★ 政府の障がい者制度改革推進会議が始まる

★政策研究集会報告(第2回目)

1・2月合併号
2010.2.5
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2010年1・2月合併号    目次

   

3・・・・沖縄で重度訪問介護のみで24時間保障に
4・・・・平成22年度当初予算の政府案
6・・・・政策研究集会報告(第2回目)
   6・・・北日本のZ村で24時間介護利用者の村との困難な交渉事例
   10・・都市部でも事業所が見つからなかったALS当事者の事例
16・・・政府の障がい者制度改革推進会議が始まる
22・・・自立支援法訴訟原告団と厚労省の基本合意
24・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



沖縄で重度訪問介護のみで24時間保障に

 沖縄県A市で、最重度の障害者の交渉により、重度訪問介護のみで24時間保障(月744時間)が実現しました。
 詳しくは次号以降に掲載します。
 九州ではすべての県で県内の市町村で最低1か所は24時間の介護保障がされていますが、重度訪問介護のみで24時間保障がされている市町村があるのは、これで8県中7県になりました。
 全国各地で交渉を行いましょう。国庫負担基準をオーバーする市町村へ基金と県の地域生活支援事業で補助する制度も始まっており、去年まで難しかった市町村でも今年は状況が改善されています。



平成22年度当初予算の政府案

 政府は、平成22年度当初予算案を12月26日に閣議決定しました。

  厚生労働省障害保健福祉部の予算額は1兆1202億円で、そのうち「個別給付による福祉サービス」(介護給付費・訓練等給付費・サービス利用計画作成費・高額障害福祉サービス費などの合計で、地域生活支援事業や自立支援医療を含まない)は5719億円(+648億円、+12.8%)です。なお、支援費制度の頃と違って在宅福祉と施設福祉が1つの勘定科目で計上されているため、ホームヘルプサービスの内訳金額はわかりません。

 また、国から市町村と都道府県へ配分される地域生活支援事業の統合補助金の予算額は、特に増額要求でもなかったので、440億円となっています。

自立支援法施行後の予算額の推移(当初予算ベース)

最近の予算額の変遷(当初予算ベース)

  障害保健福祉部の全体 介護給付や訓練等給付 地域生活支援事業
20年度 当初予算 9700億円 4945億円 400億円
21年度 概算要求 1兆0238億円 5231億円 450億円
当初予算 9936億円 5072億円 440億円
22年度 概算要求 1兆0686億円 5582億円 440億円
当初予算案 1兆1202億円 5719億円 440億円

 このほか、市町村民税非課税世帯の障害者について福祉サービスや補装具の利用者負担をゼロにするために、107億円(他の科目の内数)が計上されています。民主党のマニフェストでは応益負担を応能負担に戻す方針が掲げられていましたが、それには法律改正が必要になってしまうので、とりあえず自公政権と同じように負担上限月額の引き下げによって対応するようです。

  なお、自立支援医療の予算額が対前年度比+35.0%となっており、自立支援法施行から最大の伸びとなっています。



政策研究集会報告(第2回目)

(2)北日本のZ村で24時間介護利用者の1人ぐらし支援と村との困難な交渉

(3)都市部でも事業所が見つからなかったALS当事者の事例

 昨年12月初旬に行われた障害者政策研究集会2日目午後の自立支援分科会のパネラー(発題者)の現場報告を数回にわたって掲載します。
 今回は2人のパネラーの現場報告を掲載します。
 今回掲載の1人目は、北日本のZ村で24時間の介護の必要な脳性麻痺者の1人暮らしの支援を行っているCILの代表者の現地報告です。Z村との24時間介護に向けた交渉は困難で、村の反応はひどいものがあります。しかし、この実態が全国の自治体の多くと同じです。
 前回、1回目は過疎地の事業所がない問題を解決した北海道の事例でしたが、今回掲載の2人目は、都市部でもALSだと80か所もの事業所を断られ、自分でNPOの事業所を作らざるを得なかったというALS当事者若林さんの報告です。(なお、政策研究集会当日に時間がなくなって会場から発表いただけなかった、若林さんが作ったNPOが介護支援したALSの利用者の手記も後半に掲載しています)

(分科会当日発言資料より転載 交渉中のためZ村の名前が特定できないように伏字の部分があります)

北日本のZ村での24時間介護の交渉と自立支援

 Z村での自立支援について話します。
  平成※年に、N町で家族と同居しているが、そのN町を離れて一人暮らしをしたいという方から相談を受けました。Aさん。脳性マヒ。24時間介護が必要な方です。
Aさんは、Aさんが家族と住んでいたN町から車で1時間ほどのZ村で、障害者の自立生活・地域生活の重要性をアピールしていきたいという、自立の目的を持ち、社会参加活動を強く望んでいました。

