が厚生省から出ました。

 

(次ページからの3ページ分がその要綱です→)

 

 一応「障害者団体の代表を入れて」という要綱になってはいますが、障害者団体側に相談無しに出てきたものですので、どういう事か確認するために緊急に交渉を行います。

 

 厚生省 障害保健福祉部 企画課

 10月15日(水) 2:00〜4:00

          (1:30厚生省1階集合)

 

 くわしくは同封のビラを。

 

 

 

障企第385号

平成9年9月25日

  都道府県知事

各 指定都市市長 殿

厚生省大臣官房障害保健福祉部長

 

 

身体障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業の実施について

 

 

 障害者が地域において自立した生活を営み、社会参加をしていくためには、公的サービス等の社会資源の充実とともに、これらを有効に活用できるように支援する体制が整備されなければならない。

 特に、重度・重複の障害を有する者に対しては、必要とする複数の社会資源を適切に活用できるように調整を図り、生活を支援するための機能が必要とされる。

 このため、今般、別添のとおり「身体障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業実施要綱」を定め、平成9年10月1日より実施することとしたので通知する。

 

 

 

 

別添

 

身体障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業実施要綱

 

1 目的

 本事業は、複合的な需要を有する在宅の身体障害者の生活を支援するため、保健・医療・福祉サービス等の介護等サービス提供支援実施体制のあり方、介護等サービス提供支援機関と関係諸機関との連携のあり方、各種サービスの連携のあり方等について検討を行い、今後の介護等サービス体制の整備に資することを目的とする。

 

2 実施主体

 事業の実施主体は都道府県及び指定都市(以下「都道府県等」という。)とする。

 

3 実施方法

 (1)身体障害者介護等サービス体制整備検討委員会

 

ア 都道府県等は、保健・医療・福祉関係者及び身体障害者団体の代表等で構成

される身体障害者介護等サービス体制整備検討委員会)以下「検討委員会」という。)を設置する。

 

イ 検討委員会は、次の事項について検討を行う。

(ア) 介護等サービス体制整備のあり方

(県域、障害保健福祉圏域、市町村域の役割)

(イ) 介護等サービス提供支援機関の設置運営のあり方、関係機関との連携

のあり方

(ウ) 介護等サービス提供支援に必要とされる人材のあり方

(介護等支援専門員の資格要件、養成研修、確保の方法及びその他介護

等サービス提供支援に携わる者の確保)

(エ) 介護等サービス提供に必要とされる社会資源の種類と量のあり方

(オ) 介護保険制度における介護等サービス提供支援実施体制との関連性

(カ) その他検討が必要な事項

 

ウ 介護等サービス提供計画作成試行的事業を実施する場合は、検討委員会は、

本事業の委託市町村への助言・指導及び実施結果の評価を行う。

 

 (2) 介護等サービス提供計画作成試行的事業

 

ア 介護等サービス提供計画作成試行的事業(以下「試行的事業」という。)は、

都道府県が選定した市町村に委託して実施する。(指定都市は、管内の全域もしくは特定の地域において実施する。)

 

イ 試行的事業は、市町村が直接行うほか、身体障害者更生施設、身体障害者療

護施設、身体障害者福祉センター、身体障害者日帰り介護(デイサービス)センター、障害者生活支援事業の実施機関等、介護等サービス提供支援を適切に実施できるものに市町村が再委託して実施することができる。

 

ウ 試行的事業の対象者は30名以上とし、総合相談窓口に相談に来た者のうち、

複合的な需要を有する者及び特別障害者手当受給者等から適宜選定すること。その場合、視覚障害と他の身体障害との重複者、聴覚障害と他の身体障害との重複者、身体障害と精神薄弱又は精神障害との重複者が含まれるようにする。

 

エ 試行的事業は、複合的な需要を有する障害者に対し、総合的かつ継続的な介

護等サービス提供を確保するため、介護支援専門員の役割を担う者を中心として、需要を満たす複数のサービスを適切に結びつけ、調整を図りつつ、介護等サービス提供計画を作成する。

 

オ 市町村は、試行的事業の実施終了後、介護等サービス提供計画作成の状況等

の他、介護等サービス提供支援を実施していく上での必要な事項や問題点等を都道府県に報告する。

 

4 事業実施上の留意事項

 

(1) 平成9年度においては、検討委員会における検討のみの実施でも差し支えな

いものとする。

 

(2) 試行的事業は、介護等サービス提供計画の作成までを原則とするが、介護等

サービス提供計画に基づくサービス提供を試行しても差し支えないものとする。

 

(3) 試行的事業の実施期間は、同一市町村においては原則として、当該年度末ま

でとする。

 

(4) 試行的事業の利用者に対しては、試行的事業の趣旨を十分に説明し、円滑に

協力が得られるようにする。

 

(5) 検討委員会委員、都道府県・市町村職員、その他試行的事業の実施に参画し

た関係者等は、本事業において知り得た個人に関する秘密を他に漏らしてはならない。

 

5 経費の負担

 この実施要綱により行う事業に要する経費については、別に定めるところにより国庫補助を行うこととする。

 

 

 

 

 

厚生省の新しいヘルパー制度の通知

次々ページから一挙25ページ掲載→

 

