障企第16号

                            障障第8号

                            平成12年3月24日

  都道府県

各 指定都市 障害福祉主管部(局)長 殿

  中核市

 

                   厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長

                   厚生省大臣官房障害保健福祉部障害福祉課長

 

 介護保険制度と障害者施策との適用関係等について

 本年4月1日より施行される介護保険制度と障害者施策(身体障害者施策及び知的障害者施策をいう。以下同じ。)の関係や、身体障害者及び知的障害者(以下「障害者」という。)への適用等についての考え方は次の通りであるので、ご承知の上、管下市町村及び関係事業者等関係方面への周知、指導等について御配慮願いたい。

 

1.介護保険制度と障害者施策との適用関係の基本的な考え方について

(1)障害者についても、40歳以上の者は、原則として介護保険の被保険者となる。

 ただし、次の@〜Eの施設に入所又は入院している者については、当該施設から介護保険におけるサービスに相当する介護サービスが提供されていること、当該施設に長期に継続して入所又は入院している実態があること等の理由から、介護保険法施行法第11条及び介護保険法施行規則第170条の規定により、当分の間、介護保険の被保険者とはならないこととされている。

@ 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第30条に規定する身体障害者療護施設

A 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第43条の4に規定する重症心身障害児施設

B 児童福祉法第27条第2項の厚生大臣が指定する国立療養所等(重症心身障害児(者)病棟又は進行性筋萎縮症児(者)病棟)

C 心身障害者福祉協会法(昭和45年法律第44号)第17条第1項第1号に規定する福祉施設

D 国立及び国立以外のハンセン病療養所

E 生活保護法(昭和25年法律第144号)第38条第1項第1号に規定する救護施設

(2)65歳以上の障害者が要介護又は要支援状態となった場合(40歳以上65歳未満の者の場合は、その要介護又は要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身上の変化に起因する特定疾病によって生じた場合。(以下「特定疾病による場合」という。)には、要介護又は要支援認定を受け、介護保険から介護保険法に定める保険給付を受けることができる。その際、障害者施策と介護保険とで共通するサービス(以下「在宅介護サービス」という。)については、介護保険から保険給付を受けることとなるので、支給された介護給付と重複する障害者施策で実施されている在宅介護サービスについては、原則として提供することを要しない。また、障害者に対する在宅介護サービスの適切な提供を行う上で、当該障害者の要介護状態等の把握を行うことが必要となるので、65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上65歳未満)の障害者が、在宅介護サービスを利用しようとする場合は、介護保険法に基づく要介護等認定申請を行うよう、周知徹底を図られたい。

 なお、特定疾病による障害がある者の把握については市町村が備える身体障害者更生指導台帳及び身体障害者手帳交付状況台帳によりチェックすることとなるが、市町村において十分な情報を把握できないとして、都道府県や更生相談所に対して情報提供の依頼があった場合には、市町村に対して積極的な協力をお願いしたい。

 なお、事業者が介護保険の保険給付として在宅介護サービスの提供を行うためには、「指定居宅介護サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年3月31日厚生省令第33号。以下「居宅サービス基準」という。)の要件を満たし、指定居宅サービス事業の指定等を受けることが必要であるので、念のため、申し添える。

(3)一方、障害者施策で実施されている在宅サービスのうち、ガイドヘルプサービスや各種の社会参加促進事業など介護保険の保険給付にはないサービスについては、引き続き障害者施策から提供される。

 なお、これらの障害者施策で実施されている在宅サービスについては、介護保険制度における居宅介護サービス費区分支給限度額の対象となる居宅介護サービスとならないので念のため申し添える。

(4)施設サービスについては、介護保険施設と障害者施設とでは、それぞれ目的、機能が異なっており、これらに照らして、障害者施設への入所(通所を含む。)が必要であると認められる場合には、介護保険法に定める保険給付を受けることができる場合であっても、障害者施設への入所(通所を含む。)が認められる。

 

2.在宅サービスについて

 介護保険制度と障害者施策の適用関係等の概算については1.に示したところであるが、在宅サービスの種類ごとの介護保険制度との適用関係等は、以下のとおりである。

(1)ホームヘルプサービス(訪問介護)