 平成※年※月まで、自立生活に向けてピアカウンセリングと自立生活プログラムを行い、平成※年※月に、自立希望のZ村にヘルパー派遣時間の事前相談に行きました。  Z村に引っ越したい事。24時間介護が必要なこと。必要な介護が受けられるようにして欲しい事を話しました。
  それに対する村の回答は、「痰吸引など医療行為もなく、電動車椅子での移動が可能なので、必要性が低い。家族と同居の現状なら現状維持のまま実家で家族と暮らしなさい。家族が倒れたら、実家の町のヘルパーを数時間だけ使いなさい」また、「施設入所やデイサービス、短期入所など、他のサービスを併用せよ。支援費はデイ、ショートを使わないと24時間は無理。命に関わる支援はできない」つまり、「24時間のヘルパー派遣はできない」と言うものでした。また、Z村の財政が厳しい事、国庫補助負担金の廃止のことも理由にあげ、「引っ越すことを受け入れられない。転入を断る」と言われました。
  住みたい地域に住めないという現実に愕然としましたが、Z村に住みたい意思は変わりません。「転入を断る」と言われましたが、Aさんは、「転入する」と宣言しました。Z村は「どうしても転入するなら全てひっくるめても6時間までしか出せない」と言いました。この6時間を受け入れなければ、永遠に地域生活を始められないと判断したAさんは、ひとまず「身体介護6時間」の決定を飲むことにしました。その時にも、「24時間必要なことは事実として変わりはない。すぐに話し合いの場を持って欲しい」と訴えました。24時間必要なのに、6時間しか支給決定されなかったのです。ですが、介護は一日も欠かさず必要です。転入と同時に、生活保護の他人介護加算も使えるように準備をし、身体介護と生活保護の他人介護加算を合わせて10時間で、残る14時間は、緊急的にボランティアを探して、介護に入ることにしました。こうしてAさんは、平成※年※月※日に地域での自立生活をスタートさせました。
  数日暮らしてみていかに厳しいかを訴えていくこととし、その後、交渉を何度もしていきました。その中で、行政に言われたのは、

「最低限の保障という点で考えた時、貧困者には生活保護。障害者にはホームヘルプやデイやショートと、メニューが用意されている。デイやショートを使わないのは単なるわがまま。行政は社会保障をきちんとやっている。あなたが望んでいるのは、それ以上の恵まれた生活なのではないか」
「デイ、ショートなどの社会資源を使って欲しいと言っても、Aさんは村の意見を聞かない」
「Aさんの命がかかっているというのに、なぜ親が出てこないのか?障害者でも健常者でも関係なく、人として、子の危機に対して見殺しにする親などいないだろう?自分の命に代えても、借金してでも、子供を助けようとするだろう?なぜ、親ではなく、行政に来るのか?親の介入を希望しないというのは、これは希望と言えるのだろうか」
「Aさんには、帰るところがある。実家でヘルパーを使えばいい。自立はイコール一人暮らしではない」
「一年とか二年とかまずは自立訓練とかならまだわかるけど、なぜ、いきなりひとりで生活しなければならないのかがわからない」 「(デイやショートを使わないのであれば)空白をボランティアの介助つけるか、実家に帰るか、ふたつにひとつ!の道しかない」
「国がお金を出してくれないのに制度だけできて、村でも国が出してくれるなら出す」
「国庫補助上限の基準額を超えたら村の負担となる。24時間のホームヘルプは絶対認めない。却下する!」

つまり、何を言われているかと言うと

  • 国庫補助金超過分の25%を村が出せないから、認めない!
  • デイ、ショート、作業所、ボランティアを活用せよ!
  • 親に面倒を見てもらいなさい!

ということです。

 裏を返せば、村の25%負担がなければ、必要時間を認めてくれるはずです。 村が負担できないために、デイ、ショート、作業所、親の活用を言ってくるのです。

そのことに対して、

  • 常時介護を必要とする重度の脳性マヒ者が行けるデイ、ショート、作業所、の事業所がないこと
  • 親が介護できないこと。
  • Aさん自身がデイ、ショートをまったく望んでいないこと。デイ、ショートではなく、自分の体調に合わせた独自の生活スタイルの中での社会参加を望んでいること。

を、自立してから3年間、繰り返し繰り返し、説明し、話し合いを続けていますが、いまだに、必要時間数を出してもらえていません。
  この3年間、Aさんは本当に日々苦しみながら自立生活を続けています。制度の時間外、ボランティアが見つからない事も多々あり、交番や警察に介護を求めたりしています。それでも誰もいない時は、トイレにも行けず、水も一人で飲めず、ただじっと、時計を見つめて次の介護者が来てくれるのを待っているのです。

