九州のA市が地域生活支援事業の移動支援で大学内の支援を認める

 

 

医療的ケア(吸引)の従来の通知を残す旨の通知

 

 

 

 

月合併号

 2012.7.18

編集:障害者自立生活・介護制度相談センター

情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会

 

発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)

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口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675


2012年6月7月合併号

 

目次

 

3・・・・障害者総合支援法が成立

4・・・・医療的ケア(吸引)の従来の通知を残す旨の通知について(解説)

8・・・・九州のA市が地域生活支援事業の移動支援で大学内の支援を認める

15・・・生活保護問題特集

32・・・全国で相談支援事業所を作ってヘルパー時間数の交渉支援や施設や

親元からの自立支援をしたい障害者個人や障害者団体を募集

36・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

 

 

 

<介護制度情報ホームページ情報> 医療的ケア法制化(吸引・経管栄養)関連の詳細情報はホームページ新着情報ページ(日本地図をクリックした先)の左メニュー「医療ケア制度」コーナーに多くの資料を掲載中です。

 

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会よりお知らせ

2012年単価改正で単価が下がりましたが給与は引き下げません。処遇改善手当も2012年度以降も継続します

たとえば東京と周辺県は重度訪問介護区分6で時給1620円、身体介護は時給2120円(詳しくは巻末の広告ページを)

2009年度制度の単価改善で、重度訪問介護の単価アップ・雇用保険加入・原則厚生年金加入開始。自薦ヘルパーを確保するための求人広告費や、ヘルパー研修受講料の助成(東京などで随時行う研修を受けるための交通費なども助成)、求人広告むけフリーダイヤル番号無料貸し出しと求人広告の電話受付代行も実施中。

・介護者の保障のアップで介護人材確保がより確実になりました。


障害者総合支援法が成立

 

6月20日、民主・自民・公明などの賛成多数により障害者自立支援法の改正案が参議院本会議で可決され、成立しました。この改正法により、自立支援法は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(略称:障害者総合支援法)」に改称されます。

新法では、重度訪問介護の対象範囲を全身性重度障害者から重度知的障害者や重度精神障害者へ拡大(平成26年4月1日施行)することなどが盛り込まれています。

また、衆議院と参議院の厚生労働委員会では、

 

常時介護を要する障害者等に対する支援その他の障害福祉サービスの在り方等の検討に当たっては、国と地方公共団体との役割分担も考慮しつつ、重度訪問介護等、長時間サービスを必要とする者に対して適切な支給決定がなされるよう、市町村に対する支援等の在り方についても、十分に検討を行い、その結果に基づいて、所要の措置を講ずること。

 

がそれぞれ附帯決議として可決されました。これにより、財政負担が重くて長時間介護を支給決定できない市町村に対する財政支援が、いっそう拡充されることが期待されます。

 

推進会議は障害者政策委員会に改組へ

 

障がい者制度改革推進会議は、平成24年4月1日の改正障害者基本法の施行により、障害者政策委員会に改組されました。構成員は、推進会議のメンバーを中心に、事業者団体を加えた顔ぶれとなっています。今後、政策委は、障害者基本計画の策定に際して意見を述べるとともに、障害者施策に対するモニタリングを実施することになっています。


医療的ケア(吸引)の従来の通知を残す旨の通知について(解説)

 

 法改正による新しい吸引と経管栄養の仕組みが4月から始まっていますが、新しい研修などの体制が整わないため、障害者団体の要望により、利用者が困らないように古い吸引の通知も同時進行で残されています。(古い通知を厚労省医事課は違法性阻却にもとづく通知と言っています)。この古い通知も今も使えるということをよく理解していない自治体もあるため、障害者の側で把握して、間違いを言う自治体には指摘をする必要があります。

具体的には、厚労省より通知「介護職員等の実施する喀痰吸引等の取り扱いについて(医政発0329第14号・老発0329第7号・社援発0329第19号)」が出ています。(次ページからに全文)

この通知では、従来の4つの通知では吸引等を行うことを「やむを得ないと考えられる条件」について示してきた、としており、新しい法律による制度が始まったあとも、「改正法に基づかない介護職員等の喀痰吸引等がやむを得ないものかどうかは個別具体的に判断されることになるが、その際、喀痰吸引等は改正法に基づいて実施されるべきであることも勘案された上で判断されることになると考えられること 」

とされています。つまり、新制度のもとでも、新しい制度の9時間研修が受講できる距離でいつでも必要なときに実施されていないなどの理由でヘルパーが受講できないが、すぐに吸引を含む介護に入らないと利用者が困る、などのやむを得ない場合には、従来の通知の方法によるヘルパーによる吸引が使えます。(もちろん、9時間研修が受講できるチャンスがやってきたら、研修日に他のヘルパーと介護の交代の調整などが可能ならば、研修を受けなければいけません)。

また、ヘルパーが所属するヘルパー事業所がまだ登録書類の提出が終わっていないケースもあるでしょう。このような場合も、従来の通知で対応可能です。

もし、自治体が新制度による研修受講が終わってないことなどを理由にヘルパーの支給決定をしなかったり、事業所に吸引等を伴う介護を禁止するようなことがあれば、厚労省(03-5253-1111)障害福祉課に連絡してください。

 

 

ただし、経管栄養については、在宅の障害者を対象とした従来の通知がない(養護学校向け通知と老人ホーム向け通知しかない)ので、改正法の新制度で実施される必要があります。もっとも、今までもヘルパーによる在宅障害者に対する経管栄養も建前では違法でしたが、国の検討会の委員のALSの橋本操さんも会議中にヘルパーに経管栄養を実施してもらうなど、その実態が全国にあることは、国や与野党議員や医師会や看護協会の検討会委員を含め関係団体に広く知られていました。これを踏まえて、厚労省医事課も、「違法と聞かれればそうとしか答えようがないが、裁判所は問題にしないと思う」と言っていました。厚労省障害福祉課長も「経管栄養をヘルパーがやっていることを理由にヘルパーの支給決定が取り消されるようなことがあっったら、すぐに厚労省障害福祉課に電話ください。すぐに自治体にそういうことをしないように説明します」と言っていました。

つまり、在宅でヘルパーによって経管栄養が実施されていることは、建前は違法だけれども、警察が動くようなことではありませんでした。この状態は、今しばらくは変わらないと思われます。新しい法律による態勢が全国で整うまでの間は、平成23年度以前と変わらないでしょう。

 
厚労省障害福祉課専門官の高木さんに聞きました。
 
自前で特定の者の研修事業を実施することのできないヘルパー事業所があり、県が年に3回しか特定の者の9時間研修を行わない事例。
県の研修のない時期に、新たにヘルパーが吸引の介護に入る必要ができた場合、県の研修が開催されるまでの間は、従来の通知に基づ
くやり方で吸引介護に入っていいのでしょうか?
 
可能。出した通知は、まさにそのような時のための通知です。
 
 
こういうことだそうですので、ケースバイケースで、長いスパンで旧通知にもとづく吸引等の介護は残ると思われます。少なくとも、全ての
ヘルパー事業所が365日いつでも9時間研修を実施できるようになるまでは、緊急にヘルパーの介護時間多く必要になった利用者やヘルパー
が急にやめてしまった利用者などは、新しい9時間研修をヘルパーが受講するまでの間は、旧通知での対応になりそうです。
なお、数年後には介護福祉士養成機関では介護福祉士の教育課程に医療ケア研修(不特定対象)の過程も含まれるように変わるので、徐々に
吸引と経管栄養ができる介護者が世の中に多くなるので、今の状況が変わってくるかもしれません。

九州のA市が地域生活支援事業の移動支援で大学内の支援を認める

 

 九州北部の人口5万人以下の過疎のA市が、大分県内の大学に通う障害者に対して、大学内の滞在時の介護や通学を地域生活支援事業の移動支援事業のヘルパーで行うことを認めました。地域生活支援事業は障害福祉施策であれば市町村がなにをやってもよく、市町村が自由に制度を設計できる制度です。地域生活支援事業は、各市町村の障害者数などに応じて決められた上限の補助金対象額の中で自由に市町村が事業を行うかぎり、4分の3の補助が国と県から得られます。(補助対象額を超えると、超えた部分は全額市町村負担になる)。地域生活支援事業の中には移動支援や手話通訳などのコミュニケーション支援事業など様々な制度が入っています。(他の市町村の例では、入院中の介護の制度もコミュニケーション支援事業として最近各地の市町村によって行われていますが、これも地域生活支援事業の中の制度です)。

地元紙の新聞記事と、支援を行った障害者団体からの解説記事を掲載します。

 
問い合せは、自治体にはしないでください。
問い合わせ先:NPO法人「あっとほぅむぷれいす」0977-72-1525

または介護保障協議会フリーダイヤル0037-80-4445まで。

 

[20120602]大分合同新聞(固有名詞を一部仮名に変えてあります)