厚生省の障害者・高齢者の担当課はホームヘルプサービス事業の事業費補助方式の取り扱いについての課長通知を9年7月31日に出しました。従来の「人件費補助方式」に加え9年度から「事業費補助方式」が選択できるようになっています。これを、来年度(10年度)からは完全に「事業費補助方式」に一本化するという内容。

 

 従来はヘルパーの月給・時給タイプ・委託などの別により補助金額の上限(たとえば時給型は介護1440円、月給型は月28万円程度など)が決められていました。今後は、常勤・非常勤の違いなく、介護の場合1時間2860円(夜間土日などは3570円)の基準額が補助金額の上限になります。

 10年度より、常勤ヘルパーは週25時間以上派遣先で介護しないと従来より補助金が減ってしまいます。逆に多く介護すると補助金が多くなります。

 非常勤ヘルパーや登録ヘルパーの場合、従来時給1440円の国の基準以上に市などが(100%市負担で)上乗せしていた場合、その分にも補助金がつきます(国50%、県25%の補助がつく)。これらの市では来年度は予算に余裕ができてきます。この機会を逃さず登録ヘルパーの時間数アップの交渉を行ってください。

 介護の場合の1時間2860円の補助基準は、直接のヘルパーへの支払額と事務費などを含めて、1時間の派遣につき総合的にいくらかかったかで市が補助金請求するしくみです。市によっては(たとえば、今まで市が補助金の対象にならない100%市負担のコーディネーター役を置いていた場合など)、余計な経費がかからない自薦登録ヘルパーは、時間数を伸ばせば伸ばすほど、財政にプラスになるケースもあります。このばあい、(ニーズさえ認めてもらえれば)時間数を伸ばす交渉で、簡単に時間数が増えます。これについては、次号で詳しく解説する予定です。

 

 

ホームヘルプとガイドヘルパー事業実務問答集も

また、厚生省は同時に「ホームヘルプ事業実務問答集」「ガイドヘルパー関係実務問答集」も出しています。(係長事務連絡

 まず、時間単価について、従来夜間のみ、昼間の25%アップの単価の適応がされることが多かったのですが、土日祝日についても25%アップの単価が適応されると書かれています(問8)。

 また、ヘルパーの派遣時間などを決める「個別援助計画」を従来から市が派遣決定の際に決めることになっていますが、より強く計画策定するようにと書かれています。

 また、ガイドヘルパーでも、「個別派遣計画」を月ごとに決めるように書かれています。いずれも、交渉を行なっていない市では、少ない時間数を決定されますし、交渉をきちんと行えば、ニーズに応じた適正な時間数にすることができます。たとえば、一人暮らしの障害者の場合、家族と同居の障害者よりは外出ニーズが大きいと説得すれば、ガイドヘルパーの「個別派遣計画」で多い時間数を利用できます。

 

映画やデパートでの買い物もガイドヘルプの事例に

 ガイドヘルパーでは、従来から、外出した先でもいろいろな介護(食事・トイレ・姿勢保持など)が必要なので、たとえば自立生活センターの事務所に通ったとしても、行き帰りだけでなく、事務所に滞在中の時間もガイドヘルプの対象になります。これについて、滞在中のガイドヘルパーの時給が認められないという一部自治体がありましたが、今回の実務問答集ではガイドヘルパーの仕事に、目的地滞在中の介護(食事・トイレ・姿勢保持など)がはっきりと書かれており、これを使って交渉すれば、市の誤解もすぐに解くことができます。

 ホームヘルプやガイドヘルプの仕事内容事例なども載っており、ガイドヘルプでは映画やデパートでの買い物のガイドの事例が載っています。

 現在ガイドヘルパーの外出先等に「映画や買い物はだめ」と制限のある市の方は、この新しい問答集を市の課長などに見せて交渉してください(厚生省の基準は元々「通勤通学以外はOK」です)。

 また、ガイドヘルパーは「介護型の補助単価を用いる」と、9年度の課長会議資料(3月号で掲載)に書かれています。現在、家事援助単価(930円程度)の市の方は、課長会議資料も市に持っていって、介護単価(1440円)にするように交渉してください。

 

 

次ページから25ページ分は、今回の通知です。交渉を行う上で、特に重要な点、上記文章で紹介した点には当会で下線を引いておきましたので、下線のところは必ず読んでください。

 

 

 

老計第101号

平成9年7月25日

 

 

  都道府県

各 指定都市 民生主管部(局)長 殿

    

 

        厚生省大臣官房障害保健福祉部

          障害福祉課長

 

  厚生省保健医療局

          エイズ疾病対策課長

 

     厚生省老人保健福祉局

          老人福祉計画課長

 

 

 

   訪問介護(ホームヘルプサービス)事業の事業費

    補助方式の取扱いについて

 

 

 標記については、要介護者の要望にあったきめ細かなサービスを効率的に提供する体制を整備するとともに、介護保険制度への移行を展望し、現行の「人件費補助方式」に加え、「事業費補助方式」を導入することとしているが、その取扱いについて別紙のとおり「訪問介護(ホームヘルプサービス)事業費補助方式取扱要領」を定めたので、貴管下市町村に対して本補助方式の取扱いの徹底を図るとともに、本補助方式の円滑な実施について十分配慮願いたい。