 Z村は、「空白時間は緊急的に支援をすると言った支援団体に介護してもらいなさい。行政に来るのは間違っている。支援団体と話し合いなさい」と、形式的には話し合いのテーブルにつきますが、まったく話しが進展しません。 こんなことを続けていたら、Aさんは死んでしまいます!
  でも、どんなに苦しくても、地域で暮らせるのが当たり前のはずだから、地域で暮らす事をあきらめていないのです。どうか、地域で当たり前に暮らしていくことにこんな苦しみを与えなくてすむように、皆様のご理解と、ご検討をお願い致します。



(分科会当日発言資料より転載)

東京でもALSでは事業所が見つからなかった報告

 東京都三鷹市で平成21年8月に介護事業を始めました、NPO法人ライフリンク東京の若林です。
 20代後半に発症して15年ほどのALS患者です。
 ALSは代表的な神経難病であり、運動神経が変性するために徐々に全身の筋肉が萎縮し呼吸筋が侵され、人工呼吸器を装着しないと3年から5年で死に至るとされています。5〜60代での発症が多く、患者の7割は人工呼吸器を選択しないとも言われています。
 近年はパソコンを意思伝達装置として活用し自己発信される方が増えました。 そのおかげで患者間の交流が盛んになり、症状も経過も多様で私のような若年発症で緩慢進行も珍しくはない印象を受けています。

 私は29歳からの4年間で、体の動きに違和感を覚えながら3人の子供を出産しました。
 運動神経の異変を妊娠による動き難さだと安易に考えていたのですが、末っ子が1歳になる頃には抱き上げる際に落としてしまうほど腕の筋力は落ちていて、そこでようやく受診し病名確定となり、状態に応じて公的支援を受けるようになりました。
 子供たちの物心がついた時にはすでに油の足りないロボットのような動きの母親でしたので、自然に幼い頃から手足になってくれました。
 しかし、私自身は家族による介護を望んでいませんでした。夫にも子供たちにも、それぞれの一度限りの人生を悔いなく生きてほしいと願っていました。

 と、だけ言えば美しい話かも知れませんが、やはり患者が女性の場合の家族、特に夫に介護を求めることは難しいことです。
 幼い子供たちを育てるためにも仕事は絶対に必要でしたが、疲れて帰っても支援の人たちの出入りで居場所はなく、子供相手に力を使い果たした病人がぐったりとしています。
 このままでは誰かが壊れてしまうとの危機感や私の障害の進行に反比例して、子供の成長により子育てに対する公的支援は受けられなくなり、家族介護に子供たちも組み込まれ、その負担が苛立ちを与えるようになりました。
 老老介護ならぬ、若若若介護は出口の一筋の光も見つけられないトンネルの入り口のようなもので、引き返してそれぞれの方向に歩くことが唯一の選択と思えたのです。
 夫の母に同居してもらい家族を託し、独居で在宅生活を始めたのが平成20年8月です。
 都立神経病院にお世話になっていましたので、医療面での在宅支援は心強かったのですが、問題は吸引と胃ろうでした。人工呼吸器は使用していませんが、 嚥下障害が現れたため誤嚥時等には吸引が必要になり、胃ろうからの水分や栄養補給もありました。
 家族同居の時から入ってもらっていた介護事業所は3業者で、そのうち大手の2業者は独居により家族による吸引ができなくなるために契約解除となりました。
 大手介護事業所はシステムもしっかりして安心感はありましたが、規定以外の対応は認めてはもらえず、担当していたサービス提供責任者、実際にケアに入るヘルパーは状況をよく理解し応援してくれていましたが、事業所の方針を覆すことはできず、涙の別れとなりました。
 残りの1業者は人工呼吸器装着者の吸引も行う数少ない事業所でしたが、それだけに重度障害利用者が集まってしまい、長時間の滞在介護をお願いできる余裕はありませんでした。
 ケアマネージャーと一緒に都内、近隣県に至るまで80ヶ所の事業所に問い合わせてくれたのは撤退した事業所の方でした。介護を提供する立場の人間として、撤退することに責任を感じ、私の生活をとても案じての行動だったと今でも感謝しています。
 しかし医療ケアを必要とする独居者を引き受けてくれる所はなく、残ったひとつの事業所の2名のヘルパーで1日12時間の長時間介護をまかなうため、夜勤明けで滑り込みのように交代するまで「動かずにじっと待て」というような危険な賭けのような新生活が始まりました。
 もしどちらかが体調を崩したりした場合、2〜3日まったく訪問がないこともありうるのです。
 綱渡りの日々を続けながら、心身を削るようにサポートしてくれるヘルパーと自分の命、そして同じような状況の人たちを助けたい、守りたいとの思いを共有した賛同者とNPO法人を設立しました。
 結局、介護事業所を立ち上げて移行するまでの1年近く、3名のヘルパーのみで生活できたのは、彼女たちの責任感と体力と、少しの運の強さだったのかもしれません。