大学生活に介助の手 A市がヘルパー派遣

足が不自由で電動車椅子で生活するA市のMさん(18)が今春、B大学に入学。大学内で公的な福祉サービスを受けながら学生生活を送っている。入学に際し、相談を受けた障害者の自立支援団体は「現行の制度では、身体障害者が大学や職場内で介助を受けるのは難しく、全国的にも珍しいケースではないか」としている。
 「経済的に自立した大人になりたい」。Mさんはそんな夢を抱き、大学進学を希望したが不安もあった。春まで通っていた特別支援学校では教員のサポートがあったが、大学ではトイレや学内の移動などを自力でしなければならないと分かったためだ。
 家族が一日中、学内で支援するのは限界がある。母親は進学の夢をかなえたいと、障害者自立支援団体のNPO法人「あっとほぅむぷれいす」(別府市)に相談。A市と協議した結果、市の裁量で決まる地域生活支援事業による学内生活へのヘルパー派遣が決定した。大学側も教室を1階に変更したり、車椅子で使いやすい机を設置するなど柔軟な対応を取り、安心して通える体制が整った。
 入学して約2カ月。ヘルパーの移動介助などを受けながら学生生活を満喫している。サークル仲間の自然な手助けもあり、気持ちの余裕も生まれた。「障害者だからここまでしかできないと思われたくない。企業に就職し、健常者と同じように仕事をしたい」。簿記や会計学、得意のパソコン技術を高めようと挑戦中だ。
 母親の介助で大学生活を送った「あっとほぅむぷれいす」スタッフの川野陽子さん(33)は「友人にノートを取ってと頼むことも多かったが、忙しそうにしていると頼みづらかった。誰もが安心して支援を受けられる体制が必要」と訴える。
<メモ>
 現行の障害者自立支援法では、身体に障害がある人の長期や通年にわたる移動や移動先での支援については市町村の裁量。多くの市町村は財政負担の面や「支援は学校や職場の責務」としていることから認めていないのが現状。

 

学内の介護が移動介護の対象になるまで

 あっとほうむぷれいす 川野

20098月に、養護学校(現特別支援学校)の先生より「車いすの男子生徒で大学進学を目指している生徒(Mさん)がいる。これから先のことも含めて会ってみてほしい」という話をもらった。この話がきっかけでMさんと出会い、大学内でのサポート保障についての活動に関わらせてもらうこととなる。夏休み中に本人、お母さん、担任を含めた高等部の先生3名が来訪し、彼の大学進学の夢や、実際に地元の短大に通っていた私(川野)から在学中のサポート体制、友人関係づくりの話をした。

Mさんは実家で家族と生活しており、生活全般の身体介助、毎日の特別支援学校の送迎もお母さんがしているが、同居中の母の介護もされていた。そのため、お母さん自身も体力的に負担が大きく、腰痛もあるとのことで、これから大学に通うとなると家族だけでのサポートでは不安が大きく、何かよいサポートがないかとのことだった。

現在の自立支援法では、通勤、通学を伴う介助派遣は原則出来ないことになっている。しかし、『大学に行きたい、そのためにはまず学内でのサポートがどうしても必要なんだ』という気持ちを、市役所の人に伝え、相談してみてはどうかという話の中で、まずは移動支援サービスを利用し、家族以外との外出、社会参加を試みることとなる。

 

2010/2/19  移動支援申請に向けての話し合い

まずは家族以外の介助者と一緒に外出する体験をしてみることに。週末に1回5時間の外出を月に4回の月計20時間の申請をする。市役所でのサービスの申請に向け、シミュレーションを行う。

〈移動支援を申請する理由〉

・高校卒業後、自立を目指していて、それに向けて社会参加をしていきたい意志があるが、今現在自宅と学校の送迎だけでもお母さんの腰痛がひどく、学校以外の外出がなかなかできないでいる

・ボランティアでは介助面のサポートも安心して頼めず、予定も確約できない

・自立に向け、地域の障がいを持つ人たちとの関わりや、自立に向けた勉強会にも積極的に参加していき社会参加していきたい

移動支援申請時間 5時間(週1)×4=20時間

 

2010224日 市役所移動支援申請

交渉当日の午前、A市役所に移動支援の相談の電話連絡を川野が行う。担当者が入院中のため不在であるが、相談に乗って下さるというので予定通り、本人、お母さん、あっとほぅむぷれいすで申請をしに市役所へ。

福祉課の相談窓口の方に、お母さんのほうから大学進学希望をしていること、現在の学校の往復で腰痛がひどくなっていること、また自立に向けた社会参加をするために移動支援の必要性を相談する。市役所サイドからの詳しい話は後日担当者から本人の自宅へ連絡が来ることとなる。

 

2010328日 移動支援支給決定連絡

市役所より移動支援のサービスが受けられるようになったと連絡がくる。

本人が春休みに入ったので、サービスを利用し外出をお願いしたいとのことで、その日程調整を本人と行う。

 

2010331日 サービスを利用し、介助者(移動支援ヘルパー)と初外出

 

2010424日 介助者と公共交通機関を使い外出

 

201095日 ピアカウンセリング講座参加  主催:あっとほぅむぷれいす

ピア・カウンセリングのお誘いをしたところ、本人から参加の申込があり、講座に参加。ピアカン講座中は積極的に発言もあり笑顔もあり、とてもいい雰囲気だった。お母さんより大学でのサポートなどについてリーダーとお話をしてみたいと希望があり、本人、お母さん、ピアカンリーダーの石地さん(神戸・CILリングリング)と岡田さん(京都・CILアークスペクトラム)、川野で雑談を交え話をする。

 

201010月〜20118      定期的に電話、メールでの相談

 

20108月 介護保障協議会、大阪のCILへ学内サポートの前例がないか問い合わせ

自立生活センター・まいど 岸田さんより情報提供。大阪のB大学では通学、学内での障がいをもつ学生の教室移動や、トイレ、食事、ノートテイクなどの介助を大学側が行っており、介護料についても、低い額との情報を頂く。

その後、B大学へ電話問い合わせをする。大学側の回答としては、基本的には学生同士でサポートし、特別な介助が必要な方のみ外部のヘルパーステーションやNPOにサポートを依頼している。現在、外部のサポートを受けている学生は1名で、トイレ介助のみサポートを依頼している。現段階では、大学側が介護料の予算を組んで対応している。この先、サポートを必要とする方が10名などに増えた場合、ご自身に負担をお願いする事にもなるかもしれないとのことだった。

 

2011/8/30    別府市自立支援協議会交流会参加

本人、お母さんが参加。本人は川野と同じ班で、グループでの話し合いでは大学進学の意向、大学内でのサポートをしてほしいと本人より積極的に発言。お母さんも別グループの席で、家族だけの支援では限界がある現状と、大学内でのサポートの必要性を話す。

交流会には市役所福祉課の方も参加。

 

20119月〜10     定期的に電話、メール連絡

大学進学に向け、ご本人、ご家族、支援学校、大学、行政との話し合いの場を持ち今後の方向性を話し合えたらと提案。特別支援学校の副校長、担任の先生に相談をし支援会議の件をお伝えする。

 

20111222      大学にて支援会議

大学にて、本人、お母さん、市役所、特別支援学校副校長、担任、あっとほぅむぷれいすよりコーディネータの田中、当事者コーディネーターの川野が話し合いに参加。大学側からどのような不安があるか、どのようなサポートを必要としているかを聞かれ、本人、お母さんより学内でのトイレ介助、教室の移動に不安を持っていると話す。その後、川野より自身の短大生活の中で必要と感じていたサポートの話をし、「トイレや移乗など身体介助面は、介助技術も必要になり、それをすべて周りの学生さんにお願いすることは、事故などが起こった場合、大学側は責任が持てないといわれたため、毎日休憩中に母親が大学に来て介助をしていた。しかし、休憩時間外にトイレやベッドに横になりたくても、大学入学したての頃は周りにサポートをお願いすることができず、無理して我慢をし、体調を壊すこともたびたびあった。学内で共に時間を過ごすうちに、クラスメイトも私のことを理解してくれるようになり、自然とノートテイクや、教室の移動などを手助けしてもらえるようになった。学内のすべてのことをヘルパーのサポートに頼るのではなく、今後、大学生活を送る中で、友人との関係性も出来、友人のサポートでカバーできる部分もたくさん出てくる。入学して大学に慣れ生活が安定するまでの間、介助サポートの保障、また自立への第一歩をバックアップして頂きたい、また大阪の大学院が障がいを持つ学生のために予算を組み、ヘルパー派遣事業所へサポートの依頼をしている事例も川野より話す。大学側としては、ヘルパー依頼をする予算、システムは今のところないということ。そこで、同席していただいた市役所担当の方に、地域生活支援事業でのサポートをして頂けないかと話をしたところ、「地域支援事業は、障害者及び障害児が、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の特性や利用者の状況に応じ、柔軟な形態により事業を効果的・効率的に実施。また障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無に関わらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与する、という目的であることと、本人が将来的に自立をしたいという強い意志を持ち、パソコン検定なども積極的に挑戦し、大学進学に向けて日々努力している。上司と相談した結果、市としても大学内でのサポートをしていきたい」という回答だった。本人が大学進学を目指し、一生懸命勉強に励み、放課後もパソコン教室に通い、エクセル表計算処理技能認定試験1級にも合格した。担当の方もその努力に後押しされ、私たちの思いをしっかりと受けとめ理解して下さり、自立への第一歩を支援してくださる結果となった。

また市役所の担当の方は、支援会議でのヒアリングだけでなく、その後トイレや教室は本人が利用できるかといった大学内での視察にも同席して下さり、ハード面、ソフト面での必要なサポートを一緒になって考えてくださった。また大学側もその声をしっかり聞いて下さり、スロープの改修なども検討してくださることとなった。

 