 

 

 

 

 

 

(別紙)

ホームヘルプサービス事業費補助方式取扱要領

 

1 趣旨

 要介護者の要望にあったきめ細かなサービスを効率的に提供する体制を整備するとともに、介護保険制度への移行を展望し、サービスの提供量に応じた補助方式への移行を図るものである。

なお、平成9年度については、従来の人件費補助方式と事業費補助方式を選択実施できるものとする。

 

2 補助方式選択方法

 事業実施主体である市町村単位での選択とする。ただし、平成9年度については、経過的な措置として、次のとおり取り扱うことができるものとする。

@ 事業費補助方式を少なくとも1か月以上実施しようとする場合には、現行補助

方式から事業費補助方式への変更に限り、時期を問わず可能とする。

A 年度中に事業費補助方式を実施しようとする市町村において、事業費補助方式

に変更するに当たって特別に経費を要する場合には、在宅福祉サービス推進等事業の10/10の補助率の対象とするので、別途協議されたい。なお、事業内容については、5に定めるところによる。

B 事業費補助方式の実施時期及び在宅福祉サービス推進等事業の協議については、

都道府県で取りまとめ、本年10月までに本職あて別に定める様式により報告すること。

 

3 補助基準額の算定

(1)補助基準額の算定に当たっては、次により取り扱うものとする。

滞在型

身体介護中心業務

2,860円×延べ活動単位数

(早朝夜間等通常の勤務時間以外の場合の基準額は3,570円)

家事援助中心業務

2,100円×延べ活動単位数 

(早朝夜間等通常の勤務時間以外の場合の基準額は2,620円)

巡回型

昼間帯

1,430円×延べ派遣回数

早朝夜間

1,790円×延べ派遣回数

深夜帯

2,860円×延べ派遣回数

 

 

(2)活動単位等の考え方は、滞在型、巡回型それぞれ次のとおりとする。

@ 滞在型

 滞在型における1単位は、1時間程度とする。

 なお、1時間を超えた場合、30分ごとに0.5単位を加算する。

A 巡回型

 巡回型における1回は、30分程度とする。ただし、深夜帯については、20分程度とする。

 

(3)移動時間の取扱いは、滞在型、巡回型それぞれ次のとおりとする。

@ 滞在型

 訪問先から次の派遣までの移動時間が30分を超える場合には、1派遣につき1時間を上限に移動時間を補助対象とする。

30分未満      補助対象外

30分以上1時間未満 0.5単位

1時間以上 1単位

 なお、その場合、家事援助中心業務の2,100円の単価を適用する。

A 巡回型

 巡回型については、本来派遣活動に移動が伴う形態であること、短時間の派遣を効率的に実施するためには近距離での派遣活動が想定されることから、移動時間については、補助対象外とする。

 

4 派遣の考え方

(1)派遣については、従来から市町村において利用者の心身の状況・世帯の状況等

を十分考慮して、事前にサービスの内容と所要時間及び派遣日程を定めた個別援助計画を作成することとされていること。

(2)事業費補助方式への変更に当たっては、個別援助計画に基づき派遣決定するこ

ととし、その場合、当該個別援助計画で定めた内容と所要時間により個別利用者ごとに必要な活動単位を定めることとする。

(3)複数人派遣の取扱い

 補助単価の判断基準は、本来サービス利用者側からみた活動時間であり、派遣された人数の如何に関わるものではないが、利用者の状況、サービスの内容等から次の例示のように複数人派遣する必要性がある場合に限り、例外的に補助対象として取り扱うことができるものとする。

 なお、複数人派遣の有無については、貴職においてあらかじめ市町村から報告を求めるなど十分に調整の上、決定するものとする。

 

 

(例示)

a 全介助の全身入浴において、褥瘡部の保護等の特別な配慮を要する場合。

b 痴呆による入浴拒否がある場合等、介護負担が大きく専門的援助技術を

要する場合。

c 利用者の体重等身体的特徴で入浴介助や1人での派遣が困難な場合。

d エレベーターのない2階建て以上の建物に居住している場合の外出介助

等の場合。

 

5 在宅福祉サービス推進等事業の取扱い

 在宅福祉サービス推進等事業のうち、10/10の補助率の対象となる事業は、平成9年度にホームヘルプサービスの補助方式を事業費補助方式に変更する市町村の事業のうち、次の事業とする。

@ 業務の効率化・適正化を図るための事業。

A 事業費補助方式への準備切替えに必要な事業。

(例示)次のような効率的で適正なサービス提供に寄与するような事業等。

a 個別援助計画を作成していない市町村が個別援助計画を作成する事業。

b 不十分な個別援助計画であるために計画を見直す事業。

 

 

6 派遣時間の集計方法

(1)国庫補助基準額の算定に当たっては、別に定めるところにより各都道府県から

報告を求めるので、各都道府県においては、各市町村からの報告に基づき、滞在型(身体介護、家事援助)について延べ活動単位数及び移動時間、巡回型について延べ派遣回数を集計することとされたい。