 患者であり、介護を提供する側にもなり、どちらの都合も理解できる立場で、重度障害者を積極的に支援する介護事業所でありたいと奮闘しています。
  そして開設後の第一号利用者が同じALS患者の岡部さん(編注:この記事の後に寄稿あり)でした。やはり色々な事情から家族ではなく他人介護を希望され、同じマンションの別部屋の形で独居されていました。
 呼吸機能が低下して危険な時期なのに充分な介護時間支給が得られず、懸命に自治体と交渉を重ね「24時間介護が保障されないのなら呼吸器はつけず死にます」と宣言されていました。
 2年前にお会いしてから兄と慕い、「絶対に死なせない」と押しかけては生きて欲しいとお願いしました。踏み込んではいけない部分かもしれませんが、同病だからこそ言えたお節介です。
 しかし自治体の動きは非常に鈍く、岡部さんの病状の進行にはとても追いつけないまま気管切開、呼吸器装着の時を迎えてしまいました。 「呼吸器がついたら24時間の介護を認めますから」 なんて甘い言葉を何度も聞きましたが現実は呼吸器装着後、在宅療養生活に入られた今も24時間には遠く、多額の自費負担を強いられています。
 先日もALS患者の新規利用者のカンファレンスの際に、他区の福祉課の方に介護給付時間の上限をたずねてみました。 「うちは独居でも17時間です」と簡単に答えられました。
 いちばん平等でなければならない命に関わる大きな問題なのに、そんな意識はまったくないような、自信に満ちた迷いのない返答でした。地域、自治体により命の重みに差をつけているような現実に底知れない恐怖を感じています。
 もしも事業仕分けで重度障害者の命を繋ぐ予算が議題になった場合、いったいどんな言葉で表現されるのでしょう。「命を削減、見直してください」でしょうか。 そうでないことを信じて活動していきたいと思っています。

若林さんのNPOが介護支援している、東京都江東区のALS当事者岡部宏生さんの寄稿文

 発症から約4年、2009年9月に気管切開したばかりのALS患者です。 気管切開をするかどうか長く迷いましたが、生きると決めてもそれは生きたいということであり、生きられるかどうかはクリアしなければならない、大きな課題があります。
 江東区に一人住まいで、妻は同じマンションの別の階に母と同居しています。私の場合、介護をしてくれる家族は妻一人であり、その妻も大病をして引き取った母の介護と生計を立てる為にフルタイムで働くという状態で、とても気管切開した患者を介護できるものではありません。そこでどうしても介護の人手が必要でした。
 行政とは発病当時から特に交渉することもなく認定を受け、介護保険を利用していました。昨年、障害の移動支援を申し出たところ、当時は介護保険の要介護3でしたので、要介護5で保険を使い切らなければ障害支援費の給付は無理と言われました。  いろいろ聞き調べて、納得ができなかったので、厚生労働省の通達を添付して担当部署長宛に文書で申し出たところ、区内で新しい移動支援制度が創設され、他の障害者の人たちと一緒に活用できるようになりました。それを機に障害福祉の担当者とよく話ができるようになり、病気の進行に合わせて障害支援費の給付もスムーズに進みましたが、障害支援費の前例が月に280時間で、それを超えた給付は審査会も何度も通らず担当部署との協議も長くかかりました。
 そうしている間にも進行は止まることなく、何度か救急車を呼ぼうかと思ったことがあります。実際に救急車に乗るわずか2週間前にようやく過去の条件にかかわらず、支援費の給付決定がなされました。これは個人的な事情としてもたいへんありがたいことですが、自分が生きていく目的とも合致しているので、とても嬉しいことです。
 現在は気管切開、呼吸器後に在宅生活に向けて更なる交渉の結果、支援費が月に559時間になりましたが、看護と介護で1日24時間をカバーできないため4時間程度の自費負担が発生しています。 ALSは気管切開をせずに亡くなる人の方が多いのですが、その中には家族の介護負担を考え、生きることを諦める人もいます。少しでもこの現状が変わって欲しいと願うばかりです。
 もうひとつの大きな課題である介護者の確保についても都心部にもかかわらずとても困難で、特に夜勤をしてくれる方を探すことができませんでした。それを救ってくれたのがライフリンク東京でした。遠距離なので負担が多いことがとても気になりますが、介護をしてもらえる上に、自分を通して新しくALS患者のケアができるようになっていく若いヘルパーさんと共に過ごせる喜びも与えてくれました。このような人が増えてくれることが、私の生きることの目的のひとつなので本当に感謝しています。
 これからも介護者の支えがますます必要となりますし、妻の負担も増えていくことと思うので不安や悩みは尽きませんが、少しでも同病者の役に立てるように身体とは逆に成長していければと思います。