このケア会議後、市役所から支給時間、単価相談の連絡があり、市役所、事業所との話し合いの場を持つ。当初、担当者から本人が将来自立をしたいという意志があるため、総合的な支援を視野に入れた重度訪問介護での対応を考えているということだったが、後日、担当者が県に問い合わせをした結果、市町村の裁量で決められる地域生活支援事業での支給決定となる。また本人が春休みに入ってからは介助者と共交通機関を利用し、学内サポートに向けてのシミュレーションにも取り組む。入学式前には本人、市役所、相談支援事業所、あっとほぅむぷれいすでのケア会議を設定し、入学式からは新人介助者と、コーディネーターが同行し二人体制で介助に入ることも伝える。

入学すると同時に、新しい環境の中で、介助者を使いながら大学生活を送ることとなったが、現在は周りの学生との友人関係もでき、手助けをしてもらいながら大学生活を送っている。また6月に入ってから市役所の担当の方が大学内での様子を見に来て下さるなど、きめ細かな支援をして下さっている。

 

今回の支援決定は、本人、家族の大学進学に向けての日頃からの努力の積み重ねが実り、実現したものであり、市役所、特別支援学校、大学、あっとほぅむれいすとで協力関係を築きながら協議できたことは、私たちが支援する上でもとても心強いものであった。また、自立生活センターのネットワークを活用し、支援の前例がないかなどの情報を頂けたことも大きな強みになった。

学内だけでなく、社会の中できちんとしたサポート保障がされていけば、本人、家族が身体的、心理的にも安心した生活を送れ、障がいを理由に自らの夢、可能性をあきらめることなく、さまざまな挑戦、人生の幅を広げられるチャンスがつかめ、私たちが目指すインクルーシブ社会の実現につながると信じている。今回の支援が、他の市町村にも広がるよう、今後もそれぞれに合ったサポート活動に取り組んでいきたいと思う。

 


生活保護問題特集

 

生保報道と制度改正論議について

厚生労働大臣は「生活保護受給者の親族が受給者を扶養できない場合、親族側に扶養が困難な理由を証明する義務を課す生活保護法改正を検討する考えを示した」と報道されています。しかし、このような改正が起きると、障害者の生活保護申請が難しくなります。多くの場合は、障害者の親が生活保護に反対し、申請に協力しないからです。

障害者団体や相談支援事業所の行っている、重度障害者の施設から地域への自立支援も難しくなります。(次ページに続く)

 

 

 扶養困難に説明義務 厚労相、生活保護法改正検討   

     小宮山洋子厚生労働相は25日、人気お笑いコンビ「次長課長」の河本(こう
    もと)準一さん(37)の母親が生活保護を受給していた問題に絡み、生活保護
    受給者の親族が受給者を扶養できない場合、親族側に扶養が困難な理由を証明す
    る義務を課す生活保護法改正を検討する考えを示した。
     保護の決定を行う各自治体は現在、保護申請者に扶養可能な親族がいるかどう
    か聞き取り、親族には扶養の可否を問い合わせているが、明らかに扶養可能でも
    拒否するケースもみられるという。
     小宮山厚労相は、同日午後の衆院社会保障と税の一体改革特別委員会でも河本
    さんの問題に触れ、「扶養義務者は責任を果たしてほしい」と述べ、余裕がある
    のに扶養を拒む場合は積極的に家庭裁判所へ調停を申し立てる考えを示した。現
    在も調停や審判の申し立ては可能だが、家庭の事情に踏み込むのを嫌って、実際
    に申し立てた例は「20年以上把握できてない」(厚労省)という。
     小宮山厚労相は生活保護費の支給水準引き下げを検討する考えも表明。生活保
    護の受給開始後、親族が扶養可能と判明した場合は積極的に返還を求める意向も
    示した。(産経新聞2012.5.26

 

 

(この他、自民党生活保護に関するプロジェクトチーム(耕弘成座長)が保護費1割減額なども主張しています。小宮山厚労大臣も減額を検討すると表明するなど目を離せない状況です。 )

 

扶養義務については、現行(民法)では、

強い扶養義務=夫婦間の扶養義務と中学生以下の子供に対する親の扶養義務
弱い扶養義務=上記以外

となっていて、

「障害者が親からいくら扶養してもらうべきか」ということや、 今回の報道で問題になっている「子が親をいくら扶養するか」といった話は、 弱い扶養義務の方です。

 

保護課は従来からこう説明して来ました。

 

96年10月厚生省保護課係長との障害者団体の話し合いより

扶養義務の項目について

団体  :「家を出るって言った障害者に、だれが仕送りできるっか」って・・・
保護係長:例えば、能力があっても、関係があってどうしても親が「仕送りしま
     せん」という場合に、例えば、法律上、仕送りを強制することはでき
     ないんですね。
団体  :例えばね、他人介護一般基準がついて東京の場合、大体26万円の保
     護基準になるんですよ。ただそこで、それこそ親に扶養義務照会をし
     て、例えば、年金と特障手当で10万ありますよね。14万の保護開
     始というか、保護費になるわけですよ。そうすると、例えば、最初
     「とにかく14万扶養できないか」というふうに言うと「いやとても
      そこまではできません」と・・
保護係長:そんな14万もお願いするとかじゃなくて、要するに「いくらくらい
     仕送りしていただけますか?」と照会するだけなんで。
団体  :それこそ1万2万とむりやりにでも扶養を求めるって事があるんですよ。保護係長:いやあの、強制はね、法律上はできないんですよ。法律の説明を致し
 ますと、生活保護上では、77条って規定がありまして、非保護者に対して、 「民法上扶養の義務を履行しなければいけない人」がいるときには義務の範囲内
で、保護費を支弁した都道府県又は市町村(実際には福祉事務所長なんですけ
ど)が、「費用の全部又は一部を徴収することができます」という規定がありま
す。だから、最後のギリギリで、実際適応になったケースはないんですけど、ギ
リギリ言えば、ものすごい能力があるのに仕送りしません、と言う場合には「扶
養義務者から行政が費用を徴収しますよ」ということが規程上あります。ただ、
その場合でも、じゃあ負担すべき額、要するにいくら仕送りしてもらわなくては
いけないか?これについてはですね「家庭裁判所がこれを決めます」ということ
になっています。ただこれまで実際、至ったケースはほとんどないです。

団体  :それと、さっき「強い扶養義務」っていうのは、どこまでを指してい
     ますか?
保護係長:未成熟の子に対する親の扶養義務っていうのは「強い扶養義務」の方
     です。
団体  :成人の子に対する親のは?
保護係長:成人は弱い。要するに成人してしまうと、基本的には兄弟とかと同じ
     ように。(中略) 未成熟の子というのは、ごめんなさい。20歳で
     はなく、中学3年まで。中学3年までの子と、夫婦、これは「強い扶
     養義務」で「生活保持義務関係」。
団体  :じゃあ、成人の障害者が、生活保護申請して、親に例えば資産がある
     けれど、親が出さないと言い張れば、それはそれでいいわけですか?
保護係長:いいとは言わないけれど、実際、現に送られてなければ、まず、生活
     保護はね、現に「来ていないもの」は、「あるもの」としては扱うこ
     とはしないんで。現に、例えば、5万円来てれば、5万円として収入
     認定しますけれども、そうじゃなければ、現に来ていないんだから、
     収入認定しようがないわけですね。ただ「(仕送り)してもらえませ
     んか」という話はしますよ。当然。
団体  :親の収入を調べて、非課税でなかったら、「扶養しなさい」と言っ
     て、それを親が聞かない場合は、生活保護却下をしてるじゃないです
     か?
保護係長:却下にはなりませんよ。それは。
団体  :本当に?じゃあ、却下にされた場合は、それは指導していただける?
保護係長:うん、指導しますし、不服申請されていただいてもかまわないです
     よ。だって、現に仕送りが来ていないんでしょ?
団体  :きていない。
保護係長:来ていないんだから、来ていないものを、あることにはできない訳で
            しょ。保護の要否の決定上だから、そこは、もし本当にね、そういう
     取り扱いが行われている事例があれば。
団体  :じゃ、そこは逆にそうなんだ。出すと言って、実際お金が送って来な
     かったら、あの、送って来てないとすれば出るんだ。
保護係長:通常はね、親御さんが「いくら送ります」と言った場合でも、例え
ば、経済的状況で、滞ることがありますよね。例えば、養育費でも、そうだけど
「月に3万円送るって約束だったけどこの月きついから送らないよ」という場合
ありますよね。福祉事務所に言ってもらえればいいんですよ。要するに、こうい
う約束だったけれど、今、現に来ていませんと、そうちゃんと書いてもらえれば
いいんですよ。必要に応じて。本当に来ていなかったら来ていないように取り扱
うし、逆に来てんだけど来ていないって言ったら、不正になっちゃうから。

96年資料は以上)

 

 

この現状の方法(保護申請した子供には全額保護決定し、親が資産家でも1円も振り込まれていなければ保護は1円も引かないで遅滞なく保護決定する)は残してもらわないといけません。
 その上で資産家の親に対して請求するのなら、保護課が直接請求すべきです。子供である障害者が親の資産や収入によって生活保護が迅速に受けられなくなることは 避けるべきです。

 

 

保護基準額については

障害者の保護費の一覧表(介護制度情報記事)
http://www.kaigoseido.net/seiho/12/2012kijun-kaisetu.htm
詳しくはHPの日本地図クリック後、左の生活保護メニューに掲載