(2)各都道府県においては、別添資料を踏まえ、各都道府県の実態に即し統一的に

集計できるよう、貴管下市町村を指導されたい。

 

 

 

 

 

 

事  務  連  絡

平成9年7月25日

 

  都道府県

各 指定都市 在宅福祉担当係長 殿

   

 

厚生省大臣官房障害保健福祉部

障害福祉課身体障害者福祉係長

身体障害児福祉係長

 

厚生省保健医療局

エイズ疾病対策課難病調査係長

 

厚生省老人保健福祉局

老人福祉計画課在宅福祉係長

 

 

 

ホームヘルプサービス事業実務問答集の送付について

 

 

 標記について、別紙のとおりホームヘルプサービス事業実務問答集を取りまとめましたので、管下市町村における事業費補助方式の取扱いの徹底及び事業費補助方式への円滑な移行を図ることから、参考として貴管下市町村に配布願います。

 なお、このホームヘルプサービス事業実務問答集については、当方から関係団体に対しても配布する予定であることを、念のため申し添えます。

 

 

 

(別紙)

 

 

 

 

 

 

ホームヘルプサービス

事 業 実 務 問 答 集

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

厚生省 老 人 福 祉 計画課

障 害 福 祉 課

エイズ疾病対策課

 

 

《事業費補助方式》

 

1 補助方式の選択方法について―――――――――――――――――――――――

 実施市町村・事業形態(直営分・委託分)・雇用形態(常勤・非常勤)・事業内容(身体介護・家事援助)のいずれかの単位で選択できるのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 実施市町村単位での選択とします。

 

 

2 補助方式の選択時期について―――――――――――――――――――――――

 実施時期については、平成9年7月からとなっているがそれ以降に変更できないのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 全国主管課長会議等においては、実施時期を平成9年7月からとしていましたが、平成9年度は変更初年度であることから、経過的な措置として人件費補助方式から事業費補助方式についてのみ平成9年度内であればいつでも変更できることとしますが、最低1月は実施することとします

 

 

3 派遣活動の取扱いについて――――――――――――――――――――――――

 派遣活動の取扱いについて。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ホームヘルパーの派遣にあたっては、事業の実施主体である市町村が責任を持って、利用者の心身の状況や世帯の状況等を十分考慮し、事前に1回の派遣ごとのサービス内容と所要時間及び派遣日程を定めた個別援助計画を作成することが必要となります。サービス提供は、基本的には個別援助計画に基づいて行われることになりますが、急な利用者の状態の変化によって、急遽サービス提供内容を変更せざるを得ないような場合もあるので、利用者本意の柔軟な対応が望まれます。

 

 

 

(1)個別援助計画の作成

 個別援助計画の作成にあたっては、高齢者サービス調整チームや地域高齢者の状況を把握している在宅介護支援センターの機能を活用することが望まれます。

 また、その際にはサービス提供を担当するホームヘルパーや高齢者・障害者のサービス提供を担当する事業者の意見も取り入れていくことが必要です。

 また、個別援助計画作成後には、あらかじめ利用者及びその家族に個別援助計画の内容等について、説明をする必要があります。

 なお、個別援助計画の作成にあたって、市町村における個別援助計画作成事務を社会福祉協議会、在宅介護支援センター等の適切な機関に委託することは可能ですが、委託費は補助対象とはなりません。

 また、個別援助計画の作成事務は、本来市町村が行うべき事務であることに鑑み、市町村において責任を持って対応してください。

 

(2)巡回型と滞在型の区分

 巡回型と滞在型の区分については、サービス提供の必要性に応じて個別援助計画の中であらかじめ定めておく必要があります。

 巡回型は、30分程度の訪問を1回の派遣としていますので、個別援助計画で巡回型に適したサービス提供内容を設定して下さい。

従って、滞在型として派遣決定したものの、結果として短時間で終了したからといって巡回型の派遣であるという判断はできません。

 

(3)身体介護と家事援助を併せて実施する場合

 1回の派遣の中で、身体介護と家事援助の両方を併せて実施する場合には、個別援助計画の中でどちらの業務を主としているかによって、その派遣がどちらの区分となるか判断します。

 

 

 

(4)滞在型の活動単位の算定について

 活動単位の判断については、実際のサービス提供において、多少の時間の差異が生じたとしても、当初の個別援助計画で定めたサービス提供内容とその所要時間に基づき決定することになります。

 当初の援助計画に対して、サービス内容や所要時間の変更が必要な場合には、早急に個別援助計画の見直し・変更を行い、それにしたがって、サービス提供内容を変更するようになります。

 なお、急遽サービス提供内容を変更された場合には、やむを得ず実際のサービス提供内容と所要時間によって活動単位を算定し直すことになりますが、変更が継続したり、頻繁に生じたりする場合には、個別援助計画の変更を行わなければなりません。

 サービス提供内容と活動単位の設定については、次のようなものが想定されますが、実際の個別援助計画の中では利用者ごとに援助の必要性や困難性を考慮し、サービス提供内容や所要時間等を決めてください。

 また、他の在宅保健福祉サービスも含めた総合的なサービス提供の観点からホームヘルプサービスに関する個別援助計画も作成されることが望まれます。

 