政府の障がい者制度改革推進会議が始まる

 先月号でもお伝えしましたが、民主党のマニフェストに従って政府の推進会議が始まりました。なお、名称が推進委員会から推進会議に変わりました。
 また、事務局の内閣府には参与としてDPIとJILの役員もしている東氏が入り、東氏が推進会議の事務方のトップになります。このほか会議の構成員にも当会が情報提供している関係団体が複数入っています。
 この会議では障害者自立支援法の廃止後に次回の総選挙までに新しい総合福祉法を作る役割も含まれています。
 会議は月に2〜3回で1回4時間以上と、ハイペースで開催されていく予定です。まず2月は障害者基本法から議論が始まり、そのあと、順番は決まっていませんが、差別禁止法・虐待防止法・自立支援法や教育・雇用・交通と情報アクセス・所得保障などが順に議論されていく予定です。今年夏までに中間まとめを出し、閣議でその内容を決定することで、各省庁を拘束する会議になります。予定では、中間まとめの後、専門部会をいくつか作り、その中でより専門的な検討を行っていく予定です。

自立支援法廃止と新法の今後の予定

 自立支援法に代わる新しい総合福祉法を作るスケジュールとしては、以下のように予想されています。まず、次回の衆議院選挙までに3年半ありますが、それまでに新しい法律を国会で成立させ、施行も済ませないと選挙でのメリットがないので、新法施行は次回の衆議院選挙の年(2013年)の4月(か遅くても7月)となる可能性が高いと思われます。そのためには、法律はその年の1月からの国会で提出が必要です。これに間に合わせるには、2012年の秋には制度の内容をほぼ完成させておかねばなりません。一方、新しい制度を作るには、いろいろな障害者本人や団体の状況に応じて意見を聞きつつ案を訂正していくことを何度も積み重ねないといい制度になりません。予算が確保できない場合は、第1案ではなく第2案を検討せざるを得なくなるなどといったことも、各分野で発生するでしょう。この議論の期間は1年では短く、最低1年半はかかります。(障害者自立支援法ではこの期間を極めて短くし、障害者団体の話をあまり聞かずに法改正したため、国庫負担基準オーバーなどの問題にも対策がとれずに、批判が相次いだ)。  

 推進会議は、まずは障害者基本法の改正から議論がスタートします。たとえば、障害者の介護は行政の責任であることの大原則や、施設ではなく地域で自立した生活ができることを大原則にするなど、基本法でも議論になると思われます。今後、推進会議の様子は掲載していきます。ぜひ、最新情報を把握して制度改正の議論に加わってください。また、推進会議は今後準備ができ次第、ネット配信も行われる予定です。
 第1回の会議の議事録は以下に掲載します。注目点として今後の進め方の案として東氏の提出資料を参照ください(下記HPの1番下の資料)。自立支援法裁判での厚生労働省との合意文書も注目です(5ページ先に解説記事)。

■第1回推進会議傍聴メモ(JIL作成傍聴記録から抜粋)
※このメモは傍聴者の速記メモです。正式な議事録ではありません。会場の音声が聞き取れなかった部分や、発言者の趣旨と異なる部分もあります。取り扱いにはご留意下さい。
当日資料は内閣府障がい者制度改革推進会議HPに掲載されています。 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_1/index.html

日時:平成22年1月12日(火)13:00〜15:00
場所:中央合同庁舎第4号館12階 共用1208特別会議室
議題:(1)推進会議の運営について
   (2)今後の進め方について
   (3)その他

1.構成員紹介 (*)…欠席
 大久保 常明 福)全日本手をつなぐ育成会常務理事
 大谷 恭子  弁護士
 大濱 眞   社)全国脊髄損傷者連合会副理事長
 小川 榮一  日本障害フォーラム代表
 尾上 浩二  NPO)DPI日本会議事務局長
 勝又 幸子  国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部長
 門川紳一郎  福)全国盲ろう者協会評議員
 川ア 洋子 NPO)全国精神保健福祉会連合会理事長
 北野 誠一  NPO)おおさか地域生活支援ネットワーク理事長
 清原 慶子  三鷹市長
 佐藤 久夫  日本社会事業大学教授
 新谷 友良  社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会常務理事
 関口 明彦  全国「精神病」者集団運営委員
 竹下 義樹  福)日本盲人会連合副会長
 土本 秋夫  ピープルファースト北海道会長
 堂本 暁子  前千葉県知事
 中島 圭子  日本労働組合総連合会総合政策局長
*中西 由起子 アジア・ディスアビリティ・インスティテート代表
 長瀬 修  東京大学大学院特任准教授
 久松 三二  財)全日本ろうあ連盟常任理事・事務局長
 藤井 克徳  日本障害フォーラム幹事会議長・日本障害者協議会常務理事
*松井 亮輔  法政大学教授
 森 祐司  福)日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長
 山崎 公士  神奈川大学教授
 オブザーバー 遠藤 和夫 日本経済団体連合会労働政策本部主幹