 


 

 

参考
扶養義務の種類

(1)生活保持義務

本来家族として共同生活すべき者の義務のことです。例えば、親の未成熟子に対
する扶養義務の場合、扶養権利者(未成熟子)が扶養義務者(親)に比べて生活
水準が低く、義務者が文化的最低限度の生活水準を維持してなお余力があるよう
な状態であれば当然に発生するとされています。

 @親がその※未成熟の子を養う義務
 A夫婦が互いに扶養し合う義務


(2)生活扶助義務

通常は生活の単位を異にしている親族が、一方の生活困窮に際して助け合う偶発
的・一時的義務のことです。この場合、扶養は例外的な現象ですから、扶養権利
者が文化的最低限度の生活水準以下であり、義務者が自分の配偶者、子を含めて
最低限度の生活水準を維持できるだけでなく、社会的地位相応の生活を維持でき
てなお余力のあるような状態のときに発生するとされています。

 @子の親に対する義務
 A成人した子に対する親の義務
 B兄弟姉妹相互間、祖父母と孫の間の義務など

 

 

 


生保の改正論議に関連し、 日弁連の前会長の宇都宮健児さんが代表をしている貧困問題対策の団体が自民党に質問状を出しました。

2012(平成24)年618
   貴党の生活保護制度の見直し案に関する公開質問状
自由民主党 生活保護に関するプロジェクトチーム
座長 世耕 弘成 様
    
         反貧困ネットワーク    代  表 宇都宮 健 児
         生活保護問題対策全国会議 代表幹事 尾 藤 廣 喜

 私たちは,生活保護制度をはじめとする貧困問題の解決を目的として活動して いる市民団体です。
 貴党の「『手当より仕事』を基本とした生活保護の見直し」策(以下,「本見 直し策」と言います。)の内容及び根拠について,下記のとおり,公開質問をい たします。
 ご多忙中にお手数をおかけして誠に恐縮ですが,本年79日までに質問に対す る書面による回答をいただくとともに,口頭による意見交換の機会をお持ちいた だくようお願い致します。
(意見交換の機会については,可能であれば本年79日(月)13時〜17時の間を 希望しますが,何時でもご都合のよい日時をご連絡いただきますようお願いいた します。)。

1
 質問事項(総論)
 本見直し策の策定にあたって,生活保護利用当事者の意見を聞いたり,実態調 査を行うなどしましたか。
仮に,行っていないとすれば,意見聴取や実態調査も経ずに,最後のセーフティ ネットである生活保護制度の根幹に重大な変更を加える本見直し策を取りまとめ ることが,何故できるのですか。

2
 本見直し策が平成211225日厚生労働省課長通知の撤回を求めている点に ついて
(1)
貴党のご主張
 「民主党政権下で,生活保護費は25%以上膨らんでいます。
 平成2112月,政府は,生活保護の申請があった場合「速やかな保護決定」を するように地方自治体に通知しました。これが引き金となって,生活保護世帯が 増加し,生活保護費は,既に3.7兆円に急増。
 この3年間で8,000億円も膨らんでいます。」

(2)
質問事項
@上記課長通知は,「失業等により生活に困窮する方が,所持金がなく,日々の 食費や求職のための交通費等も欠く場合には,・・・保護の決定に当たっては, 申請者の窮状にかんがみて,可能な限り速やかに行うよう努めること」等,法律 上も社会通念上も当然のことを通知しているものと考えますが,貴党は,同通知 に法律上又は社会通念上誤った内容が含まれているとお考えなのでしょうか。
 仮に,そうであれば,どの点がどのように誤っているとお考えか,ご説明くだ さい。

A 稼働年齢層やホームレス状態にある人々に対する違法な水際作戦を減らす上 では,貴党が政権党であった平成21318日付厚労省保護課長通知「職や住ま いを失った方々への支援の徹底について」も大いに肯定的な役割を果たしました が,なぜこの課長通知については問題視せず,政権交代後の同年1225日付課長 通知のみを問題視するのですか。

B 私たちは,生活保護利用者の増加は一本の課長通知によってもたらされたも のではなく,非正規雇用の増大によるワーキングプアの増加,雇用保険の捕捉率 の低下(前失業者中2割程度),年金制度の脆弱性など,生活保護制度の手前に あるセーフティネットが脆弱であるという構造的要因によるものと考えています が,この点についてはどのようにお考えでしょうか。
  また,こうした社会構造は貴党が政権を担っておられた間に形作られたもの ですが,この点の責任については,どのようにお考えでしょうか。
 
3
 具体策1.「生活保護給付水準の10%引き下げ」について
(1)
貴党のご主張
 「東京都の生活保護費は,標準3人世帯で約24万円(月額)となっています。 他方,最低賃金で働いた場合の月収は約13万円ほどであり※,国民年金は満額で 65,541円というのが実情です。こうした勤労者の賃金水準や年金とのバランスに 配慮して,生活保護給付水準を10%引き下げます。
  ※(試算)東京都の最低賃金840
×8時間×20日=134,400円 」

(2)
質問事項
@ 生活保護の給付水準を一律10%引き下げても最低生活費がまかなわれるとい う理論的及び実体的根拠はどこにありますか。10%という切りの良い数字になっ たのは,たまたまですか。それとも適当に切りの良い数字をあげたのですか。

A こうした提案をするにあたって,何らかの実態調査は行いましたか。

B 現行の東京都の生活保護費が標準3人世帯で約24万円(月額)が高額であると いう理論的及び実体的根拠はどこにありますか。

C 3人世帯の最低生活費と1人が働いた場合の最低賃金を比較することにどのよ うな意味があるとお考えですか。

D 国民年金で支給される1人分の金額(満額)が65,541円であるということと, 標準3人世帯の生活保護費とを比較することにどのような意味があるとお考えで すか。

E 最低賃金額や年金額とのアンバランスは,国民の最低生活保障の観点から最 低賃金額や年金額を引き上げる方向で解消すべきと考えますが,生活保護基準を 引き下げることとする理論的根拠は何ですか。

4
 具体策2.「 医療費扶助を大幅に抑制」について
(1)
貴党のご主張
 「生活保護費用の約半分は医療費です。生活保護の受給者は窓口での自己 負 担がないためモラルハザードや過剰診療が起きています。自己負担導入や医療機 関の指定,重複診療の厳格なチェック,ジェネリック薬の使用義務化などで医療 費扶助を大幅に抑制します。」

(2)
質問事項
@ 生活保護受給者にモラルハザードや過剰診療が起きていると断定する根拠は 何ですか。いつどのような方法で実態調査をされたのですか。
  むしろ,処方薬依存が一定数予想される精神科に限った42197人のサンプ ル調査(厚生労働省平成229月発表)の結果によっても,不適切な受診とされ たのが1797人(4.2%)にとどまっていることからすると,全受給者について自 己負担制度を設ける根拠はないと考えますが,いかがですか。

A 医療費の一部自己負担制度を導入すれば,仮に償還制を採用したとしても, 一時的に最低生活費を下回る生活を余儀なくされることから,生存権を保障した 憲法25条違反であると考えますが,この点はどのようにお考えですか。 
B 現在でも受診前に医療券を申請して交付を受ける必要があること,受診でき る病院が指定医療機関に限定されていることから,生活保護利用者の受診には事 実上の制約があります。そのうえ,医療費の一部自己負担制度を導入すれば,受 診抑制による疾病の重篤化を招き,却って医療費が増大することや,生活保護利 用者の健康や生命を害することが予想されますが,この点はどのようにお考えで すか。

C 医療費の一部自己負担制度と事後的な償還払い制度を導入すれば,ただでさ え忙しいケースワーカーの事務負担が莫大に増え,本来必要なケースワーク業務 に支障が生じることが予想されますが,この点はどのようにお考えですか。

5
 具体策3「現金給付から現物給付へ」について
(1)
貴党のご主張
 「食費や被服費などの生活扶助(食料回数券等),住宅扶助,教育扶助等の現 物給付を推進します。現金給付にするか現物給付にするかの判断の権限を自治体 に付与します。」

(2)
質問事項
@ 生活扶助,住宅扶助,教育扶助等の現物給付とは具体的には一体どのような 制度を考えておられるのでしょうか。

A 支給された生活扶助費のうち,それぞれいくらを食費,被服費,家具什器費, 日用品費等に割り当てるかは,世帯によって異なるし,同一世帯でも月によって 異なります。また,給料や仕送りなどの収入のある人の場合,支給される生活扶 助費の額は各月の収入によって変動します。このように,世帯によって,あるい は,月によって変動する生活扶助費について,具体的にどのようにして現物給付 を行うのですか。

B 生活扶助の現物給付とは,特定の事業者の店舗で使える食料や被服費のクー ポン券を検討しておられるのでしょうか。仮に,そうだとすれば,特定の生活保 護利用者の自己決定権(憲法13条)を侵害する一方,企業の新たな利権を生む可 能性があると考えますが,いかがでしょうか。
 のみならず,このような制度を導入すれば,生活保護利用者のうち,多くを占 める乳幼児,高齢者,さらには難病やアレルギー・化学物質過敏症などの疾患や 障がいのため,食糧に特別のニーズを持つ人たちが必要な食糧を入手できず,生 きていけなくなることが想定されますが,いかがですか。
 