(5)サービスの種類

 サービスの種類には以下のようなものが考えられます。すべてを網羅するものではありませんが、高齢者、障害者・児、難病患者等それぞれの個別援助計画を作成する際の参考として下さい。

 

@基本的サービス(利用者を問わず毎回の訪問において必要なサービス)

・健康チェック…安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

・環境調整…換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓、姿勢

のずれの修正等

・相談援助・情報収集…介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話

を聞くこと等による心理的支援等

 

A利用者ごとの必要性に応じて提供されるサービス(巡回型)

・体位変換…褥瘡防止のための臥位姿勢交換

・排泄介助…おむつ交換、尿びんの使用、トイレへの移動、排尿・排便介助

・その他の巡回型に適当な援助…車椅子への移動介助、簡単な清潔、配膳等

 

 

B利用者ごとの必要性に応じて提供されるサービス(滞在型:身体介護)

体位変換…褥瘡防止のための臥位姿勢交換

・更衣介助…寝間着から普段着への衣類の着脱の介助等

・排泄介助…おむつ交換、尿びんの使用、トイレへの移動、排尿・排便介助、

姿勢保持のためのクッション等の配置

・食事介助…必要性に応じた食事に関する介助

・清拭、手・足浴、洗髪、全身入浴など…必要性に応じた清潔に関する介助

・洗顔、身体整容…洗顔、歯磨、爪切等の日常的な整容

・運動、外出介助…運動の補助、買い物等の外出時の介助

・その他の必要に応じた身体介護

 

C利用者ごとの必要性に応じて提供されるサービス(滞在型:家事援助)

・ベットメイク等…シーツの交換等

・掃除…利用者の生活上必要な居室内清掃、台所掃除、ゴミ出し等

・洗濯…利用者の衣服の洗濯機による洗濯、乾燥、取り入れ等

・衣類の整理・補修…利用者の夏冬服の入れ替え、ボタンつけ等

・調理・後かたづけ…食事の調理、配膳、後かたづけ等

・買い物…援助上必要なものの買い物等

・その他の必要に応じた家事援助

 

○視覚障害者や聴覚障害者に対する家事援助には以下のようなサービスも考えられます。

・コミュニケーション介助 … 郵便物・回覧板等の代読、手紙・アンケート等

の代筆、手話、要約筆記等

・掃除補助 … 利用者が行う掃除の出来具合の確認等

・洗濯補助 … 利用者が行う洗濯の仕上がりの確認等

・買い物同行 … スーパー等での鮮度・賞味期間・価格等の確認・助言、連れ

てきている幼児の安全確認等

・育児支援 … 哺乳、乳児浴、乳児の健康把握の補助、言語発達の支援、保育

所・学校への連絡援助等

 

 

 

《参考》

@巡回型の事例

(事例1:巡回型で寝たきり状態のおむつ交換をする場合)

 

サービス種類

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

体位変換

褥瘡予防のための臥位姿勢交換

簡単な排泄介助

おむつ交換

 

 

(事例2:巡回型でトイレでの排泄を介助する場合)

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

排泄介助

 

衣服の着脱、トイレへの移動(一部介助で移動可能)、排尿・排便の介助、陰部の清潔

 

 

 

A滞在型の事例

(事例1:1単位の身体介護中心業務)

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

全身入浴

浴槽の清掃・湯張り・使用後の清掃、衣服の着脱、浴室までの移動、入浴(浴槽内での安楽・洗髪を含む)、身体状態の確認・髪の乾燥等・入浴後の必要な介護

※健康チェック等については、湯張りの時間等を活用して効率的に実施。

 

 

(事例2:1単位の家事援助中心業務)

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

洗濯

洗濯機による、乾燥、取り入れと収納

 掃除

居室内清掃・台所清掃・ゴミ出し等

※健康チェック等・掃除については、洗濯の合間等を活用して効率的に実施。

 

 

(事例3:1.5単位(90分)の家事援助中心業務)

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

買い物

買い物内容の確認・金銭の預かり票の発行、買い物(複数店での値段の比較等を含む)、品物と釣り銭の確認等

調理と片づけ

夕食程度(ご飯・味噌汁・複数品)の調理と後片づけ

※健康チェック等は、調理の合間をを活用して効率的に実施。

 

 

(事例4:1.5単位(90分)の身体介護中心業務)

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

体位変換

褥瘡予防のための臥位姿勢交換

排泄介助

衣服の着脱、トイレへの移動(一部介助で移動可能)、排尿・排便の介助、陰部の清潔

清拭

湯の用意、衣服の着脱、清拭、身体状況の確認等・清拭後の必要な介護、タオル等の後始末

身体整容

手足の爪切り、耳掃除、髪の手入れ

 

 

(事例5:2単位の身体介護中心業務)

身体介護と家事援助が混合しているが、身体介護を中心としている。

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

掃除

簡単な寝室の掃除

調理・後かたづけ

昼食程度(ごはん、味噌汁、一品)の調理と後かたづけ

食事介助

全介助が必要な利用者への食事介助

食事姿勢の確保、配膳、エプロンの着用、おしぼりの用意等の準備、食事の進行にしたがってのおかずをきざむ等の介助、本人のペースを重視した摂食介助、終了後の利用者の清潔の確保、利用者の身体状況の確認