@ 適用・給付関係について

 ホームヘルプサービスについては、原則として介護保険と共通するサービスであるので、65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上65歳未満)の障害者が要介護又は要支援の状態となった場合は、要介護等認定を受け、介護保険の保険給付としてサービスを受けることとなる。

 ただし、ガイドヘルプサービスについては、介護保険の保険給付にはないサービスなので、1.(3)において述べたとおり、引き続き障害者施策から受けることとなる。

 なお、ホームヘルプサービスにおいては、介護保険法の保険給付に比べてより濃密なサービスが必要であると認められる全身性障害者(両上肢、両下肢のいずれにも障害が認められる肢体不自由1級の者及びこれと同等のサービスが必要であると市町村が認める者)については、社会生活の継続性を確保する観点から、介護保険では対応できない部分について、引き続き障害者施策から必要なサービスを提供することができることとする。なお、本措置については@介護保険の1週間当たりの訪問通所サービス区分の支給限度基準額)(平成12年3月1日老企第38号厚生省老人保健福祉局企画課長通知参照)まで介護保険のサービスを受ける場合であって、かつ、A介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を@の基準額のおおむね5割以上利用する場合に対象とするものとする。

 また、コミュニケーション援助等固有のニーズに基づくサービスが必要であると認められる聴覚障害者及び視覚障害者並びに知的障害者についてや、通院介助等の固有のニーズに基づくサービスが必要であると認められる内部障害者について、介護保険の要介護認定等の結果、非該当と判定された場合には、引き続き障害者施策から必要なサービスを提供することができることとする。なお、非該当以外と判定された場合であっても、市町村が、障害の程度や家族の状況等も総合的に勘案し、社会生活の継続のために特に必要があると認めるときは、引き続き障害者施策から必要なサービスを提供することができる。

A 介護保険の指定訪問介護事業者の指定等について

 現に障害者に対してホームヘルプサービスを提供している事業者が、65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上65歳未満)の障害者に対し、介護保険法施行後も保険給付の対象として、引き続きホームヘルプサービスを提供するためには、介護保険法に基づく指定を受ける必要があるので、その旨、管下市町村及び事業者に対して周知されたい。

 なお、法人格を有しない等により、居宅サービス基準の指定訪問介護事業者の要件を満たされない場合であっても、居宅サービス基準の基準該当訪問介護サービスとして特例居宅介護サービス費の支給対象となるので、管下市町村及び関係者に周知されたい。

 なお、指定訪問介護事業者の指定等を受けるためには、老人福祉法第14条第1項の規定に基づき老人居宅生活支援事業の届出が必要であることから、上記指定等に当たっては、併せて当該届出を行うよう指導されたい。

B 障害者施策によるホームヘルパー研修について

 障害者施策により実施している障害者ホームヘルパー養成研修を受講した者には、介護保険の訪問介護員等の資格要件である一定の研修を受講したこととなるので、指定訪問介護事業者の事業に従事すれば介護保険の保険給付としてホームヘルプサービスを提供することができる。

(2)デイサービス(通所介護)

@ 適用・給付関係について

 デイサービスについては、65歳以上(特定疾病による場合は、40歳以上65歳未満)の障害者が、要介護又は要支援の状態となった場合は、要介護等認定を受け、介護保険の保険給付としてデイサービスを受けることとなる。

 ただし、障害者施策で行われている身体障害者デイサービス事業にあっては創作的活動及び社会適応訓練、知的障害者デイサービス事業にあっては文化的活動及び社会適応訓練といった障害者に固有のサービスを提供していることから、例えば、加齢に伴う特定疾病による障害を有する40歳以上65歳未満の障害者や65歳以前から引き続いて障害者施策で実施されているデイサービスを受ける者等が、こうしたサービスを希望し、これらの固有のサービスの提供が必要であると認められる場合には、当該サービスにおいて給食や入浴といった介護保険の通所介護(デイサービス)と共通する部分があったとしても、社会適応訓練等と給食等を一体として障害者デイサービスとして利用を認めても差し支えない。ただし、介護保険の通所介護(デイサービス)と障害者デイサービスを併せて利用する場合には、障害者デイサービスの提供に当たっては、介護保険の通所介護(デイサービス)の利用実績も考慮をの上、障害者デイサービスの提供の必要性や内容の決定を行われたい。