2.内閣府特命担当大臣挨拶
○福島内閣府特命担当大臣
(略)総理からの強い指示で12月15日に第一回障がい者制度改革推進本部の開催。 内閣総理大臣を本部長とし、すべての国務大臣で構成。
法律による設置をまたずにスタート、条約批准にむけて具体的に着手できる体制ができた。 制度改革推進会議は、集中的審議をするエンジン部。
当事者、あるいは家族が多く入っている。「私たち抜きに決めるな」を実現していきたい。
実施状況の監視、差別の禁止法制定も視野にいれる。教育、雇用分野の話し合いもしていく。夏までには一定のとりまとめを行い、閣議決定をし、各政策の見直しをする。 改革推進法案の取り扱いについても、検討する。
会議では、障害者の権利条約締結にむけて、
・障害者基本法の抜本的改正
・(仮)障害者総合福祉法制定
・障害者差別禁止法制のあり方 を。
1月7日には、障害者自立支援法訴訟の原告団と、厚生労働省との基本合意が取り交わされた。この推進会議があることも理由なので、しっかり話し合ってほしい。 2010年、あのときから障害者施策が変わったと、みんなでつくっていきたいので、活発な議論を。ご尽力をお願いします。

3.厚生労働政務官発言
○山井厚生労働政務官 基本合意の報告。12月から話し合い、1月7日に基本合意。
暮らしやすい社会をつくるために、争うのではなく、この推進会議で一緒につくっていく。

基本合意の際の長妻厚労大臣の発言。
・支援法を十分な実態調査なく、拙速な施行や応益負担の導入等で障害者、家族、関係者へ多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、反省の意を表明する。
・新たな総合的福祉制度を制定にあたって、反省をもとに推進本部で障害者の参画の下に十分な議論を行う。
・応益負担について、平成22年4月から低所得(市町村民税非課税)の障害者及び障害児の保護者につき、障害者自立支援法及び児童福祉法による障害福祉サービス及び補装具に係る利用者負担を無料とする。

政権交代のポイント。
政党をこえて、障害のある人を支えていくのが政治なのにできてなかったことが、交代の引き金になったのではないか。
この会議の場に入りたかった数百万の障害者の代弁をお願いします。
また、これまでの制度で尊い犠牲をだした反省から。 財源確保のために、国民全体に理解が広がっていくようなオープンな議論がされたらいい。
厚生労働省も全面的に協力し、ともにやっていきたい。

4.議長互選(省略)
5.議長挨拶・委員自己紹介(略)
6.議事
・推進会議の運営について 資料5

(中略)


・今後の進め方について
○東(内閣府参与)
当面5年を改革期間とする。権利条約の批准も考えると、3年を目処に精力的にすすめていきたい。全行程表はできてないが、会議の中で、夏までに改革の骨子、基本方針をまとめて本部にあげたい。
次回から何をするか。
たたき台資料として、大枠の論点をかいている。基本法、差別禁止法、虐待防止法、自立支援法、総合福祉サービス法、教育、雇用、交通情報アクセス、精神医療、所得保障、福祉経済予算の確保、障害の表記。分野ごとに、論点が100くらいある。
書いてある論点は、たたき台。もれている論点があれば議題にしていきたい。
大枠で議論したことを各部会で議論していく。全部会を同時進行は実際に難しいので、選択が必要。
夏までに議論し、省庁のヒアリングを実施する。会議は月2回、1回4時間。
次回、2月2日には障害者福祉法について議論する。どれくらいの時間がかかるかなど、試験的に実施したい。
大枠についての論点を、文書で提出してほしい。1月22日(金)までに意見提出を。方法については、追って通知する。