排泄介助

トイレへの移動による排尿・排便の介助

 

 

○障害者が対象の場合には、障害者の種類や周囲の環境などによって以下のような事例も想定できます。

 

(事例1:1.5単位(90分)の家事援助中心業務)

重度の視覚障害のある母親の事例(家族構成:夫、乳児)

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

環境整備

相談援助・情報収集

 

顔色・全体状態等についてのチェック等

家屋内の安全確認、整頓、清潔等

生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

代読・代筆

郵便物・請求書・回覧板・チラシ等の読み上げ、手紙・アンケート等の代筆

買い物同行

スーパー等での鮮度・賞味期間・価格等の確認

洗濯補助

本人が普段行っている洗濯の仕上がりの確認

掃除補助

本人が普段行っている掃除の出来具合の確認、刃の付いた電気器具等危険を伴うものの掃除

育児支援

哺乳・乳児浴・乳児の健康把握の補助等

その他

紛失物発見

 

 

 

(事例2:2単位の家事援助中心業務)

聴覚障害と知的障害のある母親に対する事例(家族構成:夫、学齢児、幼児)

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

環境整備

相談援助・情報収集

 

家族の健康面の確認

家屋内の安全確認、整頓、清潔等

手話等による生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

買い物同行

買い物についての助言、金銭の確認、コミュニケーション介助、連れてきている幼児の安全確認

調理補助

家族の健康面を考慮した調理の指導、助言、補助

育児支援

児童の健康な発達、特に言語発達を促進する視点からの支援、保育園・学校等からの連絡帳の手話代読、助言、保育園・学校への連絡援助

 

 

 

 

(事例3:2単位の身体介護中心業務)

日常生活のほとんどに介助が必要な頸髄損傷者の事例

身体介護と家事援助が混同しているが、身体介護を中心としている。

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

 

環境整備

 

相談援助・情報収集

 

顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓、姿勢のずれの修正等

生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等

車いす等への移乗介助

車いすやベットに移乗する

食事介助(昼食)

食事姿勢の確保、配膳、エプロンの着用、おしぼりの準備、スプーン等の付いた自助具の装着、食事の進行にともない、本人の要望により食物をその都度、食べやすい位置に置く、食後に利用者の清潔等

食後のかたづけ

食器等の洗浄・かたづけ

排泄介助

衣服の脱着、車いす等への移乗、トイレへの移動、姿勢保持のためのクッション等の配置、陰部(肛門)の清潔等

 

 

 

4 複数人派遣の取扱いについて  ―――――――――――――――――――――

 数人1組で派遣を実施した場合でも、1時間であれば1単位と考えるのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 事業費補助方式においては、補助単位の判断基準はあくまでもサービス利用者側から見た活動時間であり、何人で行ったかは関係ありません。

 なお、利用者の状況、サービスの内容等から、複数人派遣する必要性があると思われる場合の取扱いについては、あらかじめ都道府県と十分協議して下さい。

 また、巡回型の深夜帯については、2人1組の派遣を想定して1回の単価を設定してありますので、2人で行っても単価が2倍にはなりません。

 

 

5 巡回型の実施について――――――――――――――――――――――――――

 24時間対応ヘルパー(巡回型)事業を実施していなければ巡回型はできないのか。また、24時間対応ヘルパー(巡回型)事業費加算は、事業費補助方式においても適用となると解していいのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 24時間対応ヘルパー(巡回型)事業を未実施でも巡回型を実施できます。

 また、24時間対応ヘルパー(巡回型)事業費加算についても、従来どおりの要件を満たせば適用となります。

 

 

6 時間帯をまたがる派遣の実施について―――――――――――――――――――

 昼間帯、早朝・夜間、深夜帯の複数の時間帯にまたがって派遣を実施した場合、どの基準を適用するのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 派遣の開始時間が、どちらの時間帯に属するかで判断します。

 なお、派遣時間帯の定義については、「老人ホームヘルプサービス事業における24時間ヘルパー(巡回型)事業の実施について」(平成7年6月21日老計第94号)に基づく規定が適用されます。

 

 

7 派遣時間の集計方法について―――――――――――――――――――――――

 集計については、派遣ごと、1日ごと、1週間ごと、1月ごと、1年ごとのいずれの単位で集計するのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 基本的には、派遣対象者ごと、1派遣ごとに活動単位・回数を算定し月単位で集計します。

 また、移動時間については、次のとおり取り扱うこととし、派遣時間とは区別して集計して下さい。

 また、給与・委託費等の支払いのため、ヘルパーごとの活動日誌等を別途作成する必要があると思われますが、対象者ごとの集計との突合は、必ず実施して下さい。

 

 

 

(1)「滞在型」

 移動時間については、訪問先から次の派遣先までの時間のうち1派遣1時間を上限に認めることとし、それを派遣対象者ごと、1派遣ごとに活動単位を算定し月単位で集計します。

 なお、この場合移動時間数については、次のように考えます。

0分以上30分未満 … 対象外

30分以上1時間未満 … 0.5単位

1時間以上 … 1単位

 

 なお、その場合家事中心業務の2,100円の単価を適用して下さい。

 