 なお、平成12年度から実施することとしている訪問入浴サービスについては、障害者施策と介護保険とで共通するサービスであるため、介護保険の保険給付が優先されることとなる。

A 介護保険の指定通所介護事業者の指定等について

 身体障害者デイサービス事業又は知的障害者デイサービス事業(以下「障害者デイサービス事業」という。)を行う事業者が介護保険の指定通所介護事業者の指定を受け、又は基準該当通所介護事業者として市町村に登録されて通所介護を提供する場合には、障害者に対するサービス提供に支障が生じないようにする必要がある。

 従来から、障害者デイサービスを行っていた事業者が、指定通所介護事業者の指定を受け、又は基準該当通所介護事業者として通所介護を提供するに当たっては、当該デイサービスを提供する事業所の利用定員のうち、その過半が障害者施策のデイサービスの定員枠となるよう指導されたい。ただし、介護保険の定員分を新規に併設する場合は、この限りではないので、念のため申し添える。

 なお、指定通所介護事業者の指定等を受けるためには、老人福祉法第14条第1項の規定に基づき老人居宅生活支援事業の届出が必要であることから、上記指定等に当たっては、併せて当該届出を行うよう指導されたい。

(3)ショートステイ(短期入所生活介護)

@ 適用関係について

 ショートステイについても、65歳以上(特定疾病による場合は、40歳以上65歳未満)の障害者が要介護又は要支援の状態となった場合は、要介護等認定を受け、介護保険の保険給付を受けることとなる。

 ただし、障害者が障害者施策で実施されているショートステイの利用を希望し、かつ、身近に介護保険の短期入所生活介護事業所がない場合などやむを得ない事情がある場合には、障害者施策のショートステイの利用を認めても差し支えない。

A 介護保険の指定短期入所生活介護事業者の指定等について

 居宅サービス基準における指定短期入所生活介護事業の基準においては、@空床利用ができる施設としては特別養護老人ホームが、A併設型の施設としては特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、病院、診療所、介護老人保健施設又は特定施設入所者生活介護の指定を受けている施設(有料老人ホーム及びケアハウス)が、B単独型施設としてはその利用定員が20人以上のものが指定の対象とされており、障害者施設は、いずれの指定の対象にもならない。

 しかしながら、居宅サービス基準の基準該当短期入所生活介護に係る基準においては、社会福祉施設に併設する利用定員が20人未満の施設においても、必要な人員を確保し、専用の居室を設ける等の措置を講じた上で、基準該当短期入所生活介護事業の基準を満たす場合には、介護保険法上の基準該当居宅サービスとして保険給付の対象とすることとしている。このため、障害者施設に併設する施設を基準該当短期入所生活介護に活用することも可能であるので、その旨、管下市町村に周知されたい。

 なお、障害者施設の併設施設が提供するサービスが上記の基準該当居宅サービスとして保険給付の対象となる場合においても、障害者に対するサービス提供に支障が生じないようにする必要があることから、基準該当居宅サービス事業者としてショートステイを提供するに当たっては、そのショートステイを提供する事業所の利用定員のうち、その過半が障害者施策のショートステイの定員枠となるよう、事業者に対して指導されたい。

 

(4)補装具及び日常生活用具

 介護保険の対象となる福祉用具の品目としては、平成11年3月31日厚生省告示第93号及び第94号により、貸与品目として、車いす、車いす付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、じょく瘡予防用具、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、痴呆性老人徘徊感知機器、移動用リフト(つり具の部分を除く)が、購入費支給品目として、腰掛便座、特殊尿器、入浴補助用具、簡易浴槽及び移動用リフトのつり具の部分が、それぞれ定められたところであるが、障害者施策における補装具及び日常生活用具と介護保険の福祉用具の関係については、以下のとおりとする。

@ 補装具

 介護保険で貸与される福祉用具としては、補装具と同様の品目(車いす、歩行器、歩行補助つえ)が含まれているところであり、それらの品目は介護保険の保険給付として給付されることとなる。しかし、車いす等保険給付として貸与されるこれらの品目は標準的な既製品の中から選択することになるため、医師や更生相談所等により障害者の身体状況に個別に対応することが必要と判断される障害者については、これらの品目についても、身体障害者福祉法に基づく補装具として給付して差し支えない。