C 仮に,公営住宅や安上がりの民間借り上げ住宅の提供を検討しておられるの であれば,生活保護利用者の居住・移転の自由(憲法22条)を侵害することにな ると考えますが,いかがですか。
  また,ただでさえ生活保護に対するスティグマが強い中で,このように囚人 のような扱いをすれば,さらにスティグマを強めることになると考えますが,い かがでしょうか。

6
 具体策4.「働ける層(稼働層)の自立支援」等について
(1)
貴党のご主張
 「働くことが可能な受給者(稼働層)に自立支援プログラムを提供し,就労の 指導強化,義務化を進めます。同時に,自立時資金のための「凍結貯蓄」を制度 化し,働く意慾を高め,国や自治体等も単純事務作業,清掃等の働く場を生活保 護者に提供します。また,生活保護に至る前段階の「自立支援プログラム」を充 実させ,個別の状況に応じた支援を行います。」

(2)
質問事項
@ 凍結貯蓄制度を導入した場合,現在の就労に伴う控除(基礎控除・特別控 除)は廃止するということでしょうか。これらの控除には就労へのインセンティ ブとしての機能が期待されているとともに,就労することによる経費増(通勤用 の衣類購入等)に見合うものとされています。これがなくなると最低生活を割る ことになり憲法25条違反になるとともに,かえって就労インセンティブを削ぐこ とになると考えますが,この点はいかがお考えでしょうか。

A パート就労で足りない部分を生活保護で補っている世帯については,完全に 経済的自立が図れる場合が少ないですが,そのような世帯の凍結貯蓄はどのよう に扱うのでしょうか。仮に,預かりっぱなしということであれば,完全な就労自 立が困難な多くの世帯においては,結局において就労インセンティブとならない 結果となりますが,この点はいかがお考えでしょうか。
 
B 「凍結貯蓄」とは,実務上どのような仕組で行う予定でしょうか。「貯蓄」 である以上,本来,被保護者本人に管理権があると考えられますが,これを福祉 事務所が管理することの法的根拠はどこにありますか。また,管理する福祉事務 所の事務負担増が予想されますが,この点は どのように考えますか。
 
C 公的就労の提供についても指摘されていますが,ここで保障される公的就労 の賃金水準は最低賃金を上回ることを想定されていますか。仮に,最低賃金を満 たさなくてもよいと考えている場合,これを合理化する理論的根拠は何ですか。
  就労にあたっての自己決定権(当事者の適性や希望の尊重)は,どのように 保障されるのでしょうか。

7
 具体策5.「調査権限の強化で不正受給を防止」等について
(1)
貴党のご主張
 「生活保護者を支援するケースワーカーの業務が繁忙化し,不正受給や生活保 護の長期化を招いています。ケースワーカーを民間に委託し,ケースワーカーを 稼働層支援に集中させることを進めます。また,地方自治体の調査権限の強化な どで,不正受給や「貧困ビジネス」を減少させます。」
 世耕議員はテレビ等において,「扶養義務の強化のため一定の資産・収入のあ る「特定扶養義務者」については扶養できないことの証明義務を課し,虚偽申告 には罰則を科す法改正を検討中」と発言

(2)
質問事項
@ 単純に民間に丸投げするだけでは却ってケースワーク機能が低下することが 予想されるので,正規職員の増員と専門職化が必要と考えますが,いかがでしょ うか。

A「特定扶養義務者」の「一定の資産・収入」とは具体的にどのような基準を考 えておられますか。
  求められる扶養の程度は,扶養義務者の家族数や扶養権利者である被保護者 との関係(交流の有無,DV・虐待歴の有無等)等にもよりますが,この点はど のように考慮するのですか。

B 同じ収入がある世帯でも家族構成,住宅ローンの有無,貯蓄の有無等々で扶 養可能な金額が異なります。扶養義務者に扶養できないことの証明義務を課すこ ととすれば,例えば,月2万円の仕送りなら可能と回答した場合,仕送り額を2 5000円あるいは3万円にできないことの証明を求めることになります。
  扶養義務者が,そのような証明をすることも,福祉事務所が,証明内容の是 非を判断することも事実上不可能と考えますが,いかがでしょうか。

C 扶養義務者に上記のとおり事実上不可能な事項の証明義務を課すということ は,結局において,扶養を保護の要件とすることにほかならず,前近代的な救護 法時代の法制度に戻ることとなりますが,貴党としては,それで良いとお考えで すか。

D そもそも民法上,扶養義務の程度は第一次的には当事者の協議により,当事 者の協議によって決せないときには家庭裁判所がこれを決するものとしており, 生活保護法77条も同様の構成を採用しています。
  貴党の見直し策によれば,民法上の扶養義務の在り方も「改正」することが 必要と考えられますが,そこまでお考えなのでしょうか。
  仮に民法改正までは考えていないとすれば,生活保護受給者についてのみ異 なる考え方を採用してもよいとする理論的根拠はどこにありますか。

8
 具体策6.「就労可能者の区分対応」等について
(1)
貴党のご主張
 「中期的な取り組みとして,就労が困難な高齢者・障害者と就労可能者を 区 分し,就労可能者には就職あっせんを拒否した場合の給付減額の仕組みや,就労 可能者は3年程度で給付を打ち切る「有期制」の導入等も検討します。一方,生 活保護世帯の子どもの教育や家庭環境等を改善し,貧困の連鎖を防止していきま す。」

(2)
質問事項
@ 期間の経過のみによって給付を打ち切ることの合理的根拠はどこにありますか。
  厚生労働省も,生存権を保障した憲法25条違反になるという見解を示してい ますが,いかがお考えでしょうか。

A 就労可能とされ給付期間内に就労できず、生活保護を打ちきられた方は、そ の後の生活・生存がどうなるとお考えでしょうか?

B 就職あっせんを拒否した場合の給付減額の仕組みが検討されていますが,仮 に仕事があっても,生活保護利用者には,仕事に求められる資格や技術,学歴, 職歴などが満たされないことによるミスマッチがあってなかなか就労に結びつか ないのが実態です。このようなミスマッチの解消はどのようにして保障されるの でしょうか。

9
 施策の目的について
(1)
貴党のご主張  
 「上記施策の実施により現在の年間3.7兆円の生活保護予算を大幅削減」

(2)
質問事項
@ 貴党は,結局,財政目的のためには生活保護利用者やその家族の人権は侵害 されてもやむを得ないという立場に立っておられるということでしょうか。

A 貴党が政権党であった時代の社会保障費毎年2200億円削減方針下において, 北九州市で生活保護をめぐる餓死事件が3年連続で起きるという悲劇が起こりま した。今般の貴党の政策が現実のものとなれば,餓死・孤立死・自殺・犯罪が激 増するのが必至と考えますが,この点はどのようにお考えですか。
 仮に,こうした悲劇的事態が現実化した場合,貴党はどのように責任をとられ るおつもりですか。

以 上



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生活保護問題に乗り組む弁護士等の団体がこういう声明を出しました。法の専門家だけあって、法に関する解説内容がとても的確です。


生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明

生活保護問題対策全国会議 代表幹事 弁護士 尾藤廣喜
全国生活保護裁判連絡会  代表委員  小 川 政 亮

1 人気お笑いタレントの母親が生活保護を受給していることを女性週刊誌が報 じたことを契機に 生活保護に対する異常なバッシングが続いている。
 今回の一連の報道は、あまりに感情的で、実態を十分に踏まえることなく、浮 足立った 便乗報道合戦になっている。「不正受給が横行している」、「働くより生活保護 をもらった方が楽で得」 「不良外国人が日本の制度を壊す」、果ては視聴者から自分の知っている生活保 護受給者の行状についての 「通報」を募る番組まである。一連の報道の特徴は、なぜ扶養が生活保護制度上
保護の要件とされていないのかと いう点についての正確な理解(注1)を欠いたまま、極めてレアケースである高 額所得の息子としての 道義的問題をすりかえ、あたかも制度全般や制度利用者全般に問題があるかのごとき報道が なされている点にある。
  つまり、@本来、生活保護法上、扶養義務者の扶養は、保護利用の要件とはされていないこと、 A成人に達した子どもの親に対する扶養義務は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」にすぎないこと、Bしかも、その場合の扶養の程度、内容は、あくまでも話し合い合意をもととするものであること、Cもし、扶養の程度、内容が、扶養義務の「社会的地位にふさわしい生活を成り立たせ」ることを前提としても、なお著しく少ないと判断される場合には、福祉事務所が、家庭裁判所に扶養義務者の扶養を求める手続きが、生活保護法77条に定められていること

などの扶養の在り方に関する正しい議論がなされないまま、一方的に「不正受給」が行なわれているかのごとき追及と報道がなされているのである。
 また、そこでは、@雇用の崩壊と高齢化の進展が深刻であるのに雇用保険や年金等の他の社会保障制度が極めて脆弱であるという社会の構造からして、生活保護利用者が増えるという今日の事態はて当然のことであること、A生活保護制度利用者が増えたといっても利用率は1.6%に過ぎず、先進諸国(ドイツ9.7%、イギリス9.3%、フランス5.7%)に比べてむしろ異常に低いこと,B「不正受給」は、金額ベースで0.4%弱で推移しているのに対して、捕捉率(生活保護利用資格のある人のうち現に利用している人の割合)は23割に
過ぎず,むしろ必要な人に行きわたっていないこと(漏給)が大きな問題であることなど,生活保護制度利用者増加の原因となる事実が置き去りにされている。(注2)
 さらに、今回の一連の報道は、厳しい雇用情勢の中での就労努力や病気の治療など、個々が抱えた課題に真摯に向き合っている人、あるいは、苦しい中で、さまざまな事情から親族の援助を受けられず、「孤立」を余儀なくされている高齢の利用者など多くの生活保護利用者の心と名誉を深く傷つけている。