(2)「巡回型」

 巡回型については、そもそも派遣活動に移動が伴う形態であること、短時間の派遣を効率的に実施するためには、近距離での派遣活動が想定されることから、移動時間については、認めないこととします。

 

 

8 時間外単価の取扱いについて―――――――――――――――――――――――

 土曜・日曜・祝日派遣を実施した場合、通常勤務時間外単価を適用していいか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 通常勤務時間外の基準単価を適用します。

 

 

9 補助対象について――――――――――――――――――――――――――――

 ケース会議、ヘルパー会議、研修等の時間については、事業費補助方式において補助対象となるのか

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 事業費補助方式の補助単価の中に上記勤務に要する経費がおり込んであるので、これらの時間は直接補助対象となりません。

 

 

 

10 活動時間について―――――――――――――――――――――――――――

 訪問不在、安否確認について、活動時間に含んでいいのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 訪問不在については、活動時間ではなく移動時間に含みます。

 安否確認に付いては、他のサービスと組み合わせることなく安否確認のみをサービス提供内容とする派遣活動は、事業費補助方式においては、補助対象としません。

 ただし、利用者の体調不良等により、結果として安否確認のみの派遣となった場合は、移動時間に含めます。

 なお、現行補助方式においては、非常勤ヘルパーの家事援助中心型の時間給単価を適用して下さい。

 

 

11 利用者の費用負担額の決定について―――――――――――――――――――

 利用者の費用負担額の決定について、どのように取り扱うのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 原則としてホームヘルプサービス利用者の費用負担額は、当初の個別援助計画に基づく時間数を月単位で集計し決定するようになります。

 なお、当初の個別援助計画に対して、サービス内容や所要時間の変更が必要な場合には、早急に個別援助計画の見直し・変更を行い、新たな個別援助計画にしたがって費用負担額を決定して下さい。

 ただし、移動時間数については、利用料算定の対象時間には当然なりません。

 

《現行補助方式》

 

12 事業委託基準の提供時間の取扱い――――――――――――――――――――

 事業委託基準の1件当たりの提供時間の取扱いについて整理してほしい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「老人ホームヘルプサービス事業運営要綱」において、市町村は派遣回数、時間数、内容等について、利用者の身体的状況・世帯の状況等を十分検討したうえで派遣決定する旨記載があり、現行補助方式においてもサービス提供にあたっては、基本的には個別援助計画を作成し、それに基づきサービス提供を行うべきものであります。

 従って、事業委託基準においても、利用者の心身の状況・世帯の状況等を十分検討し、個別援助計画に基づき適切な・ニーズに応じたサービス提供を心掛けて下さい。

 

 

13 100時間の判断基準について―――――――――――――――――――――

 常勤単価と事業委託基準単価の適用基準となる100時間には、どのようなものが含まれるのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 次の表のとおりです。

  業    務    内    容     

 適  否

家事援助中心業務の一環としての訪問前の買い物等のサービス時間

サービス提供のための移動時間。(合理的・妥当な範囲内)

派遣申請後決定のために福祉担当者と同行調査する時間及び移動時間

派遣申請前の安否確認やニーズ把握を含む評価訪問(実際に家事、介護サービスは行わない)及び移動時間

×

活動記録を記入する時間

×

サービス調整チーム等に参加する時間

×(主任ヘルパーのみ○)

ソーシャルワーカー及び看護婦等との連絡調整時間

×(主任ヘルパーのみ○)

サービス提供スケジュール等の作成、担当ヘルパーの選定等ホームヘルプサービス運営に関する時間

×(主任ヘルパーのみ○)

ヘルパー養成研修中の研修実時間

都道府県・社協等が主催する研修のうち、ホームヘルパーの資質の向上に係る研修に要する時間

(1)都道府県、社会福祉協議会等が主催する研修のうち、ホームヘルパーの資質の向上に係る研修に要する時間については、次の理由から、月10時間以内、年間40時間以内に限り、研修時間を常勤単価の適用基準である100時間の中に含まれることとします。

 

@ホームヘルプサービス事業実施要綱では、年1回以上の定期研修を義務付けており、常勤職員が研修に参加する機会を確保する必要があること。

 

Aホームヘルパーの資質の向上は、介護保険制度導入に向けての基盤整備を進める観点からも必要であること。

 

(2)ここで否となっている業務については、本来市町村が調整等すべきものであることから、ヘルパーの業務の中には含めません。

 

 

 

 

 

 

 

(別紙)

 

 

 

 

 

 

ガイドヘルパー関係

事業実務答集

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

厚生省障害福祉課

 

 

 

《ガイドヘルパー関係》

 

1 ガイドヘルパーの取扱いについて―――――――――――――――――――――

 ガイドヘルパーの取扱いはどうなるか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 基本的には、ホームヘルパーの取扱いと同様ですが、ガイドヘルパー特有のものとしては、次のような取扱いになりますので留意することが必要です。

 

 

(1)派遣活動の取扱いについて

 ガイドヘルパーの派遣は、重度の視覚障害者及び脳性まひ者等全身性障害者であって、市町村、福祉事務所等公的機関、医療機関に赴く等社会生活上外出が必要不可欠なとき及び社会参加促進の観点から実施主体が特に認める外出をするときにおいて、適当な付き添いを必要とする場合に対象となります。