○山崎
部会について。次回、提案がでるのか?
○東
どのような部会を設定するか、会議をすすめないとわからないと思っている。夏をめどに。
○関口
夏までに出してある論点を最後までやるってこと?
○東
基本的にそう。
○関口
最初にもらった資料6の論点。条約と照らし合わせたもの、違和感があった。
条約に準拠したものと考えてよいか?
○東
資料6は、説明資料と理解を。
○尾上
次回の資料について、お願いを。推進本部や推進会議ができた背景は、民主党野党時代の17項目と関連してくると思うので、対照表で確認できるようにしてほしい。
また、障害者の権利条約の論点整理としては、JDFは日本政府と9回にわたって意見交換してきた。そのときの意見書、基本法改正案を資料としてほしい。論点のふりかえりをできるように。
○東
たたき台は、17項目と対応関係はないが、法律に落とし込むことを考えると、既存の法律をベースにわりふったほうがわかりやすいかと、17項目を考慮してつくった。
○尾上
事前資料では17項目との関連性がみえなかった。
○東
資料6は、論点ではなく、基本法との関係の説明資料。今日のたたき台をベースに議論をすすめたい。委員はJDF加盟団体ばかりではない、これまでのJDFの活動を当然の前提とするのではなく、JDFからまとめた資料をだしていただければ。
(略)
○大濱
来年度予算に反映されるのか、谷間の問題など。
○東
緊急的に対応しなくてはならないものもある。新たな法制度をどうつくっていくか、と、現状をできるだけ目指す方向に近づける、と両方ある。どの時期に何を議論するかは、論点表にはだしてない。提案があればだしてほしい。
一応、予算要求の前までに意見をとりまとめたい。
○藤井
自立支援法の基本合意。谷間、自立支援医療。この基本的な論点と、緊急課題、ダブルトラックで進めたほうがいい。東さんの意見を支持する。
○東
基本合意は、厚労省と弁護団。当面は、厚労省がどう対応するか、という問題とともに、どう推進会議で検討するか。
○大久保
制度改革推進法案。審議会や中障協の整理、とりあつかいはどう考えている。
○東
基本法にもとづく中障協と、この会議の議論や整理が必要。改革の方向性について。次回の話とダブる、基本法ともダブる。そういう前提条件で、推進会議の意義をどう評価するか。これも検討を進めながら、並行しながら考えていくしかない。


(重要な部分のみ抜粋しました。内閣府HP掲載の当日配布資料を見ながらお読みください)

 



自立支援法訴訟原告団と厚労省の基本合意

 2008年10月から自立支援法の違憲訴訟が全国規模で展開されていましたが、今年1月7日に訴訟団と厚労省の間で和解が成立し、基本合意が結ばれました。
  違憲訴訟では主に応益負担の問題が取り上げられていましたが、今回の基本合意では、もう少し広い範囲のテーマが扱われています。

厚労省との間で合意された事項(主なもの)としては、

  • 2013年までに自立支援法を廃止して新しい総合的な福祉法制を実施する。
  • 2010年(今年)4月から、障害福祉サービスと補装具について、市町村民税非課税の障害者の利用者負担を無料にする。
  • 自立支援医療について、市町村民税非課税の障害者の利用者負担の無料化を最優先課題とする。

などが挙げられています。

また、厚労省が検討を約束した事項の1つとして「支給決定のあり方」が挙げられています。これについては、合意事項とは別に原告団からの指摘事項のでも以下のように触れられています。

  • どんなに重い障害を持っていても障害者が安心して暮らせる支給量を保障して個々の支援の必要性に即した決定がなされるように、支給決定の過程に障害者が参画する協議の場を設置するなど、その意向が十分に反映される制度とすること
  • 国庫負担基準制度、障害程度区分制度の廃止を含めた抜本的な検討
  • 介護保険優先適用から障害特性に配慮した選択制への移行

これに関連して、推進会議の第1回会合で藤井副議長(JDF幹事会議長、JD常務理事、きょうされん常務理事)が、推進会議で制度改革を検討するにあたっての理念として、障害者権利条約と並んで、この基本合意を挙げています。その意味でも大いに注目する必要があります。



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

2009年5月より重度訪問介護の給与に12%加算手当開始(条件あり)
(区分6むけ時給1250円の方は、加算がつくと、+150円で時給1400円に。)

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は求人して人が集まる金額にアップする個別相談システムもあります。

利用の方法
 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から障害や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行いヘルパー制度の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京都と周辺県は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、重度訪問介護で区分により時給1100(区分5以下)・1250円(区分6)・1450円(最重度)が基本ですが、長時間利用の場合、求人広告して(広告費用助成あり)人が確保できる水準になるよう時給アップの相談に乗ります。(なお、2009年5月より重度訪問介護のヘルパーには12%の手当てを加算します。(手当ては、厚生年金に入れない短時間の方のみ。また、契約時間120時間未満の利用者の介護者は加算がつきません)。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、重度訪問介護研修修了者などのいずれかの方である必要があります。(3級は障害の制度のみ。介護保険には入れません)。重度訪問介護は、障害者が新規に無資格者を求人広告等して確保し、2日で20時間研修受講してもらえば介護に入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

2009年10月よりさらに大幅時給アップ(東京ブロックほか)

 

 補正予算による基金事業を財源に、2009年10月より臨時手当がつきます。各地で額は違いますが、広域協会東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部)では、以下のように臨時手当により時給がアップします。

<09年10月以降の時給体系>(東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部))