A 日常生活用具

 日常生活用具については、障害の状況に応じて個別に適合を図るものではないことから、介護保険の保険給付の対象となる品目(特殊寝台、特殊マット、体位変換器、歩行支援用具、移動用リフト、特殊尿器、入浴補助用具、便器及び簡易浴槽)については、介護保険から貸与や購入費の支給が行われることとなる。

 介護保険の福祉用具の対象となっていない品目については、引き続き日常生活用具給付等事業として給付等が行われる。

 

3.施設サービスについて

(1)適用関係について

 施設サービスについては、上記1.のとおり、それぞれの施設の目的や機能に照らして、入所(通所を含む。)の必要性が認められる場合には、介護保険の保険給付を受けられる者であっても、障害者施設への入所(通所を含む。)が認められるものであるが、具体的には以下のような取扱いとする。

@ 障害者施設に入所している者について

ア)身体障害者更生施設、知的障害者更生施設

 65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上65歳未満)の障害者が、介護保険の保険給付を受けられる者であっても、更生訓練等を受けることを希望し、入所の必要性が認められる場合は、継続して入所することが可能である。

イ)身体障害者授産施設、知的障害者授産施設

 65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上65歳未満)の障害者が、介護保険の保険給付を受けられる者であっても、引き続き必要な訓練を行い、就労の場の提供を受けることを希望し、入所の必要性が認められる場合は、継続して入所することが可能である。 

ウ)身体障害者療護施設

 身体障害者療護施設の入所者は、上記1.(1)のとおり介護保険の被保険者とならないものであり、65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上65歳未満)になっても、継続して入所することが可能である。

A 介護保険の居宅サービスを利用している障害者による障害者施設の通所利用について

ア)身体障害者更生施設、知的障害者更生施設

 専門的な更生訓練等の必要があると認められる場合には、通所利用が可能である。

イ)身体障害者授産施設、知的障害者授産施設

 必要な訓練を行い就労の場を提供する必要があると認められる場合には、通所利用が可能である。

ウ)身体障害者療護施設通所型

 機能を維持し又は機能の減退を防止するための訓練や養護を行う必要があると認められる場合には、通所利用が可能である。

B 介護保険の保険給付を受けられる者が障害者施設に入所しようとする場合について

 介護保険の保険給付を受けられる者であっても、身体障害者更生施設、身体障害者授産施設、身体障害者療護施設、知的障害者更生施設及び知的障害者授産施設への入所を希望する場合については、それぞれの施設の目的や機能に照らして、入所の必要性があると認められる場合には、それぞれ入所が可能である。

 

4.身体障害者療護施設等入所者の介護保険サービスの利用について

 身体障害者療護施設等の入所者については、上記1.(1)のとおり、介護保険の被保険者とならない。

 しかし、身体障害者療護施設等を退所すれば介護保険の被保険者となるものであり、要介護又は要支援認定を受ければ、介護保険施設に入所(要介護認定を受けた場合に限る。)し、又は在宅で介護保険の居宅サービスを利用することができる。

 なお、身体障害者療護施設等の介護保険適用外施設から特別養護老人ホーム等の介護保険施設に移る場合、施設サービスの継続的な提供が必要と認められるときは、身体障害者療護施設等から退所する前から、要介護認定手続きを行い、退所期日に合わせて要介護認定結果の通知と被保険者証の交付を行うといった取扱いを図ることにより、身体障害者療護施設等から特別養護老人ホームへの入所を行うことも可能である。

 

5.利用者負担について

 利用者負担については、介護保険給付としてサービスを受ける場合には原則1割負担、障害者施策からのサービスを受ける場合には、従来どおり所得に応じた負担となる。なお、介護保険への移行に伴う負担の激変緩和を図る観点から、低所得者の介護保険の利用者負担について、従来、障害者施策からホームヘルプサービスを受けていた65歳以上の低所得の障害者等(生計中心者が所得税非課税である場合)が介護保険給付としてホームヘルプサービスを受ける場合には、平成16年度までの間、3%に負担を軽減することとされている。

 具体的には、生計中心者が所得税非課税であって、次のいずれかに該当する者が対象となる。

 ア 若年の頃から障害者施策によるホームヘルプサービスを利用していた障害者(65歳の年齢到達前の概ね1年の間に利用実績のある者)で65歳になって介護保険の対象となった者