 ガイドヘルパーの派遣にあたっては、ガイドヘルパー派遣希望者からの電話等の方法による申し出に基づき、事業の実施主体である市町村が決定することになりますが、派遣活動を円滑に行うため、原則としてガイドヘルパー派遣申出書に基づき、月を単位として、派遣対象者、申し出のあった派遣日、派遣予定時間等を整理した個別派遣計画を作成して計画的に対応することが必要になります。

 したがって、継続的な外出(通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通学等の通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上本制度を適用することが適当ではない外出を除く。)に係る派遣の申し出に対しては、派遣日を月を単位として決定することになりますが、急な事情の変更により、派遣日を変更せざるを得ないような場合には、利用者本意の柔軟な対応が望まれます。

 また、臨時的な派遣の申し出があった場合にも適切に対応できるようにしておくことが必要です。

 

(2)巡回型と滞在型の区分について

 ガイドヘルパーは、滞在型の区分によることになります。

 

 

(3)活動単位の算定等について

 ガイドヘルパーの活動単位は、派遣希望者から申し出のあった外出先とその用務、所要時間などを考慮して決定することになりますが、原則として1日の範囲内で用務を終えることが可能な場合に限られます。

 また、ガイドヘルパーは、個別派遣計画により定められた時間数でサービスの提供を行うこととされ、派遣活動中に利用者から時間延長等の申し出があった場合には、原則として実施主体の指示を受けることとなっていますので、注意が必要です。

 サービス提供内容と活動単位の設定については、次のような事例が想定されますが、利用者ごとの援助の必要性を考慮し、サービス提供内容や所要時間等を決める必要があります。

 なお、利用者の費用負担額は、利用した時間数に基づき、月単位で集計し決定するようになります。

 

(4)サービスの種類

 サービスの種類には以下のようなものが考えられます。すべてを網羅するものではありませんが、個別派遣計画を作成する際の参考としてください。

 

@基本サービス(利用者を問わず毎回の派遣において必要なサービス)

・健康チェック…顔・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

・外出準備確認…補装具、福祉機器、介護用具、その他持ち物の確認、戸締ま

り、火気などの安全確認

・移動介助…安全な移動介助

 

A利用者ごとの必要性に応じて提供されるサービス

・コミュニケーション介助…外出先での代読、代筆等

・食事・喫茶介助…外出先での食事の介助(メニューの代読、テーブルオリエ

ンテーション、食事姿勢の確保、摂食介助等)

・排泄介助…トイレへの移動による排尿・排便介助

・更衣介助…外出中の上着等の更衣介助

・姿勢の修正介助…移動中の坐位姿勢の修正介助

・買い物支援…服の色のコーディネート、材質等の説明、値段表の代読等の援

・街並み等の紹介…目的地及び移動中の街並み等を紹介

 

《参考》

 

(事例1:4単位のガイドヘルプ業務)

重度の視覚障害者のデパートへの買い物事例

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

外出準備確認

 

移動介助

 

顔色・全体状態等についてのチェック等

雨具・医薬品などの携行品の点検、白杖などの補装具・福祉機器の点検、戸締まり、火気などの安全確認

安全な移動介助

買い物支援

服の色のコーディネート、材質等の説明、値段表の代読等の援助

食事・喫茶介助

メニューの代読、食事時のテーブルオリエンテーション

トイレ介助

トイレ内のオリエンテーション

街並み等の紹介

目的地及び移動中の街並み等を紹介

 

 

(事例2:5単位のガイドヘルプ業務)

重度の脳性まひ者の映画鑑賞事例

 サービス種類  

サ ー ビ ス 内 容

基本サービス

健康チェック

外出準備確認

 

 

 

移動介助

 

顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

雨具・医薬品などの携行品の点検、介護用車いすなどの補装具、福祉機器の点検、戸締まり、火気などの安全確認、飲食に必要なストロー、スプーン、おしぼり、エプロン等の介助用具の確認

安全な移動介助

姿勢の修正介助

移動中の坐位姿勢の修正介助

映画鑑賞時の介助

入場券の購入介助、鑑賞に適した場所への移動介助、坐位姿勢の修正介助

更衣介助

外出中の上着等の更衣介助

食事・喫茶介助

エプロンの着用、おしぼりの準備、飲み物のとろみ付け*や食物をきざむ等の介助、ストローやスプーン等を使った食事の介助食事後の清潔の確保

排泄介助(尿)

使用可能なトイレの確認、衣服の脱着、便座への移乗、排泄姿勢の確保、陰部の清潔

*:飲み物のとろみ付けとは、水やジュースなどの飲み物をうまく嚥下できない重度の脳性まひ者等に対し、市販されている「とろみ付け用の粉末」を用いて、水状のものを嚥下しやすい形状にすること。

 

 

発行人 身体障害者団体定期刊行物協会

東京都世田谷区砧6−26−21

 

制 作 全国障害者介護保障協議会

    障害者自立生活・介護制度相談センター

〒187 東京都小平市花小金井南町1−12−2−1F

    TEL 0077−2329−8610