平成24年4月に改正された解釈通知の人員配置基準について(解説)

平成24年4月の報酬改定に併せて、障害福祉サービス事業所の基準省令の解釈通知も改正され、厚労省HPに掲載されています。

■平成24年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省障害保健福祉部HP)

■基準省令の解釈通知(事業所の管理者は熟読必須です)

今回の改正では、ヘルパー事業所のサービス提供責任者の要件の緩和がありました。よって、これまでサービス提供責任者が足りなくなるからという理由でサービス提供を断られていた障害者は、もう1度いろいろな事業所に聞いてみれば、サービスが受けられる可能性があります。

WAMネットの事業所リストを見て、サービス利用の条件を書いて、FAX等で一斉に全事業所に問い合わせを送るのが便利です。利用者からの利用の問い合わせに対して、事業所は必ず回答しなくてはいけない決まりになっています。

 

注目点を以下に記します。

 

第三 居宅介護、重度訪問介護、同行援護及び行動援護

└1 人員に関する基準

└(8) 人員の特例要件について

└@ 指定居宅介護事業者が、指定重度訪問介護、指定同行援護又は指定行動援護の事業を併せて行う場合の要件

└イ サービス提供責任者 (p27

・・・ ただし、指定重度訪問介護事業所が指定居宅介護、指定同行援護又は指定行動援護の事業を併せて行う場合のサービス提供責任者の配置の基準は、次のいずれかに該当する員数を置くこととする。(同上)

a  (2)の@の基準のいずれかに該当する員数(ただし、(2)の@のアのcによりサービス提供責任者の員数を算出する場合においては、重度訪問介護の利用者が10人以下の場合に限り、「指定重度訪問介護の利用者の数が40人又はその端数を増すごとに1人以上」に読み替えて算出することができるものとする。) ・・・

【解説】

居宅介護と重度訪問介護を行う事業所は、重度訪問介護10人までは「利用者40人にサービス提供責任者1人」の基準に読み替えてOKです。これは交渉で入った基準です。

 

第三 居宅介護、重度訪問介護、同行援護及び行動援護

└1 人員に関する基準

└(8) 人員の特例要件について

└A 介護保険との関係 (p28

介護保険法(平成9年法律第123号)による指定訪問介護又は指定介護予防訪問介護(以下このAにおいて「指定訪問介護等」という。)の事業を行う者が、指定居宅介護、指定重度訪問介護、指定同行援護又は指定行動援護(以下このAにおいて「指定居宅介護等」という。)の事業を同一の事業所において併せて行う場合は、指定訪問介護等の事業に係る指定を受けていることをもって、指定居宅介護等の事業に係る基準を満たしているものと判断し、指定を行って差し支えないものとする。

この場合において、当該事業所に置くべきサービス提供責任者の員数は、次のいずれかに該当する員数を置くものとする。

ア 当該事業所における指定訪問介護等及び指定居宅介護等の利用者数の合計数に応じて必要とされる員数以上(平成25年3月末日までの間において、当該事業所が介護保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第30号)の規定による改正前の基準により指定訪問介護等のサービス提供責任者の必要となる員数を計算している場合については、「利用者数」を「サービス提供時間数又は従業者の数」と読み替える。)

指定重度訪問介護については、@のアのaの基準を適用し、員数を算出するものとする。

イ 指定訪問介護等と指定居宅介護等のそれぞれの基準により必要とされる員数以上

なお、指定居宅介護等のサービス提供責任者と指定訪問介護等のサービス提供責任者を兼務することは差し支えない。

【解説】

介護保険と障害のヘルパー事業所を行う際に同じ人員でいいという特例が従来はきちんと通知に掲載されていなかったので、今回載りました。

 

第三 居宅介護、重度訪問介護、同行援護及び行動援護

└1 人員に関する基準

└(8) 人員の特例要件について

└A 移動支援事業との兼務について (p29

サービス提供責任者は、(2)のAに定めるものであって、専ら指定居宅介護事業に従事するものをもって充てなければならない。ただし、利用者に対する指定居宅介護の提供に支障がない場合は、同一の敷地内にある移動支援事業(法第5条第25号に規定する移動支援事業をいう。以下同じ。)の職務に従事することができるものとする。

指定居宅介護事業者が移動支援事業を一体的に行う場合の指定居宅介護事業所に置くべきサービス提供責任者の員数は、移動支援事業を合わせた事業の規模に応じて(2)の@の基準のいずれかにより算出し、1以上で足りるものとする。

なお、指定同行援護事業者又は指定行動援護事業者が同一の敷地内に おいて移動支援事業を一体的に行う場合も同様とする。

また、指定重度訪問介護事業者が同一の敷地内において移動支援事業を一体的に行う場合のサービス提供責任者の配置の基準は、Aのイのa又はb(「指定居宅介護、指定同行援護又は指定行動援護」を「移動支援」に読み替えるものとする。)のいずれかに該当する員数を置くものとする。

【解説】

移動支援と兼務の場合も通知に載りました(今まではサービス提供責任者は専任なので、移動支援に入れないという矛盾がありました)。

 

第三 居宅介護、重度訪問介護、同行援護及び行動援護

└1 人員に関する基準

└(2) サービス提供責任者(基準第5条第2項)

└@ 配置の基準 (p18

ウ 事業の規模については、前3月の平均値を用いる。この場合、前3月の平均値は、歴月ごとの数を合算し、3で除して得た数とする。なお、新たに事業を開始し、又は再開した事業所においては、適切な方法により推定するものとする。

エ 当該指定居宅介護事業所が提供する指定居宅介護のうち、通院等乗降介助に該当するもののみを利用した者の当該月における利用者の数については、0.1人として計算すること。

【解説】

サービス提供責任者の必要員数を計算するときに、利用者数は3ヶ月平均で計算に。通院等乗降介助のみの利用者は0.1人で計算に。

 

第三 居宅介護、重度訪問介護、同行援護及び行動援護

└3 運営に関する基準

└(16) 居宅介護計画の作成等(基準第26条) (p39

サービス提供責任者の中心的な業務である居宅介護計画の作成について規定したものであり、サービス提供責任者は、指定特定相談支援事業者等が作成したサービス等利用計画を踏まえて、当該指定居宅介護事業所以外の保健医療サービス又はその他の福祉サービス等との連携も含め、居宅介護計画の原案を作成し、居宅介護計画に基づく支援を実施するものである。 ・・・

【解説】

施設入所支援の個別支援計画の作成も同じ書きぶりになっているので、相談支援を活用した施設入所者の自立支援で、この条項を以下のように活用することもできると思います。

Q. 障害者団体が入所施設の脳性まひ者Aさんを自立支援中ですが、施設が抵抗して親の意向を理由にその障害者Aさんの外出を禁止しました。どうすればいいでしょう?

A. 特定相談支援の指定を受けている近隣県の障害者団体の特定相談支援事業所に頼んで、その障害者Aさんが計画相談支援の契約を特定相談支援事業所と結べば良いです。

サービス等利用計画に、施設での大まかな支援方法(「毎週×回の外出」や「パソコンを学ぶ」など)や地域移行支援のサービスを使うことを盛り込めば良いです。入所施設は、その計画に沿って個別支援計画を作り、その計画に沿って施設職員は支援をしなくてはいけません。

権利侵害を行なっている施設の監督権限は都道府県です。市町村や都道府県と綿密に相談し、都道府県の協力も得て、都道府県による指導をちらつかせながら施設を改善していってください。

 

 

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