重度訪問介護(最重度) 1830円(基本給1450円+保険手当170円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分6) 1610円(基本給1250円+保険手当150円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分5以下) 1440円(基本給1100円+保険手当130円(※2)+臨時手当210円)
身体介護型(※1) 1.5hまで時給2110円(基本給1900円+臨時手当210円)
1.5h以降時給1510円(基本給1300円+臨時手当210円)
家事援助型(※1) 時給1210円(基本給1000円+臨時手当210円)
介護保険身体介護型(※1) 1.5hまで時給2090円(基本給1900円+臨時手当190円)
1.5h以降1490円(1300円+臨時手当190円)
介護保険生活援助型(※1) 時給1190円(基本給1000円+臨時手当190円)

(※1)身体介護型に3級ヘルパーやみなし資格者が入る場合、時給が70%(東京地区以外の場合1.5時間まで1050円、1.5時間以降840円)、家事援助・生活援助は90%(900円)になります。

(※2)保険手当は、当会で重度訪問介護を120h以上利用している利用者のヘルパーのうち、社会保険非加入者に対して支給されます。常勤の4分の3以上稼動して社会保険に加入した場合、手当の支給はありません

 

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます
求人広告費助成・フリーダイヤルでの求人電話受付代行なども実施

 全国広域協会の利用者の登録介助者向けに重度訪問介護研修を開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。(東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でOK。残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。障害の身体介護に入れる3級ヘルパー通信研修も開催しています。通信部分(2週間)は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能。3級受講で身体介護に入ることができます。3級や重度訪問介護の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、研修参加費・東京までの交通費・宿泊費・求人広告費を全額助成します。(3級は身体介護時給3割減のため、働きながら2級をとればその費用も助成対象です)。求人広告費助成・フリーダイヤル求人電話受付代行、必ず人が雇える効果的な広告方法のアドバイスなども実施。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の自薦の利用についてのQ&A 求人広告費用を助成・ヘルパー研修の費用や交通費・宿泊費を助成

 自薦ヘルパーの確保は、みなさん、どうしているのでしょうか?
  知人などに声をかけるのでしょうか?

 多くの障害者は、求人広告を使っています。多いのはコンビニなどで無料で駅やコンビニなどで配布しているタウンワークなどです。掲載料は1週間掲載で1番小さい枠で2〜3万円ほどです。
  重度訪問介護は、かならず8時間程度以上の連続勤務にし、日給1万円以上で広告掲載します。無資格・未経験者を対象に広告を出します。
  全国広域協会では、求人広告費用も助成しています。(広告内容のアドバイスを広域協会に受け、OKが出てから広告掲載した場合で、雇った介護者が一定時間介護に入ったあとに全額助成)長時間連続の勤務体系を組めば、かならず介護者を雇用できるようにアドバイスいたします。
  また、求人広告は利用者各自の責任で出すものですが、問い合わせ電話はフリーダイヤル番号を貸付します。電話の受付も全国広域協会で代行します。   

  つぎに、数人〜数十人を面接し、採用者を決めます。採用後、自分の考え方や生活のこと、介護方法などをしっかり伝え、教育します。
  その次に、たとえば重度訪問介護利用者は、雇った介護者に重度訪問介護研修(20時間)を受講させる必要があるので、東京本部や東海・関西・西日本の関係団体などで、重度訪問介護研修(東京で受講の場合は2日間で受講完了)を受講させます。
  全国広域協会では、研修受講料・交通費・宿泊費も助成しています(自薦ヘルパーが一定期間介護に入ったあとに、全額助成します。)
 (障害のヘルパー制度で身体介護利用者は、3級研修を受講することが必要で、2週間の自宅学習のあと2泊3日で東京や西日本に受講に行く必要があります。3級は時給が3割ダウンです。働きながら2級研修を地元などで受講します。3級や2級の受講料は一定期間働いたあとに全額助成します)
 (介護保険で身体介護利用者のヘルパーは、2級を受講する必要がありますので、無資格者をいきなり雇用するのは困難です。2級限定の求人を出すしかありませんが、2級を持っている労働人口が無資格者に比べてとても少ないので、かなり給与が高くないと、求人しても人が集まりにくいです。最重度の場合は介護保険を受けていても、上乗せして障害の重度訪問介護などを利用できますので、まずは障害の制度部分のみで自薦ヘルパーを雇用して、働きながら2級をとり、介護保険も自薦にするという方法があります。この場合でも2級受講料を一定時間後に助成します)

ヘルパーの保険や保障も充実

 全国広域協会を使う障害者の自薦ヘルパーの怪我や物品損傷などの保険・保障は?

 民間の損害保険に入っているので、障害者の持ち物や福祉機器を壊したり、外出介護先で無くしたりしても、損害保険で全額保障されます。
 また、ヘルパーの怪我は労災保険で、治療代や収入保障が得られます。病気で連続4日以上休むと社会保険から(常勤の4分の3以上の人に限る)保障されます。通院・入院などは民間の損害保険からも給付が出る場合があります。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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