2 ところで、今回のタレントバッシングの中心となった世耕弘成議員と片山さつき議員は、自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」の座長とメンバーである。
 そして、同党が201249日に発表した生活保護制度に関する政策は、@生活保護給付水準の10%引き下げ、A自治体による医療機関の指定、重複処方の厳格なチェック、ジェネリック薬の使用義務の法制化などによる医療費の抑制、B食費や被服費などの生活扶助、住宅扶助、教育扶助等の現物給付化、C稼働層を対象とした生活保護期間「有期制」の導入などが並び、憲法25条に基づき、住民の生存権を保障するという視点を全く欠いた、財政抑制のみが先行した施策となっている。
 かつて、小泉政権下においては、毎年2200億円社会保障費を削減するなどの徹底した給付抑制策を推進し、その行きつく先が、「保護行政の優等生」「厚生労働省の直轄地」と言われた北九州市における3年連続の餓死事件の発生であった。今回の自民党の生活保護制度に関する政策には、こうした施策が日本の貧困を拡大させたとして強い批判を招き、政権交代に結びついたことに対する反省のかけらも見られない。
 さらに問題なのは、社会保障・税一体改革特別委員会において、自民党の生活保護に関する政策について、現政権の野田首相が「43.5くらいは同じ」と述べ、小宮山厚生労働大臣が「自民党の提起も踏まえて、どう引き下げていくのか議論したい」と述べていることである。
 そこには、「国民の生活が第一」という政権交代時のスローガンをどう実現していくか、また、「コンクリートから人へ」の視点に基づき、貧困の深刻化の中で、この国の最低生活水準をどう底上げしていくのかという姿勢が全く見られない。
 そもそも、生活保護基準については、20112月から社会保障審議会の生活保護基準部会において、学識経験者らによる専門的な検討が進められているのであり、小宮山大臣の発言は、同部会に対して外部から露骨な政治的圧力をかけるものであって部会委員らの真摯な努力を冒涜するものと言わなければならない。
 そのうえ、小宮山大臣は、「親族側に扶養が困難な理由を証明する義務」を課すと事実上扶養を生活保護利用の要件とする法改正を検討する考えまで示している。しかし、今回のタレントの例外的な事例を契機に、制度の本来的在り方を検討することなく、法改正を行うということ自体が乱暴極まりない。
また、生活困窮者の中には、DV被害者や虐待経験者も少なくなく、「無縁社会」とも言われる現代社会において、家族との関係が希薄化・悪化・断絶している人がほとんどである。
 かつて、札幌市白石区で25年前に発生した母親餓死事件は、まさに、保護申請に際して、この扶養をできない証明を求められたことが原因となって発生した事件であった。

かかる点を直視することなく、法改正を行えば、ただでさえ利用しにくい生活 保護制度がほとんど 利用できなくなり、「餓死」「孤立死」などの深刻な事態を招くことが明らかで ある。小宮山大臣は、 国民の生活保障に責任をもつ厚生労働大臣として、マスコミに対して冷静な対応 を呼びかけるべき立場に ありながら、混乱に翻弄されて軽率にも理不尽な法改正にまで言及しており、そ の職責に反していると 言わざるを得ない。

3 今年に入ってから全国で「餓死」「凍死」「孤立死」が相次いでいるが,目 下の経済状況下で、 雇用や他の社会保障制度の現状を改めることなく、放置したままで生活保護制度 のみを切り縮めれば、 餓死者・自殺者が続発し、犯罪も増え社会不安を招くことが目に見えている。
 今求められているのは、生活保護制度が置かれている客観的な状況を把握し、 制度利用者の実態に 目を向け、その声に耳を傾けながら、冷静にあるべき方向性を議論することである。
 当会は,報道関係各位に対しては、正確な情報に基づく冷静な報道を心掛けて いただくようお願いすると ともに、民主党政権に対しては、今一度政権交代時の「国民の生活が第一」の原 点に戻った政権運営を期待し、 自民党に対しては、今回の生活保護制度に関する政策の根本的見直しを求め、本 緊急声明を発表する次第である。


過疎地で自立生活センターを作りたい障害者を募集。過疎地対策で助成や貸付も実施

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会

 全国各地で障害当事者が主体的にCIL(重度の障害者が施設や親元から出て地域で自立生活できるように支援する事業体&運動体)を立ち上げるための助成や貸付、さまざまな研修を提供しています。(通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を行っています)。エンパワメント(サービスを使う障害者自身が社会力などをつける)方式の自立支援サービスを行いながら、地域の制度を変える運動を行うという理念にそった当事者団体を作るという方は研修受講料無料です。研修参加の交通費も助成されます。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立生活プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。通信研修の参加者を募集しています。(通常、CILの立ち上げには、古参のCILでの数年の研修(勤務)が必要で、運動経験や社会経験がある人でも2年ほどの研修時間数が必要です。しかし、大都市部から離れた地域でCILを作るためには、数年間の勤務研修は難しいため、地元で生活しつつ、通信研修や合宿研修で基礎を学んだ後、実地で少しずつ小さなCILを始めながら、毎週連絡を取りつつ5〜10年ほどかけてノウハウを覚えて成長していく方法を行っています)。

くわしくはお問合せ下さい。フリーダイヤル0120−66−0009(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

 

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります。

団体名・個人名(            )

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全国で相談支援事業所を作ってヘルパー時間数の交渉支援や施設や親元からの自立支援をしたい障害者個人や障害者団体を募集。

 

 2012年4月から、制度が大きく変わります。非常勤の相談スタッフ1名でも地域相談支援事業所や計画相談支援事業所の指定が取れます。施設から地域への障害者の自立のサポートを行えば公的にその経費が入る仕組みが始まります。親元や施設から出た1人暮らしなどの障害者の24時間の電話相談態勢や緊急時の支援を行う態勢を作るとその経費が公的に支払われます。今まで自己資金で仲間の自立支援を行なってきた障害者は、収入を得てより充実した支援活動が行えます。

 また最も大きな変化は、障害者がヘルパー制度等の支給決定を受ける際に、相談支援事業所が作った利用計画を参考に支給決定する仕組みが始まることです(3年で全利用者に完全実施)。全国各地で重度の障害者が生活に必要なヘルパー時間数交渉をする際には、適切に計画に書いて交渉を支援してくれる相談支援事業所が必要です。しかし、現状は、「自分は24時間介護が必要で1人暮らしなのに、市の重度訪問介護の上限が12時間なので、相談事業が重度訪問介護12時間までの計画しか書いてくれない」といった困った相談が全国各地から当会に寄せられています。このような場合は、市に対して「適正な計画は24時間重度訪問介護だ」と説明し、利用者と一緒に交渉の場に参加して制度改善を支援してくれる相談支援事業所が必要です。

これらが、やる気さえあれば障害者個人でも相談支援事業所になれます(障害者団体の厚労省との交渉で制度が変わりました)。障害者
個人も、自主的な5年&900日の支援活動経験があるなら、法人化し相談支援の指定申請をすれば実務経験として認められるように制度が
変わりました。その上で、県など実施の32.5時間の相談支援初任者研修を受ければ、相談員になれます。非常勤の相談員が1人いれば
相談支援事業所になれます。当会では、今まで自主的な自立支援活動を行なってきた障害者個人や小規模な障害者団体など、理念のある団
体・個人が相談支援事業所になることを支援します。具体的には、NPO法人取得や相談支援事業所の指定申請の方法・運営方法・利用者と一
緒に行う市町村に対するヘルパー時間数交渉のノウハウなどをアドバイスします。また、障害者の権利を守り市町村の制度を改善していける
よう、また、よりよい相談支援を行えるように全国研修会も行なっています。
相談支援事業所に入る収入の資料・相談支援全体の資料は2−3月合併号掲載済みです。これらもお読みください。
相談支援事業所の立ち上げ支援について詳しくは、制度係フリーダイヤル(表紙参照)または問い合わせメールまでお問い合わせください。

 

 

 

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市町村と交渉して制度の改善を

重度訪問介護などヘルパー制度の24時間化ですが、長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責任があります(障害者自立支援法2条第1項)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。

 自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫負担がつきます。

 市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、必要なヘルパー制度の補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。

 交渉は今から行えます。以前から1人暮らししている方も、今から時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(たとえば、「学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった」、「障害が進行した」、「制度が不足する部分のヘルパー時間を緊急対応として無料で介助派遣してくれていた事業所が、それをできなくなった」などの理由がある場合は、緊急で交渉が可能です)。

 

不服審査請求のアドバイスも実施

 交渉しても進展が全くみこめなくなった場合や、交渉拒否などをする悪質な市町村の場合には、都道府県への不服審査請求のアドバイスも行っています。不服審査請求には祈願がありますが、実際には、再度の支給量増加の申請を市町村に出して時間数変更なしの通知を受けられるので、事実上は、期限なしにいつでも不服審査請求を出せます。

 