 イ 介護保険施行時において高齢者施策又は障害者施策によるホームヘルプサービスを利用していた65歳以上の障害者のうち、65歳前の障害を原因として手帳の交付を受けている者

 ウ 特定疾病により要介護又は要支援の状態となった40歳以上65歳未満の者

 

6.介護保険法の施行に伴う障害者サービスの提供体制の整備について

 介護保険法の施行後においても、若年障害者に対し、介護保険と遜色のないサービスが提供できる体制の整備を図られたい。

 特に、ホームヘルプサービスについては、必要な事業量等をできる限り把握し、それに対応したホームヘルパーの確保等必要なサービス提供体制の整備について、管下市町村等に対し指導されたい。また、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者等の固有のニーズに応じた適切なサービスが提供できるよう、質の確保にも留意されたい。

 

  

 

 

                                  事 務 連 絡

                                 平成12年3月24日

  都道府県

各 指定都市 障害福祉主管部(局)長 御中

  中核市

                          厚生省大臣官房障害保健福祉部

                                企画課・障害福祉課

 

 

           介護保険への円滑な移行のための措置について

 本日付けで、介護保険と障害者施策の関係について、障害保健福祉部企画課長・障害福祉課長通知を発出したところである。障害者施策による在宅介護サービスを受けている者であって要介護認定等の申請が必要な者については、かねてより、当該申請を行うよう奨励いただいているところであるが、今般、円滑な移行のため、以下のとおり取り扱うこととしたので、周知徹底を図られたい。

 

 

1 要介護等認定の促進について

 障害者施策と介護保険とで共通する在宅介護サービスについては、介護保険から保険給付を受けることが基本となるので、65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上65歳未満)の障害者が、4月以降、ホームヘルプサービス等在宅介護サービスを継続して利用しようとする場合は、予め介護保険法による要介護認定の申請を行い、要介護又は要支援の判定を受ける必要がある。

 介護保険法では、3月中に判定結果が得られていない者や居宅介護サービス計画(ケアプラン)を市町村に届け出ていない者であっても、償還払いの形で4月1日から介護保険給付を受けることが可能とされているが、低所得のため償還払いの形をとることが困難である場合等、市町村が特に必要があると認める場合は、3月末までに要介護認定等の申請を行っている者に限り、4月以降も、判定結果が出て、ケアプランを市町村に届け出るまでの間、障害者施策としてホームヘルプサービス等を提供して差し支えないこととするので、現在障害者施策による在宅介護サービスを受けている者であって要介護認定等の申請が必要な者については、3月末までに申請を行うよう、周知徹底を図られたい。

2 研修未受講のホームヘルパーについての特例措置について

 現在、一部の自治体においては、全身性障害者に対し、本人の障害の状況を熟知し、本人と的確にコミュニケーションがとれる者を選任するという観点から、採用時研修の未受講者であっても、障害者本人が指定する者を障害者ホームヘルパーとして登録して対応しているところがある。しかし、研修を受けていない者は、介護保険の訪問介護員等の資格を有しておらず、また、指定訪問介護事業者の事業に従事していない場合は、介護保険の保険給付としてホームヘルプサービスを提供することはできない。

 これらの者が全身性障害者に対して介護保険の訪問介護員等として訪問介護(ホームヘルプサービス)を提供し、これと併せて一体的に障害者施策としてのホームヘルプサービスを提供できるよう、介護保険の訪問介護員等の資格を取得するための研修受講を勧奨することが必要である。

 このため、障害者ホームヘルパーの養成研修事業については、受講希望者が研修定員を上回っている実態にあるが、これらのホームヘルパー業務に従事していながら採用時研修の修了していない者を優先して研修に参加させるよう取り計らわれたい。

 なお、この養成研修事業に関連して、研修の受講料、研修受講期間中の手当の取扱いについては、これまでどおり国庫補助対象とすることとしているので、受講者はテキスト代のみの負担となる。

 また、これらの者が提供するホームヘルプサービスについては、速やかに所要の研修を修了して介護保険の訪問介護員等となれるよう必要な対応をすることを条件として、平成12年度に限り、特例的に障害者施策のホームヘルプサービスとして国庫補助の対象とすることとする。なお、この場合の国庫補助基準単価については、別途示す国庫補助基準単価の95%とする予定である。

HOMETOP戻る