入院中の介護制度もつくろう

 入院中の介護制度は、地域生活支援事業で実施可能で、国庫補助もつくので、自治体単独制度で作るしかなかった支援費制度以前に比べて、比較的容易に制度を作ることが可能です。病院の診療報酬の通知との関係で、コミュニケーション支援事業として実施することになります。交渉時に説明がきちんとできないと言語障害者のみを対象にする制度になってしまいますが、例えば腹痛や肺炎などで入院した筋ジスや頸損の障害者でも、声が出ないと介護方法など説明できませんのでコミュニケーション支援事業の入院介護制度の対象に加えることが可能です。西宮市・松山市・大分市・広島市ではそのようになっていますので、これらの市の要綱や運用を参考に、ご自分の市町村と話し合いを行ってください。なお、注意点が多いので、交渉の前や途中に当会にお電話ください。

 

 当会には、人口1万人以下の過疎の町から都会まで、どんな規模の自治体でも24時間の介護制度を作ったサポート実績があります。入院介護制度の制度化のノウハウも豊富です。交渉をしたい方は、制度係までご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉が進んでいる自治体の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった実績が多くあります。ぜひ交渉にお役立てください。

 制度係 0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時

 

 

月刊誌全巻と資料集1〜7巻のCD−ROM版 

会員2000円+送料、非会員3000円+送料

 障害により紙の冊子のページがめくりにくい、漢字が読めないという方など向けに、パソコン画面に紙のページと全く同じ物をそのまま表示させることができるCD−ROM版を販売しています。マイクロソフトWORDファイル(9710月号〜最新号の月刊誌&Howto介護保障別冊資料集1〜7巻を収録)と、それを表示させるワードビューアソフトのセットです。ハードディスクにコピーして使うので、CD−ROMの入れ替えは不用です。マウスのみでページがめくれます。

交渉ノウハウの第一歩はこの資料の熟読をおすすめします。

 



















全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

略称=全国広域協会  フリーダイヤル 0120−66−0009

フリーダイヤル FAX 0120−916−843

 

2009年5月より重度訪問介護の給与に12%加算手当開始(条件あり)

2009年10月より東京地区他ではさらに処遇改善事業の臨時手当220円/時加算。

(区分6むけ時給1250円の方は、加算がつくと、+150+220円で時給1620円に。)

 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます   対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所がみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような、登録のみのシステムを障害ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は求人して人が集まる金額にアップする個別相談システムもあります。

 

利用の方法

 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から障害や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行いヘルパー制度の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。

 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京都と周辺県は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、重度訪問介護で区分により時給1100(区分5以下)・1250円(区分6)・1450円(最重度)が基本ですが、長時間利用の場合、求人広告して(広告費用助成あり)人が確保できる水準になるよう時給アップの相談に乗ります。(なお、2009年5月より重度訪問介護のヘルパーには12%の保険手当を加算します。(手当は、厚生年金に入れない短時間の方のみ。また、利用時間120時間未満の利用者の介護者は加算がつきません)。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、重度訪問介護研修修了者などのいずれかの方である必要があります。(3級は障害の制度のみ。介護保険には入れません)。重度訪問介護は、障害者が新規に無資格者を求人広告等して確保し、2日で20時間研修受講してもらえば介護に入れます。

詳しくはホームページもご覧ください http://www.kaigoseido.net/2.htm


2009年10月よりさらに大幅時給アップ

2012年度改正で物価マイナス0.8%にあわせて制度の単価が下がりますが、給与は下げません

  処遇改善助成金が2012年度以降も継続となりました。各地で額は違いますが、広域協会東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部)では、以下のように手当が継続で出ます。(東京以外の地域では、時給アップではなくボーナス方式のアップの地域もあります)

2012年4月以降の時給体系>

(東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部))

重度訪問介護(最重度)

1840円(基本給1450+保険手当170円(※2+処遇改善手当220円)

重度訪問介護(区分6)

1620円(基本給1250+保険手当150円(※2+処遇改善手当220円)

重度訪問介護(区分5以下)

1450円(基本給1100+保険手当130円(※2+処遇改善手当220円)

身体介護型(※1

1.5hまで2120円(基本給1900+臨時手当220円)1.5h以降1510円(基本給1300+処遇改善手当220円)

家事援助型(※1

1220円(基本給1000+処遇改善手当220円)

介護保険身体介護型(※1

1.5hまで2090円(基本給1900+処遇改善手当190円)1.5h以降1490円(1300+処遇改善手当190円)

介護保険生活援助型(※1

1190円(基本給1000+処遇改善手当190円)

処遇改善手当は国の介護人材処遇改善事業の助成によるもの。2012年改正で基金事業から一般会計の制度になりました。220円は東京ブロックの金額で、他のブロックでは事業所により金額が変わります。ボーナス方式の地域もあります。詳しくはお問い合わせを。

1)身体介護型に3級ヘルパーやみなし資格者が入る場合、時給が70%(東京地区以外の場合1.5時間まで1050円、1.5時間以降840円)、家事援助・生活援助は90%(900円)になります。

※2)保険手当は、当会で重度訪問介護を月120h以上利用している利用者のヘルパーのうち、社会保険非加入者に対して支給されます。常勤の4分の3以上稼動して社会保険に加入した場合、手当の支給はありません。 (東京ブロックは週24時間労働から厚生年金加入可能)



 

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

求人広告費助成・フリーダイヤルでの求人電話受付代行なども実施

 

 全国広域協会の利用者の登録介助者向けに重度訪問介護研修を開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。(東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でOK。残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。障害の身体介護に入れる3級ヘルパー通信研修も開催しています。通信部分(2週間)は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能。3級受講で身体介護に入ることができます。3級や重度訪問介護の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、研修参加費・東京までの交通費・宿泊費・求人広告費を全額助成します。(3級は身体介護時給3割減のため、働きながら2級をとればその費用も助成対象です)。求人広告費助成・フリーダイヤル求人電話受付代行、必ず人が雇える効果的な広告方法のアドバイスなども実施。

 

このような仕組みを作り運営しています

 

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会

(自薦登録の継続・保障のみを目的に作られた非営利団体)

        市町村への請求事務や給与支払い事務等の業務委託・提携

 

各県の指定事業者

 

(障害者団体) 

 

各県の指定事業者

 

(CILなど) 

     介護者の登録、介護料振込         介護者の登録、介護料振込

 

障害者と介護者

 

障害者と介護者

 

障害者と介護者

 

障害者と介護者

 

障害者と介護者

 

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 

  

介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、20004月時点)

名前    (所属団体等)

花田貴博  (ベンチレーター使用者ネットワーク/CIL札幌)北海道

篠田 隆   NPO自立生活支援センター新潟)新潟県

三澤 了   (DPI日本会議)東京都

尾上浩二  (DPI日本会議)東京都

中西正司  (DPIアジア評議委員/JIL/ヒューマンケア協会)東京都

八柳卓史  (全障連関東ブロック)東京都

樋口恵子  NPOスタジオIL文京)東京都

佐々木信行              (ピープルファースト東京)東京都

加藤真規子              NPO精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)東京都

横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)東京都

益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)東京都

名前  (所属団体等)

川元恭子                (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)東京都

渡辺正直  (静岡市議/静岡障害者自立生活センター)静岡県

山田昭義  (社会福祉法人AJU自立の家)愛知県

斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)愛知県

森本秀治  (共同連)大阪府

村田敬吾  NPO自立生活センターほくせつ24)大阪府

光岡芳晶  NPOすてっぷ/CIL米子)鳥取県

栗栖豊樹  (共に学びあう教育をめざす会/CILてごーす)広島県

佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会/CIL高松)香川県

藤田恵功  HANDS高知/土佐市重度障害者の介護保障を考える会)高知県

田上支朗  NPO重度障害者介護保障協会)熊本県

 


全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の自薦の利用についてのQ&A

 

求人広告費用を助成・ヘルパー研修の費用や交通費・宿泊費を助成

 

 自薦ヘルパーの確保は、みなさん、どうしているのでしょうか?

  知人などに声をかけるのでしょうか?

 多くの障害者は、求人広告を使っています。多いのは駅やコンビニなどで無料で配布されているタウンワークなどです。掲載料は1週間掲載で1番小さい枠で2〜3万円ほどです。

 重度訪問介護は、かならず8時間程度以上の連続勤務にし、日給1万円以上で広告掲載します。無資格・未経験者を対象に広告を出します。(雇った直後に2日間で研修受講)

 全国広域協会では、求人広告費用も助成しています。(広告内容のアドバイスを広域協会に受け、OKが出てから広告掲載した場合で、雇った介護者が一定時間介護に入ったあとに全額助成)長時間連続の勤務体系を組めば、かならず介護者を雇用できるようにアドバイスいたします。

 また、求人広告は利用者各自の責任で出すものですが、問い合わせ電話はフリーダイヤル番号を貸付します。電話の受付も全国広域協会で代行します。

 つぎに、数人〜数十人を面接し、採用者を決めます。採用後、自分の考え方や生活のこと、介護方法などをしっかり伝え、教育します。

 その次に、たとえば重度訪問介護利用者は、雇った介護者に重度訪問介護研修(20時間)を受講させる必要があるので、東京本部や東海・関西・西日本の関係団体などで、重度訪問介護研修(東京で受講の場合は2日間で受講完了)を受講させます。

 全国広域協会では、研修受講料・交通費・宿泊費も助成しています(自薦ヘルパーが一定期間介護に入ったあとに、全額助成します。)

 (障害のヘルパー制度で身体介護利用者は、3級研修を受講することが必要で、2週間の通信研修(自宅学習)レポート提出のあと2泊3日で東京や西日本に受講に行く必要があります。3級は時給が3割ダウンですので、多くは働きながら2級研修を地元などで受講します。3級や2級の受講料は一定期間働いたあとに全額助成します)

 (介護保険のみを利用する障害者のヘルパーは、2級を受講する必要がありますので、無資格者をいきなり雇用するのは困難です。2級限定の求人を出すしかありませんが、2級を持っている労働人口が無資格者に比べてとても少ないので、かなり給与が高くないと、求人しても人が集まりにくいです。最重度の場合は介護保険を受けていても、上乗せして障害の重度訪問介護などを利用できますので、まずは障害の制度部分のみで自薦ヘルパーを雇用して、働きながら2級をとり、介護保険も自薦にするという方法があります。この場合でも2級受講料を一定時間後に助成します)

 

 全国広域協会を使う障害者の自薦ヘルパーの怪我や物品損傷などの保険・保障は?

 

 民間の損害保険に入っているので、障害者の持ち物や福祉機器を壊したり、外出介護先で無くしたりしても、損害保険で全額保障されます。

 また、ヘルパーの怪我は労災保険で、治療代や収入保障が得られます。病気で連続4日以上休むと社会保険から(常勤の4分の3以上の人に限る)保障されます。通院・入院などは民間の損害保険からも給付が出る場合があります。

 


全国ホームヘルパー広域自薦登録協会理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に

障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になります。

 全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになります。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。

47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行えば、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになります。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。(できれば各県に2〜3ヶ所あれば、よりいい)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。(他薦ヘルパーでは時間数をのばすと、各自の障害や生活スタイルに合わず、いろんな規制で生活しにくくなるので、交渉して時間数をのばさない)

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは各団体のほか、全国共通フリーダイヤルで広域協会でも受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は3300市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、2003年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで障害ヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。


こちら4巻は現役で使える資料集です

Howto介護保障 別冊資料 

4巻 生活保護と住宅改造福祉機器の制度

170ページ 1冊1000円(+送料)   

 生活保護、生活福祉資金、日常生活用具などを紹介。このうち、生活保護内の制度では、介護料大臣承認・全国の家賃補助・敷金等・住宅改造・高額福祉機器・移送費・家財道具の補助・家の修理費、の制度を詳しく紹介。各制度の厚労省通知も掲載。

 生活福祉資金を使った住宅改造や高額福祉機器の購入には、この本の該当の章を丸ごとコピーして保護課に持っていってください。

 

 

現状の制度とほぼ同じ支援費制度の資料です。いまでも使える情報が多くあります。「事業所自由選択」の仕組みの制度ができるまでの経緯もわかります。

Howto介護保障 別冊資料

7巻 ヘルパー制度の資料集 支援費制度版

&2002年度〜2004年度の月刊全国障害者介護制度情報の記事抜粋

会員および定期購読会員 1800円   一般2500円   全356ページ

1章 全国各地の交渉状況・第2章 支援費制度について・第3章 支援費ヘルパーの国庫補助基準の問題について・第4章 ヘルパー研修関係・第5章 介護保険制度/障害施策と介護保険の統合問題・第6章 生活保護・第7章 その他

この資料の見方 この資料は2002年度〜2004年度の月刊全国障害者介護制度情報の記事の抜粋により構成されています。制度は毎年変わるため、古い制度の解説のページもあります。各記事の先頭に記事の書かれた年月を記載していますので、ご確認ください。

 

 

情報が古いので、障害者雇用助成金の基本的な仕組みなどの参考程度にお使いください

Howto介護保障 別冊資料               (一部古い情報あり)

5巻 障害当事者団体の財源の制度

134ページ 1冊1000円(+送料)   好評発売中 

<この5巻のみ、障害者主体の団体・障害者本人のみに限定発売とします>

 全国で使える労働省の障害者雇用促進制度助成金の詳細・ホームヘルプ事業の委託を受ける・市町村障害者生活支援事業の委託を受ける・障害低料第3種郵便の方法・資料(NPO法・介護保険の指定・重度障害者を自立させるマニュアル)など。


 

1〜3巻は情報が古くなったためそのままでは使えないページもありますが、交渉には過去の経緯を知ることが重要なため、引き続き販売は続けます。ヘルパー制度の上限撤廃指示文書など、重要な文書なども掲載されています。なお、最新制度に対応した情報を知るには、以下の資料のほか、月刊誌の2005年度以降のバックナンバー(販売中)も同時にお読みください

 

(下記の資料集1〜6巻は介護保障協議会・介護制度相談センターの会員・定期購読者は3割引サービス)


Howto介護保障 別冊資料                      品切中

1巻 自薦登録方式のホームヘルプサービス事業

325ページ 1冊1860円(+送料)   2000年10月発行改定第5版

第1章 全国各地の自薦登録ヘルパー   

第2章 あなたの市町村で自薦登録の方式を始める方法

第3章 海外の介護制度 パーソナルヘルパー方式

第4章  ヘルパー制度 その他いろいろ

資料  自治体資料 厚労省の指示文書・要綱

6年〜13年度厚労省主管課長会議資料(上限撤廃について書かれた指示文書など)・ホームヘルプ事業運営の手引き・厚労省ホームヘルプ要綱・ヘルパー研修要綱・ホームヘルプ事業実務問答集(ヘルパーが障害者(母)の乳児(健常児)の育児支援する例など事例が掲載)

*品切れ中につき、CD−R版(2ページ参照)をご購入ください。

 

Howto介護保障 別冊資料 

2巻 全国各地の全身性障害者介護人派遣事業

250ページ 1冊1430円(+送料)  2001年8月発行改定第5版 

 全国の介護人派遣事業一覧表(最新版)・全国各地の全介護人派遣事業の最新情報と要綱や交渉経過など資料が満載。以下の全自治体の資料があります。

1静岡市・2東京都・3大阪市・4神奈川県・5熊本市・6兵庫県 西宮市・7宝塚市・8姫路市・9尼崎市・10神戸市・11岡山市・12宮城県と仙台市・13滋賀県・14新潟市・15広島市・16札幌市・17埼玉県・18来年度開始の4市・19フィンランドの介護制度資料・20東京都の新制度特集・21千葉県市川市・22兵庫県高砂市・23静岡県清水市・24大津市+99〜2000年度実施の市

 ほかに、介護者の雇い方・介護人派遣事業を使って介護派遣サービスを行う・介護者とのトラブル解決法・厚労省の情報 などなど情報満載  全250ページ

 

Howto介護保障 別冊資料 

3巻 全国各地のガイドヘルパー事業

129ページ 1冊750円(+送料)  2000年10月発行改定第4版 

 全身性障害者のガイドヘルパー制度は現在の地域生活支援事業の移動支援の元になった制度です。当時の特に利用可能時間数の多い(月120時間以上)数市についての要綱や解説を掲載。また、厚労省のガイドヘルパー実務問答集(出先での食事や買い物や映画鑑賞の介護の事例など)や指示文書も掲載。

現在、1巻が品切れ中です。1巻が必要な方はCD−R版(全巻収録)をご注文ください。

 申込みTEL/FAX 0120−870−222


 

 



月刊 全国障害者介護制度情報 定期購読のご案内

定期購読会員     月100円

メール定期購読会員 月30円

  全国障害者介護保障協議会/障害者自立生活・介護制度相談センターでは、

「月刊 全国障害者介護制度情報」を毎月発行しています。

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 定期購読は毎月紙の冊子を郵送で、メール定期購読はWORDファイルをパソコンメールでお送りします。

相談会員  月150円(定期購読+フリーダイヤル相談)

相談会員B 月80円(メール定期購読+フリーダイヤル相談)

 定期購読のサービスに加え、フリーダイヤルで制度相談や情報交換、交渉のための資料請求などができるサービスは月150円(相談会員サービス)で提供しています。(月刊誌をメールで受け取る場合は月80円)フリーダイヤルで制度相談等を受けたい方はぜひ相談会員になってください。(ただし団体での申込みは、団体会員=年3600円(月300円)になります。団体のどなたからもフリーダイヤルにお電話いただけます)。  申し込みは、発送係まで。

発送係の電話/FAXは 0120−870−222(通話料無料)

 なるべくFAXでお願いします(電話は月〜金の9時〜17時)。

FAXには、「(1)定期購読か相談会員か、(2)郵便番号、(3)住所、(4)名前、(5)障害名障害等級、(6)電話、(7)FAX、(8)メールアドレス、(9)資料集を注文するか」を記入してください。(資料集を購入することをお勧めします。月刊誌の専門用語等が理解できます)

 介護制度の交渉を行っている方(単身等の全身性障害者に限る)には、バックナンバー10ヶ月分も無料で送ります(制度係から打ち合わせ電話します)。「(9)バックナンバー10ヶ月分無料注文」と記入ください。

入金方法 新規入会/購読される方には、最新号と郵便振込用紙をお送りしますので、内容を見てから、年度末(3月)までの月数×100円(相談会員は×150円)を振り込みください。内容に不満の場合、料金は不要です。着払いでご返送下さい。

退会する場合は:  毎年4月以降も自動更新されますので、会員や定期購読をやめる場合は必ず発送係にFAX・メール・電話で発送係へ連絡してください。

 

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